JNEP声明
 
 
 

2016114

「パリ協定」発効を歓迎する

日本政府は脱原発・脱石炭で国内対策の抜本強化を

公害・地球環境問題懇談会

 

 昨年12月に合意した「パリ協定」は、発効要件(55ヶ国:世界の温室効果ガス排出量55%以上の国の批准)を満たし、114日発効が決定しました。

合意から1年足らずでの発効は、各国がこの問題を重視していることの表れであり、117日からモロッコのマラケシュで開催される第1回パリ協定締約国会合で運用ルール等が議論されます。

 パリ協定は、IPCCなどの科学の警告を受け止め、全体目標で産業革命前からの気温上昇が2℃を十分下回る水準にする為、努力目標として気温上昇を1.5℃未満にとどめ、今世紀後半には世界の温室効果ガスの人為的排出量を事実上ゼロにするなどを定めました。これは自然エネルギーへの転換を今世紀半ば以降に完了することを意味します。今の各国の目標のままでは全体目標は達成できません。

 私たちは「パリ協定」発効を歓迎する。各国には「いつ排出ゼロにするか」の観点で目標の設定と対策の抜本強化を求めます。締約国会議には各国の目標強化や対策に逆行する活動制限のルール化を求めます。

 日本政府は国会への批准承認案の提案が遅れ、パリ協定第1回会合には間に合いません。批准の遅れは政府の政策優先順位の低さの表れであり、すみやかな批准が求められます。

しかし、より大きな問題は国内対策の遅れです。

日本は目標を、「温室効果ガス排出を2030年に2013年比26%削減(1990年比18%削減)する」としており、先進国の中でも低く、2℃目標や今世紀後半排出ゼロにはほど遠いものです。その低い目標も大口排出源向け政策が不十分なため実効性に問題があります。

この原因は、3つあります。第1に原発再稼働と40年を超える運転期間延長を前提に、2030年の電力に占める原発割合を2022%に想定しています。第2に温暖化対策に逆行する石炭火力発電所新設計画の放置です。電力会社・ガス会社などが48基もの新設を計画、国内対策を台無しにしようとしています。第3に政策を先送りして電力・鉄鋼などの大口排出源対策は従来通り業界の自主計画に任せっきりで、政府が規制をしていません。

 さらに問題なのは、政府が石炭火力発電所の輸出を、「途上国の旧型施設より多少まし」との判断で公的金融融資を進め、大気汚染被害も拡大しようとしていることです。これでは地球温暖化対策とはまったく逆行しています。

 私たちは、政府が現行政策の抜本的転換を行い、温室効果ガス排出量を2030年に脱原発・脱石炭で1990年比4050%削減することを求めます。

 政府内では最近、原発の再稼働を進め、東京電力の分社化による存続と原発事業者救済を前提に原発事故や廃炉費用を国民に負担させる議論が始まっています。私たちが求めるのは、脱原発・脱石炭で「温室効果ガス排出ゼロ」に向けた温暖化対策強化の真剣な検討であり、その為にもエネルギー政策を抜本的に見直し、2020年予定の次期目標提出に向けて新たな結論を出すことです。