金井直子の声      
  福島原発避難者訴訟原告の金井直子さんのフェイスブックから福島の現実をお伝えしていきます。 
2017.09.09  【「仮設」打ち切り】生活困難者を生むな(9月8日)
福島民報
 東日本大震災と東京電力福島第一原発事故により川内、川俣、南相馬、葛尾、飯舘の5市町村の避難解除地域から避難する住民向け仮設住宅と借り上げ住宅の無償提供が2019(平成31)年3月末で打ち切られる。県内外合わせて3688世帯が対象となる。住む家を確保できず、路頭に迷う人を生んではならない。行政は福祉政策も総動員し、避難者の住まいと暮らしを守る責任がある。
 県は避難指示区域や避難解除地域のある9市町村からの避難者への無償提供を同年3月末まで1年間延長すると決めた。ただし、先の5市町村の一律延長は最後とする。
 第一原発周辺の富岡、大熊、双葉、浪江の4町と、葛尾、飯舘両村にある帰還困難区域からの避難者に対して同年4月以降、延長するかどうかは検討課題とした。無償提供の期限は従来、2018年3月末までとしていた。
 県は仮設住宅や借り上げ住宅を出た後の受け皿となる災害公営住宅の整備や、自宅の新築改修の状況を踏まえた処置とした。想定通りに住宅を自分で確保できる人はいい。大切なのは、家族の事情で災害公営住宅へ入居できない、あるいは自力で住宅を確保できない人への対策だ。
 心身に障害を持つ人、要介護者、難病患者、妊娠中の女性、乳幼児を持つ家庭、一人暮らしの高齢者や夫婦だけの高齢者世帯など、いわゆる社会的弱者へこそ、救いの手を差し伸べなければならない。医療や福祉の助けが必要とされるためだ。働けないため収入が少なく、経済的自立が困難な人もいるはずだ。
 こうした人たちへの対応を単なる住宅問題と捉えてはなるまい。個々の事情に応じて福祉サービスを手厚くしたり、場合によっては新たな制度づくりが必要かもしれない。避難者に寄り添った生活再建の施策充実を期待する。
 県は2018年3月末で無償提供が一足早く原則終了となる楢葉町で、町と連携して避難先を出た後の意向調査や避難先の戸別訪問などを続けている。町民の事情を聞き取って古里への帰還や恒久的な住宅確保、生活再建の支援に役立てる狙いだ。健康で働ける人への生活支援はもとより、自立困難な人を正確に把握し、支援策を講じてほしい。他市町村のモデルとなろう。
 仮設住宅と借り上げ住宅をゼロにするのが行政の仕事ではない。自立できる人も、他人の力を借りて暮らさざるを得ない人も、等しく安心して暮らせる住まいと生活環境を整えるのが復興のゴールであるべきだ。(鞍田炎)
 
2017.09.09 本日の福島民報新聞【論説】
そして再度、一昨日のNHKニュース抜粋…。
さぁ私の場合は、どうだろう…。
@私は楢葉町の勤務先が原発事故避難指示により閉鎖され、2011年4月にやむを得ず解雇された。が、夫の扶養家族として生活は出来ている。...
A夫と息子達は、双葉郡の勤務先に原発事故による影響は多くあったものの、仕事は継続出来ている。
B大熊町から避難した高齢の母も、私達家族と一緒に生活全般を過ごすことが出来ている。
C楢葉町の友人知人達と現在も交流が出来ている。
D何よりも、健康で家族が一緒に居ることが出来ている。
E避難先のいわき市にも、私達を理解し協力してくれる仲間がたくさんいる。
F現在の避難先に、当面の自宅を確保出来ている。
そうか…。同じように震災と原発事故にあった避難住民でも、私の場合は不幸中の幸い、なのかな…。そうだとしたら、こんな私でも辛く悲しく苦しい時もたくさんあるのに、少なくとも私の7つの「出来ている。」が、逆に「出来ていない。」だったら、今のような私は絶対にいない。でも現実的には「出来ていない。そう望んでも出来ない。」避難住民も数多く存在している。
震災と原発事故から6年半…。
「出来ていない人々」は、望んでも様々な事情があり出来ない人が多い。これ以上の【復興格差】を作り出してはいけない。人間の尊厳を否定してはいけない。国と東京電力は、原発事故避難生活困窮者を増やしてはいけない。何よりも、原発事故の大罪の責任をしっかりと取らなければ許されない。
 
2017.09.06  毎日新聞記事「 福島原発 周辺7町村、無職3割 正規雇用率は4割に低下」 
2015.12.18  facebookの写真 : 家の土台に書かれた落書き「原発賠償御殿 仲良くしない やりすぎ」

これは酷い…。ショックです。あえてシェアさせていただきましたが…。
酷すぎる。福島県いわき市だそうです…。本当に酷い…。
ひがみ・やっかみ・妬み…。人間の一番嫌な部分。無理解。
一体、この原因は誰のせい???
2015.9.30  本日、大熊町の実家に母と二人で一時帰宅。久しぶりに亡き父のお墓詣り。そして自宅へ。カギを開けたら、ん?なんか変?あああああ…?とうとう、やられてしまった〜!今更なんで泥棒?和室のガラスを割られて部屋を物色されている!おまけに開けっ放しの窓から小動物(たぶん、てん?)が入り込み片付けごみを食い散らかして、部屋のあちこちに糞尿が…。(涙)取り急ぎ警察に通報して双葉警察署員と捜査員が到着。現場検証が始まり終わったのが午後3時。ガイガー借りていったは良いけどメーター振り切れ状態、計測不能。母と私はグッタリしながらもスクリーニング会場へ行って本日の積算放射線量を記録。はい、10マイクロシーベルトでした。優しい警察官の方に窓に板を張って応急処置していただきました。ご存知の通り、ここは大熊町しかも中間貯蔵施設建設予定地。疲労と怒りと悲しみと虚しさがこみ上げる一日となりました…。全国の皆様へ、知っていただきたく掲載します。 
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  先日の体験を、朝日新聞の本田雅和記者がコラムに書いて下さいました。
 朝日新聞「みつばちの目」より

楢葉町からいわき市に避難している金井直子さん(50)は先月末、83才になる母親に付き添って大熊町の実家に一時帰宅した。
玄関を開けてすぐ、異変に気付いた。窓ガラスが割られ、室内が荒らされていた。震災から1、2年は避難指示区域の留守宅を狙う窃盗犯が横行したが、4年半を経て「今更何で泥棒なの?」。怒りよりも、そのすさんだ心が悲しかった。室内には小動物も侵入し、糞尿をまきちらしていた。
母は父との結婚後、東京で長く暮らした。「老後は田舎暮らしを」と、21年前に故郷にもどつてきた。2年後、金井さん一家も楢葉町に移住。海と山の自然が堪能できる環境は子育てにも最適だった。その生活の拠点が放射能、泥棒、野獣..........相次ぐ侵入者に汚された。
警察の現場検証立ち合いで3時間。積算放射線量は10マイクロシーベルト。母娘も警察官も、そして泥棒も被ばくした。
こんな話は今も毎日のように起きている。「これが原発事故なのです。」と金井さんは語る。