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公害・地球懇ニュース 2009年4月号 No.163の内容
■ 有明訴訟と泡瀬干潟が合同院内集会
■ 道路行政の抜本的転換を求める
■ コペンハーゲンが人類の未来を決める
■ 東京府中市議会で気候保護法制定の意見書採択
■ 第34回公害被害者総行動デー
■ JNEP情報 公害・地球懇活動日誌
諫早湾の潮受け堤防の早期開門!
泡瀬干潟の埋め立て中止を求め院内集会
3月17日、よみがえれ!有明海訴訟弁護団と沖縄県の泡瀬干潟の埋め立て中止を求めて活動する泡瀬干潟を守る連絡会が合同で、参議院会館で緊急の院内集会を開きました。佐賀県の海苔養殖漁民3人も上京し、青海苔のように色落ちした現物を示して漁民の窮状を訴えました。また、泡瀬干潟を守る会事務局長は、「裁判で公費の出費をストップする判決が出たのに、干潟の埋め立てはつづいている。この瞬間にも生きたサンゴが埋殺しになっているのです。この現状を救えるのは政治の力以外にありません」と訴えました。
この緊急集会には、自民党、民主党、共産党、社民党、無所属の議員と出席できない事情がある議員秘書あわせて21名が参加し、各議員から連帯と決意を込めたあいさつがありました。
圏央道を検証する
道路行政の抜本的転換を求める
高尾山の自然を守る市民の会事務局長 橋本良仁
◆行政に対する不信
国史跡八王子城跡と国定公園高尾山に直径10メートルの自動車専用トンネルを掘る首都圏中央連絡自動車道(圏央道)建設計画の発表は1984年8月。翌年から、都内22.5キロメートルの環境影響評価手続きが始まったが、はじめに建設ありきの建設省の姿勢に住民は不信を募らせた。
50戸足らずの小さな町会が「裏高尾圏央道反対同盟」を組織し、建設反対運動を始めたのは計画発表からわずか3ヵ月後。反対同盟の設立を機に、多くの自然保護団体も立ち上がり、羽村町や青梅市、秋川市など圏央道沿線上には次々と住民運動団体が組織され、建設反対運動は首都圏に広がった。一度決めた計画は修正することなく、強い反対の声を押し切って89年3月には都市計画決定を行った。
◆都内の渋滞緩和が目的
アセス手続きのなかで私たちが主に主張したことは、高尾山に代表される自然破壊と沿線住民の住環境破壊であった。一方、国は圏央道整備による都内と国道16号の渋滞緩和を主張した。首都圏に集中する東名、中央、関越、東北、常磐など9本の放射状高速道路を中央環状、東京外かん、圏央道の3環状高速道路で接続し、都内の通過交通を分散させようという9放射3環状の高速道路ネットワーク構想であった。
2000年に提訴した原告1300人を超える高尾山天狗裁判は、住環境被害や自然環境、生態系破壊については工事の進行で顕在化した破壊の事実で証明したが、都内や国道16号の渋滞緩和などの圏央道整備による公益性論を崩すことは、困難を極めた。
◆膨大な資料、素人集団が悪戦苦闘
道路の専門家集団(?)である国土交通省とは異なり、住民運動団体はずぶの素人集団である。数少ない良心的な研究者(協力してくれる交通論関係の研究者はほとんどいないのが現実)の協力を得て、情報開示請求で入手した膨大な資料を汗を流して調べた。
道路整備計画を行なうためには、まず10年~30年後の交通需要予測を算出しなければならない。その推計には、経済社会指標である人口、GDP、就業者数、自動車保有台数、免許保有率などのデータを基に算出する。そして、整備対象の道路が影響すると考えられる地域に、現在どの程度の交通量があり将来どの程度の交通量になるかを予測する。
交通量予測は、毎年または5~10年ごとに、人が何の目的でどのような交通手段(徒歩、自転車、鉄道、バス、自動車)で「どこから・どこへ」移動したかを、アンケート用紙を郵送して分析するパーソントリップ調査や全国を市区町村のゾーンに分割して、車がどこから・どこへ移動しているのかを調べる道路交通センサス(自動車起終点調査)などが使われる。いわば車の国勢調査である。また、現在と将来の道路ネットワーク図も必要になる。これらのデータを駆使して、それぞれの道路ごとに交通量を分配する。道路計画の全体手順を図1(「脱・道路の時代」コモンズ社 上岡直見著より)に示す。
◆費用便益分析
道路の整備効果は、費用便益分析を用いて評価する。新規事業の事業評価や都市計画決定後5年を経過して事業着手していない事業、事業着手後10年経過時で事業を継続している場合は、事業再評価を国交省内部で義務づけている。費用便益分析は、整備対象事業にかかる費用(Cost)を分母に、整備する道路で生じる車の移動時間の短縮や交通事故減少見込み分の「経済効果」などを金額に換算して得られる便益(Benefit)を分子にしてB/C比を算出し、整備効果を分析する評価法の一手法である。昨年の通常国会で野党議員の追求に対し、冬柴国交大臣は費用便益比1.2以下の道路整備は基本的に行なわないと答弁した。ちなみに圏央道八王子ジャンクション(中央道接続点)~海老名北インター(東名道接続点)27km区間のB/Cは、2.6と異常に高い。
圏央道など個別道路の整備効果の検討には、これらのデータを検証しなければならない。しかし、検証に必要なバックデータは、すべて国交省が抱え込んでいる。高尾山天狗裁判では、原告側のバックデータ開示請求に国交省は一切応ぜず、秘密主義に徹した。国交省が、うたい文句にしている「国民との合意形成を求める公共事業の推進」は、実行を伴わない嘘そのものである。イギリスなどの環境先進国が実行している積極的な情報開示を基にした国民との合意形成手続きは、行政機関の透明性、信頼性、公正性を保障するシステムとして機能している。道路整備効果の評価の考え方を図2(「脱・道路の時代」コモンズ社:上岡直見著より)に示す。
費用便益分析は、イギリスなどでも道路建設時に多数のルート選択肢から最善のルートを決める時に用いられる。ただし、高尾山などの貴重な自然を破壊する道路は、そもそも計画しない。いつでも、どこでもB/C比が1.2以上あれば整備可能とする日本の国交省のやり方は明らかに誤っている。
◆大修正した需要予測と分析マニュアル

図3 交通需要予測の変化(08年11月23日朝日より) |
国交省が2002年に作成した将来交通需要予測は、2020年頃まで右肩上がりで車需要が増え続けるものであった。その結果、需要予測曲線は実績値とは大きくズレ、誰の目にも過大な予測であった。私たち道路全国連は、総行動時の国交省道路局交渉や高尾山天狗裁判などで、この虚偽予測を厳しく追求した。ガソリン国会と言われた昨年の通常国会でも野党委員は、過大な需要予測を批判した。
追い込まれた国交省は昨年11月、予測値を大幅(13%)に下方修正した(図3参照)。さらに費用便益マニュアルも修正した。時間短縮便益算出時の重要な要素、例えば乗用車1時間あたりの時間価値原単位を62.86円→40.10円に36%あまり切り下げた。時間短縮便益は、予測される整備効果便益の大部分を占め、1/3以上の時間単位切り下げにより便益の大幅減少は必定だ。この修正に対して、専門家は「将来交通需要予測は今回の修正でもまだ過大、費用便益マニュアルは国交省のご都合主義」と批判している。
道路行政の歪みは、積年の政・官・業トライアングル構造の癒着にある。この構造は、審議会などで官僚の作文を無批判的に了承する多くの御用学者を生み出してきた。私たちは、情報を秘匿し続ける国交省の壁を打ち破り、道路行政の抜本的転換をはからなければならない。
コペンハーゲンが人類の未来を決める
4月25-26日、高野山で「地救ふぉーらむ」
地球環境と大気汚染を考える全国市民会議(CASA)専務理事 早川光俊
2℃が限度
「気温上昇幅を工業化以前(1850年頃)から2℃未満に抑えなければ、地球規模の回復不可能な環境破壊により人類の健全な生存が脅かされる可能性がある。」
これは、地球温暖化問題に取り組む、世界の環境NGOのネットワークである気候行動ネットワーク(CAN)が、2002年に発表したポジションペーパーの一節です。
2007年に発表されたIPCC第4次評価報告書は、平均気温の上昇を2℃程度に抑制するためには、世界全体のCO2排出量を、2015年までにピークから削減に向かわせ、2050年までに2000年比で50~85%削減し、とりわけ
先進国は2020年までに90年比で25~40%削減する必要があるとしています。
難航する交渉
2007年にバリで開催されたCOP13で、2013年以降の先進国の削減目標と制度枠組みについて、今年12月にコペンハーゲンで開催されるCOP15で合意することが決まりました。
昨年12月にポーランドで開催されたCOP14は、コペンハーゲンに向けて交渉の土台となるテキストと交渉スケジュールを策定することが課題でしたが、バリから一歩も前に進むことができませんでした。その原因は、日本、オーストラリアやロシアなどが自らの中期目標(2020年目標)を明らかにせず、交渉を前に進めることを妨害したからです。
主要な先進国で、中期目標を決めていないのは日本とロシアだけで、そのことが交渉の進展を妨げています。
中期目標検討委員会の6つのシナリオ
いま日本政府は、「中期目標検討委員会」を設置して、日本の中期目標の検討を進めています。しかし、検討されている6つのシナリオは、7%増加から25%削減まで様々です。
シナリオ1 既存技術の延長線上で機器・設備の効率を改善し、耐用年数で入れ替わりが進むケースで、90年比+6%。
シナリオ2 他の先進国の中期目標と限界削減費用が同等となるケースで、90年比で0~+7%。
シナリオ3 強制的な手法によらず最先端の技術の最大導入ケースで、90年比-4%。
シナリオ4 先進国全体の-25%を、各国が限界削減費用が同等になるよう削減努力を行うケースで、90年比-1%~-12%。
シナリオ5 先進国全体の-25%を、各国がGDP当たりの対策費用が同等になるよう削減努力を行うケースで、90年比-16%。
シナリオ6 先進国がそれぞれ、90年比-25%の削減義務を負うケース。
(注) 「限界削減費用」とは、温暖化ガスを追加的に1単位削減するのに必要な費用のことです。
産業界の抵抗
朝日、読売、毎日、日経の4大紙の3月17日の朝刊に、「考えてみませんか?私たちみんなの負担額」と題する一面広告が掲載されました。この広告には、日本経済団体連合会を始めとする多数の業界団体が名前を連ね、「3%削減でも一世帯あたり105万円の負担」として、中期目標達成の「コスト負担が過大になりすぎる」という誤った認識を誘導しようとしています。
この「一世帯あたり105万円の負担」というには、総合資源エネルギー調査会の最大導入ケースで「52兆円の追加費用」とされているのを世帯数で割ったものです。しかし、これは今から2020年までの累積額で、一世帯あたり1年間の負担は7万円程度です。また、この金額には「追加投資」の投資により浮くエネルギーコスト削減は入っていません。
こうした産業界や経済産業省などの抵抗により、現在の京都議定書の第1約束期間の6%の削減目標より低い削減目標になる恐れすらあります。
「地救ふぉーらむ」に参加を!
地球温暖化問題に取り組む日本のNGOは、今年4月25日(土)と26日(日)、高野山で「地救ふぉーらむin高野山」を開催します。
25日には全体会合とパネルディスカッションが行われ、日本の環境大臣やデンマークの日本大使が参加する予定です。26日午前には、以下の4つの分科会がもたれ、午後には、プロスキーヤーで冒険家の三浦雄一郎が、「地球温暖化エベレストからの警鐘」と題する特別講演を行います。
①分科会1「CHENGE
2009~温暖化ガス削減の法作りへ、高野山から踏みだそう~」。この分科会では、COP15で日本が先進的役割を果たせるよう、温暖化ガスの大幅削減に繋がる法律の制定など、国内のしくみや政治のあり方について考えます。
②分科会2「DREAM 2050~本当の豊かさへ、化石燃料を卒業した世界を考える~」。この分科会では、地球温暖化を克服した世界、そしてそこで営まれる人々の暮らしについて考えます。
③分科会3「SOUL future~持続可能な社会に繋がる心を、霊峰高野山で考える~」。この分科会では、新しい持続可能な世界を導く新しい価値観=「地救」の心や宗教の役割について、仏教・神道・キリスト教等の宗教者からお話を伺い、対話します。
④分科会4「LIFE next~海、山、そして田んぼ、温暖化と生命の源を考える~」。この分科会では、温暖化する世界で生命の源となる食をどのように確保し、次世代に受け渡してゆくか。農林水産の恵みと、その持続可能な未来について考えます。
危険な温暖化を防止することができるかどうかは、COP15で高い削減目標に合意できるかどうかにかかっています。そのために、日本政府に、高い中期目標を決めさせることが、私たち日本の市民の責務です。
この高野山での「地救ふぉーらむ」を、日本政府に高い削減目標を求める、日本の市民の強い意思を示す場にしたいと思います。
3月11日、東京・府中市議会で気候保護法制定の意見書採択
3月11日、東京・府中市議会本会議は気候保護法制定に関する意見書を満場一致で採択しました。MAKE the RULEキャンペーン実行委員会が陳情していたもの。4日には市議会建設環境委員会委員長の要請で、平田仁子事務局長が3分ほど意見陳述(補足説明)し、質問にも答え、その後即委員会採決されていました。今後の参考になるため、平田事務局長の補足説明概要と質疑応答を紹介します。(公害・地球懇幹事 高橋和枝)
【補足説明概要】
・気候保護法の制定につき意見書採択の陳情をさせていただいた。
・地球温暖化への関心が国内でも高まっている。IPCCが示すよう、気温は今後大幅に上昇すると予測され、その原因は私たちが排出したCO2などであるとされる。その中で、排出の少ない低炭素社会を築いていかなければならないが、日本は京都議定書の6%削減も危うく、その道筋を描けていない。
・今、中長期の道筋をしっかり定めた法律が必要であり、そこに2020年30%削減、2050年80%削減という具体的な数値目標と、削減する人ががんばる仕組みを位置づけることが大変重要。
・大きな変化を起こすためには、政治の力が必要であり、ぜひ府中市議会でも意見書採択を通じてお力添えをいただきたい。
【議員からの質問と回答】
Q1:CO2が温暖化の原因という根拠はあるのか?
A1:人間が排出した温室効果ガスが原因で今の温暖化が起こっていることをIPCCは95%の確率で断定していることが、最大の根拠。大気は実験室で再現できず、100%の確率で断定することは永遠に不可能である中、IPCCは懐疑論も含めて検討して現在の結論を出したことに大きな重みがあると考えている。それを根拠にいま、予測されるリスクを回避するための方策として、気候保護法を提案し、意見書提出を求めている。
Q2:なぜ高知だけがこんなに意見書がでているのか?
A2:意見書提出を進めようという活動が12月議会の段階ではまだ過渡的である中、高知に大変熱心に活動してくださる市民の方がおり、それを共有してくださる理解ある議員がいらした結果、先駆け的な動きをとっていただいたところであり、2、3月議会ではもっとたくさんの議会から意見書採択してもらえるものと思っている。
第34回公害被害者総行動デー
今年は、6月1日と2日
全国公害被害者総行動実行委員会 事務局長 中山 裕二
はじめに
昨年12月、雪の立山連峰を望む富山市の富山県民会館で実行委員会の合宿会議を行いました。イタイイタイ病裁判提訴40周年を記念するシンポジウムが同市で開催されたことにあわせて行ったものです。
合宿では今年の第34回総行動にむけて、私たちの課題を鮮明にする議論ができました。小松義久代表委員が、二日間の全日程にわたって参加され、近藤忠孝弁護士とともに貴重なアドバイスをいただき、公害被害者運動の原点、原則をあらためて学びました。
会議日程が終わってから参加者有志で清流会館を訪ねましたが、イタイイタイ病運動の歴史の重さを感じることができました。
昨年の第33回総行動後、全国の公害被害者のたたかいは休むことなく続いています。東京で大気汚染裁判をたたかった仲間は、確信を深め、医療費助成制度をひろめる運動と仲間を増やす活動に精力的に取り組んでいます。
有明のたたかいは、昨年6月27日に下された排水門開門を命じる佐賀地裁判決を勝ち取り、水俣では、洞爺湖サミットにむけた壮大な全国縦断キャラバンを成功させました。与党プロジェクトチームによる大量切捨ての「解決」策が国会上程されたこともあり、ノーモアミナマタ訴訟の原告団拡大に取り組んでいます。
道路関係では、ミシュランガイドで三ツ星に評価された自然の宝庫、高尾山のたたかいが、最高裁を舞台にすすんでいます。私は今年1月に初めて高尾山に足を踏み入れましたが、自然のもつ神々しいまでの力に圧倒されました。何としても守らなければならない宝の山であることを実感しました。
また、大阪・泉南地域でアスベスト国賠訴訟をたたかう仲間を実行委員会に迎えることができたことは、特筆すべきことです。今後アスベスト問題が全国化することは必至であり、とりわけ東京、神奈川の建設アスベストのたたかいと連携を強めていかなければなりません。
第34回総行動にむけて
先の富山合宿に引き続いて開催された1月の実行委員会では、第34回公害被害者総行動の中心課題を昨年同様、①大気のPM2.5の環境基準設定と被害者救済制度の確立、②ノーモアミナマタ訴訟の勝利と被害者の司法救済、③有明、道路など環境を破壊する無駄な公共事業を食い止める、④薬害イレッサ訴訟の勝利、⑤地球温暖化問題と確認しました。現在進行中の裁判をかかえるたたかいを中心にすえていきます。また、アスベスト被害とたたかう仲間を迎えたことにより、泉南アスベスト訴訟の勝利を目指します。首都圏でのアスベストのたたかいと結んで、事前準備の段階から協力をお願いし、総行動本番でも連帯したたたかいをすすめていきたいと思います。
6月までに情勢の激変も予想されますが、企画会議や運営委員会を適宜開催して準備を抜かりなくすすめていきたいと思います。
34回総行動は、6月1日~2日にかけて、1日夜の日比谷公会堂での総決起集会を軸に例年どおり2日間にわたって行います。
全国から病んだ体をおして上京する公害被害者の行動にみなさまの暖かいご支援を心からお願いするものです。
公害被害者救済の課題
水俣病や大気汚染公害など公害健康被害補償法で認定された患者は、年月の経過とともに激減しています。
水俣病は、幾多の判決で認定基準が批判されたにもかかわらず、環境省が基準の見直しを行わなかったからです。それどころか2004年の最高裁判決後の認定申請者の激増に対して、公健法で自ら定めている認定審査会すら機能させず、7000名の認定申請者を5年近く放置してきました。与党が国会に上程した水俣病「解決」特措法は、加害企業チッソを分社化によって免罪し、被害者を大量に切り捨てるというとんでもない法律案です。
大気汚染公害では、1988年の汚染指定地域解除以来、新たな認定患者はいなくなりました。
しかし、我が国の環境は、決して改善されていませんし、被害は続いています。水俣病では、1500人をこえる原告団で新たな裁判をたたかっていますし、診断書を添えて何らかの症状があるとして声をあげている被害者は、3万人に近づいています。大気汚染公害においても東京で切り開いた医療費助成制度を全国に広げていくことが課題となっています。薬害も合わせて、公害被害者が存在する限り、その被害を補償し救済する仕組みを作り上げ、補償を完遂させなければなりません。被害に見合った補償、救済の仕組みをどのように構築していくのかが、私たちの大きな課題です。
公害被害者運動の原点はここにありますし、私たちの団結の要です。
全国各地で国民的な課題でたたかうみなさんと団結して、私たちの運動もすすめていかなければならないと決意をあらたにしています。
公害・地球懇2009年総会のお知らせ
「ストップ温暖化」は待ったなしの課題となっています。人類の未来を決めるCOP15の国際合意にむけて日本の責任をはたすために、DVD・パンフレットを普及し学習活動をすすめながら署名運動を広げ、草の根の運動で政治を動かしましょう。
この総会を契機に、6月の第34回公害総行動から12月のCOP15にむけて、そして「持続可能な社会」への転換を求める運動をねばり強く前進させたいと考えます。総会への出席とご意見をお願い致します。
■日時 5月9日(土) 10:00~17:00
■会場 文京区民センター 2A会議室
★ 交通の便 三田線「春日駅」 丸の内線「後楽園駅」 大江戸線「後楽園」 南北線「後楽園」
JNEP情報2009年3月
◆代替フロンの漏洩発覚・計算修正で、日本の温室効果ガス排出量修正
経産省の審議会で、代替フロン類の排出量が670万トンも上方修正された。日本の2007年度の京都議定書対象温室効果ガス増加(90年比)も環境省発表の8.7%増が9.2%増に上方修正になり、6%削減目標の達成に向けて一層の追加対策と大口排出源への削減義務強化が必要になる。
これまで、代替フロンの排出量は業界発表値を追認して来た。気候ネットワークとストップフロン全国連絡会は、生産と使用を放置したまま業界自主計画と使用後の回収ですむとしてきた政策を、脱フロンに抜本転換するよう求めた。
◆中期目標に関し、産業界が「負担」広告を掲載
日本経団連などの業界団体は,「90年比3%削減の温暖化対策でも家庭1世帯あたり105万円の負担」だとして、2020年に向けた排出削減目標(中期目標)を低くするよう訴えた。環境大臣は「本気度を疑われる」とコメントした。環境NGO・WWFジャパンは、試算のもとである経産省審議会の52兆円投資とは、2020年迄の累積(10年間とすれば負担額も10分の1に)であり、投資の半分が企業分(発電所や工場やオフィスの設備投資を家庭が出す試算)、しかも投資によるエネルギーコスト削減分が含まれていない(国立環境研の試算では投資額よりエネルギーコスト削減分が多く、日本全体では対策をした方が得)と問題を指摘した。その上で、対策コストを避けるために緩い目標ですませるというなら、温暖化の悪影響のコストはいったい誰が負担するのか、と訴えた。
◆経産省が太陽光買取も含む法案
経産省は新法案で、家庭からの(企業分は除外)太陽光発電のうち、自家消費を除く「余剰電力」に限り、期間も10年に限定して電気料金の2倍で買い取る方針を発表した。
ドイツやスペインなどの制度では、自家消費を含む自然エネルギー発電量全体、家庭に限らず企業や協同組合などの設置を含み、 さらに太陽光以外の風力、バイオマス、小規模水力など自然エネルギーの電力を広く対象に含め、電力会社に高値(ドイツは法律本文に価格を規定)買取義務を定めた。経産省方針はこれより遥かに範囲が狭い。また、この法案は大半を国会にも諮らず経産省内部で決める「判断基準」で決め、電力会社の買取義務も法律の条文にない。
日弁連は、上記問題を指摘、買取の義務付けと消費者への負担の転嫁は、国民の権利義務にかかわる事柄であり、その対象再生可能エネルギー発電電力の種類、買取価格、買取期間などを、経済産業大臣が判断基準として告示する等の方式に委ねることは不適切だとコメントしている。
◆米国環境保護庁、石炭火力発電所の規制へ
環境保護庁は前政権が打ち出していた石炭火力発電所の排出規制不要との方針を見直すと発表した。近く国民から意見を募り、新政策を決める。また、これに先立ちサウスダコタ州で石炭火力の建設承認を、「大気浄化法」の要件を満たしていないとして凍結した。
公害・地球懇 活動日誌
3月3日(火) ◇薬害イレッサ裁判
4日(水) ◇水俣病緊急シンポジウム「チッソの分社化は許さない」
5日(木) ◇「MAKE the RULEキャンペーン実行委員会」と各党懇談
◇「PM2.5環境基準」を求める環境省前宣伝行動・交渉
◇薬害イレッサ定例宣伝行動(アストラゼネカ社前)
10日(火) ◇高尾山天狗裁判最高裁前定例宣伝行動
12日(木) ◇JNEP温暖化対策推進委員会(第6回)
17日(火)18日(水)◇第34回公害総行動統一オルグ
17日(火) ◇有明海再生・泡瀬干潟埋立工事中止」を求める院内集会
18日(水) ◇有明海・農水省前宣伝行動
21日(土) ◇青空の会「PM2.5問題学集会」
22日(日) ◇東京公害患者と家族の会、東京大気汚染公害裁判原告団合同総会
23日(月) ◇JNEP代表幹事懇談会
24日(火) ◇高尾山天狗裁判最高裁定例宣伝・要請行動
27日(金) ◇「MEKU the RULEキャンペーン実行委員会」の国会請願行動
◇泉南アスベスト首都圏オルグ
29日(日) ◇公害弁連総会
◇シンポジウム「新たな大気汚染公害救済制度創設をめざして」
30日(月) ◇有明海・農水省前宣伝行動・農水省申入れ行動
◇東京あおぞら連絡会理事会
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