気候変動  
  航空業界への排出量取引制度は合法=欧州司法裁判所 
20111221
       
温室ガス規制は合法=米航空業界退ける―EU最高裁
2011年12月22日0時6分朝日新聞←時事通信
 【ブリュッセル時事】欧州連合(EU)の最高裁判所に当たる欧州司法裁判所(ルクセンブルク)は21日、EUが航空業界を対象に来年1月導入する温室効果ガス排出規制について、国際法や欧米間の協定に違反せず、合法だとの判断を示した。規制をめぐっては、米中が「一方的だ」と抗議していた。
 EUの温室ガス規制は、欧州の空港を離着陸する定期便などを運航する世界中の航空会社が対象。これを不服とする米国のユナイテッド航空や米航空輸送協会は英国の裁判所に提訴し、同裁判所が欧州司法裁に法解釈上の意見「先決裁定」を求めていた。 

航空業界への炭素排出権取引制度適用は合法=欧州司法裁判所
2011年 12月 21日 23:36
[ルクセンブルク 21日 ロイター] 欧州連合(EU)の最高裁判所に当たる欧州司法裁判所(ECJ)は21日、EUが1月1日からの導入を予定する、域内の空港を発着する全ての航空会社に炭素排出量取引制度に基づく支払いを課す措置について、法的に問題ないとの判断を示した。
同裁判所は声明で、「航空業界への炭素排出権取引制度の適用は、関係する慣習国際法もオープンスカイ協定も侵すものではない」と述べた。
EUが計画する域外の航空会社に対する炭素排出権取引制度の適用をめぐっては、世界の航空会社のほか、米国の議会と政府が強く反発していた。
この問題については、ECJのジュリアン・ココット法務官が10月、同制度はEU域外諸国の主権の侵害には当たらず、関連する国際的な取り決めとも矛盾するものではないとの見解を示しており、今回の裁判所の判断はそれに合致する。

EU 航空機CO2排出規制実施へ
12月22日 7時10分 NHK
EU=ヨーロッパ連合が、域内で離着陸する航空機に対して二酸化炭素の排出規制を来月から実施することについて、アメリカの航空会社などが国際法に違反すると訴えていた問題で、ヨーロッパ司法裁判所は21日、規制に違法性はないという判断を示し、予定どおり規制が実施されることになりました。
EUは、域内の企業などに二酸化炭素の排出枠を割り当て、枠を超えた企業にはその分の排出量を購入させる排出量取引と呼ばれる制度を導入しており、域内の空港で離着陸する航空会社に対しても来月から制度を適用する方針です。これについて、アメリカやカナダの航空会社などが、主権を侵害し国際法に違反するなどとしてヨーロッパ司法裁判所に対し訴えていました。ヨーロッパ司法裁判所は21日、EU域内の空港を利用する航空機に一律に適用されるもので、規制に違法性はないという判断を示し、規制は予定どおり来月1日から実施されることになりました。EUの規制を巡っては、アメリカのクリントン国務長官が対抗措置も辞さない姿勢を示しているほか、中国なども強く反発しています。EUで環境を担当する閣僚であるヘデゴー委員は声明を発表し、「裁判所の判断が出た以上、ヨーロッパの法律を順守するよう期待する」として、あくまで規制を実施する方針を示しました。

EU、航空機にも温暖化ガス排出規制導入 12年1月から
2011/12/22 10:48日本経済新聞
 【ブリュッセル=瀬能繁】欧州連合(EU)が2012年1月から航空機を対象に含めた温暖化ガス排出規制を導入する。EU司法裁判所が21日、米航空業界などが「国際法違反」などとしていた訴えを棄却、合法との判断を下した。
 具体的には二酸化炭素(CO2)など温暖化ガスの排出枠を設定し、その過不足を売買する排出量取引制度(EU―ETS)の対象に、欧州発着の航空機を含める。航空機の排出量規制は世界に例がなく米国や中国などが反対していた。
 EU司法裁の判決はEU規制について、欧州発着の航空機に限定したもので「領空や主権の原則に違反するものではない」と指摘。領空主権を定めたシカゴ条約や航空自由化協定とは矛盾しないとの見方を示した。ヘデゴー欧州委員(気候変動担当)は「米航空業界がEU規制を尊重すると期待している」との声明を発表した。
 航空機は温暖化ガスの主要な排出源の一つ。航空会社がEU―ETSで割り当てられた排出量を上回れば、排出枠を外部から購入する必要があり、追加負担を迫られる。クリントン米国務長官がEU側に再考を求めるなど外交問題に発展しつつあり、米国が対抗措置を講じる可能性もある。

日航・全日空、警戒強める EU排ガス規制導入、コスト増確実
2011.12.23 05:00サンケイビズ
 欧州連合(EU)が2012年1月1日からの実施を予定している航空機の温室効果ガス排出規制について、日本の航空会社が警戒感を強めている。欧州司法裁判所が21日、同規制に合法のお墨付きを与えたためだ。規制導入後は、EUの定めた温室効果ガスの排出量割り当てを上回れば、追加排出枠の購入を求められ、運賃値上げか自社負担を迫られる。欧州路線はビジネス需要が旺盛で路線拡大の動きもあり、経営戦略への影響も出てきそうだ。
 排出規制は日本を含む900以上の航空会社に適用される見通し。日本航空、全日本空輸が運航する欧州路線はロンドン、パリなどそれぞれ4路線で、国際線全体に占める割合は小さい。ただ、全日空は来年1月に羽田-フランクフルト線を新規開設するほか、日航も「需要があれば欧州路線を検討する」としている。両社とも収益力強化に向け、ビジネス客を狙った路線増設を視野に入れているだけに「(排ガス規制による)負担額がどの程度になるか分からない」(全日空)と不安を募らせる。
 両社は、低燃費の最新機材の購入や機内搭載品の軽量化、運航効率の改善などを進めているが、EU規制により、さらに「燃費効率化への投資が増えるのは確実」(アナリスト)で、業績に影響が出る恐れもある。
 一方、航空機による温室効果ガスは京都議定書の対象外。航空需要の増加に伴い排出量は増え続けており、排出削減が課題なのは間違いない。
 業界団体の定期航空協会は、排出削減の必要性に理解を示す一方、「相互に合意が得られるまでは規制の導入を猶予すべきだ」と主張。国土交通省とともにEUに働きかけを続ける方針だが、軟化を引き出せるかは不透明だ。 
  米加州、自動車CO2削減で新ルール 
20111208
       
米加州、排ガス削減で新ルール=クリーン車140万台目標
時事通信
 【ロサンゼルス8日ロイター時事】米カリフォルニア州大気資源局(ARB)は7日、車両からの温室効果ガス排出削減のための抜本的な新ルールを提案した。2025年までに同州を走行する電気自動車、プラグイン自動車、水素自動車を140万台にする計画も含まれている。
 同プログラムの導入の結果、温室ガス抑制のほか、ドライバーは燃料コストを220億ドル節減できるだろうという。
 提案は、2050年までに温室効果ガスを80%削減するという同州の野心的な計画の一環。またオバマ政権は3週間前、25年までに自動車燃費を2倍のガロン当たり54.5マイルにすると提案しており、これに続く動きだ。
 ARBは新ルールの導入について来年1月26日の会合で検討する方針だ。
 カリフォルニア州は米国最大の乗用車市場で、連邦ルールとは独立した独自の排ガス政策を採用しており、長年にわたって政策変更の実験州とみられている。同州はこれまで連邦とは別個に、より厳しい規制を導入していたが、連邦政府は同州と共同で、2017年以降の自動車モデルについて新規の温室ガス基準を立案した。新基準では16年レベルに比較して温室効果ガスを34%削減する。
 カリフォルニア州は、新たな燃料節約技術は新車のコストを約1900ドル引き上げるものの、車の使用期間全体で燃料コストを6000ドル節減できるため、十二分に相殺できるとみている。
 カリフォルニア州では、温室効果ガス全体の約40%が車両から排出されており、新規則では、蓄電池や燃料電池などで走行するゼロ排出車両(ZEW)の生産奨励を目指す。
 同州は、日産自動車の全電気型「リーフ」のようなZEW、ないしゼネラル・モーターズ(GM)の「シボレー・コルト」のようなプラグイン・ハイブリッド車(家庭用電源などから直接バッテリーに充電できるハイブリッド車)が25年までに新車の15%以上を占めるようになることを希望している。しかし、同州は、プラグイン・ハイブリッド車は暫定的な車両であり、目標達成のためには、2050年までに純粋なZEWが全体の走行車の87%のシェアを占めるようになる必要があると指摘した。
 しかし、この種のZEW車両が現在占めているシェアは市場の1%未満にすぎない。それだけに、今回のカリフォルニア州の目標は野心的だ。また同州はこれまで、ZEWの目標の下方修正を余儀なくされてきた。クリーンな車を市場に出回らせるという同州の希望に対し、車両技術が追いついてこなかったためだ。
 例えば2008年、ARBは12年から14年までの3年間の純粋なZEW台数見通しを、それまでの2万5000台から7500台に削減した。
 しかし、それ以降、自動車メーカーはバッテリー電気自動車など燃費効率のいい車両に対する投資を拡大している。
 新ルールには、自動車メーカーが燃費効率義務を上回る燃費を全車種ベースで実現した場合、ZEW導入義務を相殺できるとする免除規定を盛り込んでいる。こうしたZEW車両の大量市場導入ペースが鈍化すると事実上認めている形だ。
 しかし、「憂慮する科学者同盟」などグリーン車導入論者は、新規の義務規定は厳しいとはいえ、カリフォルニア州はZEW義務を相殺するメカニズムを自動車メーカーに提供すべきではないと主張している。[時事通信社](2011/12/09-11:29) 
  ケベック州が排出量取引 
20111216
      
ケベック州が排出量取引=議定書離脱のカナダ
2011年12月16日7時6分朝日新聞←時事通信
 【ニューヨーク時事】カナダからの報道によれば、同国ケベック州は15日、2012年に温室効果ガスの排出量取引を開始すると発表した。同国政府は先に、先進国に温室効果ガスの排出削減義務を課した京都議定書の批准国として初めて議定書からの離脱を表明したばかりだが、州レベルでは地球温暖化防止への積極的な取り組みが続く。
 AFP通信によると、排出量取引は1月から試験的に開始、2年目から本格実施する。同州は、米国、カナダの一部州が温室効果ガスの排出削減に向けて協力する「西部気候イニシアチブ(WCI)」に参加。将来的には、WCIに参加している米カリフォルニア州など、排出量取引を導入する他の州との間で取引制度をつなげる方針だ。 
  温暖化対策 25%削減の国際公約守れ 
20111223
       
温暖化対策 25%削減の国際公約守れ
琉球新報社説2011年12月23日
 国際公約違反で地球温暖化対策の明確な後退だ。
 政府・民主党は温室効果ガスの排出量を2020年までに1990年比で25%削減するとの目標を見直す方針を固めた。
 25%削減目標は、鳩山由紀夫元首相が就任直後に国連演説で表明した。簡単に「やめました」などと言えないはずだ。
 気候変動枠組み条約の第17回締約国会議(COP17)でも、日本は京都議定書の下での新たな削減義務を負うことを拒否した。今回の目標値削減と併せて日本の温暖化対策がずるずる後退することを危惧する。
 もう一度足元を見詰めたい。海面上昇など温暖化による被害を避けるには、気温の上昇幅を産業革命前のレベルから2度以内に抑えなければならない。しかし今世紀の半ばまでに、2度上昇の危機が迫っている。
 民主党の温暖化の主要政策は、排出量に応じ課税する温暖化対策税(環境税)、排出取引制度、再生エネルギーの固定価格買い取り制度だった。
 この三点セットは、地球温暖化対策基本法案に盛り込まれた、25%削減の目標を実現するための政策だ。実行されると削減効果が期待された。
 しかし、政府は国会で継続審議の地球温暖化対策基本法案から目標そのものを削除する方針だ。
 すでに三点セットは骨抜きになっている。
 産業界に抵抗の強い排出量取引の導入を見合わせた。環境税は今年10月から導入予定だったが野党の抵抗でいまだ実現せず。ようやく税制改革大綱に盛り込まれ来年10月からの導入を目指す。再生エネルギーの固定価格買い取り法だけが成立した。
 政府は福島第1原発事故で各地の原発が止まったのを理由に、25%削減見直しを主張する。だが原発がなければCO2を削減できない、というのは言い訳にすぎない。
 原発事故で、原発はリスクもコストも高いことがはっきりした。原発依存に回帰することは許されない。今求められているのは、原発に頼らない温暖化対策の戦略構築だ。
 風力や太陽光発電といった再生可能エネルギーの開発と、徹底した省エネ技術の開発を政策の柱に据えることだ。この分野を新たな成長産業として産業構造の転換を図ることこそ求められている。 
  政府「25%目標」見直しの報道 
20111222
      
 共同か時事の記事だと思いますが、他にないようです。

政府「25%目標」見直しへ 原発事故で温暖化法案から削除
中国新聞'11/12/22
 政府・民主党は「温室効果ガスの排出量を2020年までに1990年比で25%削減する」との目標を見直す方針を固めた。審議中の地球温暖化対策基本法案からもこの目標を削除して再提出する方針で、各党との折衝に入った。複数の関係者が21日、明らかにした。
 東京電力福島第1原発事故を受けて削減の有力手段としていた原発の大幅増設が困難になり「達成はどうみても不可能になった」(政府筋)との判断。新たな目標はエネルギー政策見直しと並行し来年夏までに決める。
 だが25%目標は気候変動枠組み条約の下での国際公約で、国内外から温暖化対策の後退への批判が出るのは必至。民主党内にも修正に異論がある上、目標を支持する公明党の反発も予想される。
 25%目標には産業界の反発が強く、達成手段の一つである排出量取引制度の導入が見送られた経緯もある。「20年までに原発9基を新増設する」との従来の前提も崩れ、政府は新たな目標を検討。国家戦略室のエネルギー・環境会議が進める「革新的エネルギー・環境戦略」の議論と並行し、専門家を交えて削減目標の複数の選択肢を示し「政治決断を仰ぐ」(政府筋)という。
 25%目標は09年に当時の鳩山由紀夫首相が国連演説で表明。米国や中国などが参加する新たな温暖化対策の枠組みができるのが前提条件だが、今月の南アフリカでの気候変動枠組み条約第17回締約国会議(COP17)で新枠組みが20年まで発効しない見通しとなり、「前提条件は満たされない」との声が政府部内で強まった。
 基本法案は先の臨時国会で継続審議となったが、自民党などの反対で成立のめどが立たず、環境省も「目標を削っても成立を優先する」(幹部)との立場。ただ日本は京都議定書の次の削減義務も拒否しており、国際的な批判は避けられそうにない。
  日本環境学会がCOP17声明発表 
20111222
     
 日本環境学会がCOP17(ダーバン会議)の結果を踏まえて提言を発表しました
http://jaes.sakura.ne.jp/archives/2130

2011年12月22日

提言「日本は京都議定書第二約束期間に参加し、2020年に25%以上の温室効果ガス削減を確約すべきであり、それこそが産業発展と雇用の創出、地域の自立的発展を可能にする道である

日本環境学会

 南アフリカ・ダーバンで開催された気候変動枠組条約第17回締約国会議(COP17)は、2011年12月11日未明、京都議定書の2013年からの第二約束期間を設定し先進国の目標を強化すること、2015年までに新興国なども参加する新たな議定書・法的文書・法的成果を制定すること、について合意して終了した。今回の合意には前進面もあるが、先進国の目標強化の制度改正を決められず、各国の対策強化を担保できないなどの課題が残されている。このままでは、将来世代の生存基盤が危機に陥る可能性が高く、対策強化に向けた国際合意はこれ以上の遅れを許されない。
 なお、COP17において、日本政府がとった京都議定書の延長反対と第二約束期間への不参加表明という対応はまったく不適切であり、国際的な対策強化にまったく貢献できず、日本の国際的信頼を低下させることになった。そればかりか、このような対応は今後の日本社会の持続可能な発展を阻害しかねないものである。
 日本環境学会は、日本が京都議定書第二約束期間に参加し、1990年比で2020年に25%以上の温室効果ガス削減を確約するよう、ここに提言する。以下に述べる通り、それこそが、日本に対する国際的信頼を高め、環境保全型産業の成長促進と雇用の創出、地域の自立的発展を可能にする道である。

先進国の目標強化が先決。第二約束期間反対は問題
 今回の会議では、日本政府は自らが議長国を務めた1997年のCOP3で採択された京都議定書の延長に反対し、第二約束期間に参加しないことを表明した。これは自国の削減義務を回避し、先進国としての温暖化問題への責任を放棄するものであり、日本の国際的評価を損ねるものである。今回のダーバン合意を受け、日本政府はこの方針を見直し、先進国の責任として第二約束期間に参加してより高い削減目標を掲げ、それを実現する国内法と政策措置を備えるべきである。それによって、今後の国際社会における包括的で効果的な法的枠組みを実現することに大きく貢献することができ、日本への信頼を回復し、高めることになる。

日本は25%削減目標を維持強化し、具体的裏付けある対策・政策を
 「2020年25%削減」目標は、2009年に鳩山首相(当時)が国連で表明する以前に、現政権党がマニフェストで国民に約束した政策である。従来の温暖化対策の柱は「原発依存」であったが、2011年3月の福島第一原発事故を受けて、菅首相(当時)はエネルギー政策を「脱原発依存」に転換すべきと表明したとおり、脱原発を進めながらも、省エネ対策と再生可能エネルギー普及・燃料転換を組み合わせて25%削減を実現するスタートラインに立ったところである。
 日本環境学会ではエネルギー・地球温暖化問題についての研究成果を踏まえて、これまでも提案(提言「震災復興と脱原発温暖化対策の両立を可能にするために」、2011年4月16日、など)をしてきたが、既存の最良の技術普及を適切に促進できれば、脱原発を進めながらも、省エネや再生可能エネルギーなどで2020年に25%以上の削減を達成することは十分に可能である。
 このような対策の実現には、それを促進・担保する政策が不可欠である。まず、25%以上の削減を法定目標にすべきである。また、2012年7月施行予定の「電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法」が目標達成に十分な効果を発揮するために、その制度設計に際しては再生可能エネルギー電気設備所有者が売電収入で総必要経費を補償されるようにすべきである。さらに、地球温暖化対策税(炭素税)、国内排出量取引制度、再生可能熱普及制度などの導入に向けた政策検討を早急に行うべきである。

温暖化対策が地場産業発展・雇用拡大に寄与。農山漁村地域の蘇生や震災復興にも貢献。
 日本政府や日本経団連などには温暖化対策の強化が国内産業の発展にマイナスになるとの誤解が根強いが、むしろ温暖化対策は新たな環境保全型産業発展と雇用創出につながり、さらに農山漁村地域の内発的発展や東日本での震災復興に大きく寄与する可能性が高い(「日本環境学会緊急提言:震災復興と脱原発温暖化対策の両立を可能にするために」)。
 温暖化対策を強化すれば、2020年頃にはエネルギー消費が削減されることで化石燃料輸入費を年間数兆円以上も節減でき、省エネや再生可能エネルギーへの投資によって国内経済の活性化をもたらし、数十万人の雇用を創出できるであろう。現在、世界の再生可能エネルギー産業の雇用はすでに350万人に達している(出典「世界自然エネルギー白書2011」)。温室効果ガスを22%削減しているドイツでは、再生可能エネルギー産業の雇用が37万人に増加し、日本の六大温室効果ガス排出産業(火力発電、石油精製、鉄鋼(高炉など)、化学工業(無機化学と有機素材)、セメント、製紙)や原子力産業の雇用を上回っている。今後、温暖化対策を強化することで技術開発が推進されると、自動車排ガス規制が日本の自動車産業の国際競争力を高めたように、日本の環境産業が急速に発展する。また、再生可能エネルギー普及推進政策が、資源の豊富な農山漁村地域が食糧とともにエネルギーの供給源ともなり、新たな発展をもたらすこともドイツ等の事例からも実証されている。

脱原発と震災復興、2020年温室効果ガス25%削減は同時達成可能
 将来世代が安心して暮らせる環境を残し、かつ持続可能な社会に移行する産業・雇用を発展させ、被災地や地場の産業・雇用のため、温暖化対策の抜本的強化が不可欠である。日本政府には、京都議定書への早期復帰表明、「25%削減」の法定目標化、それを担保する新たな制度の導入を求めたい。温暖化対策は地域社会の発展に結びつくことから、自治体にも、「持続可能な低炭素地域づくり」の対策・政策議論を始めることが求められる。
 政策の立案や実現には多くの知恵を結集していく必要がある。日本環境学会も積極的に協力していきたい。
  「8000億円の国富流出」という記事 
20111217
    
 以下しか読めませんが、「8000億円近い「国富」が、議定書で削減義務を負わない中国などに流出」という中身は、国内対策できなかった業界のCDMクレジット購入費のようです。CDMクレジットを買うということはそれに相当する燃料も購入し、燃料単価はCDM単価の10倍ですから、対策をしなかったために8兆円くらいの「国富」が産油国に流出したことになります。

止まるか8000億円の国富流出、COP17合意の行方
2011/12/17 7:00日本経済新聞
 世界の温暖化問題を話し合う第17回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP17)が閉幕した。今回合意に至ったのは、2012年に期限を迎える京都議定書の延長。だが日本にとって最大の成果は、日本が新たな温暖化ガス削減義務の目標値を設けない姿勢を貫いた点だ。背景には、京都議定書の制約によって8000億円近い「国富」が、議定書で削減義務を負わない中国などに流出するという深刻な問題を抱えていたことがある。
  カナダが京都議定書脱退表明 
20111213
    
脱退で京都メカニズムクレジット購入代金が節約できるとありますが、排出増ということはエネルギー浪費を続けることなので、省エネなど費用効果的な対策で議定書目標を守ればカナダが輸出できたはずの化石燃料(カナダは輸出国)を国内で浪費し、環境だけでなく経済的にも損失になっていると見ることもできます。石油単価や天然ガス単価はクレジット単価の10〜20倍のはずです。

カナダ、京都議定書脱退を正式表明 初の離脱
朝日新聞2011年12月13日11時0分
 カナダ政府が12日、先進国に温室効果ガス削減を義務づけた京都議定書から正式に脱退すると表明した。AP通信などが伝えた。京都議定書を批准した国が脱退するのは初めて。
 カナダのケント環境相が「京都議定書から脱退するための法的な手続きをとる」と語った。「(温室効果ガスの2大排出国の)中国と米国が入っていない議定書では、温暖化問題が解決できないのは明らかだ」とし、削減義務を守ろうとすれば国民生活に多大な影響が出ることなどを挙げた。
 京都議定書では、2008~12年の5年間の平均値で、削減目標を国ごとに決めている。達成できなかった場合、罰則として「次の削減義務の期間」で超過分の1.3倍の排出量が上乗せされる仕組みもある。カナダは南アフリカで開かれた気候変動枠組み条約締約国会議(COP17)で、日本やロシアと同様に13年以降に新たに設けられる削減義務の延長に参加しない方針を表明していた。
 今回カナダが取る手続きは正式な「議定書からの脱退」。今後の削減義務を負わないだけでなく、現行の義務まで放棄し、途上国支援の仕組みなどを含めた議定書のすべてから脱退する。削減義務延長は拒否したが、議定書の批准国としては残る日本とは違う。

京都議定書:カナダが脱退表明…温室ガス削減目標達成困難
毎日新聞 2011年12月13日 13時17分(最終更新 12月13日 13時35分)
 【ニューヨーク山科武司】カナダのケント環境相は12日、記者会見で京都議定書からの脱退を正式に表明した。カナダに課せられた温室効果ガス削減目標が達成困難になったことが理由で、批准国の脱退は初めて。会見でケント環境相は、削減目標を達成できなかった場合に排出権を購入する費用が140億カナダドル(約1兆600億円)に達するとしたうえで「京都議定書は過去のものとなった。我々は正式に脱退する権利を行使する」と述べた。
 京都議定書を締約したカナダは、08~12年の温室効果ガスの排出量の平均値を90年比で6%減らす必要があった。だが採掘の際に大量の二酸化炭素が発生するオイルサンドの生産量が増えたことなどにより、ハーパー現政権は、課せられた目標より低い「20年までに05年時より17%削減」との目標を掲げていた。

「カナダにとって過去のもの」京都議定書脱退へ
(2011年12月13日12時36分 読売新聞)
 【ニューヨーク=柳沢亨之】カナダからの報道によると、同国のケント環境相は12日、2012年末に期限切れとなる温室効果ガス排出削減の枠組み「京都議定書」から近く脱退すると表明した。
 京都議定書締約国の脱退は初めてとなり、11日に閉幕した国連気候変動枠組み条約第17回締約国会議(COP17)で延長が決まった京都議定書の実効性に打撃を与えそうだ。
 ケント環境相は記者会見で、脱退の理由について、中国や米国などの主要排出国に削減義務がないため、と説明。京都議定書については「カナダにとって過去のものだ」と述べた。脱退の具体的時期については明言しなかった。
 一方、脱退後の温暖化対策については「国内で排出削減に努める」と述べるにとどまった。COP17で、20年の発効方針に合意した京都議定書後の新たな法的枠組みについては「合意できるよう取り組む」とした。

カナダ、京都議定書からの脱退表明
2011/12/14 0:02日本経済新聞
 カナダ政府が12日、温暖化ガスの歳出削減を定める京都議定書から正式に脱退すると表明した。カナダの公共放送CBCなどによると、同国のケント環境相が明言した。カナダは油成分を含む砂岩「オイルサンド」からの原油生産を推進しているが、同分野での温暖化ガス排出が増えている可能性がある。世界のエネルギー開発と環境対策をどう両立するかも課題となりそうだ。
 ケント環境相は「カナダにとって京都(議定書)は過去のものだ。正式に離脱する法的権利を行使する」と述べた。
 南アフリカで開催されていた第17回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP17)では、今後の交渉を通じて、すべての主要排出国を対象とした新たな枠組みを2020年に発効する方針を打ち出したばかりだ。カナダの京都議定書からの正式脱退表明は、温暖化ガス排出規制の国際枠組みづくりの難しさを改めて浮き彫りにした。
 カナダは京都議定書を批准しており、温暖化ガスの削減義務を負っている。オイルサンドは採掘・精製の際に、他の資源に比べて二酸化炭素(CO2)の排出量が多いとされ、同国で温暖化ガスの排出量が増えている一因となっている可能性がある。ケント環境相によると、京都議定書にとどまり続ければ140億カナダドル(1兆円強)の支出が発生するが、脱退すれば避けられるという。米国や中国などの主要新興国などに排出義務が課せられていない点も問題視している。(ワシントン=御調昌邦)

カナダ 「京都」脱退表明
東京新聞2011年12月13日 夕刊
 【ニューヨーク=長田弘己】カナダ政府は十二日、先進国に温室効果ガスの排出削減を義務付けた京都議定書の目標達成が困難などとの理由で、議定書から正式に離脱することを発表した。
 南アフリカのダーバンで開かれた国連気候変動枠組み条約第十七回締約国会議(COP17)は、世界各国が京都議定書の延長で合意して十一日に閉幕したばかり。カナダの離脱表明で議定書の意義が失われ、今後の新しい国際枠組み構築への交渉に影響を与える恐れもある。締約国で脱退を表明した国はカナダが初めて。
 地元メディアなどによると、ケント環境相は記者会見で「温室効果ガスの二大排出国である米国と中国が参加しておらず、効果的ではない。気候変動に対する地球規模の解決策になっていないのは明確で、過去のものだ」と離脱理由を説明した。
 京都議定書に基づいてカナダは、温室効果ガス排出量を二〇一二年までに一九九〇年に比べて6%削減することに同意していた。
 しかし、採掘の過程で多くの二酸化炭素(CO2)を排出する新型の石油資源オイルサンドの生産量が増加し、目標達成は、事実上不可能な状況だった。
 離脱することで、排出削減を達成できなかった場合に科される最大で百四十億カナダドル(約一兆六百億円)の制裁金の支払いが避けられるという。 
  2010年経団連計画実績発表 
 20111213
   
日本経団連の発表は以下にあります。
http://www.keidanren.or.jp/japanese/policy/2011/113/index.html

京メカクレジットを除くと、2010年排出量は間接排出で1990年比9.6%減になります。
直接排出量は1990年比10%近く増加したようです。
「削減に貢献した」と書かれている業種にはCO2原単位が改善せず(省エネ法1%効率改善目標も守れず)、生産量が減っただけのところもあります。
2009年は縮小に「成功」と書かれていますが不況で生産が減ってエネルギーもCO2も減ったものです。生産減が対策であるかのような誤解を招く書き方はいかがなものかと思います。


CO2排出量:製造・エネ産業、90年度比12%減 昨年度目標クリア--経団連
毎日新聞 2011年12月14日 東京朝刊
 経団連は13日、鉄鋼、化学、自動車など製造業とエネルギー産業の10年度の二酸化炭素(CO2)排出量が1990年度比で12・3%減になったとする環境自主行動計画の実績を発表した。日本は京都議定書で08~12年度の温室効果ガスの排出量を90年度比で6%削減する目標がある。経団連はこれを08年度以降、3年連続でクリアした格好だが、11年度については「震災や原発停止の影響を把握しきれない」として、これまで示していた予測値の公表を見送った。
 経団連が集計対象とする製造業とエネルギー産業は計34業種あり、日本のCO2排出量の約44%を占める。経団連は97年から自主行動計画を定め、省エネや生産効率の改善に取り組んできた。その結果、10年度は電力会社が海外などから購入した約3・1%分の排出権を含め、12・3%の削減を達成した。業界別では、石油、電機・電子メーカーの排出量が増えたが、鉄鋼、セメント、製紙、建設などが削減に貢献した。
 経団連は90年度比で08年度は10・7%減、09年度はリーマン・ショックの影響もあり、16・7%減と大幅な縮小に成功したが、10年度は生産の回復で前年度を上回った。11年度は原発停止に伴う火力発電の稼働がCO2増加要因となるが、節電や生産の抑制などは削減要因となる。11年度の削減幅は10年度に比べ縮小するとみられる。【川口雅浩】

主要業種のCO2排出量12.3%減 経団連調査、2010年度
日本経済新聞2011/12/13 19:15
 経団連は13日、2010年度の二酸化炭素(CO2)排出量実績を発表した。産業・エネルギー関連の主要34業種で4億4347万トンと、基準となる1990年度に比べ12.3%減った。リーマン・ショックで生産が落ち込んだ09年度に比べると排出量は増えたが、省エネ設備の導入など効率化が進み、低水準に抑えることができた。

産業界のCO2排出量、2010年度は12・3%減 経団連調べ
産経新聞2011.12.13 14:37
 経団連が13日発表した環境自主行動計画の2010年度実績によると産業・エネルギー転換部門の二酸化炭素(CO2)排出量は4億4347万トンと1990年度比で12・3%減となった。生産活動の増加で5%増えたものの、省エネや効率化でCO2の排出係数が1・5%減、生産活動あたりの排出量も15・8%減となり、全体では2ケタ減となった。
 次年度は電力動向など東日本大震災の影響が不透明なため予測値は出していないが、国内外の排出権取引の活用もできるため、2008-12年度の平均排出量を1990年度比より減らすとした京都議定書の最終目標は達成可能な見通しだ。
 行動計画に参加した34業種のうち、CO2の排出量が減ったのは鉄鋼、セメント、製紙など24業種。一方、石油や電機電子などは需要増で排出量が増えた。
 ただ、これらの業界は製造工程では増えたものの省エネ製品の普及などで社会全体に及ぼす排出量は減っているという。
 経団連はまた2013年度以降の「ポスト京都議定書」の取り組みについて、省エネ技術の内外への普及に努め、引き続き世界最高水準のエネルギー効率を目指すとしている。

2011/12/15
経団連発表、34業種2010年度排出量は90年比12.3%減、前年比5.3%増
http://www.kankyo-business.jp/news2011/20111215_a.html
 日本経済団体連合会は、13日、環境自主行動計画<温暖化対策編>の2011年度フォローアップ結果をとりまとめ、2010年度のCO2排出量実績を発表した。産業・エネルギー関連部門34業種における2010年度のCO2排出量は4億4,347万tであった。2009年度比では5.3%増加、京都議定書の基準年の1990 年度比では12.3%減少となった。
 1990年度と比較して12.3%減少した要因として、1990年度から2010年度の間に、生産活動量の増加がCO2排出量の5.0%増加に寄与したが、生産活動量あたりの排出量の減少およびCO2 排出係数の減少が、それぞれCO2 排出量の15.8%、1.5%減少に寄与したと分析する。
 2009年度との比較では、生産活動量の増加およびCO2排出係数の上昇により、CO2排出量は8.1%増加したが、生産活動量あたりの排出量の減少がCO2 排出量の2.7%減少に貢献した。結果として、2010 年度のCO2 排出量は前年比5.3%の増加となったとしている。
 生産活動量あたりの排出量が減少しているのは、業種において、技術革新、省エネ設備や高効率設備の導入、燃料転換、排出エネルギーの回収利用、設備・機器に関する運用改善などの様々な取組みが着実に積み重ねられてきたことによると評価している。
 また、2010年度に目標達成のために償却されたクレジットは、34業種全体で、京都メカニズムクレジット約5,700万t(2009年度は約5,200万t、2008年度は約6,400万t償却)および国内クレジット約1.7万tで、いずれも電気事業者によるものだった。これによって電力使用に伴うCO2排出係数が改善し、電気事業者が両クレジットを償却しなかった場合と比較すると、34業種からのCO2排出量は、約1,375万t(2010年度のCO2排出量の約3.1%相当)減少した。なお、2010年度は、電気事業者以外の業種によるクレジットの償却はなかった。
 経団連は、環境自主行動計画<温暖化対策編>を策定し、「2008年度~2012年度の平均における産業・エネルギー転換部門からのCO2排出量を、1990年度レベル以下に抑制するよう努力する」という統一目標を掲げるとともに、自主行動計画に参加する各業種・企業が自らの目標を設定し、達成に向けた取り組みを行っている。また、自主行動計画においては、自らの削減努力のみでは目標達成が困難な場合、国内クレジットや京都メカニズムによるクレジットを補完的に活用することで目標を達成することを認めている。
 前述の34業種における1990年度のCO2排出量は5億584万tで、日本全体のCO2 排出量(1990年度11億4,120万t)の約44%を占めている。また、この排出量は、わが国全体の産業・エネルギー転換部門の排出量(1990年度6億1,230万t)の約83%に相当する。 
  2010年排出量速報、基準年比0.4%減 
 20111213
  
環境省の発表は以下にあります。
http://www.env.go.jp/press/press.php?serial=14564

温室ガス、3カ年平均で10.9%減=京都議定書の削減目標上回る-環境省
時事通信
 環境省は13日、2010年度の国内の温室効果ガス排出量(速報値)を公表した。二酸化炭素(CO2)換算で12億5600万トンとなり、京都議定書基準年の1990年度比で0.4%減だった。
 森林によるCO2吸収や海外からの排出枠購入などを含めると10.3%減。同議定書の対象年次である08年度からの平均では10.9%減を達成し、12年度まで年平均6%削減するという同議定書の削減目標を大幅に上回った。(2011/12/13-11:18)

温室効果ガス 3年ぶりに悪化
12月13日 12時6分 NHK
昨年度に国内で排出された二酸化炭素などの温室効果ガスは、景気の回復で産業分野のエネルギー消費が増えたことなどから、前の年より4%近く増加して、3年ぶりに悪化しました。
環境省によりますと、昨年度中に国内で排出された温室効果ガスは二酸化炭素に換算して12億5600万トンとなり、前の年より3.9%増加し、リーマンショック前の07年度以来、3年ぶりに悪化に転じました。このうち、二酸化炭素の部門別の排出量は、▽工場などの産業部門が8.5%、▽家庭部門が6.8%、▽運輸部門が0.9%、それぞれ増加しています。これについて環境省は、産業部門では製造業の生産量が2008年のリーマンショック後落ち込んでいたのが、景気の回復で増えたことや、家庭部門では夏の暑さと冬の寒さが厳しく、電力や灯油の消費が増えたことなどが影響したためと分析しています。温暖化対策を話し合う国連の会議COP17で、継続されることが決まった京都議定書で、日本は2013年以降は温室効果ガスの削減義務を負わないものの、2012年までは1990年に比べて6%の削減を約束しており、原発事故を受けて火力発電所の稼働が増えるなか、約束の達成が困難になるおそれもあります。細野環境大臣は、会見で「今後2年は、原発の問題もあり、厳しくなることは避けがたいが、国民に節電や省エネをお願いしたり、再生可能エネルギーの導入に着手したりして、目標を達成したい」と述べました。

国内温室ガス、09年度比で増 削減目標は3年連続達成
朝日新聞2011年12月13日11時57分
 環境省は13日、2010年度の国内の温室効果ガス排出量(速報値)が、前年度比3.9%増の12億5600万トンだったと発表した。製造業の生産量が回復し、厳冬・猛暑で電力消費が増えたことなどが理由だという。
 日本は京都議定書で08~12年度に90年度比6%削減を義務づけられている。その基準年である90年度の排出量と比べると、0.4%下回った。
 国内での削減分に加え、政府が海外から購入した排出枠、森林吸収分などを削減量として計算上繰り入れると、10年度の排出量は90年度比10.3%減となる。同様の計算をすると、京都議定書の削減義務がスタートした08年度は8.8%減、09年度は13.6%減となり、3年連続で京都議定書の目標を達成したことになる。

温室効果ガス:昨年度、排出3.9%増 排出権ルール活用、90年度比10.3%減
毎日新聞 2011年12月13日 東京夕刊
 環境省は13日、10年度の国内の温室効果ガス総排出量(速報値)が、09年度比3・9%増の12億5600万トン(二酸化炭素=CO2=換算)だったと発表した。08年のリーマン・ショックで景気が悪化し、2年連続で減少していたが、景気回復に伴い製造業などの排出量が増加し、猛暑や厳冬で電力消費量が増えたためと分析している。
 日本は京都議定書で、08~12年度の年平均排出量を90年度比6%削減する義務がある。10年度の排出量は90年度比0・4%減だが、森林のCO2吸収量や海外から購入した排出権を削減分とみなすルールを活用すると、90年度比10・3%減。08~10年度の年平均排出量は90年度比10・9%減になるとしている。
 ただし、東京電力福島第1原発事故の影響で、多くの原発は定期検査後も再稼働の見通しが立っておらず、11年度は排出量が大幅に増える可能性もある。環境省の試算によると、国内の原発をすべて火力発電に置き換えると、排出量は90年度比で年15%増える。同省は「削減目標達成には、ギリギリかもしれないが、最大限努力を続けていくことが必要だ」としている。【藤野基文】

日本の温室効果ガス排出量、前年度比3・9%増
(2011年12月13日11時15分 読売新聞)
 環境省は13日、2010年度の日本の温室効果ガス排出量(速報値)が、前年度比3・9%増の12億5600万トンだったと発表した。
 猛暑や厳冬、08年のリーマン・ショックからの景気回復傾向などでエネルギー消費量が増えたためとみられる。京都議定書の基準年(1990年度)比では、0・4%減だった。
 議定書で、日本は08~12年度の排出量を90年度比で平均6%削減しなくてはならないため、今回の排出量だけでは目標を達成できない。しかし海外から購入する排出枠を削減分に算入するなど議定書独自の制度を使えるため、10年度分は最終的に90年度比10・3%減になるという。8~10年度の平均も10・9%減で、目標達成には余裕がある。

国内の温暖化ガス排出量、3年ぶり増加 10年度
3.9%増、生産持ち直しや猛暑で
2011/12/13 11:14日本経済新聞
 環境省は13日、2010年度の国内温暖化ガス排出量(速報値)が12億5600万トンと、09年度に比べて3.9%増え、3年ぶりに増加に転じたと発表した。08年秋のリーマン・ショック後に落ち込んだ生産が持ち直したほか、猛暑により電力消費が増えたことなどが原因とみている。
 海外からの排出枠購入分と森林吸収分を差し引くと、10年度の温暖化ガス排出量は、京都議定書の基準年である1990年と比べ10.3%減少した。議定書で日本は08~12年の排出量を年平均で90年比6%減らす義務を負う。
 主要な温暖化ガスである化石燃料由来の二酸化炭素(CO2)の排出量は工場などの産業部門では生産回復に伴い、09年度比で8.5%増えた。自動車などの運輸部門も0.9%増加。家庭部門は猛暑や厳冬の影響から6.8%増となった。
 90年との比較では、産業部門は12.7%減ったものの、業務部門は事務所の延べ床面積拡大などで31.9%増え、家庭部門は世帯数の増加などを背景に35.5%増えた。
 11年度の温暖化ガス排出量見通しについて環境省は「原子力発電所事故の影響など増える要因もあるが、節電など減る要因もあり現時点では予測できない」としている。

昨年度の温室効果ガス排出量、3・9%増加 京都議定書の目標達成微妙
2011.12.13 11:01産経新聞
 環境省は13日、平成22年度の国内の温室効果ガス排出量が21年度比で3・9%増加し、二酸化炭素換算で12億5600万トンだったとする速報値を発表した。温室効果ガスの削減目標を定めた京都議定書の達成(2年度比で6%減)は微妙とみられる。
 20年のリーマン・ショックからの景気回復で、産業部門の排出量が21年度比8・5%増加、猛暑厳冬で家庭部門でも同年度比6・8%増加したことが原因。3月に発生した東日本大震災による影響は、22年度分では少なかった。
 京都議定書の6%減の目標を達成するため、政府は森林吸収や海外からの排出枠購入を合わせた5・4%分を削減量に算入する方針。しかし、大震災による原発停止の影響で火力発電からの排出量が2年度比で年間15-16%の増加が見込まれ、目標達成は予断を許さない。

10年度温室ガス排出、90年比で微減 
2011/12/14電気新聞
 環境省は13日、2010年度の国内温室効果ガス排出量(速報値)を発表した。08年10月の金融危機からの景気回復による産業部門の排出量増加や、猛暑厳冬で電力消費が増えたことなどから、総排出量は前年度比3.9%増の12億5600万トンとなった。京都議定書の基準年(1990年)比では、0.4%の微減。森林吸収量や京都メカニズムを反映すると、同10.3%減、08年度からの3カ年平均では同10.9%減だった。
 京都議定書第1約束期間(08~12年)で日本の削減義務量は90年比6%減と、3年連続で目標を達成。だが、東日本大震災により原子力発電所の稼働が停止していることに加え、電力会社からのクレジット移転も期待できなくなったため、今年度以降は排出量が大きく増える可能性がある。

京都議定書:08~12年度、平均6%温室ガス削減厳しい--細野環境相
毎日新聞 2011年12月13日 東京夕刊
 細野豪志環境相は13日の閣議後記者会見で、京都議定書で日本に義務づけられた温室効果ガスの削減目標(08~12年度の平均で90年度比6%削減)達成について、「問題は11、12年度の2カ年。特に原発(停止)の問題もあり非常に厳しくなる」との見方を示した。その上で「国民に節電や省エネをお願いすること、再生可能エネルギーの導入に早急に着手し、結果を出すよう努力する」と述べた。

原発停止で「京都」達成に暗雲 25%削減も画餅 温室ガス3年ぶり増
2011.12.13 22:08産経新聞
 環境省は13日、2010(平成22)年度の国内の温室効果ガス排出量が二酸化炭素(CO2)換算で前年度比3・9%増の12億5600万トンになったと発表した。リーマン・ショック後の景気悪化で2年連続で減少していたが、3年ぶりに増加に転じた。12年を期限とする京都議定書で日本は1990年度比6%削減の義務を負っているが、海外から購入した排出枠や森林吸収分を含めると90年度比10・3%減になり、目標をクリアした。ただ、11、12年度は東京電力福島第1原発事故に伴う原発停止の影響で、排出量が大幅に増える恐れがあり、達成に暗雲が漂う。
 また日本は国連気候変動枠組み条約第17回締約国会議(COP17)で延長が決まった京都議定書の削減義務に参加せず、自主的な削減に取り組むが、「脱原発」を進めながら排出量を着実に減らしていくのは難しい。鳩山由紀夫元首相が打ち出した「20年までに90年比25%削減」の目標も、絵に描いた餅にすぎない。
 10年度は、景気回復に伴う生産活動の活発化で産業部門が前年度比8・5%増、猛暑厳冬による冷暖房需要の増大で家庭部門も6・8%増となった。排出枠の購入で目標をクリアしたが、実際の排出量は90年度比0・4%減と、ほとんど減っていない。
 問題は、定期検査を終えた原発の再稼働のめどがたたない11、12年度だ。環境省では、全原発が停止しすべて火力発電で代替すると年間排出量は90年度比15~16%増えると試算する。目標達成には、排出枠の大幅な拡大が避けられず、産業界は「企業の負担が重くなるばかりだ」(財界首脳)と悲鳴を上げる。
 多額の排出枠を購入してきた電力業界は、原発停止が経営を圧迫しており、業界としての中期目標達成は厳しい状況だ。
 さらに政府は原発事故を受けたエネルギー政策の見直しで、原発依存度の引き下げを打ち出している。鳩山元首相が国連演説で国際公約とした25%削減の目標は、「達成できると考えている人間は誰もいない」(経済官庁幹部)。産業界も撤回を強く求めているが、政府はCOP17で撤回に触れなかった。
 13年以降の自主的な削減で、産業界と政府の足並みが乱れ、排出量が増大するような事態になれば、「環境先進国」としての日本の信頼は失墜する。現実的な新たな目標設定が急務だ。
  cop17社説 
 20111213
    
 第二約束期間に加わるよう主張するものを前にいれています。離脱をやむをえないとしている所も読売日経産経などいくつかあります。
25%削減目標を守るよう主張している社説も多数あり、目標を下げるよう主張しているのは読売と産経だけのようです。


COP17閉幕  日本「京都」捨てるのか
京都新聞社説 2011年12月13日掲載
 希望が見えたと言うより、首の皮一枚つながったと言うべきか。
 地球温暖化防止に向け南アフリカで開かれていた国連の気候変動枠組み条約第17回締約国会議(COP17)が閉幕した。
 会期を2日も延長する激しい交渉の末、2020年に全ての国が参加する国際的枠組みを発効させ、京都議定書の「第2約束期間」を設けて継続させることになった。
 各国の利害が複雑に絡む難交渉を決裂させず、議定書の第1約束期間が切れる13年以降の温暖化対策の「空白期間」をつくらなかったことは歓迎したい。
 しかし、当初期待された結果からは程遠い。遅々とした交渉ペースと進まない対策で温暖化を防げるのか、危惧(きぐ)する。
 交渉の焦点だった議定書に代わる新枠組みについては、温室効果ガスの二大排出国である米国と中国を含めた全締約国の参加を前提に、15年までの採択を目指す。しかし、その輪郭は描けていない。
 新しい枠組みは、京都議定書のように明確な排出削減の数値目標を掲げ、法的拘束力を持つ強い規約であるべきだ。しかし米中は削減の義務付けを嫌っており、今後の交渉次第では新枠組みは骨抜きになる恐れがある。
 最近の国民1人当たり排出量をみると、韓国やイスラエルは日本を上回り、中国も南欧諸国に肩を並べている。温暖化防止のためには、こうした先進国以外の国も相応の削減義務を負うべきだが、最も責任の大きい米国が参加しないことには説得力も実効性も欠く。
 日本はそのための外交努力を傾けるべきだ。京都議定書に引き続き参加し、率先垂範することで発言は重みを持つはずだ。
 継続が決まった京都議定書については、来年のCOP18で第2約束期間の年限や各国の削減数値目標を決める。不参加の場合、日本はこうした議論に加われないことになる。それでいいのだろうか。
 野田佳彦首相はCOP17を受け「気候変動問題に取り組む姿勢は変わらない」とコメントした。ならば京都議定書に踏みとどまり、国際公約である「20年までに25%削減」を目指すべきではないか。
 もし第2約束期間に参加せず、自主的な温暖化対策を進めるにしても、政府は25%削減をやり遂げる決意を貫くべきだ。でなければ、日本は温暖化対策から逃げたくて議定書を離脱したとみられ、国際的な信用を失ってしまう。
 COP17では、温暖化の被害が顕在化しつつある途上国が強い危機感を表す一方、先進国に後ろ向きの姿勢が目立った。目先の経済的利害に拘泥し、健全な地球環境を次世代に引き継ぐ責務をないがしろにしてはならない。京滋からも声を上げていこう。

COP17と日本 疑問残る「京都」不参加
中国新聞社説11/12/13
 地球温暖化の防止へと望みをつないだと言えるだろう。会期を2日間延長した気候変動枠組み条約の第17回締約国会議(COP17)が閉幕した。
 難産の末、全ての国が参加する温室効果ガス削減の新たな枠組みづくりで合意した意義は大きい。
 先進国の削減目標を定めた京都議定書は2013年以降も継続することが決まった。だが、こちらは後退した印象が否めない。日本はカナダ、ロシアとともに不参加を表明しているからだ。
 温暖化は待ったなしの状況であり、取り組みを加速させねばならない。もとより日本は、京都議定書をまとめたCOP3の議長国だった。今回も率先して行動し、各国間の調整を図るリーダーシップが期待されていたはずだ。
 ところが今回、日本の存在感は薄かった。当初から京都議定書の延長に反対しただけでなく、延長されても参加しない姿勢を貫いた。国内の産業界の意向には沿うだろうが、疑問が残る対応と言わざるを得ない。
 議定書は今のところ法的拘束力のある唯一の枠組みだ。ただ温室効果ガスの排出量で世界1位の中国や2位の米国は参加していない。これに日本も不参加となれば、各国の削減意欲をさらに低下させ、国際ルールとしての形骸化も招きかねない。
 日本は先進国の一員として、京都議定書の枠内にとどまったうえで、新たな枠組みを主張すべきではなかったか。
 議定書継続の期間が決まらなかったのも気掛かりだ。短期間にとどまれば、目標通り20年に新たな枠組みが発効しても、「空白期間」が生じてしまう。
 今回の会議は、ほとんど実質交渉に絡まない日本を尻目に、欧州連合(EU)が論議を主導したようだ。米国や中国は新たな枠組みへの参加を表明し、最後まで難色を示したインドも歩み寄った。
 新枠組みの交渉は12年から始まる。実効性を高めるためには、強い法的拘束力と高い削減目標を持たせられるかが鍵となるだろう。日本は交渉に積極参加し、存在感を示してもらいたい。
 国際社会はいま、原発事故があった日本の温室効果ガス排出量の行方を注意深く見守っている。その意味で、会議で演説した細野豪志環境相が将来的な削減目標に触れず、閉幕を待たずに帰国したのは残念というほかない。
 会期中、環境保護団体が温暖化に後ろ向きな国に贈る「化石賞」の発表があった。日本は米国に次ぐ2位。何とも不名誉な受賞は、発言力が低下した日本の環境外交に対する失望の表れでもあろう。
 このまま京都議定書の継続に参加しなければ、日本は13年から、ルールに拘束されない空白期間に入る。自主的に削減は進めると政府はいうが、どんな国内対策を講じるのか。
 具体的な目標数値や方策を示さない限り、失われた国際社会の信頼は取り戻せない。

愛媛新聞社説2011年12月13日(火)
COP17閉幕 説得力欠いた日本の消極姿勢
 地球温暖化対策を話し合う南アフリカ・ダーバンでの気候変動枠組み条約第17回締約国会議(COP17)は、2日間の協議延長の末、2020年に全ての国による新たな法的枠組みを開始することで合意した。
 ポスト京都議定書となる新枠組みの工程表では、内容や削減目標を決める特別作業部会を設置して来年に交渉を開始。法的拘束力を持つ議定書などの形で15年までに採択し、20年の発効を目指す。
 先進国に温室効果ガス削減を義務付けた京都議定書は、とりあえず13年以降も「第2約束期間」を設けることで継続が決まった。
 議定書で排出削減目標を義務付けた期限を来年に控え、懸念されていた対策の「空白期間」はひとまず回避の道筋を付けることができた。
 何より、世界の排出量の4割を占める米国と中国の二大排出国を取り込んだ法的枠組みの構築に向け、一歩を踏み出したことは評価できる。
 ただ、細部を詰める今後の交渉が合意通りに進むかは、全く見通せない。米大統領選や欧州債務危機など、それぞれがお国事情を抱える中で楽観視できないのが実情だ。
 新枠組みは実効性を持たせる上で、どこまで法的拘束力を備えることができるか大きな課題となろう。
 また、議定書の第2約束期間について、合意では17年までの5年間とする案と、さらに延ばす案の併記にとどまったのも気掛かりだ。
 この先なお厳しい交渉が予想される中、空白期間をつくらず新枠組みの発効につなげるには関係国の歩み寄りが欠かせない。
 今回の交渉では、とりわけ欧州連合(EU)のけん引ぶりが目を引いた。
 EUは新枠組みを20年までにつくるよう主張する一方、その工程表の各国合意を条件に議定書の次の削減目標を受け入れる戦略を取った。自らの提案が合意の下敷きになったことで、その存在感を示したと言える。
 それだけに日本の消極姿勢が際立った。議定書の下での新たな削減義務を拒み、新枠組み創設を主張するだけで、閣僚会合でも25%削減の中期目標には触れずじまい。合意の道を探る努力をするでもなく、交渉から置き去りとなった現実が浮き彫りとなった。
 にもかかわらず、「大きな成果を得ることができた」と自負するかのような野田佳彦首相の姿勢は説得力に欠けると言わざるを得ない。
 議定書に13年以降加わらない日本は、国際社会から温暖化対策の自主的取り組みを問われることになる。そのためにも成長一辺倒の経済や大量消費社会を志向し続けるのか、国民一人一人があらためて問い直さねばならない。

COP17―日本も削減努力怠るな
朝日新聞社説2011年12月13日(火)付
 南アフリカのダーバンで開かれた気候変動枠組み条約締約国会議(COP17)で、京都議定書の延長と、温室効果ガス削減の新たな体制をつくることを盛り込んだ「ダーバン合意」が採択された。
 来年で第1期が終わる京都議定書は、第2期を設ける。期間は5年か8年とし、来年のCOP18で決める。
 新体制は、いま削減義務をもたない米国や中国を含め、「すべての国が入る法的な枠組み」とする。2015年までに採択し、20年以降の発効をめざす。京都議定書の第2期は、その移行期間に位置づけ、将来は統一することを想定している。
 新たな体制下で削減をどう義務づけるかなど、規制の内容は今後の交渉に委ねられた。
 ただ、会議前は「議定書第2期も、新たな枠組みも難しい」という悲観的な見方が強かったのを考えれば、大きな成果だ。世界の温暖化対策が水泡に帰すギリギリのところで、国際協調が成立したといえる。
 一方で、日本はカナダ、ロシアとともに第2期への不参加を決めた。議定書で削減義務をもつ国の温室効果ガス排出量は世界の16%ほどに減り、この点では議定書の形骸化が進む。
 日本政府は第2期への不参加について、「今の議定書は一部の国にしか削減義務がなく、不公平」と説明していた。
 指摘は正しいが、議定書から逃げれば済むものではない。日本は今後、議定書を生み、そこから抜けた国として、温暖化対策が厳しく問われる。
 日本は実効性ある枠組みづくりに力を注ぐべきだ。中国、米国、インドなどの排出大国にきちんと削減義務を課す仕組みを作っていかねばならない。
 海岸浸食や異常気象による農業被害に悩む途上国への支援も積極的に進める。
 なにより大事なのは、国内の対策だ。日本は議定書の「90年比6%削減」という義務にもとづき、受け身で国内のエネルギー計画を作ってきた。多くの自治体もそれにならってきた。停滞している国内対策が、削減義務がなくなることで一段とおろそかになる懸念がある。
 政府が排出削減で期待していた原発に頼れなくなった今、自然エネルギーの拡大や環境税の導入など、新たなエネルギー政策を早く構築して実行に移す必要がある。
 「京都」の名を冠した議定書を日本人の多くは誇りに思ってきた。生活に根付いた議定書の精神を生かし、排出削減の努力を続けなければならない。

毎日新聞社説:COP17 新枠組み作りを急ごう
毎日新聞 2011年12月11日 東京朝刊
 来年末で期限が切れる京都議定書の先にどのような温暖化対策の枠組みを構築していくか。
 南アフリカ・ダーバンでの「国連気候変動枠組み条約第17回締約国会議(COP17)」は、最後まで各国の主張がぶつかり、国際ルール作りの難しさと温暖化対策への機運の弱まりを見せつけた。
 世界的な経済の悪化、主要国が選挙を来年に控えていることなど合意が困難な状況にあるのは確かだ。しかし、温暖化対策に猶予はない。
 できるだけ早く次の国際的枠組みを構築し、温室効果ガスの地球規模の削減が進められるよう、各国が最大限の努力を尽くすべきだ。
 焦点のひとつだった京都議定書の第2約束期間は今や形骸化している。議定書のもとでは先進国だけが削減義務を負う。世界最大の排出国となった中国や、議定書から離脱した米国は義務を負っていない。
 さらに、日本、カナダ、ロシアは今回、第2約束期間に削減目標を盛り込むことを拒否した。削減義務の受け入れを表明したのは欧州連合(EU)などに限られた。
 京都後の体制の弱体化は問題だが、地球規模の実質的削減を考えれば、すべての主要国が参加する新たな枠組み作りに力を注ぐ方がいいだろう。その際には、京都議定書が果たしてきた役割と弱点を検証し、次に生かしていくことが欠かせない。
 ダーバンでは新枠組みの開始時期をめぐり議論が紛糾した。早めの開始を求める日本やEUに対し、米国や中国は20年以降の開始を求めた。
 いずれにしても新枠組み開始の遅れは高いツケとなって私たちに返ってくる恐れがある。国連の専門機関の分析では産業革命前に比べて気温が2度以上上がると地球は干ばつなどの深刻な悪影響を被る。
 削減の対応が後手に回れば回るほど事態は深刻になる。それぞれの国の思惑はあるにしても、地球の温暖化を防ぐという共通の目標にもう一度立ち返るべきだ。
 新枠組みができるまでの間も手をこまねいているわけにはいかない。日本も第2約束期間による削減義務を拒否するだけでは無責任だ。新枠組みまでの移行期間にも、国内外の削減に最大限の力を尽くす必要がある。
 日本の省エネ技術を途上国の温室効果ガス削減に結びつける仕組み作りは積極的に進めたい。その際には、削減の実効性をきちんと検証することが重要だ。
 新しい国際ルール作りにおける発言力を高めるためには、国内での削減にも積極的に取り組む必要がある。来年から始まる再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度なども利用し、着実に進めたい。

京都議定書延長 自主削減はやむを得ない道だ
(12月14日付・読売社説)
 中国や米国も加わる新たな国際ルールを作ることになったのは一定の前進だ。だが、具体的な中身は不透明である。
 南アフリカで開かれた国連の気候変動枠組み条約第17回締約国会議(COP17)は、かろうじて決裂を回避し、「ダーバン合意」を採択した。
 温室効果ガスの排出量を削減するための京都議定書を当面、延長し、新ルールを2020年に発効させるという内容だ。
 排出削減の具体的議論になると、各国の利害が激しくぶつかり合った。欧州金融危機の中で開かれたCOP17は、来年末に期限切れとなる京都議定書に代わる枠組み作りの難しさを改めて浮き彫りにしたと言えよう。
 日本政府は、先進国のみに排出削減を義務付けた京都議定書の単純延長に一貫して反対した。
 世界最大排出国の中国、3位のインドは削減義務を負っていない。2位の米国も議定書を離脱し、削減の対象外になった。その延長は公平性、実効性を欠く。日本の主張は理にかなっている。
 だが、これまで通り削減義務を負いたくない新興国や途上国が延長を強く支持し、それに押し切られる結果となった。延長幅は、13年から17年までの5年間、あるいは20年までの8年間となる。
 日本とともに京都議定書の延長に反対したカナダは12日、議定書からの脱退を表明した。
 日本は議定書の枠内にとどまるが、延長期間中の削減義務を受け入れず、自主的な排出削減に取り組む。欠陥の多いルールにはもはや与しない意思表示と言える。国益上、やむを得ない選択だ。
 ただし、引き続き、官民連携による省エネルギーの推進などに努める必要がある。
 日本は、鳩山元首相が掲げた「20年までに1990年比25%削減」という削減目標も撤回すべきだ。現実的な数値を速やかに再検討しなければならない。
 一方、今回、新ルールがまとまらなかったことで、米中印の3大排出国が何ら削減義務を負わない異常な状況が20年まで続くのは問題だ。世界全体の排出量の半分を占める3か国には、積極的な削減努力が求められよう。
 COPは今後、新たな枠組みの内容について議論を進め、15年までの採択を目指す。
 京都議定書の教訓を生かし、米中印、日本、欧州連合(EU)など、すべての主要排出国が応分の責任を負う公平なルールにすることが極めて重要だ。

新枠組みで米中の高い目標取りつけよ
日本経済新聞社説2011/12/13付
 南アフリカで開かれた第17回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP17)は、2020年にすべての主要国が加わる温暖化ガス削減の新しい枠組みを発効させることで合意した。12年末に期限が切れる京都議定書は、新枠組みができるまで当面延長する。
 今の京都議定書では世界の温暖化ガス排出量の1~3位を占める中国、米国、インドが義務を負っていない。米中などが新枠組みへの参加を約束したことで、京都議定書を発展させ、公平で実効性の高い温暖化対策への足がかりになる。それ自体は大きな成果だ。
 すべての主要国が加わる新枠組みは本来なら2年前、デンマークで開いたCOP15で合意するはずだった。経済への悪影響を懸念する米国や先進国並みの義務を嫌う中国などの思惑がぶつかり、全締約国の合意を前提とする国連方式の決め方も足かせになって、合意がここまで遅れたのは残念だ。
 地球温暖化はいや応なしに進んでいる。一刻でも早く温暖化ガスを減らさないと、干ばつや洪水などの気象災害は増すばかりだ。
 来年から始まる新枠組みの交渉では、米中印などから排出削減の明確な約束を取り付けることが重要な課題になる。50年までに世界の排出量を半減させることが、主要国首脳会議などで重ねて合意している目標だ。これに道筋をつける中身にしなければならない。
 日本は各国と連携し、省エネ技術の海外移転を促す「2国間クレジット」の拡大など、実効性のある仕組みを早く実現すべきだ。
 京都議定書の延長は、新枠組みまで空白期が生じないように欧州などが求めていた。日本やカナダなどは延長しても削減目標を約束しないと表明した。仮に日本が加わっても議定書では世界の排出量の2割強しかカバーせず、地球規模での削減には実効性が乏しい。日本の不参加はやむを得ない。
 日本は議定書上の約束がないからといって、温暖化ガス削減の手綱を緩めてはならない。細野豪志環境相は南アフリカで「温暖化対策への日本の熱意は変わらない」と述べた。この言葉通り、国内で高い削減目標を定め、社会や産業の低炭素化を進めるべきだ。
 それには省エネや自然エネルギーの利用を目いっぱい強めなければならない。温暖化ガス削減の道のりは険しいが、「ポスト京都」に早く適応することは産業競争力の強化にもつながるはずだ。

COP17閉幕 25%削減の公約は撤回を
産経新聞主張2011.12.13 02:49
 2013年以降の地球温暖化防止策について協議するため、世界の約190カ国が南アフリカのダーバンに集った国連気候変動枠組み条約第17回締約国会議(COP17)が閉幕した。
 温室効果ガス排出削減割り当てを定めた京都議定書の第1約束期間は来年末に期限が切れる。にもかかわらず、米中など主要排出国が加わる新たな枠組みによる本格的な削減の実現が2020年以降に遠のいたのは残念だ。
 中国に代表される新興国などがこれまで免除されてきた削減義務を新たに負うことを嫌ったためだ。地球環境問題は改善されず、理想からは遠い結果である。
 加えて、京都議定書の体制を13年以降も継続させることが決まってしまった。この措置は、世界の上位3カ国の中国、米国、インドが今後も大量排出を続けることを容認したもので、おかしい。
 新たな枠組みの早期確立を目指す日本は、会議を通じて京都議定書体制の継続論に反対したが、数でまさる新興国や途上国に押し切られた。日本は、延長された13年以降の京都議定書体制には参加せず、独自の削減努力を続ける方針を会議で表明済みだ。現実を直視した妥当な判断である。
 カナダとロシアも賛同しており、日本と歩調を合わせる見通しだ。この数年間、膠着(こうちゃく)状態に陥っていた温暖化問題の打開に可能性の光がさし込んだといえよう。
 日本は省エネ技術で世界のトップランナーである。産業界は独自の自主行動計画で温室効果ガスの削減を不言実行で進めてきた。
 COP17での決断を機に13年以降を火力発電所の改修など日本主導で途上国の省エネを推進する期間としたい。先進国と途上国間で個別に支援と排出削減を効率的に行う2国間取引の普及である。
 日本は王道を進むわけだが、「温暖化問題に後ろ向き」との誤解を受けないよう、世界に向けた積極的アピールが欠かせない。
 また、もうひとつ必要なことがある。「鳩山公約」の撤回だ。09年に当時の鳩山由紀夫首相が「20年までに1990年比で25%削減を目指す」と国連で演説したことに伴う目標値だ。
 これは東日本大震災と原発の停止によって非現実化している。世界に揚げ足を取られることのないよう、今の日本の身の丈に合った目標値への是正が急がれる。

ポスト京都は2020年 全員参加、次はスピード
東京新聞・中日新聞社説2011年12月13日
 南アフリカのダーバンで開かれていたCOP17は、会期を丸一日以上延長して決裂を回避した。「全員参加」の舞台はできた。次は中身とスピードだ。
 京都議定書が先進国に義務付けた温室効果ガス削減の約束期間は、来年終わる。だが、そのあとの削減ルールを、どうするかが決まらない。
 一昨年、コペンハーゲンにオバマ米大統領ら首脳級が集まって協議したCOP15以来、足踏みに近い状態が続いている。
 期限切れ直前の気候変動枠組み条約第十七回締約国会議(COP17)でも、世界の実情に合った新議定書の合意は最初からあきらめて、国際ルールの空白期間を避けられるかどうかが焦点だった。
◆緑の気候基金を設置
 その結果、議定書をしばらく延長した上で、温室効果ガス排出量世界一ながら、削減義務を拒否する途上国グループのリーダー格の中国と、経済に支障があるからと議定書を離脱した世界二位の米国を含む新ルール、法的拘束力を持つポスト京都の枠組みを二〇一五年までに策定し、二〇年に発効させることへの合意にこぎ着けた。
 温暖化で被害を受ける途上国の対策を先進国が支援する「緑の気候基金」の設置に合意したことも、アフリカで開いたCOPの大きな成果だろう。
 各国にどのような削減義務を割り振るかなど、肝心の中身は三年後まで先送りされたとも言える。
 日本は、米中抜きで議定書を延長しても温暖化対策にはならないとして、議定書の締約国には留(とど)まるものの、延長後の第二約束期間では削減義務を受け入れない。新ルールができるまでの七年間は、欧州連合(EU)が、ほぼ単独で議定書を維持していくことになる。世界の排出量に占める割合は15%にしかならない。
◆米中印も拒まなかった
 それでも米中印が、新ルールへの参加を拒まなかった。ヌコアナマシャバネ議長は「この歴史的、画期的な決定が、大きな変化をもたらすと信じている」と、閉幕のあいさつで期待を込めた。
 他にも変化の兆しはある。これまでのCOPのように、過去の温暖化に責任を持つべき先進国と、削減義務を負うことで経済発展のスピードを落としたくない途上国の対立という、南北問題の図式は崩れ始めている。
 削減義務を負わない中国やインドに対する不満は、海水面の上昇で国土水没の危機にさらされるキリバスやツバルといった小さな島国のグループだけに留まらない。砂漠化の進行や干ばつなどが深刻なアフリカ諸国の間にも、広がりつつあるようだ。
 国内総生産(GDP)世界二位の中国は、いつまでも“途上国”ではいられない。「交渉の妨害になっている」と、米国への風当たりも強まった。地球益を損なえば、国益に跳ね返る。新旧の超大国には、一五年までの新たな枠組みづくりに向けて、特に積極的な関与を求めたい。米中が動けば、温暖化対策は動くのだ。
 EUは経済危機の重荷を負いながら、空白期間回避のために、土壇場で相応のリーダーシップを発揮した。それに比べて、日本の存在感は、希薄になった。
 日本は京都議定書の母国、特別な国である。その日本がキョウトを見捨てれば、海外の目には無責任に映るだろう。
 日本政府は昨年のCOP16で結ばれたカンクン合意に従って、自主的な削減努力を続けるといい、産業界は歓迎の意を表している。
 原発に頼らなければ、京都議定書で課せられた一九九〇年比6%の削減義務さえおぼつかないのが現状だ。自主的に減らすのは強制されてやるより難しい。
 「京都」を捨てた日本から世界は目を離さない。よほどの“努力”を示さなければ、削減義務を果たせないから脱落したとみられるだろう。そのことを忘れずに、より高く、より深い目標を掲げて、新しい枠組みづくりで重要な役割を果たしてもらいたい。
 もちろん、原発は勘定に入れずにだ。
 昨年、世界の二酸化炭素(CO2)排出量は、前年より約6%増えて過去最高を記録した。今年、北極海の氷は最小になった。日本では、横浜や名古屋で観測史上最も暑い秋だった。温暖化はもはや、見えない敵ではなくなった。
◆目の前に危機はある
 生き物には、自らの危機を察知し、それを回避する能力が備わっているはずだ。人間だけがその本能を失いつつあるのだろうか。
 国連の潘基文事務総長はCOP17の会場で「まったく誇張なしに、この会議にわれわれの未来がかかっている」と訴えた。
 もうこれ以上、本当に先送りは許されないということだ。

COP17 中、米は義務負わねば
北海道新聞(12月13日)
 南アフリカ・ダーバンで開かれた国連気候変動枠組み条約第17回締約国会議(COP17)は紛糾の末、会期の延長2日目に工程表の採択へこぎ着けた。
 京都議定書に代わり法的拘束力を持つ新たな枠組みについて、2015年までに合意し、20年からの発効を目指す―を柱とするものだ。
 全ての主要排出国が参加し、二酸化炭素(CO2)の削減義務を負うのが前提になる。極めて困難な交渉になるのは間違いない。
 交渉の決裂は避け、協議の土俵は整え直した。だが、地球の危機に対する抜本策は何も見えない。そう受け止めるのが妥当だろう。
 ただ「15年合意、20年発効」と期限を区切ったことは意義深い。背景には温暖化が海水面上昇だけではなく、豪雨や干ばつとなって世界を襲う看過できない現実がある。
 鍵を握るのは中国と米国だ。合わせてCO2排出量の4割を占めるが、中国には議定書で削減義務はなく、米国は議定書を離脱している。
 中米両国を説得し、削減義務を持つ新たな枠組みの中に、引き込むことができなくては、実効性のあるルールと言えるはずがない。
 排出量世界一の中国は今回、新しい枠組みについて「20年以降」なら条件付きで議論する用意がある―と打ち上げた。
 柔軟姿勢を示し主導権を握る意図があったようだが、思惑通りには評価されなかった。排出量急増が今後も見込まれる中で、義務を1年でも先延ばししたい本音が「以降」という言葉に透けて見えたからだろう。
 義務を負うことに抵抗する中国やインドなど新興国と、多くの途上国が一枚岩ではないことも会議では見えた。海面上昇の苦境にひんするツバルなどが「もう待てない」と、早急な対策を訴えたのは胸に響いた。
 一方、米国は自国に非難が集中しないよう中国の出方をにらみ、様子見に終始した。責任を果たす姿勢からほど遠いと言わざるを得ない。
 もっと残念だったのは、日本の存在感が極めて薄かったことだ。中米両国に義務がないと効果が薄いと主張し続けたが、交渉をリードする影響力は持ち得なかった。
 13年以降の延長が決まった京都議定書に、ロシア、カナダとともに不参加を表明した。今後は削減義務は負わず、自主目標に取り組む。
 細野豪志環境相は会議の演説で、「20年までに90年比で25%削減」という日本の国際公約に全く触れなかった。大いに疑問が残る。
 これでは、原発事故によりCO2削減が苦しくなったため、中米両国を隠れみのにして「義務から逃げた」とのそしりは免れない。

COP17合意/実効性をどう高めていくか
河北新報社説2011年12月13日火曜日
 地球温暖化防止に向けて、全ての国が参加する新たな法的枠組み構築への道筋が示された。先進国の温室効果ガス削減を定めた京都議定書の2013年以降の継続でもまとまった。一定の成果を挙げたと言えよう。
 南アフリカで開かれた気候変動枠組み条約第17回締約国会議(COP17)。予定された日程を丸1日以上延長する異例の展開となり、交渉決裂も懸念される中、ぎりぎりのところで合意にこぎ着けた。
 しかし、先進国や新興国、途上国の主張が一致したわけではない。新枠組みで各国にどこまで削減を義務づけるかや、議定書の継続期間をどうするかなどについては決められなかった。今後の協議に委ねられる。
 温室効果ガスの排出量は急速に増え続けており、対策は待ったなしの状況だ。合意の実効性をどう高めていくかが鍵を握る。そのためには交渉を通じて、可能な限り野心的な削減目標を打ち出していかねばならない。
 一方、日本は会議でほとんど存在感を示せなかった。京都議定書の継続に参加せず、新枠組みまで自主的な取り組みを続けると表明したことが、温暖化対策に後ろ向きとの印象を招いたことも否定できない。
 一刻も早い新枠組みのスタートを求める日本の姿勢に誤りはない。ただ、国際社会の理解を得るためには、議定書継続問題を含め、戦略の抜本的な見直しが必要なのではないか。
 今のままでは避けられない発言力の低下を食い止め、温暖化問題の前進に力を尽くすためにも、政府にはより現実的で、柔軟な対応を求めたい。
 COP17合意の最大の成果は中国と米国の2大排出国を含む全ての国による新枠組み創設に向けて合意が成立したことだ。温暖化対策の歴史に、新たな一歩を刻んだとも言える。
 最大のCO2排出国の中国と京都議定書を離脱した米国。削減義務を負わない2国で世界の排出量の42%を占める。議定書に参加する先進国の排出量は26%にすぎない。ようやく実効が期待できる枠組みへ動きだす。
 交渉は特別作業部会を設置して来年から始める。15年までに法的拘束力を持つ議定書などの形で採択し、20年の発効を目指すとのスケジュールだ。
 COP17を終始リードしたのは欧州連合(EU)だった。米中も参加する新しい枠組みを始めることなどを条件に、それまでは議定書継続を容認するとして、各国を説得した。
 この結果、議定書継続を求める途上国・新興国と先進国との対立という図式は変化。温暖化の被害に悩む島しょ国やアフリカの国々も、中国やインドなどの新興国への要求を強めた。
 これに対し日本はほとんど交渉に絡めず、細野豪志環境相は合意前に帰国の途に就くありさまだった。交渉への「本気度」を疑われても仕方がない。
 議定書参加国の排出量は日本などが抜ければ15%に減る。今後の出方を世界は注視していよう。厳格な法的拘束力を伴う新枠組みづくりに貢献する道を、今度こそ探ってもらいたい。

温暖化を防ぐ 日本はもっと積極策を
信濃毎日新聞社説12月13日(火)
 地球温暖化の防止へ向けて一定の前進が得られた。南アフリカで行われた気候変動枠組み条約の第17回締約国会議(COP17)の結果である。
 参加国の利害が鋭く対立し、会議は迷走した。今後、削減のための新たな法的枠組みづくりが始まる。交渉は楽観できない。日本の姿勢も問われる。
 現行の京都議定書は、二酸化炭素(CO2)など温室効果ガスの削減を先進国に義務づけている。削減の約束期間は2012年までなので、13年以降をどうするかが最大の課題だ。
 今回の合意の柱は▽京都議定書の継続▽議定書に代わる新たな法的枠組みを20年から発足させるための交渉開始、である。
 中国など新興国は、ガスの排出量が急増している。中国は米国を抜き現在トップで、この2国で世界の排出量の約4割を占める。米国は議定書から離脱したままだ。米・中が削減に加わらなければ、温暖化防止の効果は薄らぐ。
 新興国や途上国の多くは、先進国がもっと削減すべきだとして、議定書の継続を強く求めた。
 欧州連合(EU)が、米・中も参加する新たな枠組みを始めることを条件に、それまでは議定書継続を容認する姿勢を示し、最終的に各国の妥協が図られた。
 この結果をどう生かすかだ。
 新たな枠組みに向けた作業部会は、遅くとも2015年に終え、20年の発効を目指す。効果をあげるには、強い法的拘束力と高い削減目標が必要である。
 議定書の13年以降の「第2約束期間」の長さや数値目標は、来年カタールで決定を目指す。
 残念なのは、日本が消極姿勢に終始したことだ。カナダ、ロシアとともに、議定書の第2約束期間の目標受け入れを拒否した。新枠組みができるまで、自主的な目標を掲げて取り組むことになる。
 温暖化対策に役立つとしてきた原発が深刻な事故を起こした。産業界は、次の削減目標を受け入れれば打撃が大きいと強調する。
 こうした事情があるにせよ、日本の内向き姿勢は、国際社会で発言力低下を招きかねない。
 政府に求めたいことの一つは、議定書の第2約束期間を受け入れる余地が全くないのか、再検討することだ。EUなどと歩調を合わせられれば、新興国に削減義務を促すてこになる。
 二つ目は、ガス削減につながる方策の積極的展開だ。再生可能エネルギーや省エネへの開発支援、優遇税制を重視したい。

COP17/議定書の延長をプラスに 
神戸新聞社説(2011/12/13 10:01)
 人類は時間を無駄にし、地球温暖化を後戻りできなくした。温暖化対策をめぐる国連の会議は後々、そう評されることにならないだろうか。
 先進国に温室効果ガス(CO2)の削減義務を負わせた京都議定書は、2012年で効力が切れる。ここ数年、世界はそれに代わる新しい法的枠組みづくりを目指してきたが、失敗した。南アフリカで開かれていた対策会議(COP17)も決定打を放つことはできなかった。
 既定路線の京都議定書の延長を決め、13~17年の5年間を新体制が整うまでの第2約束期間とする。その間に中国や米国などすべての排出国が参加する新たな法的枠組みをつくり、20年からの発効を目指す‐。そんな内容である。
 中国と米国で世界の排出量の40%強を占める。その二大排出国が参加する体制に道筋をつけた意味は確かにある。だが、どの程度、責任を負うのか、腹が読めない。そのための作業部会を設け、遅くとも15年までに結論を出すという。これでは、果たすべき国の責任を先送りしたのと変わらず、不渡りになるかもしれない手形を押し付けたようなものだ。
 議定書の延長でも問題を残す。削減目標の受け入れを拒む国が相次ぎ、日本は自主的取り組みを表明した。18年以降に空白期間が生じる可能性は否定できず、実効性の低下は避けられそうにない。
 世界の科学者が「20年までにCO2排出量の25%削減、50年までに50%削減に合意する必要がある」と警告したのは07年のことだ。気温が産業革命前の値より2度上昇すると危険な状態になると指摘しており、残された時間は多くない。
 救いは危機認識が一段と深まったようにみえることだ。会議が予定より延びても合意を目指そうとした姿勢に表れている。昨年のカンクン合意(メキシコ)に沿って「緑の基金」など懸案事項が具体化したことも明るい材料といえる。
 20年は温暖化が後戻りできるかどうかの分岐点とされ、今後の人類の取り組みいかんにかかる。責任を負うべき先進国や新興国は、これ以上目先の損得にとらわれた議論を続けるべきでない。
 日本も戦略を見直すべきときだ。「20年までに25%削減」の国際公約を再確認し、これまでと変わらない積極姿勢を世界に示す必要がある。そのためにも、地球温暖化対策基本法の早期成立は避けて通れない。原発に依存しない方向での国内議論を鍛え直さねばならない。
 議定書延長を世界がどれだけプラスに転じるか、だ。足踏みは許されない。

COP17 合意の着実な実現図れ
山陽新聞社説2011/12/13 9:47
 来年末で期限を迎える京都議定書の後の地球温暖化対策はどうなるのか。世界が注視する中、南アフリカで開催された気候変動枠組み条約第17回締約国会議(COP17)は難航の末、全ての国による新たな法的枠組みをつくる工程表を採択して、ようやく合意にこぎ着けた。
 焦点の一つが、温室効果ガスの排出大国で削減義務を負っていない米国や中国などを加えた「全員参加」の枠組みづくりだった。工程表は法的拘束力を持つ議定書などの形で2015年までに採択、20年の発効を目指すとした。
 もう一つの焦点だった京都議定書の13年以降の継続についても合意した。一部の排出国だけに削減義務を定めたままの継続を拒否した日本は参加せず、新枠組みまで自主的に取り組むことになる。
 今後の進展は曲折が予想されるが、何とか新枠組みに道筋をつけた意義は大きい。
絡み合う思惑 
 交渉が難航したことは、各国のエネルギー事情や経済状況を背景にした思惑の違い、国際的な取り決めの難しさをあらためて見せつけた。
 COP17に臨んだ各国の姿勢は多様だった。温暖化の被害が深刻な小島しょ国は、先進国に議定書の継続期間(第2約束期間)と次期目標の受け入れを求めるとともに、新枠組みでは法的拘束力を持たせ13年にも開始するよう迫った。米国や中国、インドなどは工程表に法的拘束力を明記することに強い抵抗を示した。日本やカナダ、ロシアは議定書の次期目標の受け入れそのものを拒否した。
 その中で目を引いたのは欧州連合(EU)の精力的な動きである。新枠組み交渉では発展途上国の一部と協調し、米国や新興国への包囲網を形成。一方で、新枠組みに合意すれば議定書の継続や新たな削減目標を受け入れると迫り、合意へと導いた。交渉を終始リードし、温暖化対策への姿勢をアピールした。
 提案を何度も修正して粘り強く調整に努めた議長国の南アフリカ、そして温暖化の被害の切実さを訴え続けた小島しょ国の功績も大きかったといえる。
山積する課題 
 議長役を務めたヌコアナマシャバネ外相は、国際的な温暖化対策の新たな扉を開けた今回の合意を「歴史的な決定だ」とたたえた。
 しかし、楽観はできない。合意を取りつけるために対立点を今後に先送りした印象が強く、行く手には多くの課題が待ち構えているからだ。
 議定書の第2約束期間の長さについては5年間とする案とさらに延ばす案が併記され、決められなかった。各国の削減目標の数値なども決まっておらず、来年にカタールで開催される会議での決定を目指す。日本などが参加しないことで参加国が担う排出量削減の比率も低下する。
 工程表に基づいて進められる新枠組みも、その実効性をいかに高めるかという課題を抱える。強い法的拘束力と高い削減目標が大きなポイントとなるが、米国や新興国の抵抗が強く骨抜きにされかねない懸念もある。
 形だけの合意にしてはならない。苦労して得た新たな可能性をどう具体化するか。国際社会の取り組みにかかる。
薄れた存在感 
 今回の会議で、日本が何ら存在感を示せなかったことは残念だ。議定書の次の削減義務を拒む日本は、ほとんど交渉に関わることなく、閣僚級の2国間会談でもキャンセルが相次いだという。
 全ての排出国が削減義務を負わないと不公平で、効果も薄いとする日本の主張は妥当ではある。しかし、背景に一部産業界の強い要請があったにせよ、かたくなに拒絶するだけでは「後ろ向き」との不信感を強めよう。
 国際社会の信頼を取り戻すためにも、日本は各国の理解を得る努力とともに、思い切った国内対策が急がれる。再生可能エネルギーの導入など温暖化対策をビジネスチャンスとして成長させる手だても強めたい。野田政権は福島第1原発事故後の新たなエネルギー政策を明確にし、低炭素社会に変革する仕組みや意識改革を進める必要があろう。
 京都議定書で議長国を務めた日本は、国際的な温暖化対策の充実を図る責務を負っていることを肝に銘じなければならない。

COP17閉幕 米中取り込む成果だが…
西日本新聞社説2011年12月13日
 会議は難産だった。南アフリカのダーバンで開催されていた気候変動枠組み条約第17回締約国会議(COP17)のことである。予定の会期を延長して11日朝、やっと合意にこぎ着けたのだ。
 苦労したかいはあったと言うべきだろう。京都議定書が定める温室効果ガス削減義務を2013年以降も継続するとともに、20年には中国と米国を含むすべての国が参加する新たな法的枠組みを始めるとした合意を採択し、閉幕した。
 二酸化炭素(CO2)の排出量が1、2位で、世界の約4割を占める両国が法的枠組みに加わることに同意したのは、地球温暖化対策として大きな成果だ。
 第3回会議(COP3)で採択された京都議定書は、08―12年の約束期間に先進国の排出削減目標を定めているが、中国、インドなどには削減義務がない。米国は離脱した。排出量は年々増え、米中のほか、成長著しいブラジルなど他の新興国の排出量も無視できない。
 今回は、すべての排出国が集う新たな枠組みをつくることが目標だった。
 米中の決断の背景には国際情勢の変化もあろう。欧州からアジアに軸足を移したアメリカ外交。そこでのリーダーシップを握りたい中国。両国の綱引きの結果が、妥協を引き出した一因だろう。
 欧州連合(EU)の要請もあった。京都議定書の約束期間が切れた後も、EUはCO2の削減に努力するとし、強いメッセージを放った。温暖化に苦しむアフリカ諸国や、海面上昇で国土を奪われそうな小島しょ国の訴えも強かった。
 ただ、京都議定書の継続期間は決まっていない。20年からの新枠組みも、削減目標の設定など具体策は今後の交渉に委ねられる。地球温暖化阻止の「理念」を各国が共有し続けることが必要だ。
 一方で、この会議で日本は存在感を示すことができなかったと言わざるを得ない。13年以降、削減は自主的に取り組むとして、延長される京都議定書の削減義務をカナダなどと一緒に拒んだのだ。
 EUの訴えが「私たちもやるから、あなた方(米中)もやりなさい」であるとすれば、日本は「あなたがやらないのに、なぜ私が…」式の論立てである。
 こうした姿勢は国際社会にどう映ったろうか。09年、鳩山由紀夫首相(当時)は「20年までに1990年比で25%排出を削減する」と演説し、称賛を浴びた。だが、今会議で演説した細野豪志環境相はこの目標にまったく触れなかった。
 鳩山発言当時の日本のCO2削減方針には原発増設が想定され、大きな比重を占めていた。いまはそれができない情勢だ。CO2削減を積極的に打ち出しにくいのは、理解できないわけではない。
 とはいえ、手のひらを返したような姿はいかがなものか。困難に立ち向かってこそ技術立国の面目も立とうし、諸外国の尊敬も得られよう。資源小国が厳しい時代を生き抜くためにも、温暖化対策の仕切り直しが求められる。

COP17 日本は引き続き排出削減を
熊本日日新聞社説2011年12月14日
 南アフリカのダーバンで開かれていた気候変動枠組み条約の第17回締約国会議(COP17)は、予定の会期を丸1日以上延長した厳しい交渉の末、ようやく合意に達した。
 交渉の焦点は二つあった。一つは京都議定書に基づく先進国の次の温室効果ガス削減目標。1997年にできた議定書は2012年末を期限としているため、今回の会議で何らかの合意ができなければ、どの国にも国際的な削減義務が生じない「空白期間」ができる恐れがあった。
 もう一つは全ての国を含めた枠組み創設の議論。議定書は先進国のみに削減義務を負わせているが、米国は議定書を批准していない。加えて「途上国」であることを自認する中国も削減義務を負っていない。
 世界最大の二酸化炭素(CO2)排出国・中国と2位の米国、合わせれば世界のCO2排出量の4割を占める2大国が参加をしていない。そんな「片務的」ともいえる矛盾を内包した議定書の継続と、新枠組み創設の二つの交渉が、同時に行われたのが今回のCOP17だった。
 京都議定書については、欧州連合(EU)の主導で13年以降も「第2約束期間」として継続することで合意した。新枠組みについては、さらに前進があった。米中を含めた新たな法的枠組みを、2020年から始めるとした工程表「ダーバン・プラットホーム」を採択した。
 会議は議定書失効後の「空白」を回避した上で、新枠組みへの道筋を付けるところにもこぎ着けた。難産だったが、それだけ大きな成果と受け止められる。評価したい。
 温暖化対策の大きな節目となった今回の会議だが、日本が存在感を示せなかった点は指摘しておかなければならない。日本は「米中を含む全ての主要排出国が参加する新体制づくり」にこだわり、京都議定書の下での新たな削減義務受け入れを拒否した。国内産業界の強い意向をくんでの対応とみられている。
 削減義務受け入れ拒否は日本だけでなく、カナダやロシアも同様。このうちカナダは12日、京都議定書からの脱退を正式表明した。
 だが、工程表は12年に特別作業部会を設置して新たな枠組みの交渉を始め、15年までに法的拘束力を持つ議定書などの形で採択、20年の発効を目指すとした。早くも来年から、米中と途上国を交えた国際的な駆け引きが始まるということだ。
 議定書の削減義務を拒絶した日本だが、先進国の一員として一層の排出削減を求められることに変わりはない。まして、省エネルギーで高い技術を持つ日本である。経済力に見合う責任をどう果たしていくか。国際社会から向けられる厳しい視線を忘れてはなるまい。日本は今後の交渉にも積極的に参加し、合意づくりに貢献していく必要がある。
 政府は、13年以降の排出削減を進めるための規制策を早急にまとめるべきだ。再生可能エネルギーなどの温暖化対策に企業が投資したり、地方自治体での対策を促したりするためには国からの適切な誘導策が不可欠だからだ。明確な削減策を進め、その成果を世界に示すことが、温暖化をめぐる国際交渉で発言力を強めることにつながっていく。

COP17
宮崎日日新聞社説2011年12月13日
過去に例ないほど難航した
 南アフリカのダーバンで開かれていた気候変動枠組み条約の第17回締約国会議(COP17)は、過去に例を見ないほどの難航を極めた。
 京都議定書の下で新たな温室効果ガスの削減義務を受け入れる一方で、今は義務のない米国や中国に新たな国際協定の下での義務を持たせることを狙う欧州連合(EU)。中国やインドの新興国が自分たちと同レベルに扱われない限り削減義務は受け入れられないとする米国。中国やインドは先進国の責任と義務を強調し、削減義務を負わされることを嫌った。
 COP17の難航は、複雑に絡み合う各国の意見の調整がいかに困難であるかを見せつけた。その中から生まれたCOP17の結果が、増加が著しい温室効果ガスの排出増に歯止めをかけることにつながるかとなると、心もとない。
■上昇「2度未満」必要■
 国際交渉の進展度は、温暖化の影響が顕在化する速度に比べて遅すぎる。各国は将来枠組みの完成を待つことなく、排出削減の努力を強化しなければならない。
 地球温暖化の影響を最小限にとどめるためには産業革命以来の平均気温の上昇を2度未満にすることが必要だとされ、これが日本も受け入れた国際目標となっている。そのためには2015年には世界の排出量の増加を止め、減少に向かわせなければならない。
 大量の温室効果ガスを出しながら経済成長を遂げ、資金も技術も豊かになった日本には、排出削減を率先して進める「歴史的な責任」がある。だが、今回の交渉の中で日本がそれを意識した行動を取ったとは言い難い。
■先進国一員の責任■
 京都議定書は、現存する唯一の排出削減の枠組みであるのだが、日本は議定書の下で新たな削減義務を負うことを拒否し続けた。だが、議定書の削減義務を持たないとしても、先進国の一員として13年以降、より一層の排出削減を求められることに変わりはない。
 日本にとっての国際的な排出削減義務がなくなることで、国内の温暖化対策の進展が遅れることも懸念される。企業が温室効果ガスの排出量の少ない生産プロセス開発や再生可能エネルギーに投資したり、地方自治体レベルでの対策を促したりするためには、政府からの適切なシグナルが必要だ。京都議定書の削減義務と目標は、それに一定の役割を果たしてきた。
 これがまったくなくなった時、企業や消費者の行動が変わり、低炭素技術への投資が進むだろうか。企業の自主的な取り組みだけでは、大幅な削減につながらないことは実証済みだ。
 政府は13年以降の排出削減を進めるための法律や規制策を早急にまとめ、国内対策を強化するべきだ。きちんとした対策を取って一層の排出削減を進めていると世界に示すこと。それが、温暖化の国際交渉の中で、日本の発言力を強めることにつながる。

[COP17閉幕] 新枠組みの実効性期待
南日本新聞12/13 付
 南アフリカのダーバンで開かれていた気候変動枠組み条約の第17回締約国会議(COP17)は、米国や中国を含む新たな法的枠組みを2020年から始めるとした工程表を採択、先進国の温室効果ガス削減を定めた京都議定書は13年以降も継続することで合意して閉幕した。
 議定書の継続期間(第2約束期間)は5年間とする案と、さらに後に延ばす案が併記され決着しなかった。日本は参加せず、新枠組みまで自主的な取り組みを続ける。
 地球温暖化の影響が深刻化する中、全ての国による新枠組み創設へ向けて合意が成立したことは、温暖化対策の歴史で大きな一歩となった。会議が難航する中で、粘り強く合意に達した努力を評価したい。
 新枠組みの交渉は特別作業部会で12年に始め、法的拘束力を持つ議定書などの形で15年までに採択、20年発効を目指す。特に2国で世界の排出量の約4割を占める米中両国に法的たがをはめる意義は大きい。
 新枠組みには、実効性を高めるために強い法的拘束力と高い削減目標を持たせることが課題となる。米国や、中国など新興国の抵抗は強いが、制度が骨抜きにならないよう、強い信念で取り組んでほしい。
 懸念されるのは、第2約束期間の長さや削減目標の数値が決定されなかった点だ。合意では期間を13~17年とする案と、さらに延ばす案が併記されたが、5年間だと20年の新枠組みまでに空白期間ができる。空白をつくらない工夫が重要である。
 もう一つの懸念は、日本やカナダ、ロシアが第2約束期間に不参加を表明しており、参加国が大幅に減ってしまう点だ。欧州連合(EU)やノルウェーなどが中心では、議定書が実効性を保てるか心配だ。
 今回の会議で残念だったのは、日本の対応である。消極姿勢に終始し、京都議定書の次の削減義務を強硬に拒んだ。政府は自主的取り組みを続けると主張しているが、細野豪志環境相が演説で「25%削減目標」に触れなかったのが気になる。25%削減目標は、鳩山由紀夫元首相が国際会議で掲げた。その国際公約を守る姿勢が重要ではないか。
 毎回難航する会議だが、今回は過去に例がないほど難航した。各国の利害関係が絡み合った結果に違いないが、地球温暖化は国際交渉の進展にかかわらず進む。各国は枠組みの完成を待つことなく、これまで以上に削減努力を強化すべきである。

COP17合意 温暖化防止の土台生かそう
琉球新報社説2011年12月13日
 交渉が難航していた南アフリカでの気候変動枠組み条約第17回締約国会議(COP17)は、土壇場で温室効果ガス削減に向けた意義ある合意にこぎ着けた。
 1997年の京都議定書が定めた温室効果ガスの削減義務を2013年以降も継続し、批准していない米国や中国を含む全ての国が参加する新たな法的枠組みを15年までにつくる「ダーバン合意」を採択した。
 加速する地球温暖化への危機感をぎりぎりで共有し、法的義務に裏打ちされた国際的な温暖化ガス削減体制の崩壊を回避した。世界全体で削減に向き合う土台を構築できたことは大きな成果である。
 合意により、新たな枠組みと京都議定書が将来的に一本化される流れとなる。先進国と途上国が対立する構図から脱し、国際協調が進んだことも画期的だ。
 COP17は、全ての国が参加する枠組みづくりと12年までの排出削減目標を定めた京都議定書の継続―が焦点だった。
 「ダーバン・プラットホーム」と名付けられた工程表によると、交渉は特別作業部会を設けて12年に開始し、15年までに採択し、20年発効を目指している。
 気温の上昇幅を産業革命前から2度以内に抑える至上命題は、現行の各国の排出努力では達成できない。かつてない大胆かつ実効性が高い削減目標を据えなければならない。それだけに、二酸化炭素の排出量の約4割を占める世界一の中国と2位の米国に適切な削減義務を課し、それを守らせることができるかが鍵となる。
 予想される米中や新興国の抵抗を最小限に抑え、制度の形骸化を避けねばならない。世界が結束して、実効性の高い枠組みづくりに邁(まい)進(しん)してもらいたい。
 合意を導いたのは、議定書の次の目標を掲げて交渉した欧州連合(EU)や、温暖化の被害を丁寧に訴えた小さな島しょ国だった。
 京都議定書の議長国だった日本は、経済界の反対を背景に議定書の次の削減義務を拒み、自主努力を主張した。日本は米国などとともに、自然保護団体から「交渉の足を引っ張った」と厳しい批判を浴びている。
 日本は20年までに1990年比で25%の温室効果ガスを削減する国際公約を掲げている。日本が国際的な信頼を回復するには、温暖化防止の先頭に立つ気概を示し、具体的な成果を示すしかあるまい。

[COP17閉幕]排出削減に一層努力を
沖縄タイムズ社説2011年12月13日 09時29分
 地球温暖化を防ぐため、全ての国が参加する新たな法的枠組みを2020年から始める―。
 南アフリカのダーバンで開かれていた気候変動枠組み条約の第17回締約国会議(COP17)は、新しい枠組みの創設に向けて何とか合意にこぎ着けた。12年末で期限が切れる京都議定書の温室効果ガス削減義務期間を13年以降継続することでも合意した。
 2週間にわたる会議は、先進国に新興国・途上国それぞれの利害が絡み合い、難航を極めた。会期を丸1日以上延長した末、ようやく至った合意だ。大事に次のステップにつなげたい。
 今回の会議で、現在は削減義務を負わない米国と中国を、新枠組みの工程表に入れることに成功した。大きな成果である。この2国で、世界の二酸化炭素排出量の約4割を占めるからだ。
 ただ、温暖化の進むスピードに比べると、国際社会の取り組みは緩やか過ぎる。
 温暖化の影響を最小限にとどめるには、産業革命以来の平均気温の上昇を2度未満にすることが必要だとされる。だが、英国の大学の分析によると、このまま排出量が大幅に増え続けると、世界の平均気温は40年代にも2度以上高くなる。大規模な水不足や生態系の破壊などが深刻化する懸念があるという。
 各国は、新たな枠組みの発効を待つことなく、排出削減の努力をこれまで以上に強化すべきである。特に日本を含む先進国は、大量の温室効果ガスを出しながら経済成長を遂げた「歴史的な責任」があることを自覚してもらいたい。
 今回の会議では、欧州連合(EU)が巧みな交渉で各国を説得した一方、日本は消極姿勢が際だった。
 「将来の枠組み構築に資さない」として、京都議定書の継続期間(第2約束期間)への参加を拒み、カナダやロシアと同様に自主的な取り組みを続ける道を選んだ。
 確かに、京都議定書は、先進国のみに排出削減の義務があり、しかも排出大国の米国が参加していないなどの矛盾がある。「米中を含めた全ての主要な排出国が参加する新しい体制をつくるべきだ」とする日本の主張は正論だ。
 とはいえ、主張するばかりで難航する交渉をリードした形跡も戦略もうかがえない。現在唯一の排出削減の国際協定である京都議定書を葬るのか、と継続を求める国の間で失望感が広がったのも理解できる。
 政府は20年までに温室効果ガスを1990年比で25%削減する中期目標を掲げたが、棚ざらしの状態だ。このままでは日本の温暖化対策への意欲自体が疑われかねない。
 日本は、議定書の削減義務を持たなくても、先進国の一員として排出削減へより一層努力を求められる立場であることに変わりはない。
 得意の省エネ技術を途上国で役立てる取り組みを強化するなど、行動で示すべきだ。
 さらに新枠組みの実効性を高めるため、法的拘束力や削減目標の設定に向けた今後の議論を積極的に支えてほしい。

(参考)
COP17 削減義務拒否でいいのか
福井新聞社説(2011年11月30日午前6時59分)
 南アフリカで開幕した「気候変動枠組み条約第17回締約国会議」(COP17)で政府は、京都議定書に定めのない2013年以降の同議定書に基づく新たな削減義務は受け入れない方針を決めた。
 背景に福島第1原発事故を受けた先行き不透明な原子力政策があり、削減義務を到底達成できないこともあるのだろう。だが、これまで大量の温室効果ガスを排出し経済成長をしてきた先進国の一員として、交渉を前進させる責任がありながら、こうした姿勢でいいのか、再考の余地を持つべきではないか。
 京都議定書の下に13年以降の「第2約束期間」を設け、これを続けるべきだとの議論が発展途上国を中心に強い。現にCOP17の全体会議でも先進国に対して義務を負うよう求める声が相次いだ。しかし日本は第2約束期間には「いかなる条件下でも参加しない」と強硬な拒否姿勢を続けようとしている。
 その根拠を「現在の枠組みの中で削減義務を負っていない米国と中国という二大排出国を含めた包括的な枠組みが必要で、世界の総排出量の一部しかカバーしない京都議定書だけでは不十分」に置く。正論であり、包括的枠組みが望ましいことは多くの国が理解している。
 同時に、簡単に実現できるものではなく、このままでは国際的な削減義務に空白期間が生じてしまうことも各国の共通理解である。欧州連合(EU)が包括的枠組みに向けた工程表への合意などを条件に、第2期間の削減義務を受け入れる姿勢を示しているのもこのためだ。
 このままでは「日本は削減義務を逃れるため交渉に消極的」と見られかねない。「できるだけ早い時期に包括的な枠組みが必要」とだけ声高に繰り返しても、そこに至るまでの戦略や道筋などに関する具体的な提案なしでは批判も避けられないだろう。
 1992年のリオデジャネイロでの地球サミットから20年になるのを機に来年6月、リオで国際会議が開催される。環境保全と併せて経済成長を目指す各国の取り組みが問われる年になろう。日本は途上国の持続的な開発実現に不可欠な政府開発援助(ODA)の予算を減らしている。加えて、今のような姿勢では環境外交の中で存在感がどんどん小さくなってしまう。国際排出量取引やクリーン開発メカニズムなど京都議定書の制度の効力を失わせることは避けたい。
 米国や中国を交渉に引き込むため、COP17で日本は第2約束期間の義務を負うとのカードも再検討するべきではないか。温暖化対策を停滞させることはできず、強化が不可避である以上、率先して取り組むことが重要だ。そのことで産業の国際競争力を強めることにもなるし、国際交渉での日本の発言力を高め、結果的に日本にとって望ましい枠組みの実現につながるのではないか。

COP17 日本は国際公約を果たせ
琉球新報社説2011年12月11日
 南アフリカで開かれている気候変動枠組み条約第17回締約国会議(COP17)は、会期末を延長し最後までもつれた。
 海面上昇など温暖化による被害を避けるには、気温の上昇幅を産業革命前のレベルから2度以内に抑えなければならない。
 先進国や新興国が掲げる、2020年までの地球温暖化ガス排出量の削減目標では間に合わない。世界規模の対策が欠かせない。
 こうした現状を踏まえ、今回の会議の焦点は二つあった。一つは全ての国が参加する新たな枠組みづくり。もう一つは、12年まで先進国の温室効果ガスの排出削減目標を定めた京都議定書の継続だ。
 世界一の排出国の中国と、2位の米国で世界の排出量の4割を占める。両国は先進国に温室効果ガスの削減義務を負わせる京都議定書に批准していない。そこで日本は全ての主要国が加わる新たな法的枠組みを主張した。この点は理解できる。
 一方、京都議定書延長後の新たな数値目標に、日本は参加しないと表明した。延長しても新たな枠組みづくりに役立たないという理由だが、納得しがたい。議定書を延長しなければ13年以降の削減目標に空白が生まれ、温暖化対策が後退しかねないからだ。
 むしろ新たな枠組みの実現を前提として、新体制ができるまでは、議定書の内容を充実させる方向に向かうべきではなかったか。
 例えば、国連環境計画(UNEP)が提案する(1)京都議定書で規制対象外の国際線航空機や貨物船の燃料からの排出削減(2)太陽光や風力など再生可能エネルギーへの転換促進(3)電気自動車の活用―など、日本がリードする形で議論してもよかっただろう。
 ところが自ら議長国としてつくった京都議定書を否定してしまうようでは、日本の主張に耳を貸す国はいないだろう。日本は発言力だけでなく、国際社会の信頼も失いかねない。
 新たな数値に縛られたくないという産業界の働き掛けがあって、自国の数値目標を拒んでいるのなら本末転倒だ。
 民主党は20年までに1990年比で温室効果ガス25%削減、という高い目標を掲げた。鳩山由紀夫元首相は就任直後の09年9月の国連総会で25%削減を明言した。国際公約実現に取り組めば活路は開けるはずだ。
  COP17のNGO声明 
20111211
     
NGOの声明を送ります。
今後、各団体で声明が出ると思います。


CASA
http://www.bnet.jp/casa/cop/cop17/t8.pdf
気候ネットワーク
http://www.kikonet.org/iken/kokusai/2011-12-11.html

COP17・CMP7 CASA 声明
日本政府は第2約束期間を受け入れ、削減目標を!
2011 年 12 月 10 日(南アフリカ・ダーバンにて)
地球環境と大気汚染を考える全国市民会議(CASA)
 11 月 28 日から開催されていた気候変動枠組条約第 17 回締約国会議(COP17)と京都議定書第 7 回締約国会合(CMP7)は、会議を 1 日延長し、COP と CMP の決定を採択して終了した。
 COP17/CMP7の主な任務は、京都議定書の第1約束期間との間に「空白」を生じさせないよう先進国の第2約束期間の目標に合意するとともに、2013年以降の法的拘束力ある目標と制度枠組みの合意についての明確なプロセスに合意することにあった。
 京都議定書については、約束期間を2013年から始まる第2約束期間が明確に決定され、その期限と各国の具体的な削減目標は来年のCMP8で決めることになった。その目標は2020年までに1990年レベルから25~40%を目指すこととされている。京都議定書の第2約束期間が明確に決定されたことは、アフリカ諸国の「アフリカを京都議定書の墓場にすることは許さない」との願いに応えることができたと言ってよい。
 2013年以降の制度枠組みについては、ダーバン・プラットフォーム作業部会を立ち上げ、遅くても2015年までに、新たな議定書/法的文書/法的成果のいずれかに合意することになった。途上国と先進国の排出量の明確化にも一定の進展があった。また、緑の気候基金と適応委員会が設置され、運用を開始することになった。一方で、長期資金の資金源については明確に触れられず、2℃目標との数十億トン単位の乖離(ギャップ)を埋める道筋は明かではない。
 日本政府は、京都議定書の第 2 約束期間を拒否する硬直した主張を繰り返すのみで、交渉を打開するための戦略をもたず、その存在感を失いつつある。「すべての国が参加する一つの議定書」の主張は、途上国との信頼関係の上でしか成り立たない。第 2 約束期間の決定にもかかわらず、日本が削減目標を持たないとすれば、日本は、世界に誇る古都「京都」の名のついた議定書のフリーライダーとなる。日本政府は、京都議定書の第 2 約束期間を受け入れ、削減目標を約束すべきである。また、国際的な公約である 2020 年 25%目標を確実に達成する国内対策を進めるべきである。もし、こうした対策を怠り、国際公約である 25%目標を放棄するようなことがあれば、日本は国際社会から大きな非難を浴びることになる。
 世界気象機関は、「生物圏、海洋に不可逆的な変化を生じさせる平均気温の上昇レベルに急速に近づいている」と警告している。残された時間はもうほとんど無くなりつつあることを認識し、交渉を加速させなければならない。

ダーバン会議:気候ネットワーク声明
~京都議定書を生かした次の法的文書づくりに合意~

2011年12月11日
特定非営利活動法人 気候ネットワーク
【南アフリカ・ダーバン】11日、ダーバン会議(COP17/CMP7)は、会期を延長した末、バリ行動計画(COP13)に基づいて現在進められている交渉を来年のCOP18までに終え、「議定書もしくは法的文書、法的成果」を2015年までに作ることを決め、閉幕した。
 また京都議定書については、2013年から第2約束期間を始めることを決めた。対象ガスや適用するルール、先進国の排出削減数値目標、第2約束期間の終了年を、COP18までに決定し採択することが目指されることになった。 さらに、先進国・途上国の緩和行動の具体化、緑の気候基金、適応委員会、技術執行委員会などにおいても、一定の進展があった。
 ダーバンでのパッケージ合意は、京都議定書の仕組みを維持し、機能させながら、その先の包括的な法的枠組みを強化していくことを決めたことを意味する。京都議定書の第2約束期間の合意がなければ、新たな議定書(法的文書)作りの合意もなかっただろう。混迷する交渉の中で生み出された今回の合意によって、次のステップが明確になり、世界の市民社会の希望をかろうじてつないだものと言える。
 一方で、交渉の遅れ、それに伴う対策の遅れは著しいと言わざるを得ない。気温上昇を2度未満に抑えるためには、今後の交渉を相当にスピードアップさせ、同時に、各国の行動レベルを引き上げる必要がある。
 ダーバンでの日本政府の方針は「京都議定書第2約束期間不参加」であり、現存する唯一の法的拘束力ある枠組みを否定し、離れていくというものだった。このポジションは堅く、他国からみて交渉の余地のない国、交渉に値しないアクターになってしまった。途上国を説得する代替案もなく、地球温暖化対策基本法案も宙に浮いた状態で「京都不参加」を繰り返すばかりの日本政府は「全ての主要国が参加する枠組み」に貢献することはできなかった。日本の環境外交の見通しは暗い。
 今後世界は、京都議定書の第2約束期間の実施を基礎に、より良い、効果的な次期枠組みをつくっていくことになる。この世界的潮流の中で、日本が引き続き京都不参加に固執することは、「フリーライダー(ただ乗り)」の道を選ぶことを意味する。国際社会の中での信頼低下、国内の低炭素化と持続可能な社会への転換の遅れ、それによる経済や雇用への悪影響など、負の効果をもたらすだろう。
 今回の合意を受け、日本は、今一度、方針を見直すべきである。そして、先進国の責任としてより高い削減目標を掲げ、それを実現する国内法と政策措置を備え、京都議定書の下で目標を掲げる準備をするべきである。それが今後の、包括的で効果的な法的枠組みの成功を実現することに大きく貢献することになる。 
  cop17 京都議定書第二約束期間設定などで合意 
20111211
     
京都議定書、延長で合意=温暖化対策、20年から新枠組み-COP17
時事通信
 【ダーバン(南アフリカ)時事】地球温暖化対策を話し合う国連気候変動枠組み条約第17回締約国会議(COP17)は11日未明(日本時間同日午後)、先進国の温室効果ガス削減に関する京都議定書の約束期間(2008~12年)の延長や、同議定書に代わる新たな法的枠組み(ポスト京都議定書)を20年から発効させるための交渉開始などを柱とする「ダーバン合意」を採択した。会議は新枠組みの発効時期などをめぐり議論が紛糾。最終日の9日から延長2日目でようやく各国が折り合い、閉幕した。
 京都議定書の延長期間については5年か8年とする案が示されていたが、正式決定は来年のCOP18(カタール)に持ち越した。延長には欧州連合(EU)などが参加する。一方、ロシアやカナダとともに不参加を表明している日本は、13年以降、同議定書の下での削減義務を負わない「空白期間」に突入する。日本は新枠組みができるまで、自主的な目標を掲げ削減に取り組むことになる。
 全ての国が参加する新枠組みは、新たな作業部会を設置し、来年前半に交渉を開始。法的拘束力のある仕組みとすることを前提に、15年までの合意と、20年からの発効を目指す。(2011/12/11-15:45)

新枠組み20年開始で合意 京都議定書も継続へ、COP17
'11/12/11中国新聞←共同通信
 【ダーバン(南アフリカ)共同】南アフリカでの気候変動枠組み条約第17回締約国会議(COP17)は11日、非公式の閣僚級会合で、米国や中国を含む新枠組みを2020年から始めることを定めた工程表「ダーバン・プラットホーム」に合意した。
 9日の閉幕予定が大幅に延びて難航した交渉は、ようやく打開に向かった。京都議定書についても13年から第2約束期間を定めて先進国の削減義務を継続する方向で、期間の長さについて協議を続けている。
 工程表は、新枠組みの内容や削減目標を決める特別作業部会を設置し、法的拘束力を持つ議定書などの形で15年の採択を目指すとの内容。できるだけ高い削減目標を設定するための検討プロセスもつくる。
 新枠組みができれば、温室効果ガスの排出量が多いが今は削減義務を負わない米中の取り組みを促し、地球全体の温暖化対策にプラスになると期待される。
 議定書の第2約束期間については、13~17年の5年間とする案と、13~19年の7年間とする案があり調整中。削減目標の数値や運用ルールの改正は、来年カタールで開くCOP18に先送りする。欧州連合(EU)は第2約束期間への参加に前向きだが、日本は強硬に拒否する姿勢だ。
 徹夜の協議で、新枠組みの法的拘束力の強さなどで対立したEUとインドが歩み寄った。

COP17は京都議定書延長で合意、新枠組みは20年発効へ
2011年 12月 11日 16:02
[ダーバン 11日 ロイター] 南アフリカのダーバンで開かれている第17回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP17)は11日、2012年末で期限の切れる京都議定書の延長と、新たな枠組みづくりを行うことなどで合意し、閉幕した。
 新たな法的枠組みでは、中国やインドなどの新興国や京都議定書を批准していない米国などすべての主要排出国が参加することになり、2015年までに採択し、20年の発効を目指す。また、地球温暖化対策に取り組む途上国を支援するために「緑の気候基金」を設置することで合意した。
 COP17は9日に閉幕する予定だったが、各国の主張が対立し会期が2日延びて2週間以上にわたり、過去最長の会議となった。

COP17、新枠組み2020年開始で合意
2011年12月11日 14:48 AFP
【12月11日 AFP】南アフリカ・ダーバン(Durban)で開催中の国連気候変動枠組み条約(UNFCCC)第17回締約国会議(COP17)は11日、すべての主要排出国が参加する新たな法的枠組みを、2015年までに採択することを目指すロードマップ(行程表)に合意した。
 合意は、14日近い交渉の末に達成された。枠組みのもとで194か国は、温室効果ガスへの対策強化で合意を目指す。2015年までに採択し、20年から発効させる。

COP合意 議定書継続と新枠組み
12月11日 13時3分NHK
 南アフリカで開かれていた温暖化対策を話し合う国連の会議、COP17は、会期を延長して行われた交渉の結果、先進国だけに温室効果ガスの削減を義務づけた京都議定書を、期限が切れた後の2013年以降も継続するとともに、新たな枠組みを2020年から発効させることで合意しました。
 南アフリカで開かれているCOP17は、9日までの会期日程が丸一日以上延長される異例の展開となるなか、議長国の南アフリカが合意案を各国に示しました。合意案では、先進国だけに温室効果ガスの削減を義務づけた今の京都議定書を、期限が切れた後の2013年以降も継続したうえで、先進国以外も参加する新たな枠組みについては、今後の行程表として2015年までに交渉を終わらせ、2020年から発効させるとしています。合意案は、現地時間の11日午前5時前(日本時間の正午前)から開かれた公式会合で採決が行われ、採択されました。ただ、京都議定書を何年間継続するかは意見の対立が解消されず、来年以降に決定が見送られました。国連の気候変動枠組み条約のフィゲレス事務局長は「合意案が採択されて本当によかった」と述べました。また、EUの交渉団の代表を務めるヘデゴー委員は「途上国にとってとてもよい合意になった。EUとしても今後の枠組み作りに積極的に関わっていく」と述べました。

京都議定書を延長 15年の「新体制」採択めざす
朝日新聞2011年12月11日14時10分
 南アフリカで開かれている気候変動枠組み条約締約国会議(COP17)は11日未明、2012年末で期限切れとなる京都議定書の温室効果ガス削減義務の延長の決定と、すべての国が参加する法的義務のある新体制に向けた行程表を含む「ダーバン合意」を採択し、閉幕した。温室効果ガスを義務的に削減する国際体制を継続、進展させる足がかりになる。日本は議定書延長への参加を拒否し、一時的に削減義務の国際体制から離脱することになる。
 京都議定書の延長期間は、5年間か8年間とされ、選択の余地を残した。延長は決定文書の中に位置づけられており、正式な改正手続きは来年末のCOP18(カタール)で完了させる。
 日本はロシア、カナダと同じく削減義務の数値目標の設定を拒否する方針で、先進国に削減義務を課してきた地球温暖化対策の京都体制から離脱することになる。京都議定書の批准国ではあり続ける。
 一方、COP17では、京都議定書で削減義務を負っていない中国や、同議定書を批准していない米国も義務を負う新体制づくりの行程表でも合意した。新体制は、新議定書も視野に入れた「法的拘束力を持つ枠組み」とし、新しい作業部会を立ち上げて議論を開始する。15年のCOP21で採択し、20年以降の発効を目指すことになった。
 COP17は、京都議定書の延長期間の長さや、新体制の発効時期などをめぐって各国の意見が対立。最終日の9日を過ぎてもまとまらず、11日未明にようやく合意にこぎつけた。

COP17:京都議定書延長 日本は13年以降「空白」に
毎日新聞 2011年12月11日 13時26分(最終更新 12月11日 16時27分)
 【ダーバン(南アフリカ)江口一、高尾具成】地球温暖化対策を話し合う国連気候変動枠組み条約第17回締約国会議(COP17)は11日未明、2012年末で期限が切れる京都議定書を延長することで合意した。延長の期間など詳細は来年のCOP18で決める。日本は議定書延長への参加を拒否しており、13年以降は削減義務のない「空白期間」に入る。 
 一方、京都議定書に代わって、すべての主要排出国が参加する新たな枠組みでの温暖化対策については作業部会を創設して協議。15年までに採択し、20年の発効を目指す。ただし、新枠組みにどこまで法的拘束力を持たせるかは合意できず引き続き交渉していく。
 COP17は、各国の主張が対立し、会期が2日間延びるという過去最長の締約国会議となった。

COP17合意…「京都」延長、新枠組み発効へ
(2011年12月11日12時53分 読売新聞)
 【ダーバン(南アフリカ)=吉永亜希子、中西賢司】国連気候変動枠組み条約第17回締約国会議(COP17)は11日朝(日本時間同日午後)、京都議定書を延長し、2020年にすべての主要排出国が参加する新しい枠組みを発効させることで合意し、閉幕した。
 京都議定書の延長期間は来年のCOP18で改正の手続きを行う。米国や中国なども参加する新たな枠組みは15年までに採択し、20年から発効させる。これを話し合うための新しい作業部会の設置も決めた。全体会合ではこうした内容を盛り込んだ「ダーバン合意」を採択した。
 日本は京都議定書の延長期間の削減義務は負わず、自主的な削減目標を掲げて取り組む。

COP17合意、重要事項先送り 「京都」延長期間など
新枠組みの法的位置づけ、12年から議論
2011/12/11 13:52日本経済新聞
 【ダーバン(南アフリカ)=上杉素直】2013年以降の温暖化対策を話し合う第17回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP17)が11日朝(日本時間同日昼)に採択した合意文書は、京都議定書延長と将来の新枠組みの双方で具体的な内容を来年以降に持ち越した。
 離脱した米国を除く先進国に温暖化ガス削減義務を課す京都議定書は12年末に最初の約束期間を終える。今回の合意で、13年から第2約束期間を設ける「延長」が決まった。
 欧州連合(EU)など第2約束期間に参加する先進国は来年半ばにも自らの削減目標値を示す予定。第2約束期間の長さは5年と8年の案があり、結論を先送りした。来年末にカタールのドーハで開く次回のCOP18で第2約束期間の期間や削減目標を盛り込んだ改定京都議定書を採択する段取りだ。
 米国や中国など温暖化ガスの主要排出国すべてを対象にした新しい枠組みは「ダーバン・プラットホーム(ダーバン枠組み)」と呼ばれる。15年までのなるべく早いタイミングで採択し、20年に発効する。
 今回の合意文書の段階では、ダーバン枠組みの法的位置づけについて議定書や協定など複数の選択肢を示すにとどめた。参加国の排出削減をどんな仕組みで促していくのかという議論は来年から本格化する。
 各国が改定京都議定書を批准する手続きには1~3年かかるとみられ、13年初めの時点では正確には国際法の拘束力をもたない公算が大きい。京都議定書の第2約束期間の長さによってはダーバン枠組み発効までの間に隙間の期間が生じる可能性がある。こうした期間に不都合が生じないような措置や配慮も今後の課題だ。

日本、延長の「京都」に参加せず COP17閉幕
温暖化ガス、自主目標で削減継続
日本経済新聞2011/12/11 14:08
 【ダーバン(南アフリカ)=福士譲】第17回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP17)は11日朝(日本時間11日昼)、2020年に米中が参加する新たな法的枠組み「ダーバン・プラットホーム(ダーバン枠組み)」の発効を目指す合意文書を採択して閉幕した。可能な限り早く、遅くとも15年までに交渉を終える。
 12年末に約束期限が終了する京都議定書については第2約束期間を設定することで合意した。欧州連合(EU)や途上国などが参加する。日本はロシア、カナダとともに、京都議定書の第2約束期間の設定には反対しなかったが、自らは参加しない。
 日本は13年以降、ダーバン枠組みが発効するまでの間、温暖化ガスの排出について法的拘束力がなくなる。ただ日本は現在、すべての主要排出国が参加する法的枠組みの構築などを前提に、温暖化ガスの排出量を20年までに1990年比25%減らすと国際的に公約している。排出削減目標は今後、東京電力福島第1原子力発電所事故を受けて抜本的に見直し中のエネルギー政策に左右される側面は否めないが、当面は「25%削減目標」に基づき、自主的排出削減努力を続けることになる。
 日本は第2約束期間には参加しないものの、京都議定書から離脱するわけではなく、批准国であり続ける。途上国の温暖化対策支援を通じて排出枠を取得できる「クリーン開発メカニズム(CDM)」についても、一部途上国からは「第2約束期間に参加しない国の使用は許さない」との主張があったが、日本のCDM利用を拒むことは決定されておらず、引き続き利用できる見通しだ。CDMなどの京都メカニズムを活用し、世界の温暖化防止の取り組みに関与し続ける方針だ。
 京都議定書では各国の排出削減目標とは別に、国際航空と国際海運からの排出削減を求めている。それぞれの国際機関の下での排出削減努力も継続する。

COP17】閉幕 京都議定書5年延長 新枠組みは15年までに決定、18年発効も EUと新興国の妥協成立 (1/2ページ)
2011.12.11 14:30 サンケイビズ
 【ダーバン(南アフリカ)=小雲規生】地球温暖化対策について協議する国連気候変動枠組み条約第17回締約国会議(COP17)は最終日から2日目にあたる11日早朝、京都議定書の5年間延長と、全ての国を対象とした新たな枠組みについて2015年までに合意することを柱とするダーバン宣言を採択した。新たな枠組みについては法的拘束力の強さについて欧州連合(EU)と新興国の間に対立があったが、11日未明の非公式閣僚級会合で妥協が成立した。新枠組みの発効時期は明示されず、議定書延長終了後の18年発効の可能性を残した。
 ダーバン宣言は12年末で期限が切れる京都議定書を13年から17年までの5年間延長することを決定。参加する国に対して来年5月までに目標数値を提出するよう要請する。EUは延長に応じることを明言しており、13年以降に排出量削減のための法的拘束力がなくなる「空白期間」は回避される。
 一方、日本は延長には参加しない方針を維持するため、削減義務は課せられない。
 また、京都議定書に代わる新たな枠組みについては、新たな作業部会を設置したうえで15年までに内容を固める。新たな枠組みは先進国と新興国を含めた全ての国が対象。法的な位置づけは、議長案では「議定書または別の法律文書」との表現だったが、「議定書、別の法律文書または法的効果のある合意」と改められた。法的拘束力に反発する新興国に配慮したかたちで、先進国と新興国が同様の削減義務を負うかどうかはあいまいになった。
 予定されていた9日の最終日をすぎても合意の道筋がみえなかったCOP17は、11日未明の非公式の閣僚全体会合で妥協が成立するという劇的な展開となった。
 COP17は10日午後11時40分に2つの作業部会の会合を終え、11日午前1時から非公式の閣僚級の全体会合を開始。提示された議長案のうち京都議定書の延長には大きな反対はなかったが、全ての国を対象とした新たな枠組みについては法的拘束力の強さを巡って議論が紛糾した。
 欧州連合のヘデゴー欧州委員はこの会合で、「国際社会で成果を出すには法的拘束力が重要だ」と述べ、強い法的拘束力を盛り込んだ議長案を支持することを表明。スイスや、島嶼国グループの議長であるグレナダなどが相次いで賛意を示した。
 これに対してインドのナタラジャン環境相は「公平さこそが重要だ」とまくしたて、法的拘束力について、今後の経済発展の必要がある新興国に配慮すべきだと主張。中国の解振華・国家発展改革委員会副主任は新興国に配慮することを約束するだけでなく、「その約束をどうやって実現するかを保証しなければならない」と述べた。
 これを受けてEUはインドとの協議のために休憩を取ることを提案。議長のマシャバネ・南ア外相がこれを認め、午前2時40分から約50分間の協議の結果、新たな枠組みの法的な位置づけに「法的効果のある合意」との文言を付け加えて議長案を修正することで妥協が成立した。
 この妥協案に対して中国の解副主任は反対を表明せず。公式な全体会合でも議長案が承認された。
 米国のスターン気候変動問題担当特使は修正前の段階で「議長案は力強いものだ」とだけ述べ、支持を表明していた。日本はこの問題については発言しなかった。

日本の不参加、複雑な思い=山田京都知事―COP17
2011年12月11日17時6分 朝日新聞←時事通信
 京都府の山田啓二知事は11日、国連気候変動枠組み条約第17回締約国会議(COP17)が閉幕したことを受け、「主要な排出国すべてが参加する新しい枠組みの包括的合意ができず京都議定書が延長されたが、わが国が参加しないことは大変残念で複雑な思いだ」とのコメントを発表した。
 山田知事は「京都としては、京都議定書誕生の地として、誇りと使命感を持って、府市が連携し、率先的な取り組みを進める」と強調した。 
  COP17最終調整 
 20111211
    
決裂の可能性も=紛糾のまま全体会合に-異例の展開・COP17
 【ダーバン(南アフリカ)時事】国連気候変動枠組み条約第17回締約国会議(COP17)は最終日の9日から延長2日目に入った11日も、最終合意に向けて大詰めの協議を続けた。しかし、2012年末で期限が切れる京都議定書の延長や、同議定書に代わる新たな法的枠組み(ポスト京都議定書)の構築について議論が紛糾。何ら妥協点を見いだせぬまま全体会合を再開する異例の展開となっており、交渉決裂という最悪の事態となる可能性もささやかれている。(2011/12/11-09:06)

COP17 決裂の可能性も
12月11日 6時41分 NHK
温暖化対策を話し合う国連の会議、COP17は、会期を延長しての交渉が続くなか、議長国の南アフリカが、事前の調整のために開いていた閣僚級の非公式協議を切り上げて全体会合を開きましたが、今も議論はまとまらず、会議は決裂する可能性も含んだ緊迫した状況となっています。
南アフリカで開かれているCOP17は、9日までの会期日程が丸一日延長される異例の展開となるなか、議長国の南アフリカは閣僚級の非公式協議を断続的に行い各国間の調整を続けてきました。しかし、これを急きょ切り上げて現地時間の10日午後7時すぎ(日本時間の11日午前2時すぎ)に公式の全体会合を開きました。これに先立って議長を務める南アフリカのヌコアナマシャバネ国際関係・協力相は「これまでの長時間にわたる交渉をむだにしてはならない」と述べ、各国に強く妥協を迫りました。全体会合ではまず、京都議定書を2013年以降、5年間継続する合意案が示されましたが、EU=ヨーロッパ連合が8年間にすべきだと指摘したのに対し、ベネズエラがこれに反対するなど、各国から合意案を巡って異論が相次ぎ、先行きが見えない状況です。一方、新たな枠組みについては、何年後に効力を持たせるかなどで各国の意見がまとまっておらず、会議は決裂する可能性も含んだ緊迫した状況となっています。

COP17:協議先送りの可能性 新枠組み、溝埋まらず
毎日新聞 2011年12月11日 東京朝刊
 【ダーバン(南アフリカ)江口一、高尾具成】京都議定書以降の地球温暖化対策の新枠組み(ポスト京都)を話し合う国連気候変動枠組み条約第17回締約国会議(COP17)は10日、米国や中国などを含む新たな枠組みの創設と、京都議定書延長について協議を続けたが、各国の溝が埋まらず時間切れとなり、協議を先送りする可能性も出てきた。
 会議は9日に終了予定だったが、10日に延長し、徹夜で非公式協議が断続的に開かれた。
 閉幕を前に帰国の途に就いた細野豪志環境相は、記者団に対し、「どこまで合意が得られるか難しいが、各国が目指す方向は同じだ」と述べた。議定書延長に反対している日本は、新たな数値目標を掲げないことを条件に、延長を受け入れる方針を示した。
 ヌコアナマシャバネ南アフリカ外相が提示した議長案によると、来年末で先進国の温室効果ガスの削減義務期限が切れる議定書を13年以降17年まで5年間延長、「第2約束期間」として設定する。一方、すべての主要排出国が参加する新枠組みを遅くとも15年までに採択する、としている。
 新枠組み発効時期をめぐっては、議定書延長後の第2約束期間が終了した直後の18年からか、各国が国連に提出した自主目標の年次である20年以降を示唆する表現となっている。また、国際法上の削減義務がある新議定書か、必ずしも削減義務を意味しない法的制度などの選択肢が示された。

解説:COP17難航 米中の消極姿勢が影響 各国主張も多様化
毎日新聞 2011年12月11日 東京朝刊
 国連気候変動枠組み条約第17回締約国会議(COP17)の協議難航は、多様化する各国の主張の中で妥協点を見いだすのに時間がかかったためだ。特に排出量が世界1、2位の中国、米国の新枠組み交渉に対する消極姿勢は交渉の行方に大きな影響を与えた。
 中国は今回、20年以降に温室効果ガスの削減義務受け入れを示唆したが、「我々は途上国であり、削減義務より、先進国から資金と技術の支援を受けるのが先」(解振華・国家発展改革委員会副主任)と本音を漏らした。
 これを見透かした米国は「彼らの姿勢は何ら変わらない」(トッド・スターン国務省気候変動担当特使)と喝破、一時は事実上、新枠組みの交渉開始を拒否。欧州連合(EU)は米中間の動きを批判、議定書延長受け入れをカードに「米中も新枠組みに加われ」と迫り続け、交渉での柔軟性を失っていた。
 さらに、温暖化被害が特に顕著な島しょ国やアフリカなどの途上国は、単に先進国に議定書の延長を求めるだけでなく、「新枠組みは20年以降」とする米中にも「遅すぎる」と早期の新枠組みづくりを迫った。「先進国」対「途上国」という図式が成り立たなくなったのも今回の交渉の特徴だ。議定書で削減義務を負っている先進国の温室効果ガス排出量が世界全体で占める割合は現在、26%にすぎない。
 さらに13年以降、日本とロシア、カナダが不参加となり、EUなどだけに限定され、15%程度まで落ちこむ。環境NGOは「悲愴(ひそう)な現実」と嘆き、法的拘束力を持った温暖化対策の形骸化は誰の目で見ても明らかだ。
 現在、数十カ国以上が国連に20年時点の自主的な排出目標や対策を提出し、日本は90年比で25%削減を掲げている。新枠組みが遠のき、各国の掲げた温暖化対策遂行を信じるしかない状況になった。【ダーバン(南アフリカ)江口一、高尾具成】 
  米国、日本に「化石賞」 議定書目標の拒否で 
20111209
    
米国、日本に「化石賞」 議定書目標の拒否で
2011/12/09 09:27 【共同通信】
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 【ダーバン(南アフリカ)共同】各国の環境保護団体でつくる「気候行動ネットワーク」は8日、地球温暖化対策に後ろ向きな国に贈る「化石賞」の1位に米国を、2位に京都議定書の次の目標を拒んでいる日本とカナダ、ロシアを選んだ。
 気候変動枠組み条約第17回締約国会議(COP17)の会場で発表した。日本はこれまで、温暖化交渉の会期中に連日発表される化石賞の“常連”だった。COP17では初めての受賞で、存在感の薄さを裏付けた。
 細野環境相が、議定書の次の目標期間に「加わるつもりはない」と発言したことなどが理由。米国については、気温上昇抑制の真剣な姿勢がないと批判した。

日本に皮肉を込め「化石賞」
12月9日 6時13分 NHK
温暖化対策を話し合う国連の会議COP17が最終日を迎えるのを前に、温室効果ガスの削減を義務づける唯一の国際的な枠組みである京都議定書の継続に反対する日本政府などに対して、環境NGOが、交渉に後ろ向きだとして皮肉を込めて「化石賞」を贈りました。
「化石賞」は、各国の環境NGOで作る組織がCOP17の会期中「最も交渉に後ろ向きな対応をした」と判断した国に皮肉を込めて毎日贈っているものです。8日、この組織は、カナダ、日本、それにロシアの3か国が「京都議定書の継続に強く反対し続けており、交渉を妨げている」という理由で2位の化石賞を贈られたと発表しました。日本は、過去の温暖化対策の会議でもこの賞をたびたび贈られてきましたが、今回の会期中では初めての受賞となりました。日本政府は「今後も温暖化対策で最大限の努力をするという説明を尽くしていきたい」としています。化石賞の1位は、新たな法的枠組みを先送りしようとしているとして、アメリカが選ばれました。 
  産経新聞の主張 
20111209
     
産経新聞は(いい記事を書く記者もいるのですが)環境についてどう考えるのか知りませんが、製造業のうち温暖化対策技術の製造と雇用についてもほとんど興味ないようですね。

COP17と日本 議定書の延長拒否は当然
2011.12.9 03:26 産経新聞主張
 南アフリカのダーバンで開かれている国連気候変動枠組み条約第17回締約国会議(COP17)が大詰めを迎えている。
 各国の利害が激しく対立する中で、地球温暖化問題解決へのまっとうな取り組みを続ける日本の姿勢は評価されてしかるべきだが、旗色は必ずしも芳しくない。
 だが、事は地球環境の将来と日本の国益に深くかかわる重大問題である。細野豪志環境相をはじめとする交渉団は最後まで日本の立場をしっかり主張してほしい。
 二酸化炭素など温室効果ガスの国別削減割合を定めた京都議定書の第1約束期間の期限は、1年後の2012年末に切れる。
 世界の約190カ国が参加して先月28日から始まったCOP17では、新たな削減の枠組みを構築しなければならないが、各国は歩み寄れないままだ。
 世界最大の排出国である中国に代表される新興国が、京都議定書の単純延長を声高に主張している。中国やインド、南アフリカなどは途上国と位置づけられ、削減義務を免れているからだ。米国も議定書から離脱したままだ。
 中国は今回、2020年以降の新枠組みならば参加する意向を表明した。しかし、それには2013年から8年間の京都議定書延長などを交換条件としている。
 こうした中国の変化は、一見前向きに見えるが、裏返せば、その間は制約を受けることなく温室効果ガスの大量排出を続けるという国際宣言にほかならない。
 欧州連合(EU)は、中国の主張に寄り添いつつあると伝えられる。しかし、日本としては絶対に妥協してはならない方向だ。
 京都議定書を単純に延長することに反対している日本への風当たりは強い。COPの会場では、新興国や途上国の一部から「京都を殺すな」の声が上がっている。
 だが、残念ながら京都議定書は当初の理念に反して温暖化防止の機能を喪失し、温暖化加速の国際条約と化してさえいる。
 細野氏も指摘する通り、京都議定書の単純延長は、世界の温室効果ガス排出量の4分の3を放置することにもなるからだ。延長論をのめば地球環境は悪化する。
 COP最終日の9日、交渉の議論は白熱する。地球を救い、国益を守るためにも、京都議定書の延長論に反対する姿勢を日本は最後まで貫くべきである。
  温暖化責任銀行、三菱UFJ17位 NGOがランク付け 
20111208
    
温暖化責任銀行、三菱UFJ17位 NGOがランク付け
朝日新聞2011年12月8日16時44分
 南アフリカ・ダーバンで開かれている気候変動枠組み条約締約国会議(COP17)に関連し、ドイツなどの環境NGOが「温暖化に責任のある銀行」のランキングを発表した。
 環境への負荷が大きい石炭火力発電所と関連事業に対する世界93行の融資額などを調べ、京都議定書が発効した2005年から5年分を積算した。
 上位20行のうちJPモルガン・チェースを筆頭に欧米系銀行が16行を占めた。邦銀は、三菱UFJフィナンシャル・グループが17位だった。 
  細野環境相演説に批判相次ぐ 
20111208
   
細野環境相演説に批判相次ぐ
2011.12.8 08:15産経新聞
 【ダーバン(南アフリカ)=小雲規生】国連気候変動枠組み条約第17回締約国会議(COP17)で7日、京都議定書の延長に応じない立場を表明した細野豪志環境相は、議定書に代わる枠組みづくりに向けた作業部会設置を求めた。ただ、発展途上国からは「議定書を葬るな」との声も上がった。
 細野環境相は将来的な法的拘束力のある枠組みについて、「2020(平成32)年を待たずにできるだけ早急に成立させる必要がある」と強調。そのための議論の場として、COP17で「新たな作業部会を設立すべきだ」と求めた。
 日本と同様に議定書延長を拒否するカナダのケント環境相も、「われわれにとって、『京都』は過去のものだ」と発言した。
 細野氏は、干魃(かんばつ)や海面上昇の危機にさらされているアフリカ各国や島嶼(とうしょ)国などに対し、12年までに150億ドルの資金援助を行うことを約束。13年以降も「切れ目ない支援が実施されることが重要」として、京都議定書延長に反対しながらも地球温暖化問題への対応に尽力する姿勢を示した。
 しかし、「議定書をアフリカの地で葬るようなことがあってはならない」(島嶼国コモロ)、「海面上昇で国土を失う危機にある」(マーシャル諸島)、「われわれはもう待てない」(ツバル)と、先進国の削減努力を求める意見が相次いだ。
 細野氏はこのほか、現行の京都議定書で公約している08~12年に排出量を1990年比6%削減する目標に関し、「原発の停止で、厳しいものになったが、不可能ではないと考えている」と語った。
 一方、新たな枠組みの特別作業部会の議長が7日、新たな交渉文書を各国に示したが、先進国と途上国の主張を列挙して大きな歩み寄りはみられず、非公式の閣僚級協議で妥協点を探る。

COP17:京都議定書延長、改めて反対強調--細野環境相
毎日新聞 2011年12月8日 東京朝刊
 【ダーバン(南アフリカ)高尾具成、江口一】細野豪志環境相は7日、国連気候変動枠組み条約第17回締約国会議(COP17)の閣僚級会合で演説した。13年以降に京都議定書の枠組みを延長することについて「将来の枠組みに資さず、加わるつもりはない」と強調した。
 この日も途上国から「議定書を葬るな」と発言があるなど、議定書延長に対する日本の消極姿勢に批判が強まっているが、細野環境相は「世界の急速な変化で、議定書に基づいて削減義務のある国の温室効果ガス排出量は世界の排出量の4分の1しか占めない」と理解を求めた。すべての主要排出国が参加する新たな枠組みについて、「20年を待たずに成立させる必要がある」と強調した。

議定書継続後の枠組みに焦点
12月8日 5時2分 NHK
南アフリカで開かれている、温暖化対策を話し合う国連の会議=COP17は、先進国だけに温室効果ガスの削減を義務づけた京都議定書を、来年に期限が切れたあとも継続したうえで、新たな法的な枠組みに、何年後にどういった条件で移行するかを巡って、合意にこぎつけられるかに、焦点が移ってきています。
COP17は、閣僚級会合2日目の7日、各国の閣僚の演説が行われ、細野環境大臣は、来年で期限が切れる京都議定書について、仮に2013年以降継続されても、加わるつもりはないという考えを表明するとともに、議定書に代わる新たな法的枠組みについては、EU=ヨーロッパ連合が2020年までに始めることを提案するなか、2020年を待つことなく、できるだけ早急に成立させる必要があるという提案を行いました。日本としては、EUが、新たな枠組みができるまでは、日本などが参加しなくても、議定書を継続すべきだと主張していることなどから、議定書が継続された場合を想定し、その後の枠組みを巡る議論に積極的に関わる姿勢を示したものです。しかし、日本が、その前段階では議定書に残る考えのないことに対して、途上国やNGOから批判する声が相次ぎ、中には、日本も新たな枠組みを目指す時期を明確に示すべきだという意見も聞かれました。会議の焦点が、新たな枠組みに移行する時期や条件を巡って合意にこぎつけられるかに移るなか、細野大臣は、削減義務のないアメリカや中国とも会談を行うなどして、提案への理解を求める考えですが、どこまで主張を浸透させることができるか、今後の交渉が問われることになります。

COP17:温暖化対策 米、新枠組み交渉拒否 部会に案提示
毎日新聞 2011年12月8日 東京朝刊
 【ダーバン(南アフリカ)江口一、高尾具成】京都議定書以降の地球温暖化対策の新枠組み(ポスト京都)を話し合う国連気候変動枠組み条約第17回締約国会議(COP17)の作業部会に、米国が事実上、日欧が求める新枠組み実現に向けた交渉開始を拒否する提案をしていたことが7日、分かった。今回のCOPはこの交渉開始で合意できるかが最大の焦点で、米の消極姿勢は会議の結論に大きな影響を与えそうだ。
 作業部会議長は同日、閣僚級交渉に向けた新枠組みに関する議長案を公表。新しい作業部会などで来年から交渉を始め、遅くとも15年までに採択する▽何も決定しない--など複数の選択肢を示した。
 交渉筋によると、米国は6日夜までに新枠組み採択や、それにつながる交渉に関する表現を一切、排した妥協案を提示、議長案に盛り込まれた。各国は「事実上、交渉開始の先送りを求める提案」と受け止めた。
 日本や欧州連合(EU)が描く新枠組みは、京都議定書に代わる新議定書などの採択を指し、批准手続きを考慮し20年前後の実現を描いている。一方、米国は昨年、採択した「カンクン合意」を重視。カンクン合意では、各国が20年までの温室効果ガス削減の自主目標を国連に登録し、その達成を目指すが、法的拘束力はない。
 米国は記者会見などで、新枠組みへの議論参加を示唆したが、今回の提案はカンクン合意の実施だけに言及し、「カンクン以降」の議論を事実上、拒否している。背景には来年の大統領選を控え、国内で温暖化対策に消極的な共和党などに配慮したとみられる。

米中印が激しく抵抗 新枠組みの法的拘束力
更新2011年12月07日 10:47
http://www.usfl.com/Daily/News/11/12/1207_012.asp?id=92357
 南アフリカでの気候変動枠組み条約第17回締約国会議(COP17)で、全ての国が参加する新たな枠組みに法的拘束力を持たせる方向で交渉を進めることに、米国、中国、インドの3カ国が激しく抵抗していることが7日、分かった。
 欧州連合(EU)は、新枠組みに法的拘束力を持たせると各国が今回合意することなどを条件に、京都議定書の次の排出削減目標を受け入れる姿勢を見せており、排出量が多いが今は削減義務を負っていない3カ国の抵抗で、全体の合意が危ぶまれる状況になっている。中国は、2020年以降に法的枠組みに参加する用意があるとするが、強い拘束力がかかるのを警戒する姿勢がうかがえる。
 複数の関係者によると、3カ国は非公開で行われた会合で、新枠組みに向けた工程表に、法的拘束力のある枠組みをつくると明記することに強く反対。中国とインドは、今会合では何も決めずに拘束力の有無を含め議論を継続するとの記述を求めたという。(共同)

揺らぐ京都議定書延長 COP17 EU参加強調も高い壁
2011.12.8 05:00サンケイビズ
 地球温暖化対策について協議する国連気候変動枠組み条約第17回締約会議(COP17)で京都議定書の延長が揺らいでいる。欧州連合(EU)は6日夕方、京都議定書延長への参加を改めて強調したが、経済危機にあえぐ産業界の反発を考えれば、延長参加のハードルは高い。2012年末に京都議定書の期限が切れた後に空白期間が生じる恐れがあり、EUには焦りもみえる。一方、日本は7日に細野豪志環境相が演説し、干魃(かんばつ)や海面上昇の危機にさらされているアフリカ各国や島嶼(とうしょ)国などに対し、12年までに150億ドルの資金援助を行うなど、途上国への支援などでの貢献をアピールした。
 「EUは単独でも京都議定書延長に参加する用意がある」。EUのヘデゴー欧州委員は6日夕、閣僚級会合でこう宣言した。日本などの動向にかかわらず京都議定書延長に向かう意思を改めて示したかたちで、新興国は万雷の拍手を送った。
 しかしヘデゴー氏の表情には焦りの色もみえる。EUは京都議定書を延長しなければ、排出量取引市場が暴落すると懸念しているが、実際にはEU単独での延長は難しいとみられるからだ。
 背景には欧州の経済危機の深刻化がある。排出量規制は産業界に巨額のコストを強いるため、「EUだけに義務が課されれば、経済にとって大きなダメージだ」(欧州鉄鋼連盟)との声は勢いを増す。たとえEUが単独でCOP17での京都議定書延長に応じても、「域内で批准できない可能性もある」(日本政府関係者)。
 このためEUは「他国も削減義務を受け入れる時期を示さねばならない」(ヘデゴー氏)と強く訴えてきた。しかし米国は「義務を受け入れるかどうかは決められない」(スターン気候変動問題担当特使)との立場を維持している。中国も条件付きの義務受け入れを示唆するが、EUが求める先進国と新興国が一つの枠組みに入ることには否定的だ。
 EUが京都議定書延長に参加できなければ、13年以降が温室効果ガス排出量削減の枠組みがなくなる空白期間となることは避けられない。新興国から米国や日本への批判が強まることも予想される。
 こうした批判をかわすため、日本は今後も資金、技術の両面での支援を継続し、京都議定書延長反対によるマイナスイメージを払拭していく考えだ。また細野環境相は7日に閣僚級会合で演説し、当面は各国が掲げる自主的な削減目標を着実に実行するよう促したうえで、2020年までに削減義務を伴った新たな枠組みを立ち上げるよう提案した。(南アフリカ・ダーバン 小雲規生)

中国が大きな存在感 COP17、日本への関心低く
中国新聞←共同通信
 【ダーバン(南アフリカ)共同】南アフリカで開催中の気候変動枠組み条約第17回締約国会議(COP17)で、中国の存在感が際立っている。国際交渉の中では早々に妥協の姿勢を表明して交渉をリード。会場内の「中国パビリオン」では連日、多彩なイベントを開いて「地球温暖化対策に熱心な中国」をアピールしている。
 一方、京都議定書での次の削減義務を拒否し、それに代わる具体的な提案も乏しい日本への関心は中国に比べて低い。パビリオンも設置せず、サイドイベントには日本の関係者の姿ばかりが目立つ。
 日本政府関係者は「会議での日本の存在感低下は困ったもの。交渉でも、実際の温暖化対策でも置いていかれる」と懸念を示した。
 「京都議定書を拒否する日本やロシア、カナダなしでも、欧州と中国などの強い絆があれば国際的な温暖化対策の新たな構図ができる。いずれ日本も米国も、これに従うのか、その外にいるのかの決断を迫られるだろう」―。7日午前、中国パビリオンで開かれた政府主催のサイドイベントで、イタリアのクリニ環境相はこうスピーチして大きな拍手を浴びた。
 中国政府代表団長の解振華・国家発展改革委員会副主任が出席する会場内は100人以上の参加者で超満員。
 英国のヒューン・エネルギー・気候変動相、プレスコット元副首相らも姿を見せ、イベント後、ヒューン氏は「中国国内の排出削減対策は進んでいる。中英の協力強化は今後の重要な課題だ」と述べた。
 解副主任はCOP17が2週間目に入る直前に「京都議定書に基づく先進国の次の目標設定などと引き換えに、2020年から法的拘束力のある枠組みに参加する用意がある」と表明。一方で、会議の文書中の将来枠組みに拘束力を持たせるとの文言には強硬に反対するなど、したたかだ。
 日本政府は6日、サイドイベントを主催して、アフリカの温暖化対策を支援する「アフリカ・グリーン成長戦略」の骨子案を発表するなど発展途上国支援での積極姿勢をアピール。7日には代表団の記者会見でもこれを紹介したが、中国の会見に比べて外国人記者の参加者は少なかった。
   COP17 新枠組み見送り
20111207
      
COP17:作業部会 新枠組み見送り確定 「京都」延長焦点に
毎日新聞 2011年12月7日 東京夕刊
 【ダーバン(南アフリカ)江口一、高尾具成】京都議定書以降の地球温暖化対策(ポスト京都)を話し合う国連気候変動枠組み条約第17回締約国会議(COP17)の作業部会は、今回の交渉での新枠組み採択を正式に断念した。7日朝(日本時間同日午後)にも今後の交渉方針について複数案を盛り込んだ文書を各国に示す。
 関係者によると、6日の非公式協議で、現在と同じか、新しい作業部会を設置して交渉を始め、新枠組みなどを作る▽何も決定しない--といった選択肢が示され、COP17での京都議定書に代わる新たな枠組みの採択を見送っている。
 京都議定書は先進国のみに対し、第1約束期間(2008~12年)の温室効果ガスの排出削減を義務づけた。来年末で期限を迎えるため、締約国会議は当初、09年のCOP15で新枠組みを作り、13年以降も切れ目ない温暖化対策を目指した。
 だが、排出量が急増している新興国の対策を求める先進国と、温暖化を招いた先進国が率先すべきだと主張する途上国が対立。期限を1年ごとに延ばし、今年の最終決着を目標にしたが、打開策を見いだせなかった。
 干ばつなど温暖化の影響への懸念から、「温暖化対策の空白期間を作ってはならない」(ズマ南ア大統領)として、議定書の枠組みを延長した第2約束期間(13年以降)の設定も焦点になっている。

京都議定書、EU「単独でも延長」…日本は反対
(2011年12月7日14時33分 読売新聞)
 【ダーバン(南アフリカ)=吉永亜希子、中西賢司】南アフリカで開催中の国連気候変動枠組み条約第17回締約国会議(COP17)の閣僚級会合が6日始まった。
 欧州連合(EU)のコニー・ヘデゴー欧州委員(気候変動担当)は、来年期限切れとなる京都議定書について「EUは単独でも延長する用意がある」と表明し、日本などが参加しなくても延長する姿勢を明確に示した。
 中国など途上国も延長を強く主張していることから、9日の最終日に向けて本格化する閣僚級交渉で延長合意が現実味を帯びてきた。日本は延長に反対で、延長された場合は二酸化炭素(CO2)など温室効果ガスの削減の義務を負わず、自主的削減に取り組む。
 ヘデゴー欧州委員は「いくつかの国が参加しないことは理解しているが、EUは単独でも延長する用意がある」と発言し、会場を埋め尽くした途上国の閣僚らの喝采を浴びた。

環境相に「京都議定書ラブ」ネクタイ贈呈 国際NGO
朝日新聞2011年12月7日15時1分
NGOから「京都議定書が大好き」と書かれたネクタイを贈られた細野環境相=ダーバン、杉山正撮影
 国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP17)が開かれている南アフリカ・ダーバンで6日、アフリカや米国などのNGOメンバーが細野豪志環境相と面会した。2012年末で期限切れになる京都議定書の延長と日本の参加を促した。
 米NGOのレベッカ・チャッコーさん(34)は細野氏に「I ● KP(京都議定書が大好き、●はハートマーク)」と書かれたネクタイを贈り、「京都議定書は大切な誇るべき枠組みだ」と訴えた。細野氏は「ネクタイ、ありがとう」と笑顔で応じたが、延長への参加は拒否した。
 京都議定書を巡っては、欧州連合(EU)が「温暖化対策のシンボル」と明言する中、延長を強く求める途上国や環境団体などから日本への圧力が強まっている。(ダーバン=杉山正)

COP17 南アフリカ・ダーバンのビーチで、NGO団体が「地球温暖化はねつ造」とデモ
フジテレビ系FNN
http://www.fnn-news.com/news/headlines/articles/CONN00213062.html
温暖化対策を話し合う国連の会議「COP17(気候変動枠組み条約第17回締約国会議)」が行われている南アフリカで6日、「地球温暖化はねつ造だ」とするNGO(非政府組織)団体がデモを行った。
ダーバンのビーチでは、温暖化が進んでいることに疑問を持つNGOたちが、パラシュートを使ったデモンストレーションを行った。
NGO団体は「これ以上、条約はいらない」などとメッセージが書かれた旗を足につけるなどし、地球温暖化は科学者たちのねつ造だと主張している。
居合わせた人は「若い子には受けるわ」、「面白かった」と話した。
COP17は、細野環境相も出席して、閣僚級会合が始まった。
京都議定書の期限が切れる2013年以降の新たな規制の枠組みをめぐって、各国の対立が浮き彫りになっている。
(12/07 17:09) 
  COP17関係 
20111207
      
COP17、各国から日本に厳しい視線
(07日06:34)
 地球温暖化対策を話し合う国連の会議、COP17。日本は温室効果ガスの削減義務を先進国だけに課した京都議定書の延長に断固反対していますが、各国の視線は厳しくなっています。
 地球温暖化対策についての唯一の国際ルール、京都議定書は来年いっぱいで期限切れとなりますが、これに代わる法的枠組みについて日本から参加している細野大臣は、いくつかの国が言及している2020年を待たずにできるだけ早く発足させるべき、との立場を表明しました。
 ただ、日本政府は中国やアメリカなど大量に温室効果ガスを排出する国が削減義務を負っていない現状では、再来年以降、京都議定書の第2約束期間には参加しないとの立場は変えていません。
 これに対して6日は、アフリカ諸国の首脳・閣僚クラスが演説で次々に京都議定書の延長を求めたのに加え、細野大臣と会談した日本や海外のNGOも「日本は立場を再考してほしい」と訴えました。
 「かつては干ばつは10年に1度でした。今は1~2年に1度、干ばつが起きます。第2約束期間がなくなって京都議定書に基づく全ての議論が崩壊すれば、アメリカなどの国々を引き込むこともできなくなってしまいます」(エチオピアのNGO「環境フォーラム」のメンバー)
 「アフリカというのは、気候変動の影響を最も強く受けている地域でもあるので、その地において話される会議において日本が積極的になれない、積極的に見てもらえないというのは、すごく悲しいことだと思っています」(WWFジャパンメンバー)
 細野大臣は7日に演説に立ちますが、アフリカ諸国の前で少々居心地の悪い演説になりそうです。

15年めどに中間まとめ=ポスト京都、交渉進展へ妥協策-COP17
時事通信
 【ダーバン(南アフリカ)時事】地球温暖化対策を話し合う国連気候変動枠組み条約第17回締約国会議(COP17)で6日、2013年以降の温室効果ガス削減の新たな法的枠組み(ポスト京都議定書)について、15年をめどに各国の意見を反映した中間報告をまとめる案が浮上した。ポスト京都に関する時間軸の設定は、今会議の焦点の一つ。各国の対立で足踏みが続く交渉を進展させるための妥協策となる可能性がある。
 欧州連合(EU)は、12年末で終わる京都議定書の延長を受け入れる条件として、15年の新枠組み合意を目指す「ダーバンロードマップ(行程表)」策定を要求。しかし、米国や中国が難色を示すなど、要求通りの実現は困難とみられている。
 そのため、来年以降に新枠組みの議論を仕切り直し、15年をめどに一定の結論を出す案が浮上した。主要各国は今会議の成果の落としどころを探る作業に入っており、日本も新たな作業部会の設置を提案している。
 ただ、実際に新枠組みに移行する時期については、各国で意見に差があり、中間報告で具体的に明示できるかどうかは不透明だ。(2011/12/06-19:53)

京都議定書延長、検討を=国連事務総長-COP17
時事通信
 【ダーバン(南アフリカ)時事】国連気候変動枠組み条約第17回締約国会議(COP17)は6日午後、各国閣僚級による代表者会合に入った。開会式で国連の潘基文事務総長は「気候変動問題は京都議定書だけでは解決できないが、土台になるものだ」と述べ、2012年末に終わる京都議定書延長の検討を出席者に呼び掛けた。(2011/12/07-00:10)

COP17閣僚級会合が開幕 最終合意へ駆け引き本格化
2011/12/07 00:13 【共同通信】
 【ダーバン(南アフリカ)共同】京都議定書に定めのない2013年以降の地球温暖化対策を議論する南アフリカでの気候変動枠組み条約第17回締約国会議(COP17)は6日午後(日本時間同日夜)、各国の首脳や環境相らによる閣僚級会合が始まった。
 温室効果ガスの削減目標がない「空白期間」を避けるため、最終日の9日にかけて合意に向けた駆け引きが本格化。国連の潘基文事務総長は「地球の将来は危機にひんしており、世界がリーダーシップを注視している。議定書の次の目標をめぐる議論と向き合うよう各国に求める」とあいさつし拍手を浴びた。

COP17 閣僚級会合始まる
12月6日 23時41分NHK
南アフリカで開かれている温暖化対策を話し合う国連の会議=COP17は閣僚級会合が始まりました。これに先立ち細野環境大臣は、すべての国が削減の義務を負う枠組みを2020年まで待たず早急に始めるべきだという日本の新たな提案を行い、今後、各国の理解を求めていくことになりました。
COP17は、日本時間の6日午後10時すぎ、細野環境大臣も出席して閣僚級会合が始まりました。会合には国連のパン・ギムン事務総長も出席し、「私たちの地球の将来がこの会議にかかっている」と述べて、各国の連帯を訴えました。COP17では、先進国に温室効果ガスの削減を義務づけた京都議定書の期限が切れる2013年以降、どのような枠組みで取り組みを進めるかが焦点となっています。これまでの交渉で、EU=ヨーロッパ連合は、中国など主要な排出国も参加する新たな法的枠組みを2020年までに始めることを条件に、議定書の継続を認める考えを示した一方、中国は2020年以降に法的枠組みに参加する可能性を示しています。こうしたなか、細野大臣は閣僚級会合を前に、議長国=南アフリカの代表と会談を行い、2020年まで待たずにできるだけ早急に新たな枠組みを始めるべきだとする新たな提案を行いました。新たな枠組みでは、すべての国が削減の義務を負う一方、義務の内容は各国の状況に応じて異なる部分も認めるべきだとしています。細野大臣は、こうした日本の提案を7日の閣僚級会合でスピーチを行うなどして理解を求めていく方針で、最終日の9日までぎりぎりの交渉が続く見通しです。

京都議定書「延長」論相次ぐ COP17閣僚会合
2011/12/7 10:44日本経済新聞
 【ダーバン(南アフリカ)=上杉素直】第17回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP17)は6日午後、閣僚級会合が始まった。途上国は2012年末に切れる京都議定書の延長を求め、欧州連合(EU)も延長受け入れを表明。条約事務局長も記者会見で、延長を前提に議論が進むとの認識を示した。日本は細野豪志環境相が7日に演説し、延長反対と全ての主要排出国が参加する新たな枠組みの早期開始を訴える。
 議長国・南アのズマ大統領は閣僚会合の開幕演説で「京都議定書の延長は必須だ」と述べ、途上国や島しょ国からも延長論が相次いだ。現行議定書では温暖化ガスの排出量が世界最大の中国を含む新興・途上国、米国は削減義務を負わない。
 EUのヘデゴー欧州委員は「包括的かつ法的拘束力のある目標を設定する必要がある」とし、全主要排出国が入る新たな枠組みを20年までに導入する案を改めて主張。そのうえで「いま、我々は京都議定書の(13年以降の削減目標に関する)第2約束期間を設定する用意がある」と延長受け入れを公式に表明し、途上国から喝采を浴びた。
 フィゲレス気候変動枠組み条約事務局長は6日の会見で、議定書延長は「やるかどうかではなく、どうやってやるか」の議論になっているとして、延長を前提に交渉が進んでいるとの認識を示した。国連の潘基文事務総長も「温暖化問題は京都議定書だけでは解決できないが、同議定書は土台になる」と述べた。
 事務総長はすべての国に公平で温暖化防止に効果的な法的枠組みの必要性も強調。「COP17での達成は難しいかもしれないが、空白期間をつくらないため(次善の策として)各国が国内で法的拘束力を持つ約束をして温暖化対策を進める道がある」とした。

COP17閣僚級会合開幕 20年以降枠組みを本格協議
2011/12/6 20:43日本経済新聞
 【ダーバン(南アフリカ)=上杉素直】2013年以降の温暖化対策の枠組みである「ポスト京都議定書」を話し合う第17回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP17)は6日から閣僚級会合を開始し、本格的な交渉に入った。最大の焦点は中国と米国の対応。京都議定書を延長する代わりに、20年以降の新枠組みを求める欧州連合(EU)提案を中国が受け入れる姿勢を表明。米国や日本がこれにどう応じるかが注目されている。
 「中国に直接、真意を確かめたい」。EUのヘデゴー欧州委員は5日の記者会見で中国の動きを見極める考えを示した。
 温暖化対策を巡る国際交渉は(1)日欧などだけが削減義務を負う京都議定書の延長(2)主要排出国の米中を含めた包括的な枠組みの構築――が論点になっていた。国際交渉が足踏みを続けるなか、中国が唐突に表明した削減義務の受け入れは「劇的転換」(米国の交渉関係者)だった。
 20年以降に削減義務を負うという中国の姿勢はEU提案への呼応といえる。京都議定書の期限切れを12年末に控え、EUは議定書延長を容認する条件として、20年以降の新たな枠組みを15年までに合意する行程表を求めていた。
 もっとも中国の行動は計算ずくとも映る。削減義務を受け入れる前提と位置付けたのは京都議定書の延長と先進国による途上国支援。この枠組みなら、20年までは温暖化ガス排出も規制されずに済む。将来の負担と引き換えに目先の利益を確保する戦術だ。
 中国の方針転換は削減義務への反対で足並みをそろえていた国の反発も招いた。インドのナタラジャン環境相が6日に中国に不快感をにじませるなど、各国の駆け引きが活発になっている。
 20年以降の新枠組みで国際合意が得られるかどうか。カギを握るのは京都議定書から離脱状態の米国と、日本の動きだ。
 米国は国内の財政問題や来年の大統領選という事情を抱えており、現時点では様子見を決め込んでいる。ただ、しばらくは削減義務を負わずに済むという意味で、20年以降の新枠組みの構築には同調しやすい。EUと中国の連携で柔軟な姿勢に転じる可能性がある。
 これに対して日本はロシアやカナダとともに京都議定書の下で、13年以降も削減義務を負うことに強く反対している。京都議定書でEUなどに比べて実質的に重い排出削減を義務付けられているからだ。産業界の反対や福島第1原子力発電所の事故などの影響もある。
 EU・中国に米国が歩み寄れば、欧米中主導で20年以降の枠組みの議論が進み、その結果として13年以降の京都議定書の延長が支持される可能性がある。議長国・南アのズマ大統領は6日の開幕演説で「京都議定書の延長は必須だ」と語った。
 COP17出席中の細野豪志環境相は6日、ヌコアナマシャバネ議長(南ア外相)と会談した。20年以降の新枠組みを求めるEU提案に関連して「20年を待つことなく、できるだけ早急に成立を目指すべきだ」と訴えた。すべての国が削減義務を負う必要性を強調したが、その内容では「各国で異なる部分も認めるべきだ」と語った。

COP閣僚級会合、国連事務総長が歩み寄り訴え
(2011年12月7日00時29分 読売新聞)
 【ダーバン(南アフリカ)=吉永亜希子、中西賢司】国連気候変動枠組み条約第17回締約国会議(COP17)の閣僚級会合が6日、開幕した。
 潘基文国連事務総長は「世界中で気候変動に苦しむ人々が支援を訴えている。経済危機の現実や、国内政治を乗り越えるリーダーシップに期待したい」と、各国に歩み寄りを呼びかけた。
 閣僚級の交渉は、京都議定書の約束期間(2008~12年)延長を求める中国などの途上国と、議定書延長を条件付きで容認する欧州連合(EU)の話し合いを軸に進むと見られている。
 延長の条件としてEUは、13年以降の温室効果ガス削減の新たな国際的枠組みについて、15年までに交渉を終え、20年までの発効合意を要求。しかし「先進国は議定書を延長し、歴史的な削減義務を果たすべきだ」とする途上国の主張との隔たりは大きく、9日の会期最終日までギリギリの交渉が続く。

COP17 中国の義務受け入れに懐疑論 米国の動きが焦点 
2011.12.7 00:16 産経新聞
 【ダーバン(南アフリカ)=小雲規生】地球温暖化対策を話し合う国連気候変動枠組み条約第17回締約国会議(COP17)は6日(日本時間同日夜)、閣僚級会合が始まる。中国が2020年以降の温室効果ガス排出量の削減義務受け入れを示唆したことで、次の焦点は米国の出方となっている。現時点で米国は中国が先進国と同様の義務を容認することに懐疑的だが、今後の交渉で米国が同調すれば、日本が反対する京都議定書延長の流れが決定付けられる恐れもある。
 閣僚級会合は8日まで各国の代表者が意見を表明するほか、2国間会合などを重ね、9日の閉幕に向けた詰めの交渉を行う。
 「削減義務に関する中国の主張に変化があったとは感じなかった」
 米国のスターン気候変動問題担当特使は6日の会見で、この日の午前に中国の代表団と会ったことを明かした上で、中国の対応に疑いのまなざしを向けた。
 中国が容認を示唆したのは、12年末に期限が切れる京都議定書を延長した上で、20年以降にすべての国が参加した新たな枠組みを作るというもの。その際には、中国を含めた主要排出国が削減義務を負う。これは、COP17で合意が得られず13年以降に国際的な枠組みの空白期間が生じることを懸念する欧州連合(EU)の提案とも一致する。
 現行の議定書は先進国だけに削減義務があり、途上国扱いの中国や、議定書を批准していない米国には義務がない。米中は世界の温室効果ガスの2大排出国でもあり、両国の動きは交渉の行方を大きく左右する。
 その米国が中国の動きに懐疑的なのは、義務受け入れの条件として国の発展状況の違いを考慮することも求めているためだ。米国は中国などが同じ枠組みに入らない限りは自ら削減義務を負う考えはないと主張してきた。だが、米国が求める「同じ枠組み」を中国が受け入れるかどうかは不透明。日本政府関係者は「中国は先進国と新興国を区別した義務を想定しているのではないか。イメージアップを狙ったものだろう」と冷ややかにみている。
 中国の動きを受け、新興国から米国に削減義務の受け入れを求める声は強まりつつある。米国は現時点では事態を静観しているとはいえ、今後、米国がEUや中国と歩調を合わせる可能性は十分にあり、議定書延長に反対する日本の主張は脇に追いやられかねない。

COP17:閣僚級会合が開幕 細野氏、新枠組み「20年以前に」
毎日新聞 2011年12月7日 東京朝刊
 【ダーバン(南アフリカ)江口一、高尾具成】京都議定書以降の地球温暖化対策の枠組みを話し合う国連気候変動枠組み条約第17回締約国会議(COP17)は6日午後(日本時間同日夜)、閣僚級会合が開幕した。細野豪志環境相ら各国閣僚らによる交渉が本格化する。
 会議は、来年末で先進国の温室効果ガス削減義務の期限が切れる議定書の延長(第2約束期間の設定)問題や、新枠組みに向け期限を区切った交渉開始宣言「ダーバン・マンデート」の採択などが焦点。
 開会式で潘基文・国連事務総長が「温暖化対策に空白期間を作ってはならない」と演説し、各国に歩み寄りを呼びかけた。
 一方、細野氏は会場内で記者団に対し、京都議定書後の温暖化対策の新枠組み開始の時期について、「20年を待たずに、批准を含めてできるだけ早急に成立すべきだ」と述べ、日本として初めて期限を明言した。
 細野氏はまた、新枠組みでは全ての国が削減義務を負う一方、「義務の内容によっては、各国の状況によって異なることも認めるべきだ」とも述べた。さらに、新枠組みについて議論する新しい作業部会の設置の提案も改めて表明した。
 これらの立場は基本的には米国に近い。日本はこれまで新枠組み実現の期限を明言していなかったが、米国や中国などが相次いで「20年以降」との考えを打ち出したため、自らの立場を明らかにしたとみられる。
 細野氏は同日、開催国南アのモレワ水資源・環境相などと会談、これらの内容を伝えた。 
  延長反対の日本は置き去り? 
20111206
     
延長反対の日本は置き去り?COP17閣僚会合
テレビ朝日(12/06 11:54)
温暖化対策を話し合う国連の会議「COP17」は、6日から大詰めの閣僚会合が始まります。日本は、先進国だけに温室効果ガスを減らすことを求めた京都議定書の延長に反対していますが、中国を筆頭に延長を求める国との溝は深く、このままでは議定書の期限が切れた後、2013年以降、空白期間となる恐れが出ています。
 世界の温室ガス排出の4分の1程度をカバーする京都議定書は、来年末で期限が切れます。日本は期限が切れた後には参加せず、中国、アメリカ、インドを含めた新たな枠組みを求めています。中国は2020年以降、条件付きで新たな枠組みに参加する考えを示しましたが、温室ガスの削減は先進国の責任だと主張する新興国・途上国は、議定書の延長を強く求めています。日本が議定書の延長反対にこだわるなか、日本抜きで議論が進む可能性も出ています。

COP17 日本厳しい交渉に
12月6日 6時6分 NHK
温暖化対策を話し合う国連の会議「COP17」は、6日から閣僚級会合が始まります。現地入りした細野環境大臣も、先進国だけに温室効果ガスの削減を義務付けた京都議定書の継続に反対し、主要な排出国が参加する枠組みの必要性を訴える方針ですが、議定書継続の圧力が強まるなか、厳しい交渉になることが予想されます。
南アフリカで開かれているCOP17は、日本時間の6日夜から閣僚級会合が始まります。細野環境大臣は、5日、会場に入り、オーストラリアのコンベット気候変動・エネルギー効率化相と会談しました。細野環境大臣は、記者団に対し、「日本の立場をしっかりと説明していきたい。2国間協議でもお互いの認識を共有し、できるだけ前向きな結果が出るように努めていきたい」と述べました。会議では、先進国だけに温室効果ガスの削減を義務づけた京都議定書の期限が切れる2013年以降、どのような枠組みで取り組みを進めるかが焦点となっています。これまでの交渉で、EU=ヨーロッパ連合は、中国なども参加する新たな枠組みを2020年までに始めることを条件に、議定書の継続を認める考えを示しています。一方、中国はこれまで拒んできた法的枠組みに2020年以降、参加する可能性を示しました。日本は京都議定書の継続に反対し、新たな枠組みの早期の構築を求めていく方針ですが、議定書継続の圧力が強まるなか、厳しい交渉になることが予想されます。

環境団体 拒む日本の姿勢を批判「誰が日本の提案に耳を傾けるだろうか」
共同通信
 南アフリカでの気候変動枠組み条約第17回締約国会議(COP17)の会場で5日、日本の環境保護団体メンバーが記者会見し、京都議定書の次の目標を拒む日本の交渉姿勢を批判した。
 気候ネットワークの平田仁子さんは「日本への批判は間違いなくある。(現地入りした)細野豪志環境相もそれを認識すべきだ」と強調。議定書の問題が、会議の他の合意を阻みかねないとも指摘した。
 世界自然保護基金(WWF)ジャパンの山岸尚之さんは「日本は全ての国を含む新枠組み創設を求めるが、自らが議長国としてつくった議定書を守らなければ、誰が日本の提案に耳を傾けるだろうか」と疑問を示した。
 平田さんは、東京電力福島第1原発事故についても説明し、「原発は環境面だけでなく社会的にも、経済的にも持続可能な技術ではない。世界も日本の経験から学ぶべきだ」と訴えた。(共同)
[ 2011年12月6日 09:24 ]

京都議定書延長”に参加せず 南アフリカCOP17
テレビ朝日(12/06 05:50)
 南アフリカで行われている温暖化対策などを話し合う国連のCOP17の閣僚会合が、6日から始まります。現地入りした細野環境大臣は、改めて京都議定書の延長には参加しない考えを示しました。
 細野環境大臣:「我々の姿勢はあくまで、できるだけ早い時期に新たな枠組みを作っていくと」
 温室効果ガスの4分の1程度をカバーする京都議定書は、2012年で期限が切れます。日本の立場は、この期限が切れた後には参加せず、世界の排出量の50%近くを占める中国、アメリカ、インドを含めた新たな枠組みを求めています。しかし、先進国の責任として、京都議定書の延長を求めている新興国・途上国と、そして世界全体の枠組みを求めている先進国との差は大きく、この根本的な対立構造がほぐれないままCOP17が始まっています。4日間の日程で、「京都議定書の延長」か「新たな枠組み」での合意がなければ、排出を抑える仕組みのない「空白期間」が生まれます。各国の対立が大きいなか、実際の会議はこの空白期間を回避する神経戦になりそうです。

COP17:「京都議定書離脱しない」細野環境相
毎日新聞 2011年12月6日 0時59分
 【ダーバン(南アフリカ)江口一】細野豪志環境相は5日、京都議定書以降の地球温暖化対策の枠組み(ポスト京都)を議論している国連気候変動枠組み条約第17回締約国会議(COP17)の会場に到着し、記者団の取材に応じた。中国や米国に削減義務のない状態を第2約束期間(2013年以降)も継続する議定書延長について、細野環境相は「その枠組みには入らない。すべての主要国が参加することが必要だ」と強調。また、「議定書から離脱はしない」と述べ、来年末まで課せられた温室効果ガスの削減目標(90年比6%減)の達成に全力を挙げる姿勢を示した。
 中国が「20年以降の新枠組みの議論に同意する」と述べるなど、ポスト京都の実現が20年前後となる見通しが出ているが、細野環境相は「新枠組みはできるだけ早く実現したい」と語った。 
  温暖化:アマゾン川流域、今世紀末にも干上がる? 
20111205
      
温暖化:アマゾン川流域、今世紀末にも干上がる?
毎日新聞 2011年12月5日 2時33分
 地球温暖化の影響で、緑豊かな南米アマゾン川流域が今世紀末までに乾燥化する恐れがあるとの分析を、国立環境研究所(茨城県)のチームがまとめた。世界有数の熱帯雨林が広がる流域は、野生生物の貴重な生息地となり、二酸化炭素を大量に吸収する「地球の肺」の役割を果たしてきた。生態系の悪化や温暖化の加速が懸念されそうだ。
 ◇国立環境研チーム分析
 国連の「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」は、各国の研究機関が開発した20種類以上の計算方法を参考に、将来の気温や水資源量(降水量から蒸発量を除いた利用可能な水量)などを予測している。しかし、気温に比べ水資源量の予測は難しく、アマゾン川流域では湿潤になるという結果もあれば、減少して乾燥するという結果もあった。
 チームは、世界各地で観測された水資源量の地域分布と、これらの計算方法の結果を比較。最も現実に近い結果を算出する計算方法を選ぶ手法を開発し、アマゾン川流域に適用した。
 その結果、現在より気温が1度上昇すると、雨雲を発生させる大気の流れが変わって、水資源量は年100ミリ以上増えるが、中下流では最大で年300ミリ以上減る可能性のあることが分かった。今世紀末までにブラジルの気温は3度程度上昇するとのIPCCの予測をあてはめると、年間1000ミリ近くの水資源量が減ることになる。
 流域では毎年1200ミリの水資源が供給され、多様な動植物の生息を支えてきた。理科年表によると、アマゾン川の長さは6516キロ。流域面積は705万平方キロで、日本の20倍弱、オーストラリア大陸にほぼ匹敵し、世界最大だ。国立環境研究所の塩竈秀夫特任研究員(気候変動学)は「軽視できない減少量だ。豊かな水資源は人類の生存に欠かせない。今後、日本をはじめ世界各地の変動予測に役立てたい」と話す。【田中泰義】 
  UNDP 持続可能性と公平性をテーマに『人間開発報告書2011』を発表 
20111205
      
EICネットに以下が掲載されました。

国連開発計画、持続可能性と公平性をテーマに『人間開発報告書2011』を発表

http://www.eic.or.jp/news/?act=view&serial=26108
 国連開発計画(UNDP)は、持続可能性と公平性をテーマとする『人間開発報告書2011』を発表した。報告書では、エネルギー生産や生態系保全と同時に、健康や教育、収入、ジェンダー格差への取組みがあってこそ、公平で効果的な環境の持続可能性が達成されると論じている。具体的には、干ばつや海面の上昇等の環境劣化が改善されなければ、50%にも上る食糧価格の高騰や、水・衛生・エネルギーへのアクセス悪化を招くと指摘する。
 報告書で設定する「環境上の困難」シナリオでは、2050年までに、食糧生産や汚染に対する温暖化の影響で、平均人間開発指数(HDI)が、南アジア及びサハラ砂漠以南のアフリカで2050年に予測される基準値から12%下回り、また、さらに生物多様性の劇的減少や異常気象の増加が起こる「環境上の惨事」の場合は、15%も下がるとしている。これらを食い止めるためには、当局の透明性や独立した監視機能が重要であると同時に、貧困地域に対する地域レベルの支援が、よりコスト効率的で環境にも有益であると報告書は強調している。【国連環境計画(UNEP)】 
  地球温暖化の目撃者:タンザニア 波に浸食され家屋倒壊 
20111205
     
地球温暖化の目撃者:/8 タンザニア 波に浸食され家屋倒壊
毎日新聞 2011年12月5日 東京朝刊
 ◇村に迫る海岸線、50年で200メートル内陸に
 9日まで南アフリカ・ダーバンで地球温暖化防止のための国連会議COP17が開催されています。温暖化の影響に最も弱い大陸であるアフリカでは、すでに各所に深刻な温暖化の被害が見られます。
 ラジャブ・モハマド・ソセロさんは、タンザニアの海辺の村クンドゥチに暮らす漁師です。この50年間で、海は200メートルも内陸に入り込んで、海岸線が村のすぐそばまで迫ってきています。
 ここ数年でモスク(イスラム礼拝堂)と5軒の家が波に浸食されて倒壊し、70年代半ばにつくられた魚市場も破壊されました。67年に海から200メートル内陸にあったアフリカーナ・ホテルは、今では三つの小さなロッジが残されているだけです。建てられた当時は海岸線から100メートル以上海水が浸入してくることはありませんでしたが、80年代初めには浜辺の待合所が次々と流され、84年にはホテル自体も強い波を受け始め、96年に完全に壊れました。
 海岸沿いにある他のホテルや家も同じ運命にさらされています。あちこちに見られた砂丘もここ10年間で小さくなりました。地元で知られたミビンジェニ砂丘も、95年に完全に消えました。
 平均気温が上昇し、寒い季節にも寒さをあまり感じなくなりました。雨期が短くなってインド洋に流れ込む川の水量が減少し、河口の汽水域では塩分濃度が上がって、汽水に生息する魚も捕れなくなりました。穀物や豆類の生産に必要な水も不足し、生産量が減少しました。農作物の値段も高騰し、生活が苦しくなっています。
 ケニアやタンザニアなどアフリカの沿岸では、温暖化の影響として海面上昇と海岸浸食が進んでいます。これらは外洋のうねりを吸収してくれるサンゴ礁の破壊ももたらすため、被害はより拡大すると予測されています。
 日本では温暖化の国際交渉というと、「日本に負担が重くなるのを避けなければならない」といった話に終始しがちです。しかし、アフリカの人にとっては生存をかけた問題です。COP17には、世界の温暖化防止の取り組みがきちんと継続されていくことに大きな期待がかかっています。温暖化防止の取り組みを緩めてはならない、それはアフリカをはじめとする脆弱(ぜいじゃく)な途上国の悲痛な願いです。【小西雅子・世界自然保護基金気候変動プロジェクトリーダー】=つづく

 「地球温暖化の目撃者」は、世界自然保護基金が展開するプロジェクト(http://www.wwf.or.jp/witness)です。 
  地球温暖化、2040年で深刻化 
20111206
      
温暖化、40年代にも深刻化 「2度上昇」、英大学
2011/12/04 19:18 【共同通信】
 【ダーバン(南アフリカ)共同】二酸化炭素(CO2)などの排出が大幅に増え続けると、世界の平均気温が2040年代にも、工業化でCO2排出が増え始めた産業革命の前と比べ2度以上高くなる恐れがあるとの分析結果を、英レディング大やオックスフォード大などのチームが4日までに論文にまとめた。
 「2度の上昇」は、大規模な水不足や広範囲でのサンゴ白化、生物種の絶滅リスク増大といった生態系破壊など地球温暖化の被害が深刻になる境目とされる。
 分析では、ユーラシア大陸北部など地域によってはさらに早く、20年代にも超える恐れがあり、日本も30年代に2度を超える上昇があり得る。

地球温暖化、日本は2030年代「2度上昇」の可能性
2011.12.5 15:36 産経新聞←共同通信
 二酸化炭素(CO2)などの排出が大幅に増え続けると、世界の平均気温が2040年代にも工業化でCO2排出が増え始めた産業革命前と比べ2度以上高くなる恐れがあるとの分析結果を、英レディング大やオックスフォード大などのチームが4日までに論文にまとめた。「2度の上昇」は、大規模な水不足や広範囲のサンゴ白化、生物種の絶滅リスク増大といった生態系破壊など地球温暖化の被害が深刻になる境目とされる。
 分析は、ユーラシア大陸北部など地域によってさらに早く、20年代にも超える恐れがあり、日本も30年代に2度を超える上昇があり得る。世界の平均気温は、80年代に3度以上高くなるとも想定されるとした。
 国際的な温暖化対策は京都議定書の目標の期間が終わる13年以降、削減義務がなくなりかねない。分析は取り組みの遅れが許されないことを示しており、ダーバンでの気候変動枠組み条約第17回締約国会議(COP17)の議論にも影響を与えそうだ。
 分析によると、今世紀末までに大気中のCO2濃度が現在の2倍近くになるペースで排出が増える場合、世界の平均気温上昇幅が2度を超えるのは40年代。環境保全と経済発展を両立させて濃度を1.5倍弱にとどめれば、80年ごろに遅らせることが可能とした。(共同)

 ■気温上昇の2度目標 産業革命前からの気温上昇が2度以上になると、生態系破壊や自然災害の多発など地球温暖化の深刻な被害が生じるとされるため、それより低く抑えようという目標。気候変動に関する政府間パネル(IPCC)によると、先進国全体で2020年に1990年比25~40%の排出削減などが必要。世界の平均気温は05年までの100年間に0.74度上昇。太平洋などの島嶼(とうしょ)国は1.5度未満に抑えるよう求めている。 
  COP17 
20111205
     
ポスト京都、ぎりぎりの攻防=6日から閣僚級会合-COP17
時事通信
 【ダーバン(南アフリカ)時事】地球温暖化対策を話し合う国連気候変動枠組み条約第17回締約国会議(COP17)は、6日から閣僚級による本格的な交渉に入る。2013年以降の温室効果ガス排出削減の新たな法的枠組み(ポスト京都議定書)などをめぐり各国が対立する中、今会議での成果文書の採択に向け、最終日の9日までぎりぎりの攻防が続く見通しだ。
 日本からも細野豪志環境相がダーバン入りし、新たな法的枠組みの早期構築などを訴える。京都議定書(08~12年)延長への反対で交渉の中では苦しい立場が続く日本だが、主張をどこまで反映させられるか手腕が問われる。(2011/12/04-15:29)

ポスト京都、依然平行線=作業部会が中間整理-COP17
時事通信
 【ダーバン(南アフリカ)時事】国連気候変動枠組み条約第17回締約国会議(COP17)の作業部会は3日、これまでの交渉を中間整理した報告書をまとめた。2013年以降の温室効果ガス削減の新たな法的枠組み(ポスト京都議定書)については、交渉期限を区切って合意を目指す案や、来年以降に結論を先延ばしする案などを併記。議論は、先進国と新興国・途上国の対立で平行線が続いており、依然として着地点が見えない状況だ。(2011/12/03-21:54)

選択肢列挙だけ…COP17採択文書たたき台
(2011年12月3日20時08分 読売新聞)
 【ダーバン(南アフリカ)=吉永亜希子】国連気候変動枠組み条約第17回締約国会議(COP17)は3日、全体会合が開かれ、温室効果ガス削減の新たな枠組み作りについて検討している特別作業部会の議長が採択文書のたたき台を発表した。
 内容は、〈1〉新たな枠組みを今回の会議で作る〈2〉現時点で合意できる内容の文書を作り、来年以降に法的拘束力を持つ文書にするかどうか議論を続ける〈3〉議論を来年以降に先送りする〈4〉何も決めない――という選択肢の列挙にとどまった。

COP 途上国資金支援の議論難航
12月3日 9時28分 NHK
南アフリカで開かれている温暖化対策を話し合う国連の会議、COP17では、2日、途上国の取り組みを支援する基金の在り方について意見を交わしましたが、アメリカなどが運営方法に反対し、議論は難航しています。
温暖化対策の枠組み作りを巡っては、途上国に温室効果ガスを削減するための資金や技術が十分備わっていないなか、先進国がどう支援するか、今回の会議の大きな焦点になっています。2日には、資金面の支援の在り方を話し合う非公式の協議が開かれました。資金の支援については、去年のCOP16で、2020年までに先進国が年間1000億ドルを用意することや、「緑の気候基金」と呼ばれる新たな基金を作ることで合意しています。2日の協議では、「緑の気候基金」の運営方法や支援の対象となる温暖化対策の分野などについて、各国が意見を交わしました。途上国の多くは、資金の必要性を訴え、基金を速やかに運用させるべきだと主張したのに対し、アメリカなど一部の国は、基金が適正に運営されるか懸念が残ると反対したため、議論はまとまらず、交渉は難航しています。南アフリカのモレワ水資源・環境相は、「緑の気候基金は、去年の会議で合意されたものであり、温暖化の危機が高まるなかで、先進国は早く実施に移してほしい」と訴えています。

COP 環境団体が議論加速訴え
12月3日 7時35分NHK
南アフリカで開かれている温暖化対策を話し合う国連の会議、COP17の会場近くでは、2日、アメリカの環境保護団体などが、京都議定書を離脱したアメリカや議定書の継続に反対する日本を批判し、議論や対策を急ぐよう訴えました。
南アフリカのダーバンで開かれているCOP17は、2週間にわたる日程の折り返しを間もなく迎えますが、京都議定書の継続を含む、再来年以降の枠組み作りを巡り各国の対立が続いています。こうしたなか、2日、アメリカの環境保護団体などが、会場近くのビーチに集まり、各国に議論を急ぐよう訴える催しを開きました。催しでは、団体のメンバーが、京都議定書を離脱したアメリカや議定書の継続に反対する日本などの国旗を背負って砂に頭をうずめ、温暖化の問題に向き合おうとしないとして批判しました。また、温室効果ガスの主要な排出国でありながら、削減の義務を拒んでいる中国やインドの対応もあわせて批判し、各国に交渉の加速を訴えました。この催しを主催した団体のメンバーは、「各国は現実に向き合わない態度をやめ、温暖化対策を急がなければならない」と話しています。

COP17交渉進まず 大規模デモ
12月3日 21時1分 NHK
南アフリカで開かれている、温暖化対策を話し合う国連の会議COP17で、交渉が進展していないことにいらだちや批判を強めるNGOや市民の人たちが、大規模なデモ行進を会場近くで行いました。
デモ行進は3日、COP17が開かれている南アフリカのダーバンで行われ、一般の市民に加え日本の学生などを含む海外からNGOや労働組合などのメンバーが参加しました。参加者は「温暖化で人々が犠牲になっている」などと書かれたプラカードを掲げながら市内の大通りを行進し、各国政府に温室効果ガスの削減に向けた交渉を急ぐよう求めていました。また、アフリカ各地で温暖化の影響による干ばつなどで苦しい生活を強いられている農家の女性たちも参加して、交渉に進展の見えないことに強い不満を示していました。デモに参加した男性は「アフリカは干ばつや豪雨など温暖化の深刻な影響を受けており、速やかな対策が必要だ」と話していました。地元の警察によりますと、デモにはおよそ4000人が参加したということですが、COP17の会場の周辺は厳重な警備が敷かれ大きな混乱は見られませんでした。

ポスト京都、米中「21年以降」=交渉期限の先延ばしも-COP17
時事通信
 【ダーバン(南アフリカ)時事】地球温暖化対策を話し合う国連気候変動枠組み条約第17回締約国会議(COP17)で、2012年末に期限が切れる京都議定書に代わる温室効果ガス排出削減の新たな枠組み(ポスト京都議定書)について、米国と中国が21年以降の始動を視野に入れていることが2日、分かった。2大排出国である両国の動向が交渉期限の先延ばしにつながれば、日本などが早期構築を目指す全ての主要国が入る新たな枠組みの実現はより遠のくことになる。
 京都議定書を離脱した米国は、ダーバンで開かれている1日の非公式会合で、昨年のCOP16での「カンクン合意」で各国が掲げた自主目標に基づく取り組みを重視する姿勢を強調。その上で「21年以降の議論にはオープンだ」と述べ、こう着する新たな枠組みの議論を仕切り直すよう求めた。
 中国も、政府関係者が21年以降に同国が削減義務を負う可能性に言及。ただ、当面は現行の対策の改善を重ねるべきだとの立場で、先進国に京都議定書の延長を訴えている。(2011/12/02-21:30)

COP17:ポスト京都「20年ごろ」 主要国が調整
毎日新聞 2011年12月3日 東京朝刊
 【ダーバン(南アフリカ)江口一】京都議定書後の地球温暖化対策(ポスト京都)を交渉している国連気候変動枠組み条約第17回締約国会議(COP17)で、「2020年前後から新たな枠組みで温暖化対策に着手する」との方向で、欧米などの主要国が調整を始めた。複数の交渉筋が2日、明らかにした。
 COP17では、議定書で12年末までと定められた先進国の温室効果ガス削減期間の延長問題と、議定書に代わる枠組みに向け期限を区切った交渉開始の宣言「ダーバン・マンデート」を採択できるかどうかが焦点だ。
 非公式協議で、米国は「ポスト20年」という表現で新枠組みは20年以降と提案した。欧州は「15年までに交渉を終え、20年までに発効する」との立場を強調。すべての国が新枠組み交渉に参加することを条件に、議定書延長を受け入れる方針。
 日本は期限を明らかにしないが、新枠組みに賛成する見通しだ。
 世界最大の排出国の中国は、政府関係機関が「自国の排出量は30年前後で減少に転じる。20年以降は削減に責任を持つ必要に迫られる」との見方を示した。
 しかし、13年から20年まで、議定書延長に反対する日本に削減義務のない「空白期間」が生じる。途上国は「温暖化影響が現実化している」と訴えており反発は必至だ。

温暖化対策 2020年めど調整か
12月4日 5時0分 NHK
先週、南アフリカで始まった、温暖化対策を話し合う国連の会議COP17は、前半の日程を終えました。最大の焦点となっている京都議定書の期限が切れる再来年以降の枠組みについては、EU=ヨーロッパ連合などを中心に、2020年をめどに調整を進めようという動きが出ています。
先月28日に南アフリカのダーバンで始まったCOP17では、先進国に温室効果ガスの削減を義務づけた京都議定書の期限が切れる再来年の2013年以降、どのような枠組みで取り組みを進めるかが最大の焦点となっています。これまでにEUが、主要な排出国が参加する新たな法的枠組みを2020年までに始めるべきだと提案しました。これに対して、京都議定書の延長には一貫して反対の立場をとっている日本も積極的に参加する考えを示しました。また、世界第1位の排出国でありながら削減の義務を拒んできた中国も、NHKの取材に対し、将来、法的拘束力がある枠組みに参加することも排除しないと述べました。しかし、温暖化による水害などが広がっているカリブ海のグレナダなど島しょ国は、2020年までも待てないとして強く反発しています。会議は、今月6日からは閣僚級の交渉に入りますが、温室効果ガスの削減を義務づける国際的な枠組みがない「空白期間」によって温暖化対策に遅れが出ないよう、各国が政治レベルで実効性のある取り組みで合意することが求められています。

ポスト京都、EU「行程表にはすべての国の数値目標」
2011/12/3 15:25日本経済新聞
 【ダーバン=福士譲】南アフリカで開催中の第17回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP17)で、欧州連合(EU)代表団は2日記者会見し、2013年以降の温暖化対策の枠組み「ポスト京都議定書」に向けた行程表について、「すべての国の目標を盛り込む」との考えを明らかにした。
 公平で実効的な枠組みにつなげる狙いだが、目標数値については「現状を踏まえて決める」との見方を示した。EUは行程表に必要な要素として4点を列挙。ほかに「法的拘束力がある」「京都議定書の主要な要素を含む」「時期を明記する」ことが重要と指摘した。
 京都議定書のあり方については、延長が決定した際の約束期間の途中段階で目標を評価する条項を設けるよう提案したことを明らかにした。EUは議定書延長の場合、約束期間を最長8年と想定しているが、期間内に目標を上方修正できるようにする。5年にすべきだと主張する途上国に配慮したとみられる。 
  日本抜きでも議定書継続 
20111205
     
日本抜きでも議定書継続  EU表明、交渉加速の可能性
2011年12月05日岩手日報→共同通信
 【ダーバン(南アフリカ)共同】南アフリカで開かれている気候変動枠組み条約第17回締約国会議(COP17)で、欧州連合(EU)の交渉を率いるヘデゴー欧州委員が5日、記者会見し「日本などが京都議定書の次の削減目標を拒んでいる状況でも、EUは次の目標に合意する用意がある」と述べ、従来より踏み込んだ発言をした。一方、中国が条件次第で2020年から法的拘束力のある新たな枠組みへの参加を検討していることも判明。暗礁に乗り上げていた13年以降の枠組みをめぐる交渉が一気に動きだす可能性が出てきた。
 日本については、説得するより先に議論を進めようとの雰囲気が拡大。 
  削減目標「今の2倍必要」 
20111205
      
削減目標「今の2倍必要」 温暖化回避へUNEP分析
朝日新聞2011年12月5日15時1分
 世界各国が掲げる温室効果ガスの削減目標を積み上げても、海面上昇など温暖化の被害を避けることは難しく、さらに倍以上の努力が必要――こんな最新の研究結果を国連環境計画(UNEP)がまとめ、南アフリカの気候変動枠組み条約締約国会議(COP17)で発表した。「京都体制」の次を決める交渉にも影響を与えそうだ。
 報告書は、日本を含む86カ国が自主的に掲げる削減目標などをふまえ、2020年までのガス削減量を予測した。15カ国55人の専門家が分析に参加した。
 温暖化対策が取られずにこのまま各国が経済成長を続けると、20年の温室効果ガス排出は二酸化炭素(CO2)換算で、現在の1.2倍の約560億トンに達する。世界の平均気温上昇を2度以内に抑えるとする国際目標の達成には、120億トンの削減が必要になる。

国連環境計画、気候変動枠組条約COP17を前に気候に関する3報告書を公表
http://www.eic.or.jp/news/?act=view&word=&category=&oversea=1&serial=26186
http://www.unep.org/newscentre/Default.aspx?DocumentID=2659&ArticleID=8942&l=en

 国連環境計画(UNEP)は、2011年11月末から南アフリカのダーバンで開催される第17回気候変動枠組条約締約国会議(COP17)を前に、気候に関する3報告書を公表する。
 1)「HFC:気候とオゾン層の保護における重要なつながり」は、モントリオール議定書によって規制されたオゾン層破壊物質の代替として使用が増加しているハイドロフルオロカーボン(HFC)が、世界の気候に及ぼす影響を詳細に検討し、またHFC対策がオゾン層保護とともに気候変動対策にどの程度有益かを分析している。
 2)「世界の排出量ギャップは2020年までに埋められるか」は、各国の温室効果ガス排出削減約束と、地球の気温上昇を2℃以下に抑制するために必要な実際の削減量との差に関する最新の科学的研究をまとめ、またどうすればこのギャップを埋められるかという命題にも取り組んでいる。
3)「UNEP概要報告書:気候変動を遅らせるためのブラックカーボン及びCO2以外のガスの削減手段とコスト」は、地球温暖化の抑制、数百万件の早期死の回避、農作物収量の減少抑制につながる、ブラックカーボン(すす)、メタン及び地表オゾンの削減のための16の手段を分析し、このうち半分は燃料消費量の節減や回収したガスの利用によって正味のコスト削減になることを明らかにした。
【国連環境計画(UNEP)】 
  各紙社説(京都議定書第二約束期間拒否) 
20111130
     
京都議定書―潰すだけでは無責任だ
朝日新聞11月30日
 日本政府が、京都議定書の延長に加わらない方針を正式に決めた。南アフリカで気候変動枠組み条約の締約国会議(COP17)が始まったが、日本の「延長不参加」によって京都議定書は形骸化しかねない。
 京都議定書は97年に京都で開かれたCOP3で採択された。経済活動に直結する温室効果ガスを、世界が協力して削減しようという歴史的な環境協定だ。
 議定書の最大の特徴で、最大の武器は削減を各国に義務づけたことだ。「削減の義務」という厳しさがなければ世界はここまで動かなかっただろう。
 削減義務は、先進国だけに課された。歴史的に温室効果ガスを多く排出してきたためだ。何年か後に途上国が追随することを想定していた。
 ところが、世界最大の排出国だった米国が議定書から離脱。オバマ政権は一時、途上国を含む新たな枠組みを模索したが、米国を抜いて排出量が最大となった中国をはじめとする途上国は「先進国がもっと削減すべきだ」と主張し、対立が解けないままCOP17を迎えた。
 今の議定書には第1期(08~12年)の削減目標しか決まっていない。13年以降の第2期をどうするかについて、先進国で延長に応じる構えをみせているのは欧州連合(EU)だけだ。
 日本は「中国と米国という主要排出国に規制がかからない第2期の設定に反対する」との立場を早くから表明していた。
 世界的な経済危機などで温暖化対策の優先順位が下がってしまった。各国が自分の言い分をばらばらに主張するだけで、前へ進めようという国際協調の機運もない。
 京都議定書は世界を変えてきた。地球温暖化という言葉と概念だけでなく、それが世界の共通の危機であることを広めた。
 ハイブリッド車などの省エネ技術、風力や太陽光発電といった自然エネルギーの技術開発の方向性を示し、こうした分野を新しい成長分野に押し上げた裏にも議定書の存在があった。
 日本政府は議定書ではなく、「全ての主要国が入る実効的な規制の枠組み」をつくろうと主張している。確かに、米中が入らないままでは効果が上がらないし、公平さを欠く。
 国際社会にはいま新たな制度をつくる雰囲気はないが、日本はこれまで以上に温室効果ガスの削減努力を続けるとともに、米中を取り込むための枠組みづくりに汗をかかなければならない。京都議定書を潰しただけでは温暖化への国際規制が何もなくなってしまう。

COP17 削減義務拒否でいいのか
福井新聞(2011年11月30日午前6時59分)
 南アフリカで開幕した「気候変動枠組み条約第17回締約国会議」(COP17)で政府は、京都議定書に定めのない2013年以降の同議定書に基づく新たな削減義務は受け入れない方針を決めた。
 背景に福島第1原発事故を受けた先行き不透明な原子力政策があり、削減義務を到底達成できないこともあるのだろう。だが、これまで大量の温室効果ガスを排出し経済成長をしてきた先進国の一員として、交渉を前進させる責任がありながら、こうした姿勢でいいのか、再考の余地を持つべきではないか。
 京都議定書の下に13年以降の「第2約束期間」を設け、これを続けるべきだとの議論が発展途上国を中心に強い。現にCOP17の全体会議でも先進国に対して義務を負うよう求める声が相次いだ。しかし日本は第2約束期間には「いかなる条件下でも参加しない」と強硬な拒否姿勢を続けようとしている。
 その根拠を「現在の枠組みの中で削減義務を負っていない米国と中国という二大排出国を含めた包括的な枠組みが必要で、世界の総排出量の一部しかカバーしない京都議定書だけでは不十分」に置く。正論であり、包括的枠組みが望ましいことは多くの国が理解している。
 同時に、簡単に実現できるものではなく、このままでは国際的な削減義務に空白期間が生じてしまうことも各国の共通理解である。欧州連合(EU)が包括的枠組みに向けた工程表への合意などを条件に、第2期間の削減義務を受け入れる姿勢を示しているのもこのためだ。
 このままでは「日本は削減義務を逃れるため交渉に消極的」と見られかねない。「できるだけ早い時期に包括的な枠組みが必要」とだけ声高に繰り返しても、そこに至るまでの戦略や道筋などに関する具体的な提案なしでは批判も避けられないだろう。
 1992年のリオデジャネイロでの地球サミットから20年になるのを機に来年6月、リオで国際会議が開催される。環境保全と併せて経済成長を目指す各国の取り組みが問われる年になろう。日本は途上国の持続的な開発実現に不可欠な政府開発援助(ODA)の予算を減らしている。加えて、今のような姿勢では環境外交の中で存在感がどんどん小さくなってしまう。国際排出量取引やクリーン開発メカニズムなど京都議定書の制度の効力を失わせることは避けたい。
 米国や中国を交渉に引き込むため、COP17で日本は第2約束期間の義務を負うとのカードも再検討するべきではないか。温暖化対策を停滞させることはできず、強化が不可避である以上、率先して取り組むことが重要だ。そのことで産業の国際競争力を強めることにもなるし、国際交渉での日本の発言力を高め、結果的に日本にとって望ましい枠組みの実現につながるのではないか。

気候変動枠組み会議 ルール空白を防ぐ責務
中国新聞社説'11/11/29
 先進国と新興国、途上国が、それぞれの振る舞いを試される国際舞台になりそうだ。気候変動枠組み条約の第17回締約国会議(COP17)が南アフリカのダーバンで始まった。
 温室効果ガスの削減を先進国に義務づけた京都議定書の期限切れが2012年末に迫る。合意できない場合、13年からルールが空白になる恐れもある。
 議論の行方は不透明で、難航も予想される。立場の違いを超え、歩み寄りの道を探ってほしい。
 1997年に各国が合意した京都議定書には、多量の温室効果ガスを長年出してきた先進国と同じ責任を途上国が負うのは不平等との考え方が流れている。
 ところが国際環境は大きく変わった。新興国の経済発展は目覚ましく、温室効果ガス排出量で中国は世界の24%、インドは5%を占め、それぞれ1位と3位に。18%で2位の米国は国内の反対で議定書から抜けた。
 今や削減義務は日本や欧州連合(EU)などに限られ、世界の27%にすぎない。温暖化防止策としての実効性に疑問符が付く。
 メキシコで昨年あったCOP16では、新興・途上国も自主的に削減して検証することを決めた。ただし拘束力はない。
 これから、どうすればいいのか。今回会議の参加国の意見はおおむね三つに分かれる。
 京都議定書の延長(第2約束期間の設定)を求める新興・途上国は、自国の産業発展を妨げられない権利を主張する。
 EUは、将来的に主要排出国の米中が参加する枠組みができればとの条件付きでの延長に賛成する。
 日本は延長に強く反対する。米中が不参加の延長は不平等として、新たな枠組みを求めている。
 2020年に1990年比で25%削減という国際公約が産業界の反発を受け、国内対策は後退した。さらに福島第1原発事故が起き、原発への依存度が高かった温暖化防止策が揺らいでいる。
 このままでは「温暖化交渉に後ろ向きな国」とのイメージが定着しかねない。この夏を乗り切ることを可能にした省エネの徹底や、原発を減らしながら再生可能エネルギーを拡充する対策を強力に推し進めることが求められている。
 各国は、目の前の経済危機に対しては協力を余儀なくされている。ところが、中長期的な温暖化問題については国内利益を優先して妥協しようとしない。
 自国の産業界など圧力団体の声に耳を傾けるだけでなく、次世代への責任を再認識することから始めるしかない。
 日本政府も京都議定書の廃止ありきだけでは会議で存在感を発揮できまい。もっと柔軟に構えた上で、まず米国を説得し、さらに中国などに応分の負担を求めていく方向へ各国と協調すべきだ。
 明確な期限と目標の付いたルールを採択し、空白を防ぐのが先進国の一員としての責務である。

COP17開幕 対立乗り越え、合意見いだせ
愛媛新聞社説2011年11月30日(水)
 気候変動枠組み条約第17回締約国会議(COP17)が、南アフリカのダーバンで始まった。
 先進国の温室効果ガス削減義務を定めた京都議定書は、2012年までが最初の目標期間となっている。しかし、同議定書に代わる温室効果ガス排出削減の新たな枠組みをめぐる国際交渉は、足踏みを続けているのが現状だ。
 このままでは13年以降は削減義務の定めがない「空白期間」となってしまう。「空白期間」を回避するためには、COP17がぎりぎりの合意期限である。
 世界気象機関(WMO)によると、二酸化炭素(CO2)やメタンなど地球温暖化の原因となる温室効果ガスの10年の世界平均濃度が、過去最高値を更新した。国際交渉が停滞するなか、温暖化は悪化の一途をたどっている。
 その被害を受けるのは、ほとんど温暖化の原因となっていない小さな国々である。関係国は対立を乗り越え、今回のダーバンでの解決策を何とか見いだしたい。
 会議では議定書に基づく先進国の次の目標設定と、発展途上国など全ての国を含む新たな国際枠組みに向けた工程表づくりなどで攻防が繰り広げられる見通しだ。
 これまでの交渉では、今の温暖化を引き起こした先進国の責任を強調し、議定書の新たな目標設定を求める途上国と、新枠組みづくりを求める先進国が対立しているというのが大まかな構図である。
 会期は12月9日までの予定だが、各国の対立は根強く、交渉は最終盤までもつれそうというのが大方の予想だ。
 日本は合意への鍵を握る国の一つだが、京都議定書に代わる枠組みを求める姿勢を崩していない。交渉が長引いたりして空白期間が生じてもやむを得ないというわけだ。
 日本の経済界には、もともと京都議定書は不公平であるとの空気がある。そんな空気に、相次ぐ原発の停止が拍車をかけている。
 野田政権も温暖化問題のイニシアチブを取ろうとの意欲は感じられない。いやむしろ消極的といっていい。いつまでたっても成立しない「地球温暖化対策基本法」の状況が、政府の姿勢を如実に示していよう。
 欧州連合(EU)は一定の柔軟姿勢をみせているが、日本は京都議定書の次の目標を拒み続けている。確かに実効性のある温暖化対策を進めるためには、世界1、2位の排出国である中国と米国を含む主要排出国を対象とした新たな枠組みの構築が急がれる。
 しかし、京都の名を冠した議定書は温暖化対策のシンボルである。日本は削減に消極的な姿勢をあらため、EUなどと連携して合意形成に努めるべきである。

COP17開幕 京都議定書の延長反対を貫け
(11月29日付・読売社説)
 2012年に期限切れとなる京都議定書の後の枠組みをどうするか。
 国連気候変動枠組み条約第17回締約国会議(COP17)が28日、南アフリカで開幕した。
 先進国のみに温室効果ガスの排出削減を義務付けた京都議定書は、欠陥の多い国際ルールだ。日本政府は議定書の延長に反対を貫く必要がある。
 京都議定書の延長を主張する急先鋒は、中国、インドなどの新興国だ。新興国にとり、削減を義務付けられていない京都議定書は、都合のいいルールだからだ。
 だが、経済成長が著しい中国は世界一の排出国となっている。インドの排出量も3番目に多い。
 先進国でも、中国に次ぐ排出量の米国は、経済への悪影響を懸念して議定書を離脱した。上位3か国が削減の対象外となっていることが最大の問題点と言えよう。
 一方、削減義務を負う日本や欧州連合(EU)などの総排出量は世界全体の27%に過ぎない。京都議定書が、温暖化対策に実効性を欠いているのは明らかである。
 世界全体の排出量を減らすには、中国、米国など、すべての主要排出国を対象にした新たな枠組みの構築が欠かせない。
 しかし、新ルールの採択は、COP17では困難と見られている。中国、米国などが同調する見通しが立たない上、欧州の財政危機などで、各国が経済の立て直しを最優先課題にしているためだ。
 生産活動が制約されかねない温室効果ガス削減に、各国は今まで以上に及び腰になっている。
 日本は新たな枠組み作りを15年以降に先送りするよう主張する。13年以降は、各国が自主的削減に取り組む「移行期間」とする。
 現実的な提案だろう。今後の協議で支持が広がるよう各国に強く働きかけねばならない。
 政府は、東京電力福島第一原子力発電所の事故を受け、エネルギー政策の見直しを進めている。当面、火力発電に頼らざるを得ない状況が続く。
 これに伴い、鳩山元首相が09年9月、唐突に打ち出した「20年までに1990年比で25%削減」という目標も当然、取り下げなくてはならない。原発の増設などを念頭に置いたものだったからだ。
 この目標は、「すべての主要排出国による公平な枠組みの構築」などを前提条件としているが、現状では「25%削減」が独り歩きしかねない。
 移行期間の中で、実現可能な目標を掲げ直すことが肝要だ。

COP17開幕 枠組み離脱も含め交渉を
2011.11.29 02:58 産経新聞主張
 地球温暖化防止策について世界の国々が協議する国連の気候変動枠組み条約第17回締約国会議(COP17)が28日から南アフリカのダーバンで始まった。
 最大の焦点は、現行の「京都議定書」の第1約束期間終了後の2013年からの新体制・ポスト京都をどうするかだ。
 先進国でありながら京都議定書を離脱している米国や、途上国の一員として温室効果ガスの削減義務を負っていない中国やインドなど、すべての主要排出国が参加する新たな実効的枠組みの成立を期待したい。
 だが、現実は極めて厳しい。昨年末のCOP16でもポスト京都の枠組み作りは不成功に終わっている。とりわけ日本は今回、苦境に立たされよう。このままでは13年以降に取り組みの空白期間が生じるとして、中国などが京都議定書の単純延長を強硬に主張しているからである。
 世界に先駆けて省エネに取り組んできた日本は、他国に比べて削減余地が少ないにもかかわらず、6%もの高い削減義務を負うという不公平に甘んじている。
 東日本大震災で原子力発電を二酸化炭素の削減に活用しにくくなっている日本にとって、13年以降もこうした義務を強要されるのは死活問題だ。達成できない部分は、海外から排出枠を購入するなどして埋め合わせなければならない。すでに官民合わせて8千億円の日本の国富が海外に流出しているとされる。
 政府は、2大排出国である米中の入らない新枠組みには参加しない方針だが、会期中に外圧で腰砕けになってはならない。東日本大震災で日本は、大打撃を受けている。本来なら地震免責の適用を要請すべき状況である。
 それでも京都議定書の単純延長論がまかり通るようなら、枠組み離脱を日本が宣言する事態となってもやむを得まい。日本には産業界の自主行動計画や、途上国への個別の技術支援を通じて削減を効率的に進める道がある。
 地球温暖化防止交渉は、気候変動問題の本義を見失い、南北問題に逸脱しつつある。日本が毅然(きぜん)とした姿勢を示せば、世界が正気を取り戻す効果も生まれよう。
 これまで世界は、日本があらゆる無理をのみ込んでくれると思ってきた節がある。地球環境も日本も今やそういう時期ではない。 
  ポスト京都へ新作業部会=日本が提案 ほか 
20111130
      
ポスト京都へ新作業部会=日本が提案―COP17
2011年12月1日6時6分朝日新聞←時事通信
 【ダーバン(南アフリカ)時事】日本政府は30日、地球温暖化対策を話し合う国連気候変動枠組み条約第17回締約国会議(COP17)の非公式会合で、京都議定書(2008年~12年)に代わる温室効果ガス排出削減の新たな枠組み(ポスト京都議定書)を議論する新たな作業部会の設置を提案した。新たな枠組みに関する交渉は、先進国と新興国・途上国の対立でこう着状態が続いており、日本は新作業部会での仕切り直しを求めている。
 日本は、先進国のみに削減義務を課す同議定書の延長に反対し、米国や中国など主要排出国すべてが参加する新たな枠組みの構築を主張。新興国などは自らが削減義務を負うことを避けるため、議定書の延長を求めている。 
[時事通信社]

次期枠組み実現に強い意欲=COP17対応で―細野環境相
2011年11月30日21時6分朝日新聞←時事通信
 細野豪志環境相は30日、南アフリカのダーバンで開催中の国連気候変動枠組み条約第17回締約国会議(COP17)への対応に関する記者会見を省内で開いた。
 同相は、2012年末で期限切れとなる京都議定書の延長に反対する意向を改めて表明。その上で、「将来の枠組みに向け、世界全体で(温室効果ガスの排出量削減を)前進させることに最大限の力を尽くす」と述べ、同議定書に代わる新たな国際的な枠組みの策定に強い意欲を示した。
[時事通信社]

環境相「京都議定書、延長なら不参加」 改めて表明
2011/11/30 21:06日本経済新聞
 細野豪志環境相は30日の記者会見で、南アフリカ・ダーバンで開催中の第17回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP17)で京都議定書の延長が決定されても「日本は参加しない」との考えを改めて表明した。不参加によって日本の立場が不利とならないよう「(途上国支援などの)包括的な提案をする用意がある」と述べた。
 京都議定書は2012年末に期限を迎える。13年以降の国際枠組み「ポスト京都議定書」について、日本は米国や中国を含めた新たな法的枠組みの構築を目指しているが、細野環境相は「直ちに実現することは難しい」との見通しを示した。
 欧州連合(EU)はCOP17で、次期枠組みに向けた行程表の作成を提案している。環境相は「日本の姿勢と合致するが、どれだけの主要排出国が参加するかは分からず、現時点では賛成も反対もできない」と述べた。
 COP17では途上国支援の枠組みである「緑の気候基金」の制度設計など、昨年のCOP16で決まった「カンクン合意」を実行に移す仕組みの構築が必要とした。

環境相「6%削減、非常に厳しい」 COP17開幕受け
毎日新聞 2011年12月1日 東京朝刊
 南アフリカで国連気候変動枠組み条約第17回締約国会議(COP17)が開幕したのを受け、細野豪志環境相は30日会見し、京都議定書で日本が求められている温室効果ガスの90年比6%削減は「非常に厳しい」と語った。東京電力福島第1原発事故の影響で原発を停止する動きがあり、火力で代替すると90年比で排出量は約15%増になる。現在の約束を守ることができないと、国際社会から厳しく指摘される恐れがあるが、細野環境相は「被災しながらも節電などで努力を惜しまない姿勢を説明したい」と話した。

地球温暖化の国際会議が南アフリカで開かれているけど、日本は京都議定書を脱退するかもしれないの?
脱退せずに新たな枠組みづくりに努力
(2011年12月1日 読売新聞)

 日本が京都議定書を脱退することはありません。
 京都議定書は、2008年から2012年までの5年間について、先進国に二酸化炭素などの温室効果ガス削減を義務づけているものです。
 この削減期間(正確には「第1約束期間」といいます)に続く「第2約束期間」を設けるべき、と途上国は主張しており、これには参加しない、というのが日本の立場です。
 2008~12年の日本の「マイナス6%」という削減目標については、震災に伴う東電福島第一原発事故の影響で、二酸化炭素を排出しない原発が現時点で43基停止しており、その代わりに天然ガス石炭などの火力発電を動かしているので、達成は難しくなっていますが、日本政府は、「全力を挙げて達成に向けた努力を続ける」としています。
 日本は、なぜ「第2約束期間」に入らない、と言っているのでしょうか?
 1997年の京都会議(正確には、国連気候変動枠組み条約第3回締約国会議、通称COP3)で、京都議定書を採択した時には、削減義務を負う先進国の温室効果ガス排出量は、世界の58%を占めていました。
 この割合は、2009年には26%に減っています。アメリカが議定書を批准しなかったことと、中国、インドなどの新興国が排出量を急増させているためです。ちなみに、国際エネルギー機関(IEA)によると、2009年の世界の二酸化炭素排出量トップ3は、中国、米国、インドでした。中国は3年連続の1位で、1国で世界の排出量の24%を占めています。インドは今回初めてロシアを抜いて3位になりました。
 つまり、1997年に比べ、世界の温室効果ガスの削減をめぐる状況は大きく変わったので、日本は、「先進国のみが削減義務を負う形では、実効性のある削減ができない」と主張しています。
 日本は、「京都議定書の実効性は失われた」として、世界の主要排出国すべてが入る新たな削減枠組みが必要だとして、京都議定書の改正もしくは新たな議定書を求めてきました。
 ところが、途上国は、「産業革命以来、先進国は、石油石炭など化石燃料を使って経済成長を遂げ、現在の地球温暖化をもたらした。今になって、途上国に、排出を抑えろ=経済成長をがまんしろというのは、不公正だ。途上国は貧困を抱え、電気もない地域もまだまだある。先進国がさらに削減を続けるべきだ」として反発、新たな枠組み作りは進んでいません。
 ではなぜ、日本は、京都議定書を脱退しないのか?
 それは、2005年の発効以降、京都議定書は、初めて、先進国に数値目標とともに、削減を義務づけた地球温暖化解決の第一歩であり、温室効果ガスを測定・報告・検証する仕組みや、排出枠をやりとりする国際排出量取引の制度などを含め、議定書が定めた削減の「土台」は意味のあるものだからです。
また、先進国と途上国の議論が決裂しそうになった気候変動枠組み条約第15回締約国会議(COP15)では、世界約30か国の首脳が集まり、「とりあえず現実の削減を進められるだけ進む」という仕組みを作りました。
 これは、簡単に言うと、先進国も途上国も、それぞれが削減目標・計画を国連に届け出て、着々と削減をすすめ、お互いに実施状況をチェックしあう、というものです。ここでも、京都議定書で積みあげてきた排出量の測定・報告・検証の仕組みをさらに改善し、透明化することで合意ができました。ただ、この「現実路線」だけでは、地球温暖化の危険性を回避するのに必要な削減量に足らないため、いぜん、次期削減枠組みは必要なのです。
 11月28日から南アフリカ・ダーバンで始まった気候変動枠組み条約第17回締約国会議(COP17)は、どうなりそうなのでしょうか?
 日本、カナダ、ロシアなどは、すべての主要排出国が入る新たな枠組みを主張していますが、インド、中国をはじめ、途上国は京都議定書の「第2約束期間」の設定を主張していて、かみあいません。欧州連合(EU)は、日本などの主張に賛成ですが、そうした全員参加の枠組みができるまでは時間がかかるので、それまでの間、「つなぎ」として、第2約束期間を設定することもあり、という立場です。しかし、EUも、新たな枠組み作りに向けた交渉期限を含むロードマップができ、新興国が積極的に枠組作りに参加すること、などの条件をつけているので、最終日まで、様々な駆け引きが展開され、交渉はもつれ込むと予想されます。
 来年、2012年は、アメリカ、ロシア、フランスで大統領選があり、中国の指導部も交代します。いわば大きなリーダーの交代時期を前に、これらの国は大きな政治的決断ができる状況にありません。
 しかし、一方で、局地的な豪雨の発生頻度があがり、洪水被害が深刻化するなど、気候変動問題に手をこまねいていると大変なことになる、という感覚は、いまや世界の人々が共有しています。
 「京都議定書の削減期間の最終年に入るのを前に世界全体が取り組む何らかのメドをつけたい」「無策のまま決裂する事態は避けたい」と、会議終盤集まる各国の閣僚級が知恵を絞ることになるでしょう。何らかの政治合意はでき、これをベースに、2012年の1年間、交渉が続けられることになると思われます。
(編集委員・河野博子) 
  第二約束期間目標拒否ならCDM認めず 
20111130
      
 排出枠取引活用も困難に=日本が京都不参加なら―COP17でEU
2011年12月1日6時6分 朝日新聞←時事通信
 【ダーバン(南アフリカ)時事】国連気候変動枠組み条約第17回締約国会議(COP17)で欧州連合(EU)の交渉担当者は30日、温室効果ガスの削減義務を先進国だけに課す京都議定書の約束期間(2008年~12年)の延長に反対する日本が不参加を決めた場合、いわゆる排出枠取引の仕組みを活用していくことも困難になるとの見方を示した。
 京都議定書には、先進国が途上国の二酸化炭素(CO2)排出量削減を支援した場合、効果の一部を自国の削減量に算入できる「クリーン開発メカニズム(CDM)」という仕組みがある。これについて、EUの交渉担当者は取材陣に「日本がCDMを13年以降も使うには(同議定書の下で)削減目標を約束しないと難しい」と述べた。
 日本政府は、仮に京都議定書の延長に加わらなくても独自に排出削減努力を進め、引き続きCDMを活用する方針を示している。しかし、議定書にはCDMの使用条件について明確な規定はなく、各国でも解釈が分かれている。 
[時事通信社]

COP17、途上国が日本に対抗 延長拒否なら排出枠認めず
2011/12/01 10:11 【共同通信】
 【ダーバン(南アフリカ)共同】南アフリカでの気候変動枠組み条約第17回締約国会議(COP17)で30日、京都議定書の次の削減目標を拒否する日本などに対し、国際的な削減事業で排出枠が得られる仕組み「クリーン開発メカニズム(CDM)」を使えないようにするよう求める意見が発展途上国から相次いだ。
 議定書の枠組み「延長」を拒む日本などへの対抗措置とみられ、今後の大きな論点となる可能性が出てきた。
 CDMは先進国の企業などが途上国で実施した削減事業で排出枠を得られる仕組み。

「日本のCDM利用困難」EU、京都議定書延長で再考求める
2011/12/1 12:19日本経済新聞
 【ダーバン=福士譲】南アフリカで開催中の第17回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP17)で、欧州連合(EU)代表団は30日、2012年末が期限の京都議定書延長を拒む日本が議定書不参加を決めた場合、先進国が途上国の温暖化対策を支援して自国の排出削減と見なす「クリーン開発メカニズム」(CDM)を日本が利用することは難しいとの見方を示した。記者団に語った。
 CDMは京都議定書が定める仕組み。日本は議定書の延長に加わらなくても、CDMの制度は温暖化対策に活用したい考え。EU代表団はCDMの制度を使うには「削減量にコミットしなければならない」と主張。「議定書延長が決まっても不参加」とする日本に再考を迫った。EUは議定書延長を条件付きで容認する姿勢を表明している。
  延長反対の「日本に失望」 
20111130
       
延長反対の「日本に失望」=京都存続求めるアフリカ諸国-COP17
時事通信
 【ダーバン(南アフリカ)時事】地球温暖化対策を話し合う国連気候変動枠組み条約第17回締約国会議(COP17)で、アフリカ諸国のグループが30日、記者会見し、2012年末に期限を迎える京都議定書の延長に反対する日本やカナダに対し、「アフリカの大事なパートナーが(同議定書延長に)参加してくれないことに非常に失望している」と強い不満を示した。
 同グループは「気候変動はアフリカが直面する厳しい脅威だ」と指摘。先進国に温室効果ガス排出の削減義務を課す同議定書延長の早期合意を強く求めた。
 アフリカ諸国は、温暖化が引き起こす干ばつや、それに伴う食料不足などの危険にさらされており、同グループは29日の作業部会で「(COP17会場となった)アフリカの地を京都議定書の『墓場』には絶対にしない」と繰り返し訴えた。(2011/11/30-21:25) 
  温暖化対策が急務=COP17に期待-WMO事務局長 
20111129
      
温暖化対策が急務=COP17に期待-WMO事務局長
時事通信
 【ジュネーブ時事】世界気象機関(WMO)のジャロー事務局長は29日、ジュネーブで記者会見し、温室効果ガス濃度といった気象データは「(排出削減の)対策が遅れれば、健康などにより深刻な影響が出る可能性があることを示唆している」と述べ、南アフリカのダーバンで始まった国連気候変動枠組み条約第17回締約国会議(COP17)での議論の前進に期待感を示した。
 事務局長は、WMOは各国政策当局に最新の気象状況を提供することが役割で、政策提言をする機関ではないと説明。一方で、昨年の温室効果ガスの世界平均濃度が観測史上最高を更新したことを挙げ、「(対策を講じなければ)世界平均気温の上昇を長期的に2度以内に抑える目標の達成は非常に困難だ」と警鐘を鳴らした。(2011/11/29-19:50) 
  WMO 世界の暑さ、今年は過去10番目 
20111129
     
 世界の暑さ、今年は過去10番目 温暖化鮮明、WMO見通し
2011/11/29 20:31 【共同通信】
 【ダーバン(南アフリカ)共同】2011年の世界の平均気温は、冷却効果があるラニーニャ発生にもかかわらず、観測史上10番目に高くなるとの見通しを世界気象機関(WMO)が29日、南アフリカで開催中の気候変動枠組み条約第17回締約国会議(COP17)の会場で発表した。
 上位15位までの暑い年は1997年以降にほぼ集中し、地球温暖化が進む傾向が鮮明。11年は干ばつや降水量の増加があった地域も多く、記者会見でレンゴアサWMO事務次長は「温暖化が進むとこうした極端な気象現象が増えることを、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の最近の報告書が示している」と指摘。

北極海の海氷 過去最少規模に
11月30日 0時6分 NHK
WMO=世界気象機関は、北極海の海氷の体積が、地球温暖化の影響で過去最少規模となったことを明らかにするとともに、温暖化によるとみられる洪水や干ばつなどの異常気象が、今後さらに頻発する可能性が高いとして、警戒を呼びかけました。
これは、温暖化対策を話し合うため南アフリカのダーバンで開かれている国連の会議、COP17の会場で、WMO=世界気象機関が29日、記者会見をして明らかにしたものです。発表によりますと、ことし10月までの世界各地の平均気温は、1961年から1990年の平均である14度と比べて、最大で0.52度高くなりました。地球上では、去年からことしにかけて、太平洋の赤道域でラニーニャ現象が起きており、本来であれば気温が低くなる傾向にありますが、ラニーニャ現象が発生した年としては、これまでで最も高い気温となったということです。その結果、北極海の海氷については、ことし9月の時点で、その体積は4200立方キロメートルと過去最少規模となりました。記者会見した世界気象機関のレンゴーサ事務局次長は、今後温暖化の影響で、洪水や干ばつなどの異常気象がさらに頻発する可能性が高いとして、警戒を呼びかけるとともに、COP17に集まっている各国の交渉担当者に対して、「責任をもって行動をしてほしい」と述べて温暖化を防ぐ早急な対策を訴えました。
  作業部会始まる-COP17 
20111129
       
 新興国など、京都延長主張=作業部会始まる-COP17
時事通信
 【ダーバン(南アフリカ)時事】国連気候変動枠組み条約第17回締約国会議(COP17)は29日午前(日本時間同日午後)、作業部会での事務レベル交渉に入った。意見表明では、先進国に温室効果ガス排出の削減義務を課す京都議定書(2008~12年)の延長を求める声が続出。新興国・途上国グループは「先進国がリーダーシップを示すべきだ」(アルゼンチン)と述べ、今会議の成果として議定書延長を目指す姿勢を鮮明にした。(2011/11/29-20:51)

COP17 削減目標継続求める声相次ぐ
サンケイビズ2011.11.30 05:00
 南アフリカ・ダーバンでの気候変動枠組み条約第17回締約国会議(COP17)は28日午後(日本時間29日)、京都議定書について議論する全体会合を開き、発展途上国から先進国に対し、現在の目標が切れる2013年以降も議定書の削減義務を負うよう求める声が相次いだ。
 途上国を代表してアルゼンチンが「議定書は唯一の地球温暖化対策の法的枠組みだ。要求を下げることはできない」と述べ、妥協しない姿勢を示した。
 また、途上国で行う削減事業の見返りに先進国が排出枠を獲得できる議定書の仕組みをめぐり、複数の途上国が日本などを念頭に「議定書の次の目標を持たない国に使わせるべきではない」と述べ、強く牽制(けんせい)した。
 途上国にとっては、先進国の譲歩を引き出し、国際的な削減義務がない「空白期間」を回避することが最優先課題で、今後も攻勢を強めるのは確実だ。
 一方、先進国側は、全ての国が責務を負う新たな枠組みづくりを主張。欧州連合(EU)は、新枠組み創設の具体的な工程表に合意することが、次の目標設定の交換条件だと主張したが、途上国側から「議定書を人質にするな」との声が出た。(ダーバン 共同)

途上国、先進国への不信感増幅も カナダの京都議定書離脱報道で
2011.11.30 08:46産経新聞
 カナダが京都議定書から脱退すると報じられたことで、COP17の交渉はさらに厳しさを増す。カナダが議定書の目標達成を放棄すれば、先進国に対する途上国の不信が確実に増すからだ。議定書の延長拒否で日本と共同歩調をとるカナダが途上国から総攻撃にあえば、日本が目指す全ての国が参加する枠組みの実現もさらに難しくなる。
 細野豪志環境相は29日の会見で、カナダの離脱について「情報がないので確認したい」と述べるにとどめた。政府関係者は「カナダの『脱退』が、2013年以降も議定書を延長することに反対するという意味なら意外感はない」と話す。
 だが、カナダが現行の議定書での約束をほごにするなら話は別だ。本来、目標達成が難しければ、他国から排出権を買い取ってでも達成する義務がある。それでも無理なら、議定書延長で合意した場合に削減目標を引き上げられるといった罰則もある。
 日本も08~12年に排出量を90年比6%削減することが義務づけられている。東京電力福島第1原子力発電事故後に原発の活用が難しくなり、目標達成へのハードルは高いが、節電や排出権の買い取りなどで目標達成を目指す方針だ。
 そんな中でカナダだけが削減義務を果たさず、延長にも応じなければ、議定書自体が空文化する。新興国やアフリカ、島(とう)嶼(しょ)国などから「先進国は自らの責任を果たすべきだ」という強い批判が沸き上がることは間違いない。
 COP17で日本は、議定書が期限を迎えた後の13年以降について、全ての国が自主的な目標に向けて削減努力を進める枠組みを提案している。カナダの議定書脱退が先進国と新興国の溝を深めれば、日本案に対しても「先進国が責任を果たすのが先」との声が強まる懸念がある。(小雲規生)

COP 日本は“新たな枠組みを”
11月30日 7時57分 NHK
南アフリカで28日に始まった温暖化対策を話し合う国連の会議、COP17で日本政府が初めて会見を開き、先進国だけに温室効果ガスの削減を義務づけた京都議定書の継続には反対し、主要な排出国が参加する新たな枠組みを求めていく方針を改めて示しました。
南アフリカのダーバンで開かれているCOP17では、先進国だけに温室効果ガスの削減を義務づけた京都議定書の期限が来年末に迫るなか、議定書の継続を求める途上国と、中国など主要な排出国も参加する新たな枠組みを求める先進国が対立しています。こうしたなか、日本は29日、初めて記者会見を開き、外務省の堀江正彦大使は「京都議定書の枠組みでは世界の排出量の26%しか削減できない」と述べ、議定書の継続には反対し、主要な排出国を含む公平で効果的な枠組みを目指す方針を改めて示しました。そのうえで、議定書の期限が切れる再来年以降も資金や技術の面で途上国を支援していく考えを明らかにしました。会見では、海外のメディアから原発事故を受けた今後の日本の削減努力についての質問も出され、堀江大使は、政府が今後のエネルギー政策を再検討しているとしながらも2020年に温室効果ガスを1990年に比べて25%削減するという中期目標については現時点で変わっていないことを説明していました。

次期枠組み「15年までに」 COP17でEU表明
2011/11/29 22:28日本経済新聞
 【ダーバン=福士譲】南アフリカで開催中の第17回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP17)は29日、2012年末で約束期限を迎える京都議定書の作業部会の初会合を開いた。欧州連合(EU)代表団は議定書延長を条件付きで容認するとともに「包括的で法的拘束力のある枠組み交渉をすぐに開始し、15年までに完了させるべきだ」と表明した。
 議定書を延長しても「20年までに終了させる」と述べ、その後は中国や米国を含む次期枠組みを発効させたいとの考えを示した。中国などは議定書延長の必要性を改めて強調。日本などの先進国は包括的枠組みを目指す従来見解を繰り返した。
  京都議定書 カナダ来月脱退とのテレビ報道 
20111129
      
 2番目の記事によると、カナダのケント環境相は「カナダは京都議定書を廃止するという共通の目的を持った国々と共に会議に参加する」と言っているのだそうです。

カナダが京都議定書脱退か 地元テレビ報道
2011/11/29 08:09 【共同通信】
 【ワシントン共同】カナダのCTVテレビは28日までに、カナダが12月にも京都議定書から脱退する見込みだと報じた。ハーパー政権がクリスマス前にも発表する予定という。カナダが脱退すれば、先進国に数値目標を設定し、温室効果ガスの削減を義務付けた京都議定書の枠組みに深刻な悪影響を及ぼす恐れがある。
 南アフリカのダーバンでは、気候変動枠組み条約第17回締約国会議(COP17)が開幕。カナダのケント環境相はAP通信に対し、京都議定書の脱退について発表できるタイミングではないと語った。

京都議定書 カナダ来月脱退か
枠組みに深刻な影響も
東京新聞2011年11月29日 夕刊
 【ワシントン=共同】カナダのCTVテレビは二十八日までに、カナダが十二月にも京都議定書から脱退する見込みだと報じた。ハーパー政権がクリスマス前にも発表する予定という。
 カナダのケント環境相はAP通信に対し、京都議定書の脱退について発表できるタイミングではないと語った。脱退は、カナダに課された温室効果ガス削減目標の達成が難しくなっていることが理由とみられる。
 カナダが脱退すれば世界各国の温暖化対策や、議定書に定めのない二〇一三年以降の新しい国際枠組み構築に向けた交渉に深刻な影響が出る恐れがある。
 議定書締約国のカナダは、京都議定書に基づいて、二〇〇八~一二年の温室効果ガス排出量の平均値を一九九〇年に比べて6%減らす約束をしている。
 しかし、CTVにコメントを寄せた専門家によると、カナダの排出量は30%近く増え、目標達成は事実上不可能な状況。排出量増加は、採掘に伴って大量の二酸化炭素(CO2)を出す新しいタイプの石油資源オイルサンドの生産量が増えたことなどが原因という。
 環境保護団体のメンバーらは「ひきょうな行動だ」などとカナダ政府の動きを批判している。
 南アフリカのダーバンでは、京都議定書について話し合う気候変動枠組み条約第十七回締約国会議(COP17)が開幕したばかり。ケント氏は交渉に臨む姿勢について、CTVの取材に「京都議定書の延長に関するいかなる文書にもサインしないし、カナダは京都議定書を廃止するという共通の目的を持った国々と共に会議に参加する」と述べた。
  「京都」延長なら離脱 COP17政府方針を決定 
20111129
      
「京都」延長なら離脱 COP17政府方針を決定
朝日新聞2011年11月29日16時43分
 野田政権は29日、地球温暖化問題に関する閣僚委員会(座長・野田佳彦首相)を開き、南アフリカで開会中の国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP17)の対応方針を決めた。2012年末で温室効果ガス削減の義務づけ期間が終わる京都議定書について、次の約束期間をつくる「延長」には加わらないことを確認。仮に延長が決まった場合には参加を拒否し、先進国に削減義務を課す「京都体制」から離脱する姿勢を鮮明にした。
 閣僚委員会には、野田首相のほか細野豪志環境相ら11閣僚が出席した。対応方針では、世界一の排出国である中国に義務がなく、2位の米国が批准していない京都議定書は世界の排出削減につながらないとして、米中も含めて削減義務を課す新体制を目指すとした。
 記者会見した細野環境相は、議定書の削減義務国の排出量が世界全体の約27%にとどまることを指摘。「交渉では様々な判断があるが、(日本が)次の約束に参加しないことに変わりはない」と言い切った。
 京都議定書のルールでは、新たな約束を設ける場合にはその国の同意が必要になる。約束を拒否すれば、日本は削減義務国のリストから外れ、12年までの削減義務や排出量算定のルールなどを含めた京都議定書の批准国としての位置づけだけが残る。

COP17:京都枠組み延長、日本は拒否確認--対処方針
毎日新聞 2011年11月29日 東京夕刊
 政府は29日、地球温暖化対策に関する閣僚委員会を開き、COP17の対処方針を決定した。2013年以降に京都議定書の枠組みに沿った削減義務は受け入れないとの従来の立場を確認。一方、政府が主張するすべての主要排出国が参加する新たな枠組みの策定には時間がかかるとして、技術や政策面で途上国を支援し温暖化防止に貢献するとしている。
 閣僚委員会で、野田佳彦首相は「公平で実効性ある法的な枠組みを実現しなければならない」とあいさつ。米国や中国など京都議定書で削減義務のない国を含めたすべての主要排出国が参加する枠組みを目指すことを確認した。
 その上で太陽電池の低コスト・高効率化などの開発や、人工衛星による森林破壊など地球環境変化の監視を実施。これらの成果を活用して温室効果ガスの排出増が見込まれる途上国を支援していく。
 COP17では、京都議定書で削減義務のない13年以降に温暖化対策の「空白期間」が回避できるかどうかが焦点となっている。しかし、議定書の延長を求める途上国と、中国などの参加を求める先進国の対立は先鋭化し、合意形成は困難な情勢になっている。【藤野基文】

京都議定書の延長には反対 政府、COP17での交渉方針確認
日本経済新聞2011/11/29 10:56
 政府は29日午前、国会内で地球温暖化問題に関する閣僚委員会を開き、南アフリカのダーバンで始まった第17回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP17)に臨む方針を決めた。中国など途上国が主張する京都議定書の延長には反対し「主要排出国が参加する公平かつ実効性のある枠組みの構築を目指す」考えを確認した。
 COP17に向けた日本の提言「世界低炭素成長ビジョン」も決定した。提言は(1)先進国間の連携(2)途上国との連携(3)途上国支援――の3本柱。途上国などに省エネ技術を供与する見返りに温暖化ガスの排出枠を取得する「2国間クレジット」の推進を目指すほか、太陽電池の低コスト化などで他の先進国と連携すると明記した。

議定書拒否崩さず 日本政府が対処方針
東京新聞2011年11月29日 夕刊
 政府は二十九日、地球温暖化問題に関する閣僚委員会を開き、南アフリカで開幕した気候変動枠組み条約第十七回締約国会議(COP17)の対処方針を決めた。京都議定書の最初の目標期間が終了した後の二〇一三年以降、議定書に基づく新たな削減義務は受け入れないとの従来の立場を堅持する。
 引き続き、全ての主要な温室効果ガス排出国が参加する公平で実効性ある枠組みづくりを主張。既に表明している途上国への百五十億ドルの短期支援の着実な実施や、低炭素技術の普及・促進、他の先進国と連携した技術革新の取り組みなどを柱とする「世界低炭素成長ビジョン」を提言する。
 他国に技術などを輸出して排出権を得る「二国間クレジット制度」については、一三年からの運用開始を目指してモデル事業や共同研究を進めるとした。
 閣僚委で、野田佳彦首相は「一つの法的な枠組みを目指すという一貫した立場を強く訴え、国際社会の地球温暖化に対する取り組みが一歩でも二歩でも前進するよう努力してほしい」と述べた。

京都議定書の延長反対を確認
11月29日 10時59分NHK
 政府は地球温暖化問題に関する閣僚委員会を開き、国連の会議、COP17で、先進国に温室効果ガスの削減を義務づけた京都議定書の延長に反対し、すべての主要排出国が参加する、公平で効果的な枠組みを目指す方針を確認しました。
閣僚委員会は、地球温暖化対策を話し合うCOP17が南アフリカで始まったことを受けて、日本政府の対処方針を確認するために開かれたもので、細野環境大臣ら関係閣僚が出席しました。この中で、野田総理大臣は「地球温暖化対策は人類の将来に関わる大きな課題だが、全世界が一丸となって取り組むことができる、一つの公平かつ実効的な法的な枠組みの整備を急がなければならない」と述べました。そのうえで、「日本代表団においては、本日の委員会での議論を踏まえ、一つの法的な枠組みを目指すという、わが国の一貫した立場を強く訴え、国際社会の地球温暖化に対する取り組みが一歩でも二歩でも前進するよう努力してほしい」と指示しました。そして、閣僚委員会では、日本政府として先進国に温室効果ガスの削減を義務づけた京都議定書の延長に反対し、中国やインドといったすべての主要排出国が参加する、公平で効果的な枠組みを目指す方針を確認しました。
 閣僚委員会でCOP17への政府の対応方針が決まったことに関連して、細野環境大臣は、会見で、日本に義務づけられている、2012年までに温室効果ガスを1990年に比べて6%削減するという目標の達成が、原発事故を受けて厳しくなっていることについて、「節電の努力に代表されるような、困難を乗り越えるべく努力をしているという点を説明していきたい」と述べ、日本がこの夏の節電を通じて削減に努力してきたことを各国に訴えていく考えを示しました。また、温室効果ガスを2020年までに25%削減するという中期目標については、「25%という目標自体は現段階で変えているものではないという説明をしていきたい」と述べ、COPの場でも中期目標を維持する考えを示しました。 
  オークリッジ:2010年排出量速報 
20111128
     
少し古い情報ですが、米国オークリッジ研究所が2010年までの世界各国のCO2排出量速報を発表しました。
http://cdiac.ornl.gov/trends/emis/perlim_2009_2010_estimates.html 
  IPCC「気候変動への適応推進に向けた極端現象及び災害のリスク管理に関する特別報告書」 
20111128
    
IPCCが「気候変動への適応推進に向けた極端現象及び災害のリスク管理に関する特別報告書」を発表しました
http://www.ipcc.ch/news_and_events/docs/srex/SREX_press_release.pdf
http://www.ipcc-wg2.gov/SREX/

環境省「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)「気候変動への適応推進に向けた極端現象及び災害のリスク管理に関する特別報告書」の公表について(お知らせ)」
http://www.env.go.jp/press/press.php?serial=14453 
   資エ庁:2010年度エネルギー需給速報
20111128
   
資源エネルギー庁が2010年度エネルギー需給速報を発表しました。
http://www.enecho.meti.go.jp/info/statistics/jukyu/resource/pdf/111118_gaisoku.pdf

また、2010年のエネルギーバランス表も発表しました。
http://www.enecho.meti.go.jp/info/statistics/jukyu/result-2.htm

エネルギー起源co2は2009年度比約4%増、1990年度比約6%増になっています。 
  シロクマの公害調停受理 原発なしでCO2削減求め 
20111004
  
シロクマの公害調停受理 原発なしでCO2削減求め
2011/10/04 21:20   【共同通信】
 地球温暖化で絶滅の恐れがあるシロクマを申請人に加え、電力会社に対し、原発に依存せず二酸化炭素(CO2)排出削減を求める公害調停を申し立てていた日本環境法律家連盟などは4日、申請が公害等調整委員会(公調委)に受理されたと発表した。
 温暖化による被害を「公害」と位置付けているのが特徴で、受理は9月29日付。今後、公調委が双方から事情を聴いて解決を図るが、同連盟は「(受理により)温室効果ガスの過剰排出を原因とする地球温暖化が『公害』として認識される」としている。 
  EU 12年は85%無償供与=航空産業に温室ガス排出枠 
20110927
 
12年は85%無償供与=航空産業に温室ガス排出枠―EU
2011年9月27日7時6分朝日新聞←時事通信
 【ブリュッセル時事】欧州連合(EU)欧州委員会は26日、2012年からEUの温室効果ガス排出量取引制度(EU―ETS)の適用を受ける航空産業に対し、12年は排出枠の85%、13~20年には82%を無償で割り当てることを正式決定した。残りは有償割り当て(売買)となるため、航空会社は負担の一部を特別付加運賃などの形で利用者に転嫁する可能性もある。
 欧州の空港を離着陸する定期便などを運航している世界中の航空会社が対象。米国や中国の航空会社は「負担増につながるEUの制度は一方的だ」と批判している。
 これに対しEUは「計画は変えない」方針で、南アフリカ・ダーバンで年末に開かれる国連気候変動枠組み条約第17回締約国会議(COP17)で改めて各国に理解を呼び掛ける。 

EU、航空機に排出量割り当て COP17で提唱
2011/09/26 22:17   【共同通信】
 【ブリュッセル共同】欧州連合(EU)の欧州委員会は26日、EU域内の空港を利用するすべての航空機について、2012年から温室効果ガス排出の割当量を定め、その一部をEUの排出量取引システム(EU―ETS)で売買させると発表した。
 航空各社に温室効果ガス排出の削減努力を促すのが狙い。11月下旬~12月上旬に南アフリカ・ダーバンで開かれる気候変動枠組み条約第17回締約国会議(COP17)で全世界に取り組みを訴える。
 EU―ETSは世界の排出量取引の90%以上を占める巨大市場。 
  デンマーク、温室効果ガスを20年までに40%削減へ 
20111004
政府公式ページ
http://www.denmark.dk/en/servicemenu/News/?wbc_purpose=Basic&WBCMODE=PresentationUnpublished
の新政策紹介"New cabinet. New policies. New government ready to roll"で確認できます。

デンマーク、温室ガスを20年までに40%削減へ
[時事通信社](2011/10/04-11:34)
 【コペンハーゲン3日ロイター時事】9月の総選挙を経て成立したデンマークの新中道左派政権は3日、同国の温室効果ガス排出量を2020年までに1990年比で40%減らす目標を定めた。同時に、同国の電力需要の半分を再生可能エネルギーで賄う方針も決めた。
 新政権は社会民主党と社会人民党、それに急伸自由党の3党による連立で、社民党党首ヘレ・トーニングシュミット氏が首相になった。 
   温暖化特別部会パナマで開幕/各国の動き
20111002

 
 
 ポスト京都で国連会合=温暖化対策「暫定協定も」-パナマで開幕
時事通信
 【ニューヨーク時事】2013年以降の地球温暖化対策の枠組み(ポスト京都議定書)などを話し合う国連作業部会が1日(日本時間2日未明)、中米のパナマで開幕した。南アフリカ・ダーバンで11月末から開かれる国連気候変動枠組み条約第17回締約国会議(COP17)に向けた準備会合として、「ポスト京都」をめぐる意見の隔たりが大きい先進国と途上国との間で厳しい交渉が行われる見通し。会合は7日まで。(2011/10/02-17:56)

温暖化対策:特別部会パナマで開幕 COP17へ最終調整
毎日新聞 2011年10月2日 11時22分
 【パナマ市・江口一】京都議定書に定めがない13年以降の地球温暖化対策の枠組みを話し合う特別作業部会が1日、中米のパナマで開幕した。11月末に南アフリカで開かれる国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP17)に向けた最後の事務レベル交渉となる。フィゲレス条約事務局長は「パナマは北米と南米を結び、東西をつなぐ運河が横たわる」などと語り、温暖化対策で対立する各国に歩み寄りを求めた。7日まで。

京都議定書の延長容認へ=昨年に続き、南アでも-EU
時事通信
 【ブリュッセル時事】欧州連合(EU)欧州委員会は、南アフリカ・ダーバンで11月末から開かれる国連気候変動枠組み条約第17回締約国会議(COP17)への参加に当たり、来年末で期限切れを迎える京都議定書の条件付き延長を容認するようEU各国に提案する方針を固めた。EU筋が3日明らかにした。
 欧州委案は10日のEU環境相理事会で各国が協議する。同筋などによれば、各国は意見調整が必要なものの、大筋で同案が賛同を得て、EUの共通方針となる見通し。
 EUは昨年、メキシコ・カンクンのCOP16で条件付き延長支持に転じ、延長に断固反対の日本などとの間に溝ができた。
 欧州委の延長条件は、温室効果ガス排出削減義務のない米国と中国が義務を負うこと。EUは南アで「義務の履行がいつから可能か、米中にロードマップ(行程表)の提示を促す」(同筋)という。(2011/10/04-05:47)

京都議定書「延長」軸に調整 COP17議長国の南ア外相
2011/9/30 0:53日本経済新聞
 【プレトリア=上杉素直】11月末に開幕する第17回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP17)の議長国、南アフリカ共和国のヌコアナマシャバネ外相は28日、国際的な温暖化ガス削減枠組みである京都議定書を2012年の期限切れ後も延長する案を軸に各国と調整に入る考えを表明した。温暖化ガスの大口排出国でありながら議定書に加わっていない米国や中国などを念頭に置いた削減の枠組みが必要であるとも訴えた。

インドネシア、温室効果ガス排出抑制へ
[時事通信社](2011/09/27-10:23)
 【シンガポール26日ロイター時事】インドネシアはこのほど、温室効果ガス排出量を削減するための部門別計画を策定、ユドヨノ大統領が布告に署名した。同国はこれにより2020年に予想される排出量を26%削減することになる。先進国が資金およびその他の面で支援の手を差し伸べてくれる場合は、その削減率を最大41%にするとしている。
 計画の構想自体は同大統領が2年前に打ち出していた。東南アジア最大の経済国であるインドネシアに対しては、森林破壊の抑制や土地管理の改善、エネルギー効率の改善によって排出量を減らすよう、国際的な圧力が強まっていた。
 削減計画の重点は森林からの排出削減に置かれた。インドネシアが排出する温室効果ガスの80%近くは森林破壊や炭素を多く含む泥炭地の燃焼によってもたらされている。気候変動担当特使のアグス・プルノモ氏がロイター通信に語ったところでは、森林・泥炭部門での排出量は計画に基づき20年までに6億7200万トン減らされることになる。また、先進国からの支援があれば、その量は最大10億トンとなる。
 同国政府によると、05年の同国全体の温室効果ガス排出量は21億トンで、インドとほぼ同じ量だった。何もしなければこの量は30年までに32億トンに増えると見られている。
 インドネシアや中国、インド、それにブラジルなどの主要開発途上国は、産業革命以降の地球の温度上昇を2度以内に抑えるために同ガスの排出を抑制するよう、先進国から圧力をかけられている。科学者は上昇幅がこれ以上になると、「危険な」気候変動のリスクが高まると警告している。
  COP17に向け各国の努力確認 
20110705
 
    
 ファイル:COP17に向け各国の努力確認
毎日新聞 2011年7月5日 東京朝刊
 難航する地球温暖化対策の国際枠組みづくりを促進するためベルリンで開催されていた閣僚級会合は4日、今年末に南アフリカ・ダーバンで開かれる国連気候変動枠組み条約第17回締約国会議(COP17)に向け、交渉加速のため各国の一層の努力を確認、2日間の協議を終え閉幕した。
 COP17議長国を務める南アのヌコアナマシャバネ外相は、同会議での合意に向け、各国の妥協を要請。ドイツのメルケル首相は「国際社会は義務があり、検証可能な目標を定めた新たな取り決めに合意すべきだ」と述べ、中国などを念頭に新興国の参加の必要性を強調した。
 その上でメルケル首相は、場合によっては京都議定書を延長する可能性も指摘した。【共同】
  独で閣僚会合開始 35カ国参加 
20110704
 
    
地球温暖化対策:独で閣僚会合開始 35カ国参加
毎日新聞 2011年7月4日 東京朝刊
 【ベルリン共同】京都議定書に定めのない2013年以降の地球温暖化対策の国際枠組みづくりに関する閣僚級国際会合が3日、ベルリンで始まった。今年末に南アフリカで開催される気候変動枠組み条約の第17回締約国会議(COP17)に向け、難航する国際交渉を促進させるのが狙い。地元ドイツのレトゲン環境相と南アのヌコアナマシャバネ外相が共同議長を務め、約35カ国の代表が参加した。

ドイツ 温暖化対策非公式会合
7月4日 5時30分 NHK
地球温暖化対策を話し合う国連の会議COP17に向けて、各国の閣僚らによる非公式の会合がベルリンで開かれ、日本政府は、一部の先進国だけに温室効果ガスの削減義務を課す京都議定書の継続には応じられないとの立場を改めて表明しました。
非公式の閣僚会合には、35か国の代表が参加し、日本からは樋高剛環境政務官が出席しました。初日の会合では、ことし11月のCOP17の議長国、南アフリカのヌコアナマシャバネ外相が「京都議定書を延長するかどうかは、COP17で決着をつけなければならない」とあいさつし、合意に向けた各国の努力を促しました。また、ドイツのメルケル首相は、「京都議定書に代わる拘束力のある合意は得られないだろう」と述べ、京都議定書に代わる新たな枠組みを巡る交渉が順調に進まないのであれば、当面、議定書を継続させることもやむを得ないとの考えを示しました。これに対し、樋高政務官は、「一部の先進国だけが排出削減の義務を負うのでは、温暖化防止の効果は上がらない」と述べ、京都議定書の継続には応じられないとの立場を改めて表明しました。COP17では、京都議定書の期限が来年に迫るなかで、2013年以降、各国がどのような国際ルールの下で温室効果ガスの削減に取り組むかが焦点となります。

議長国 京都議定書の継続軸に
7月3日 4時52分 NHK
地球温暖化対策を話し合うため、ことし11月に開かれる国連の会議「COP17」で、議長国の南アフリカは、先進国だけに削減義務を課す京都議定書の継続を軸に合意を目指していることが分かりました。
ことし11月に南アフリカで開かれるCOP17では、先進国だけに温室効果ガスの削減を義務づけた京都議定書の期限が来年に迫るなかで、2013年以降、各国がどのような国際ルールの下で温室効果ガスの削減に取り組むかが焦点となります。これに向けてドイツのベルリンでは、3日から、40か国近くの閣僚らが参加する準備会合が開かれることになっており、NHKは、会合の議長を務める南アフリカとドイツが準備した文書を入手しました。この中で、「南アフリカでの会議は京都議定書の問題に取り組む最後の機会だ」と述べ、想定される結果として3つの案を挙げています。このうち、実質的に進展がない場合を除いて、残る2つの案は、「先進国が京都議定書の下で削減義務を行う決定をする」という案など、いずれも京都議定書の継続を軸に合意を目指す形となっています。京都議定書を巡っては、途上国が2013年以降も議定書の継続を強く求めているのに対し、発展途上国にも排出削減を求める日本やロシアなどは反対の姿勢を明確にしており、3日から始まる閣僚級の会合では、激しい議論が交わされることも予想されます。 
  日本に2度目の「化石賞」 温暖化交渉後ろ向きで
2011/06/17 09:25   【共同通信】 
20110617
 
      
  ドイツ・ボンで開催中の気候変動枠組み条約の特別作業部会で、各国の環境保護団体でつくる「気候行動ネットワーク」は17日までに、地球温暖化交渉で後ろ向きな発言をした国に贈る「化石賞」に日本を選んだと発表した。日本は11日にも選ばれており、2度目の不名誉な受賞。
 日本政府代表が「京都議定書に基づく新たな削減義務をいかなる条件でも拒否する」との従来の立場をあらためて表明したのが理由。同ネットワークは「あまりに硬直した交渉姿勢だ。年末に南アフリカで開かれる条約の締約国会議が台無しになる恐れがある」と指摘した。
  温室ガス25%減 「志」捨てる前に進む道選択を 
愛媛新聞社説2011年06月15日(水)
20110615
 
     
 2020年に温室効果ガスの排出量を1990年比で25%削減―日本の地球温暖化対策の根幹であり、国際公約とも言うべき重要な目標が、政治のごたごたに紛れて消し去られようとしている。
 国会で継続審議中の「地球温暖化対策基本法案」について、民主党の小沢鋭仁前環境相らが、原発停止など東日本大震災を理由に「25%減」の目標を削除した修正試案をまとめていたことが分かった。温暖化対策税の導入時期の明記もやめ、排出量取引の導入も「慎重に検討」にとどめるなど、主要3施策をすべて大幅に後退させている。
 地球温暖化対策基本法案は昨年廃案になり、今国会でも成立のめどは立っていない。試案は、中身を骨抜きにしてでも成立を優先させたい、という苦肉の策には違いない。
 しかし、法案の「志」そのものとも言える削減目標が失われては、排出削減の実効性や国際社会へのメッセージは限りなく弱まる。基本法としての存在意義さえ問われかねず、到底容認できない。
 震災によって、確かに目標達成の困難度は増したが、今こそ原発に依存しない、エネルギー政策の抜本的な見直しに取り組むべきときである。それが定まらないうちに目標を諦め、取り下げるのは本末転倒。短絡的に過ぎると言わざるを得ない。
 原子力は、排出削減の「前提」のように言われていたが単なる一手段にすぎない。再生可能エネルギーの拡大や一層の省エネ、あるいは日本が他国に援助することで世界全体での二酸化炭素排出量を減らすなど、削減手法はいくらもある。一時的にコスト高になろうとも、原発事故の環境リスクを見せつけられた今、安全で多様なエネルギー政策への投資は不可欠で、決して避けては通れない。
 そもそも「25%減」は、鳩山由紀夫前首相が2009年に国連総会で示した目標。菅直人首相も今月、目標堅持を国会で表明している。にもかかわらず、同じ与党内から後ろ向きな、首相の国会発言さえ否定する案が出てくるようでは政策の一貫性、実現性は疑わしく、対外的な信用も損なわれるだろう。
 折しも今、京都議定書に定めのない13年以降の温暖化対策を協議する気候変動枠組み条約の特別作業部会がドイツで開かれている。日本は「京都」以来の、環境政策面でのリーダーシップを失いかねない瀬戸際に立っているとの自覚を持たねばならない。
 福島原発事故を受け、脱原発やエネルギー政策転換の潮流が世界的に広がる中、なぜひとり日本だけが与党内すらまとまれず、産業・社会の構造変革への覚悟も道筋も示せないのか。問われているのは「志」、政治的意思である。 
  温室ガス25%減 安易な目標撤回は疑問だ 
山陽新聞社説(6/7)
20110607
 
     
 2020年までに温室効果ガスの排出量を1990年比で25%削減する目標を盛り込んだ地球温暖化対策基本法案について、民主党内で目標を削除した「修正試案」がまとめられていたことが分かった。東日本大震災による原発停止が理由だ。
 法案撤回を迫る自民党へ妥協案を示したものだが、菅直人首相は1日の国会答弁で目標の堅持を明言したばかりだ。政府、民主党の一貫性のない政策に批判が高まろう。「国際公約」でもある目標の安易な撤回は日本への信用を傷つけることにもつながりかねない。
 試案は、震災が排出量に与える影響を見通すには一定期間が必要として25%削減目標を削除し、20年の目標は法案成立後に策定する基本計画で定めるとした。企業が「排出枠」を売買しながら目標達成を目指す国内排出量取引制度も「法律施行後1年以内を目途に成案を得る」との条項をなくし「慎重に検討を行う」とした。産業への負担などに配慮したとみられる。
 削減目標や取引制度は法案の根幹とも言えるものだ。大幅な後退で排出削減の実効性が失われれば、基本法の存在意義自体が問われることになろう。
 25%の削減目標は、もともとハードルが高い。原発の増設や稼働率向上という前提が原発事故で崩れた現状では、見直しはやむを得ないとの意見が政府内でも高まっている。
 だが、温室効果ガスの削減に有効な太陽光や風力発電など再生可能エネルギーの普及や省エネを進めるための具体的なエネルギー政策が見えないままでの修正は疑問だ。
 菅首相は20年代の早期に電力量に占める再生可能エネルギーの割合を20%へ拡大する方針を表明している。しかし、政府の国家戦略室がまとめた「革新的エネルギー・環境戦略」の素案は、原発推進路線を堅持し、政策の抜本的な見直しには踏み込んでいない。最小限の変革で済ませたい経済産業省の意向が反映された形といえる。
 震災で問われているのは、エネルギー多消費型の社会であり、原発に依存したエネルギー政策の在り方である。政府はまず、どういう社会を目指すのか方向性を明確にし、企業の技術革新などを生み出す支援や誘導施策を打ち出す必要がある。
 今年末には南アフリカで気候変動枠組み条約締約国会議が開かれ、国際的な温暖化交渉が本格化する。政府は「その場しのぎ」ではないエネルギー政策を内外に示さなければならない。
  オザワ前大臣目標削減試案の内容
20110605
 
      
温室効果ガス修正試案のポイント 
2011年6月5日 18時17分東京新聞←共同通信
 地球温暖化対策基本法案の「修正試案」のポイントは次の通り。
 【温室効果ガスの排出削減目標】
 「1990年における温室効果ガスの排出量から、これに25%の割合を乗じて計算した量を削減した量とする」を削除。「基本計画において定めるものとする」と修正。
 【国内排出量取引】
 「国内排出量取引制度を創設するものとし、この法律の施行後1年以内を目途に成案を得るものとする」を「国内排出量取引制度について、産業に対する負担や、これに伴う雇用への影響などを見極め、慎重に検討を行い、その結果に基づいて必要な法制上の措置を講ずる」と修正。
 【地球温暖化対策税】
 「地球温暖化対策のための税について、2011年度の実施に向けた成案を得るよう検討を行う」を「地球温暖化対策のための税について、必要な措置を講ずる」と修正。
(共同) 
  オザワ前大臣 25%削減目標の削除の試案 
20110605
 
     
温室ガス25%削減目標を削除 前環境相ら、自民に試案
2011/06/05 18:14   【共同通信】
 2020年に温室効果ガスの排出量を1990年比で25%削減する目標を盛り込んだ地球温暖化対策基本法案について、民主党の小沢鋭仁前環境相らが、この目標を削除した「修正試案」をまとめ、法案撤回を求めている自民党に示していたことが5日、明らかになった。原発の停止など東日本大震災を理由にしている。
 温暖化対策税の導入時期の明記をやめ、排出量取引の導入も見合わせるなど大幅に後退。25%目標の堅持を明言した菅直人首相の国会答弁を否定する内容で、環境保護団体など各方面からの批判が出るのは確実。 
  CO濃度が過去最高 増加ペースも上がる 
20110601
 
    
 気象庁発表は以下にあります
http://www.jma.go.jp/jma/press/1106/01a/2010CO2.html

CO2濃度が最高値=87年から毎年更新-気象庁
 気象庁は1日、温室効果ガスの二酸化炭素(CO2)の2010年の年平均濃度(速報値)が、国内の観測3地点全てで観測史上最高値を更新したと発表した。化石燃料使用によるCO2排出に歯止めがかからないことなどが要因という。
 同庁によると、観測値は岩手県大船渡市393.3ppm、東京都小笠原村の南鳥島390.5ppm、沖縄・与那国島392.7ppm。
 大船渡市は3地点の中で最も早く1987年から観測しているが、過去最高を毎年更新。同年と比べ42.1ppm増加したという。(2011/06/01-20:29)

10年のCO2濃度が過去最高 増加ペースも上がる
2011年6月1日 16時30分東京新聞
 気象庁は1日、国内で観測している温室効果ガスの二酸化炭素(CO2)について、2010年の大気中濃度の年平均値が観測史上最高だったと発表した。1987年の観測開始以来、増加傾向が続いている。
 濃度の増加率は、過去10年間が1年当たり2・0ppmで、その前の10年間の1・7ppmよりペースが上がっている。同庁地球環境・海洋部は「先進国、新興国とも化石燃料使用によるCO2排出が続いており、上昇傾向が収まる兆しはみられない」としている。
 気象庁は都市化の影響が少ない国内3地点でCO2濃度を定点観測。昨年の平均濃度は、岩手県大船渡市の大気環境観測所で393・3ppm、小笠原諸島の南鳥島390・5ppm、沖縄県・与那国島392・7ppmだった。最も早く観測を始めた大船渡は、観測を始めた87年と比べ42・1ppm上がった。
 春は植物の光合成が本格的に始まる前のため年間で最もCO2濃度が高くなる時期で、今年4月は与那国島398・4ppm、南鳥島396・4ppmと、東日本大震災の停電で4月のデータが得られなかった大船渡を除き月平均値でも過去最高を記録した。
(共同)
  2010年のCO2排出量、過去最悪 
20110601
 
    
IEAの発表です。
http://www.iea.org/index_info.asp?id=1959

10年のCO2排出量、過去最悪=金融危機後再び増加-IEA
時事通信
 【パリ時事】国際エネルギー機関(IEA)は30日、2010年のエネルギー関係の二酸化炭素(CO2)排出量が306億トンと、過去最悪だった08年の293億トンを上回ったとの推計を発表した。排出量は09年に世界的な金融危機で落ち込んだが、景気回復に伴い再び増加した。
 燃料種別では10年のCO2排出の44%が石炭、36%が石油、20%が天然ガス由来。稼働中や建設中の発電所から排出される分を計算すれば、20年時点の排出量は最低でも現在の80%になることが確定しているという。(2011/05/30-22:39)

10年のCO2排出量、最悪に IEA推計
2011/05/30 12:02   【共同通信】
 【ロンドン共同】英紙ガーディアン(電子版)は29日、2010年の世界の二酸化炭素(CO2)排出量が300億トンを超え、金融危機後の不況にもかかわらず、「過去最悪を記録した」と報じた。国際エネルギー機関(IEA)による非公表の推計に基づき伝えた。
 地球温暖化の深刻な被害を避けるためには、世界の平均気温の上昇を産業革命前と比べ2度以内に抑える必要があるとされる。同紙は今回のCO2排出量の増加で、この抑制目標達成は難しくなったとのIEA専門家の見方を紹介した。
 同紙によると、10年の排出量は前年に比べ16億トン増え306億トンを記録した。

世界のCO2排出量 過去最大
5月31日 8時10分 NHK
世界の主要なエネルギー消費国でつくるIEA=国際エネルギー機関は、エネルギー関連の二酸化炭素の排出量が去年、300億トンを超え、過去最大になったとする推計を発表しました。
IEAが30日に発表した推計によりますと、石炭や石油の消費などによるエネルギー関連の二酸化炭素の排出量は、おととし、金融危機に伴う世界的な景気後退の影響で、前の年よりも3億トン少ない290億トンでしたが、その後、再び増加し、去年、306億トンと過去最大を記録しました。国別では、経済成長の著しい中国やインドなどで排出量の増加が目立っているということです。去年、メキシコで開かれた温暖化対策を話し合う国連の会議「COP16」では、各国が温室効果ガスの削減に取り組み、産業革命以降の気温の上昇を2度未満に抑えるとする合意が採択されました。しかしIEAは、この合意を達成するには二酸化炭素の排出量を2020年の時点で320億トン以下に抑える必要があり、現在の増加ペースが今後も続けば、目標の達成は困難だとしています。

世界のCO2排出量、10年は過去最大に IEAが公表
2011/5/31 10:17日本経済新聞
 【パリ=古谷茂久】国際エネルギー機関(IEA)は30日、世界の2010年のエネルギー起源の二酸化炭素(CO2)排出量が306億トンと過去最大に達したと発表した。これまで最も多かった08年の293億トンを上回った。金融危機の影響などで09年の排出は一時的に減少したが、10年は再び増加に転じた。
 10年の排出量のうち44%は石炭、36%が石油、20%が天然ガスの燃焼により発生した。昨年11~12月にメキシコで開かれた国連気候変動枠組み条約第16回締約国会議(COP16)で参加各国は、産業革命以降の気温上昇を2度以内に抑えるという目標を改めて確認した。IEAのファティ・ビロル主任エコノミストは10年の排出量増加について「目標達成には深刻な後退だ」と分析している。
 福島第1原子力発電所の事故を受け日本では原発の停止が相次ぎ、化石燃料の消費増が見込まれている。ドイツが原発の全面停止を打ち出すなど欧州の一部では脱原発の流れが加速している。原子力の代替として化石燃料の利用が拡大すれば11年のCO2排出量はさらに増加する可能性がある。

世界のCO2排出量、2010年は過去最悪のレベル
2011.05.31 Tue posted at: 18:19
(CNN) 国際エネルギー機関(IEA)によると、世界のエネルギー消費による二酸化炭素(CO2)排出量は昨年1年間で306億トンと、年間排出量として過去最悪のレベルを記録した。
昨年の排出量は、これまで最大だった2008年の記録を5%上回った。
 昨年メキシコで開催された国連気候変動枠組み条約第16回締約国会議(COP16)では、世界の平均気温の上昇を2度以内に抑えるという目標が設定された。これを達成するには、2020年時点のCO2排出量を320億トン以下とする必要がある。
 IEAの主任エコノミスト、ファティ・ビロル氏は、昨年の数字はすでにこの上限に「信じ難いほど近付いている」と指摘し、このままでは目標の達成が「著しく困難」になると警告した。IEAによれば、目標達成のためには今後10年間の排出量増加を、09年から10年までの増加幅以内に抑制する必要がある。
 地球温暖化で予想される気温の上昇については、一部の科学者らが「2度以内」は楽観的すぎると主張。21世紀中に4度上昇、海面が2メートル上がり、世界の人口の約2.5%が移住を余儀なくされる可能性も指摘されている。

CO2排出レベルが過去最高に、気温上昇「2度」超える恐れ 英紙
2011年05月30日 19:40
【5月30日 AFP】30日付けの英紙ガーディアン(Guardian)が掲載した最新データで、CO2排出レベルが過去最高の水準にあることが明らかになった。このままでは気候変動で危険な影響が出るとされる2度の気温上昇を上回る恐れがあるという。
 ガーディアンに掲載された国際エネルギー機関(International Energy Agency、IEA)の推計データによると、世界経済が回復基調に戻ったことに伴い、2010年のCO2排出量は1.6ギガトン増加した。これまでで最も高い増加幅だ。
 IEAの主席エコノミスト、ファティ・ビロル(Fatih Birol)氏は同紙に「(CO2)排出に関する最悪のニュースだ」と語った。「気温上昇を2度以下に抑えることは非常に困難になってきた。この数値は、見通しが厳しくなったことを示している」
 科学者の間では、気温上昇幅が2度を超えると、気候変動は危険な領域に突入すると考えられている。このため、IEAでは2020年までにエネルギー関連の排出ガス量を32ギガトン未満に抑える必要があると警告しているが、最新のデータでは、2010年のCO2排出量は30.6ギガトンに達したと推計されている。
   イギリス2025年までに50%削減
20110601
 
   
EICネットに以下が掲載されました
http://www.eic.or.jp/news/?act=view&serial=25151&oversea=1

イギリス、温室効果ガス排出削減目標として2025年までに50%削減する計画を公表
 イギリス・エネルギー・気候変動省のヒューン大臣は、2023年から2027年の炭素削減計画「第4次カーボン・バジェット」を公表し、この期間の温室効果ガスの総排出量の上限値を1990年比で50%削減する目標を公表した。イギリスは、2050年までに少なくとも80%の温室効果ガスの排出削減を目指しており、この目標を達成するために設定された数値である。今回の発表では、国際競争の中にある産業が低炭素エネルギーに最小の費用で移行するために、欧州連合の排出状況と「カーボン・バジェット」の調整実施やエネルギー集約産業に対する電力費用の影響削減のための対策実施などの手段も含まれている。【イギリス・エネルギー・気候変動省】 
  首相、温室ガス25%削減は維持 再生と省エネで 
20110601
 
   
首相、温室ガス25%削減は維持 再生と省エネで
2011/06/01 12:27   【共同通信】
 菅直人首相は1日午前の参院本会議で、地球温暖化対策のため2020年までに温室効果ガスを90年比で25%削減する政府目標を維持する考えを表明した。実現に向けた方策として「再生可能エネルギーと、省エネを新たなエネルギー政策の柱に加える。温暖化対策でもプラスになる」と強調した。
 温暖化対策では東京電力福島第1原発事故を受けたエネルギー政策の見直しで、25%削減は一段と難しくなったとの見方が出ていた。首相の発言はこうした懸念を取り払う狙いがあるが、実現への具体的な道筋は不透明だ。

首相、温室ガス25%削減は維持 再生と省エネで
2011年6月1日 12時38分 東京新聞
 菅直人首相は1日午前の参院本会議で、地球温暖化対策のため2020年までに温室効果ガスを90年比で25%削減する政府目標を維持する考えを表明した。実現に向けた方策として「再生可能エネルギーと、省エネを新たなエネルギー政策の柱に加える。温暖化対策でもプラスになる」と強調した。
 温暖化対策では東京電力福島第1原発事故を受けたエネルギー政策の見直しで、25%削減は一段と難しくなったとの見方が出ていた。首相の発言はこうした懸念を取り払う狙いがあるが、実現への具体的な道筋は不透明だ。
 首相は先の主要国(G8)首脳会議で表明した太陽光パネル1千万戸設置の目標に関し(1)電力会社に全量買い取りを義務付ける固定価格買い取り制度(2)革新的技術開発によるコストダウン(3)規制緩和―などの政策を総動員すれば達成可能とした。
 原発事故による海外の風評被害については、事故当初の各国への情報提供が不十分だったと認めた上で「政府として、戦略的かつ一元的に取り組む」と述べた。
 民主党の一川保夫、自民党の石井準一両氏への答弁。
(共同)

菅首相:サミット報告 与野党、エネルギー政策方針に疑問
毎日新聞 2011年6月1日 東京夕刊
 菅直人首相は1日午前の参院本会議で、先月下旬、仏ドービルで開かれた主要8カ国首脳会議(G8サミット)などの海外出張の結果を報告した。
 再生可能エネルギー重視の方針をサミットで表明したことに関連し、温室効果ガス排出量を2020年までに90年比で25%削減する公約について「再生可能エネルギーと省エネルギーは二酸化炭素(排出量)削減にもプラスだ。目標は従来と変わりなく掲げる」と維持する考えを明らかにした。
 首相は本会議で、サミットで表明した▽自然エネルギーの発電比率を20年代の早期に20%を超える水準に向上▽太陽光パネルを国内約1000万戸に設置--といった今後のエネルギー政策について説明した。
 本会議では与野党から「太陽光はコスト問題をはじめ、多くの課題がある」(民主党の一川保夫氏)、「多くの原発が停止し、一時的に火力発電への依存度を高めざるを得ない。温室効果ガスの削減目標を撤回すべきだ」(自民党の石井準一氏)と首相方針への疑問が相次いだ。【大貫智子】

首相、温暖化ガス25%削減目標は維持
2011/6/1 12:24日本経済新聞
 菅直人首相は1日の参院本会議で、温暖化ガス排出量を2020年までに1990年比で25%削減する政府目標について「従来と変わりなく掲げる」と述べ、維持する考えを示した。首相は目標達成のために、再生可能エネルギーの活用と省エネを進めると強調。太陽光発電の普及拡大や、再生可能エネルギーによる発電分を電力会社が買い取る制度の創設に取り組む考えを示した。
   2009年度温室効果ガス排出量確定値
20110426
 
  
 環境省が、2009年度温室効果ガス排出量確定値を発表しました。
http://www.env.go.jp/press/press.php?serial=13722
排出インベントリは以下の国立環境研究所ホームページからダウンロードできます。また、気候変動枠組条約事務局に既に提出したようです。

http://www-gio.nies.go.jp/aboutghg/nir/nir-j.html
   温室ガス、90年度比4.1%減=09年度、削減目標は達成-環境省
20110426
 
  
景気後退のためです。
おそらくもうすぐ環境省ホームページに掲載されると思います。


温室ガス、90年度比4.1%減=09年度、削減目標は達成-環境省
 環境省は26日、2009年度の温室効果ガスの国内排出量(確定値)が、二酸化炭素(CO2)換算で12億900万トンになったと発表した。京都議定書の基準年にあたる1990年度比では4.1%減。森林によるCO2吸収などの削減分を加えると同13.5%減となり、08~12年度で90年度比で平均6%の排出削減を日本に求めた同議定書の目標を2年連続で達成した。
 排出量の減少は、景気低迷による生産活動の停滞が主因。また新潟県中越沖地震の影響で停止していた柏崎刈羽原発の一部稼働再開も寄与し、08年度比では5.6%減となった。
 また09年度は森林整備で90年度排出量の3.7%のCO2を吸収したほか、海外から政府として同1.6%分の余剰排出枠を購入。このほか、電力業界が自主的に同4.1%分の排出枠を購入しており、全体で同13.5%の削減になる。(2011/04/26-12:16)

温室効果ガス5・6%減 09年度、景気後退で
2011/04/26 12:15   【共同通信】
 環境省は26日、2009年度の国内の温室効果ガス排出量が、二酸化炭素(CO2)換算で08年度比5・6%減の12億900万トンだったとする確定値を発表した。景気後退などが主な要因。減少は2年連続で、排出量は1995年度以降で最も低かった。
 温室効果ガスの削減目標を定めた京都議定書の基準年である1990年度比では、4・1%減。日本は08~12年度平均で6%減の目標を達成するため、森林吸収や海外からの排出枠購入を合わせた5・4%分を、削減量に算入する方針だ。
 部門別のエネルギー起源CO2排出量は、商業やサービスなど業務部門が08年度比7・8%減、工場など産業部門が7・3%減など。

温暖化ガス排出量、京都議定書の目標達成 09年度
2011/4/26 11:18日本経済新聞
 環境省は26日、2009年度の国内温暖化ガス排出量(確定値)を発表した。京都議定書の基準年(1990年)比では4.1%減で、昨年末公表の速報値と同じだった。確定値が基準年の値を下回るのは初めて。海外からの排出枠購入や森林吸収分を含めると議定書の目標を達成した。
 09年度の温暖化ガス排出量は12億900万トン。08年度比で5.6%減った。工場などの産業部門が景気低迷により同7.3%減った。家庭部門も同5.5%減だった。
 京都議定書のもと日本は08~12年度に90年比で温暖化ガスを平均6%削減する必要がある。松本龍環境相は26日の閣議後の記者会見で最終的な目標達成について「予断は許さない」とした。東日本大震災の影響で、原子力発電所の稼働率の低下が避けられないからだ。 
【社説】温暖化交渉 原発だけに頼らずとも
中日新聞2011年4月26日
20110426
 
  
 京都議定書の次の温室効果ガス削減枠組みづくりに向けて、国連の準備会合が再開された。福島第一原発の惨状を教訓に、原発に頼らない削減のあり方を、被災地の思いとともに世界へ届けたい。
 いつのころからか、原子力は発電時に二酸化炭素(CO2)を出さないという意味で、クリーンなエネルギーと喧伝(けんでん)されてきた。
 二〇二〇年までに一九九〇年比25%の温室効果ガス削減目標は、民主党政権の目玉であり、国連でも喝采を浴びた国際公約だ。
 この高い目標は、あらゆる政策を総動員して達成されるはずだった。その中の三本柱が、温室効果ガスの排出枠を売買する国内排出量取引制度、再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度、そして地球温暖化対策税である。
 ところがいつの間にか原発が、目標達成の切り札のようになっていた。政府が昨年六月にまとめたエネルギー基本計画では、二〇二〇年までに原発九基を新増設することで、目標を達成できるとされていた。このもくろみが、震災で頓挫した。
 廃炉にされる福島第一原発六基の発電量を火力で補うと、環境省の試算では、25%に5ポイントほど届かない。だから削減目標を再検討させてほしいと政府は言う。
 見直しの声が出るのは、やむを得まい。しかし、原発を造れないから、このまま尻すぼみにしてもいい、というわけではない。
 CO2削減の目的は、温暖化で引き起こされる地球規模の災厄を回避するためである。その手段として、原子力に頼り過ぎることの危うさを、震災で十分思い知らされた。温暖化が招く危険の中には、巨大台風の頻発や海面上昇なども挙げられる。
 原子力が「第三の火」として発見されたように、今後の技術革新と発明の努力の中で新エネルギーが見つかるかもしれない。
 原発に頼らない日本の新しい削減戦略、太陽光や風力など再生可能エネルギーを総動員した新たな削減目標を、京都議定書の次の削減約束を決める年末の南アフリカ・ダーバン会議(COP17)で世界に諮る気概がほしい。独自の省エネ技術や再生可能エネルギーの開発を復興に結び付ける政策も、併せて考えたい。
 今日本が積極的な主張に出れば、世界も耳を傾ける。温暖化の危険は一向に改善されていない。東日本の惨状は、世界にとっても決してひとごとではないからだ。 
  ふたつの「25%削減」 節電をCO2排出削減のチャンスに
産業部編集委員 後藤康浩
2011/4/25 7:00日本経済新聞 
20110425
 
     
  多くの人にとって、すでに記憶のかなたになってしまったかもしれないが、民主党が政権を獲得した直後の2009年9月、鳩山由紀夫首相(当時)が日本の二酸化炭素(CO2)排出量を20年までに「1990年比25%削減」する、と世界に表明した。「米国や中国など主要排出国が削減の枠組みに参加する」ことが前提条件とはいえ、世界からは「野心的な目標」と歓迎された。反対に国内からは産業界を中心に猛反発を受け、実現可能性にも疑問が持たれた。ただ、09年、10年の気候変動枠組み条約締約国会合には一定の刺激を与えたのは間違いない。
 「3.11」の東日本大震災によって引き起こされた東京電力の福島第1原子力発電所事故で、首都圏では今夏の需要ピーク時には500万~1000万キロワット程度の電力不足が生じる見通しだ。不足をカバーするために政府は大口需要家である企業に対し節電を求める考えで、大企業では当初、節電目標が「前年比25%減」になる見込みだった。東電が供給力を上積みできたため、結果的に目標は15%減にとどまるもようだが「25%節電」は企業に強い圧力となった。
 鳩山前首相のCO2削減の公約と、くしくも同じ「25%」。このふたつの「25%」は一見関係ないようにみえるが、実は結びつけることができる。節電こそCO2排出削減策そのものだからだ。
 25%もの大幅な節電は、製造業であれば、工場の稼働停止や稼働時間を節電対象外の深夜、週末にシフトすることなどしかないだろう。もともと日本の製造業はコスト削減の目的で、不要な場所の電灯をこまめに消したり、工場のエネルギー効率の改善を徹底しており、通常の手法では、今以上の節電は難しいからだ。
 だが、もうひとつの抜本的な節電戦略がある。よりエネルギー効率のいい最新鋭設備への更新、生産プロセスの全面的な見直し、コージェネレーション(熱電併給)設備の導入、太陽光発電パネルの設置など従来の節電とは次元の異なる投資を伴う方法だ。
 日本の製造業は90年代以降、設備機械の更新、工場への投資を抑制してきた。結果的に日本の工場の設備は業種にもよるが、平均的に米国に比べて老朽化しているケースが多い。いわゆるビンテージ(設備年齢)の上昇である。
 この3、4年、中国の地場メーカーの工場を見学すると、最新鋭の設備を大胆に導入し、日本の工場が見劣りするような場面に出くわすことが多い。日本企業は中国や韓国、台湾との競争に勝つために投資を抑え、最新鋭の設備はむしろ需要の伸びる新興国の生産拠点に設置する戦略のメーカーが多いからだ。
 今回の「25%節電」を従来の積み上げ型の細かな節電対策に加え、国内設備の新鋭化を通じて達成することも考えるべきだろう。日本の大手企業の剰余金は200兆円を超えているといわれ、決して投資体力がないわけではない。国内生産拠点の設備更新は短期的な「25%節電」に加え、中長期的な「CO2の25%排出削減」につながる。ロシアや中国からの排出枠購入よりも、はるかに日本経済への波及効果も高い。ふたつの「25%削減」という高いハードルを一気に飛び越える“蛮勇”が今こそ企業にとって必要なのかもしれない
  原子力と温暖化対策
宮崎日日新聞社説2011年04月21日
■「25%」目標見直しは早計だ■
 
20110421
 
    
 東京電力福島第1原発の大事故で、原発の大幅な新増設を見込んだ地球温暖化対策も見直しを迫られ「2020年に1990年比で25%温室効果ガスの排出量を削減する」との目標も再検討すべきだとの声が出ている。
 だが、新たなエネルギー政策や日本社会の将来像などの議論すら始まっていない今の段階で、削減目標の見直しを口にするのは時期尚早ではないか。
 本来密接に関連するにもかかわらず、別々に決められてきたエネルギー政策と環境政策を統合し、長期的かつ持続的なエネルギーの利用と供給の姿をきちんと議論するのが先決だろう。
■原発増設計画が頓挫■
 見直しが不可避となったエネルギー基本計画は、20年までに9基の原発の新増設を行うとともに、現在は60%程度の稼働率を85%に引き上げ、30年までに新増設を14基にし、稼働率を90%にするとしている。
 「温暖化の原因となる二酸化炭素(CO2)を出さない」として、温暖化対策の中核と位置付けられた原発増設計画が頓挫し、代替電源として当面は火力発電に頼らなければならない。これが「25%目標見直し」論の根拠だ。
 だが、日本の原子力開発史上最悪の事故が迫るのは、エネルギー基本計画中の数字だけではない。エネルギー多消費型のライフスタイル、大規模集中型の発電所を重視する電力供給の仕組み、自由化が進んでいない電力市場の問題など、再検討すべき課題は多岐にわたる。
 風力や太陽光、地熱などの再生可能エネルギーは技術開発の進展や、海外での急速な普及によって価格が下がり、着実に力を付けている。
■独のエネルギー政策■
 再生可能エネルギーの可能性をきちんと評価せずに「原発がなければ排出は減らせない」と決め付けることはできない。
 好例がドイツのエネルギー政策だ。ドイツは、国内に17基ある原発の廃止を進める一方で、再生可能エネルギー開発に力を入れている。10年には全電力消費に占める再生可能エネルギーの比率は17%に達し、1億2千万�の温室効果ガスの排出削減に貢献したという。20年にはこの比率を35%に高める方向だ。
 「不安定だ」といわれる再生可能エネルギーの拡大によって停電が増えたということもない。
 十分な議論もなしに国際的な約束である25%目標を撤回したら、温暖化対策に関する国際交渉の中での日本への信頼も傷つくことになる。
 一度建設した発電所は20~30年の寿命を持つ。エネルギー政策の再検討に当たっては、諸外国の例も参考に、先入観にとらわれずに長期的な視野に立った議論を進める必要がある。
 短兵急に結論を出すことだけは避けるべきだ。 
  環境NGO「CO2排出量25%削減、原発頼らず可能」
2011年4月19日21時17分朝日新聞 
20110419
 
    
http://www.kikonet.org/iken/kokunai/2011-04-18.html

 原子力発電所に頼らなくても、政府が掲げる温暖化対策の目標「2020年までに温室効果ガス排出量を90年比25%削減」は達成できるとする試算を、環境NGO「気候ネットワーク」(浅岡美恵代表)が19日、公表した。再生可能エネルギーを増やすほか、火力発電の燃料を二酸化炭素(CO2)排出量が比較的少ない天然ガスに切り替える内容だ。
 試算は、余裕をもって25%減を達成するために、目標値を「28%減」と設定。東京電力の福島第一原発と第二原発を停止するほか、稼働から40年を過ぎた原発を順次止めていき、20年時点で現在の計54基から計22基に減らす。粗鋼生産量や交通量は、25%減に向けた政府試算の前提にほぼ沿った。
 原発9基を新増設する政府試算と比べると、原発によるエネルギー供給量は約4分の1に。CO2排出量が多い石炭と石油も減らす。将来的には風力や太陽光などの再生可能エネルギーで大半の電力を賄うことを目指すが、20年に向けては一時的に天然ガスの割合を増やす。
 気候ネットの平田仁子東京事務所長は「再生可能エネルギーの割合をさらに増やしたり、生活スタイルを変えたりするなど、25%削減を達成する方法は他にもたくさんある」と話す。 
  松山市、温暖化ガス2割削減 20年までの実行計画策定
2011/4/13 0:22日本経済新聞
 
20110413
 
    
  松山市は12日、2020年までに温暖化ガスの排出量をCO2換算で1990年比18%減(2008年比21%減)、50年までに60~80%減らす「低炭素社会づくり実行計画」を発表した。
 目標の達成に向けて、太陽光発電など再生可能エネルギーの利用促進や、環境負荷の少ないライフスタイルへの転換を進める。
 地球温暖化対策の推進に関する法律は、特例市(人口20万人以上)以上の自治体に計画の策定を義務付けている。
 20年の温暖化ガス年間排出量271万トンを実現するため、08年に比べ家庭からは19%、自動車など運輸からは30%削減する必要があるという。
 住宅やオフィスへの太陽光発電の導入促進、電気自動車の普及に向けた充電スタンドなどの環境づくり、移動が少なくて済むコンパクトなまちづくりなどを目指す。
  EU、炭素税13年に義務化 温暖化対策の柱に
2011/4/13 2:12日本経済新聞
 
20110413
 
   
 【ブリュッセル=瀬能繁】欧州連合(EU)の欧州委員会は炭素税(環境税)導入案を13日に発表する。ガソリン、軽油などに二酸化炭素(CO2)排出量1トンあたり20ユーロ(約2500円)を課税する最低基準を設定、2013年から加盟国に導入を義務づける。排出量取引制度と並ぶ域内共通の地球温暖化対策の柱としたい考え。ただ、導入には加盟国の全会一致による承認が条件で、実現までには曲折も予想される。 
  温暖化交渉、各国に隔たり 進展乏しく作業部会閉幕
2011年4月9日 01時04分東京新聞←共同通信
 
20110408
 
   
温暖化交渉、各国に隔たり 進展乏しく作業部会閉幕
2011年4月9日 01時04分東京新聞←共同通信
 【バンコク共同】タイのバンコクでの気候変動枠組み条約の特別作業部会は8日、交渉を終え閉幕した。京都議定書に定めのない2013年以降の温暖化対策をめぐり、今年末に南アフリカで開催される同条約の第17回締約国会議(COP17)に向け議論の具体化を目指したが、大きな進展はなく各国の主張の隔たりは埋まらなかった。
 今後の議論の道筋を示す議題設定は最終日になんとか合意にこぎ着けたが、実質的な交渉の開始には至らなかった。
 6月にドイツのボンで次回会合を開くが、昨年メキシコのカンクンで開催されたCOP16での合意を土台に、COP17でより踏み込んだ合意を取り付けられるか見通しは不透明な状況だ。
 COP16では、発展途上国への資金援助や新興国を含む排出削減の検証の仕組みなどの要素を盛り込んだ「カンクン合意」を採択。今回の会合で、先進国はこの合意に沿って議題を設定するよう主張したが、途上国や中国が反対し、交渉が難航。最終的に、カンクンで合意できなかった先進国から途上国への技術移転の際の知的所有権などの問題も幅広く議論することで決着した。

温暖化交渉:進展乏しく作業部会閉幕 COP17不透明に
毎日新聞 2011年4月9日 0時27分
 タイのバンコクでの国連気候変動枠組み条約の特別作業部会は8日、交渉を終え閉幕した。京都議定書に定めのない13年以降の温暖化対策をめぐり、今年末に南アフリカで開催される同条約第17回締約国会議(COP17)に向け議論の具体化を目指したが、大きな進展はなく各国の主張の隔たりは埋まらなかった。今後の議論の道筋を示す議題設定は最終日になんとか合意にこぎ着けたが、実質的な交渉の開始には至らなかった。
 6月にドイツのボンで次回会合を開くが、昨年メキシコのカンクンで開催されたCOP16での合意を土台に、COP17でより踏み込んだ合意を取り付けられるか見通しは不透明な状況だ。
 COP16では、途上国への資金援助や新興国を含む排出削減の検証の仕組みなどの要素を盛り込んだ「カンクン合意」を採択。今回の会合で、先進国はこの合意に沿って議論を進めるよう主張したが、先進国により大きな負担を求める途上国や中国が反対し、今後の議論の道筋を示す議題設定が難航した。最終的にカンクンで合意できなかった内容も議題に含むことで決着した。
 13年以降の国際的な削減義務がない「空白期間」を避けるため、議定書に基づく先進国の削減義務の強化と、削減義務を負わない米国や中国が参加する新枠組みの「2本立て方式」を目指す流れが強まる中、日本は温室効果ガス主要排出国の米中を含む一つの枠組みを求める従来の立場を変えていない。(共同)

京都議定書延長「反対の国ない」 COP17事務局長
2011年4月9日3時2分朝日新聞
 地球温暖化対策を話し合う国連気候変動枠組み条約の締約国会議(COP17)に向けたバンコクでの作業部会で8日、フィゲレス条約事務局長が京都議定書の2013年以降の延長について「反対の国はない」と述べ、議定書延長が加盟各国の大勢となっているとの見方を示した。
 日本は議定書延長を阻む考えはない一方で、「延長されても参加しない」との立場を明確にしており、年末のCOP17に向けて議定書延長の国際合意ができた場合、議定書から離脱する可能性が浮上する。
 日本政府代表団は同日、議定書で温室効果ガスの削減義務を負う国のなかで延長に無条件に賛成している国は少なく、「延長が簡単に決まるとは思えない」との見方を示した。
 京都議定書は、08~12年を「第1約束期間」として、先進国に削減義務を課している。COP17で13年以降の「第2約束期間」を設けるかどうかを決めなければ、温暖化対策の法的な枠組みに空白が生まれる。
 昨年末にメキシコで開かれたCOP16では、京都議定書に入っていない米国や、中国やインドなど新興国も自主的な削減策を示すことで合意したが、これを京都議定書に代わる新たな法的枠組みにするまでには時間がかかることから、途上国は空白を生じさせないために同議定書の延長を求めている。
 これに対し日本は「京都議定書が延長されれば、先進国のみが削減義務を負う体制が固定化する」(日本政府代表団)として反対の立場を表明してきた。
 今回の作業部会では、議定書延長問題をCOP17で決着させるための交渉日程を詰めた。フィゲレス事務局長は「年末に政治的な解決策を得ることを各国は望んでいる」として、第2約束期間が設けられる公算が大きいという見方を示した。作業部会は8日、閉幕した。(古田大輔=バンコク、山口智久)

温暖化対策会合、進展せずに閉幕 国連作業部会
2011/4/8 23:56日本経済新聞
 【バンコク=高橋徹】2013年以降の地球温暖化対策の国際的な枠組み(ポスト京都議定書)を話し合う国連作業部会は8日、タイのバンコクで6日間の日程を終えて閉幕した。昨年末のメキシコでの第16回気候変動枠組み条約締約国会議(COP16)で採択した、ポスト京都の交渉の土台となる「カンクン合意」の具体化が焦点だったが、議題の擦り合わせ段階で先進国と途上国の主張が平行線をたどり、ほとんど進展はなかった。 
  ドイツ、総エネルギー需要における再生可能エネルギーの割合は11%に、電力需要では17%に
20110408
 
  
ドイツのもとの資料は以下にあります。
http://www.erneuerbare-energien.de/inhalt/47124/3860/

EICネットに以下が掲載されました

ドイツ、総エネルギー需要における再生可能エネルギーの割合は11%に、電力需要では17%に

http://www.eic.or.jp/news/?act=view&serial=24885&oversea=1

 ドイツ連邦環境省は、2010年の再生可能エネルギーの統計値をまとめた調査報告書を公表した。これは、再生可能エネルギー統計作業部会(AGEE-Stat)がまとめたもの。主な結果は次の通り。
・熱エネルギー需要における再生可能エネルギーの割合は10%弱(2009年は9.1%)、動力用燃料では5.8%(同5.5%)といずれも2009年を上回り、総エネルギー需要における再生可能エネルギーの割合は11%(同10.4%)。
・2010年は、総電力需要における再生可能エネルギーの割合は前年比0.5%増の17%。
・2010年は風量が弱く風力発電量は365億kWhとなり2006年以降の数値で最小値。総電力需要における風力発電の割合は6%であり、再生可能エネルギー源において最大の供給源。
・太陽光発電は総電力需要の2%の供給量。
・2010年は前年と比較すると経済が成長し気温も低かったことからエネルギー需要は大幅に増加。その条件の中で総エネルギー需要における供給量が11%に増加したことは重要な成果。
・再生可能エネルギーにより1億2000万トンの温室効果ガス削減に貢献(同1億1100万トン)。そのうち再生可能エネルギー法による効果は5800万トン。
・再生可能エネルギー設備には、2010年、260億ユーロが投資、さらに37万人の雇用者が創出されており、2004年(16万5000人)と比較すると倍増。
・最新のシナリオでは、10年後、再生可能エネルギーは総電力需要の約40%を供給することが可能であることが示されている。
【ドイツ連邦環境省】 
  温暖化ガス削減達成困難に 議定書の例外扱い要請
政府が原発事故受け罰則回避へ 次期交渉に影響も
2011/4/5付日本経済新聞 
20110405
 
      
京都議定書の例外扱い要請か、日本政府は否定
【4月5日 AFP】5日付の日本経済新聞(Nikkei)が、日本が京都議定書(Kyoto Protocol)の例外扱いを要請したと報じたことについて、日本政府は5日、報道を否定した。
 日経新聞によると、東日本大震災で複数の原子力発電所が停止し、温室効果ガスを多く排出する火力発電で電力不足を補う必要があり、日本政府は温室効果ガスの削減目標を下げざるを得なくなった。そのため、タイのバンコク(Bangkok)で開かれている国連(UN)の気候変動会合に出席した日本の代表団が、ことし末に南アフリカで開かれる第17回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP 17)での、削減目標未達成国への罰則適用から日本を除外するよう求めるという。
 だが、環境省報道官はこの報道を否定し、適用除外を要請する考えはないと述べた。
 京都議定書のもとで、日本は2008~12年の平均排出量を1990年比で6%削減することが義務付けられている。また、未達成国に対しては、目標超過分の1.3倍を将来の目標に上積みするなどの罰則が定められている。

温暖化ガス削減達成困難に 議定書の例外扱い要請
政府が原発事故受け罰則回避へ 次期交渉に影響も
2011/4/5付日本経済新聞
 日本政府は4日、京都議定書で約束した温暖化ガスの削減目標について、未達成国への罰則適用から日本を除外するよう求める方針を固め、関係国との調整に入った。大震災の影響で複数の原子力発電所が停止。温暖化ガスを多く排出する火力発電で当面の電力不足を補わざるを得ず、目標達成が難しくなったためだ。さらに政府は2020年までに国内の温暖化ガスの排出を25%減らす中長期目標についても見直しを検討する方針だ。
(読めるのはここまでです) 
  原発と温室ガス 「25%削減」の撤回が不可欠だ
(4月5日付・読売社説)
 
20110405
 
      
 環境省の南川秀樹次官が、「2020年までに1990年比で25%削減する」という日本の温室効果ガスの削減目標について、「年限、削減量とも見直しの対象になる」との考えを示した。
 東京電力の福島第一原子力発電所の事故を受けた発言だ。
 地球温暖化対策を推進する省の次官として、現状を見据えた妥当な認識と言えよう。
 原発は発電時にほとんど二酸化炭素(CO2)を出さない。温室効果ガスの排出を削減するうえで不可欠なエネルギーだ。
 政府は、エネルギー基本計画の中で、09年に約65%だった国内原発の稼働率を、20年までに85%に引き上げ、さらに、9基の原発を増設する方針を決めている。
 今回の事故により、CO2排出削減の前提となるこうした政策の遂行が、当面、困難になったと言わざるを得ない。電力不足を補うためには、原発よりもCO2を多く排出する火力発電などへの依存度を高めねばなるまい。
 温室効果ガスの排出源の状況が大きく変わる以上、政府にまず求められるのは「25%削減」の撤回である。そのうえで、エネルギー政策全体の見直しと同時に削減目標についても再検討すべきだ。
 25%削減は、鳩山前首相が国内の合意なしに打ち出した。
 2大排出国である中国と米国を含む「すべての主要排出国による公平な枠組みの構築」と「意欲的な目標の合意」を削減の前提条件としているが、数値だけが独り歩きしているのが現状だ。
 国内だけで25%を削減しようとすれば、省エネ設備の導入などで年9・6兆円の追加負担が必要だとの試算もある。経済活動に悪影響を及ぼすとして、産業界からの批判も強い。
 東日本大震災からの復興には経済の活性化が大切だ。25%削減に拘泥することは、復興への足かせとなる恐れがある。
 福島第一原発事故は、京都議定書に続く13年以降の枠組み作りにも影響するだろう。各国の原発政策に変化が生じれば、排出削減量も変わってくるからだ。
 今年末の気候変動枠組み条約第17回締約国会議(COP17)では新たな削減ルールが決まる予定だ。日本が25%削減を掲げたままでは、極めて不利な削減義務を負わされかねない。25%削減の撤回が急がれる理由である。
 
  COP17の事務局長「25%削減、維持できる」
2011年4月4日22時31分朝日新聞 
20110404
 
     
 COP17の事務局長「25%削減、維持できる」
2011年4月4日22時31分朝日新聞
 国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP17)の作業部会が開催中のバンコクで4日、フィゲレス条約事務局長が会見し、2020年までに温室効果ガスを90年比25%削減するという日本の目標は「維持できる」との期待感を示した。
 福島第一原発の事故を受け、作業部会に参加した南川秀樹・環境事務次官が3日、エネルギー政策の変化は避けられず、「25%という数字も議論の対象」と見直しを示唆していた。
 フィゲレス氏は「(25%の目標を)日本が変えなければならないか知るには時期尚早」としながらも、「災害を克服し、前進すべきだ」と述べた。(バンコク=古田大輔)

国連、日本の温暖化対策見直しに反対を表明
(2011年4月4日21時27分  読売新聞)
 【バンコク=若山樹一郎】クリスティアナ・フィゲレス国連気候変動枠組み条約事務局長は4日、バンコクで記者会見し、環境省の南川秀樹次官が3日、福島第一原発事故の影響により、「温室効果ガス排出量を2020年までに1990年比25%削減する」とした日本政府の目標の見直しに言及したことに関し、「目標は維持できると考える。さらに野心的な数値目標を期待している」と述べ、見直しに反対する姿勢を示した。

 フィゲレス事務局長は「日本政府から(見直すとの)情報は得ていない」と述べ、「日本政府は災害を乗り切ったうえで、(新たな)エネルギー基盤構築に向けて前進すべきだ」と強調した。
 地球温暖化対策を協議する国連の作業部会に出席した南川次官は、3日に行われた日本メディアとの記者会見で「見直し」に言及。会議出席者によると、作業部会では、日本側から見直しに関する説明は行われていないため、各国からの反応などはまだないという。

原発事故「温暖化ガス削減目標見直しに直結せず」国連
2011/4/4 23:22日本経済新聞
 【バンコク=高橋徹】国連気候変動枠組み条約のフィゲレス事務局長は4日、タイのバンコクで記者会見し、日本の福島第1原子力発電所の事故が地球温暖化対策に与える影響について「あらゆる国が原子力政策について再検討しているが、それが温暖化ガス削減目標の見直しに直結するわけではない」と語った。
 日本政府からは2020年までに1990年比25%の温暖化ガス削減を目指す政府方針の見直しは避けられないとの声も出ている。同事務局長は「日本が目標を変えなければならないかを論じるのは時期尚早」と述べるにとどめた。
 年末に南アフリカで開催される第17回気候変動枠組み条約締約国会議(COP17)に向けた今年最初の公式会合を、国連は8日までバンコクで開催している。昨年末のメキシコでのCOP16で採択した、ポスト京都の交渉の土台となる「カンクン合意」の具体化が焦点だ。同事務局長は「メキシコで見せた柔軟かつ妥協の精神を各国が示せば、交渉を前進させられると信じる」と語った。

日本は温暖化目標維持を 気候変動条約の事務局長
東京新聞
【バンコク共同】気候変動枠組み条約のフィゲレス事務局長は4日、作業部会を開催中のバンコクで記者会見し、日本は温室効果ガスを2020年までに1990年比25%削減するとの目標を「維持できると信じている」と述べた。
(以下に出ているようですが、読めません)
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2011040401001153.htm
  国連:バンコクで温暖化対策作業部会 原発事故の影響も
毎日新聞 2011年4月3日 20時29分 
 
20110403
 
    
昨日の記事には次官発言はあるものの25%目標見直しなどの内容はなく、会議では発言していないようです。

国連:バンコクで温暖化対策作業部会 原発事故の影響も
毎日新聞 2011年4月3日 20時29分
 【バンコク西尾英之】南アフリカで今年末に開かれる国連気候変動枠組み条約第17回締約国会議(COP17)へ向け、「京都議定書」後の地球温暖化対策の枠組みを協議する国連の作業部会が3日、タイのバンコクで6日間の日程で開幕した。
 福島第1原発の事故で、温暖化対策で重要な役割を果たすとみられてきた原発への信頼性が大きく揺らぎ、各国の気候変動対策に影響を与える可能性がある。出席した南川秀樹・環境事務次官は「原発事故処理に全力を挙げる」と述べる一方、今後も日本が温暖化防止に取り組む姿勢を強調した。
 来年末で期限が切れる京都議定書は米国が参加していないほか、世界最大の温室効果ガス排出国となった中国など途上国に排出削減を義務付けておらず、日本はその枠組みを延長することを拒否している。
 昨年12月のCOP16で、各国は議定書後の枠組みづくりを早急に進めることで合意した。しかし、削減目標などの具体策は先送りされ、COP17へ向けた交渉でも難航が予想されている。

原発事故影響に懸念…COP17準備会合
(2011年4月3日20時03分  読売新聞)
 【バンコク=深沢淳一】京都議定書に代わる2013年以降の地球温暖化対策を協議する国連の作業部会が3日、タイの首都バンコクで開幕した。
 
   25%削減目標、見直しも=環境次官、再検討の可能性示唆
時事通信 
20110403
 
    
南川環境事務次官が条約作業部会で発言したものですが、毎日の記事によると「松本龍環境相は1日の会見で「見直す必要はない」と述べ」たそうです。

25%削減目標、見直しも=環境次官、再検討の可能性示唆
時事通信
 【バンコク時事】南川秀樹環境事務次官は3日、タイ・バンコクで記者会見し、温室効果ガス排出量を2020年までに1990年比で25%削減するとの政府の中期目標について、再検討する可能性を示した。福島第1原発の事故を受けたもので、「(目標の見直しは)議論の対象になる」と述べた。同次官は国連気候変動枠組み条約作業部会に出席するため、当地を訪れている。(2011/04/03-22:28)

温室ガス25%削減、再検討へ 原発事故でCOP17
2011年4月3日22時5分朝日新聞
 2013年以降の地球温暖化対策を議論する国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP17)に向けた作業部会が3日、バンコクで始まった。
 日本は2020年までに温室効果ガスを1990年比で25%削減するとしていたが、東京電力の福島第一原発の事故を受け、政府代表団の南川秀樹・環境事務次官は日本記者団の取材に「25%という数字も議論の対象になる」と述べた。
 原発の推進は、温室効果ガス排出削減策の一つだった。菅直人首相は福島第一原発の放射能漏れを受け、原発新増設を盛り込んだエネルギー基本計画見直しの検討を表明していた。
 会合では、参加国がそれぞれ温室効果ガス排出削減の数値目標に関して発表する中、南川次官は数値目標を示さず、福島第一原発について「被災者の救済と原発をコントロール下に置くことに全力を注いでいる。気候変動に関する政策への影響を見極めるのは時期尚早」と述べるにとどめた。
 昨年末のCOP16で、12年に「期限切れ」となる京都議定書延長の議論が今年末のCOP17へ先送りが決まってから初の作業部会。8日まで。
 記者会見した欧州連合(EU)代表団も福島第一原発に言及し、「各国への余波があるのは間違いない」と、世界的な原発政策と温暖化対策への影響を指摘した。(バンコク=古田大輔)

東日本大震災:温室ガス25%減「見直し対象」 環境事務次官、原発新設困難で
毎日新聞 2011年4月4日 東京朝刊
 【バンコク西尾英之】環境省の南川秀樹事務次官は3日、福島第1原発の事故を受けて、「20年までに90年比25%削減」とした日本政府の温室効果ガス削減目標について「見直し議論の対象となる」と述べた。
 国連気候変動枠組み条約の作業部会出席のために訪れたバンコクで記者団に語った。25%削減達成は、原発9基の新増設と稼働率85%(09年度66%)を前提にしている。原発事故で今後の新設が困難になるとみられる。一方、松本龍環境相は1日の会見で「見直す必要はない」と述べ、目標達成に取り組む考えを示している。
 作業部会は3日開幕し、年末の同条約第17回締約国会議(COP17)へ向け、来年末で期限切れとなる「京都議定書」後の温暖化対策の枠組みづくりを協議する。

温室効果ガス排出削減目標、25%見直しも
(2011年4月3日22時24分  読売新聞)
 【バンコク=深沢淳一】環境省の南川秀樹次官は3日、地球温暖化対策の国連作業部会出席のため滞在中のバンコクで日本メディアと会見し、福島第一原発事故の影響で、「2020年までに温室効果ガス排出量を1990年比で25%削減する」とした日本政府の目標は見直しが必要になる、との考えを示した。

 南川次官は、削減目標の前提には原発の新設や既存原発の稼働率向上が含まれているとして、「(事故による原発計画の見直しで)削減目標が大きな影響を受けるのは事実。年限、削減量とも見直しの対象になる」と語った。ただ、事故が収まっていない現時点で排出削減目標についての冷静な議論を行うのは難しいとして、「事態が落ち着いた後、国会で国民の合意を得て、新たな政策を設定していただきたい」と語った。

「温暖化ガス25%削減見直しも」 環境次官、原発事故で
2011/4/3 23:59日本経済新聞
 【バンコク=高橋徹】環境省の南川秀樹事務次官は3日、タイのバンコクで日系メディアと会見し、2020年までに1990年比25%の地球温暖化ガス削減を目指す政府方針について「見直しも当然議論の対象になる」と述べた。福島第1原子力発電所事故を受けて、各国の原発推進政策は足踏みが必至で、目標達成は難しくなったとの認識を示した。
 南川次官はバンコクで同日開幕した温暖化対策の国連作業部会に出席した。日本の削減目標は原発の新設や稼働率引き上げを前提とし、福島第1原発の事故で「影響は受ける」と明言。原発事故が沈静化した段階で、与野党が提出している温暖化対策の関連法案での目標数値について「早い段階で国会で議論してほしい」と語った。
 温暖化対策交渉では「主導的な役割を果たして貢献したい」とする一方、自国の目標が揺らぐなかで「従来と同じように歯切れ良くモノが言えるかというと、影響はあるだろう」と述べた。
 会見に先立つ作業部会でのスピーチでは「現段階では日本の政策への影響は査定できない」と話すにとどめた一方、「温暖化対策に全力を尽くすことを約束する」と強調した。
 作業部会は年末に南アフリカで開催される第17回気候変動枠組み条約締約国会議(COP17)に向けた今年最初の公式会合。13年以降の温暖化対策の国際的な枠組み(ポスト京都議定書)づくりを話し合う。昨年末のメキシコ・カンクンでのCOP16ではポスト京都の交渉の土台となる「カンクン合意」を採択。米中や途上国など今の京都議定書で温暖化ガス削減義務を負わない国にも削減努力を求めるもので、日本が強く主張してきた。一方、ポスト京都の不成立に備え、京都議定書の延長案も協議を続ける。
 
  京都議定書:「日本は柔軟な対応を」…条約事務局長
毎日新聞 2011年2月28日 19時16分 
20110228
 
      
 年末の国連気候変動枠組み条約第17回締約国会議(COP17)に向け、クリスティアナ・フィゲレス同条約事務局長が28日、東京都内で講演した。焦点となっている12年末で期限が切れる京都議定書の延長問題について「大半の国が継続を期待しているのに、日本がノーといったら多くを失うことになる。どういう状況なら継続する意思があるのか教えてほしい」と述べ、延長を拒否する日本に柔軟な対応を促した。
 地球温暖化対策の13年以降の次期枠組みについて、フィゲレス氏は、途上国も自主目標を掲げて温室効果ガスの削減努力をするとしたCOP16の「カンクン合意」を基礎にすべきだと指摘。一方、先進国に削減目標を守らせる仕組みを盛り込むなど、現行の議定書の骨格は次期枠組みにも組み込まれるべきだと主張した。
 日本はCOP17で、国連の手続きを経ずに途上国で省エネ対策を実施し、その削減量を自国の削減分に算入する「2国間クレジット」という制度を提案する予定。これについてフィゲレス氏は制度化の困難さを強調し、「2国間に限定した制度は、長い目で見たら賢い制度とはいえない。一言で言えば、非常に難しい」と否定的な考えを示した。【江口一】

南ア副環境相:「京都議定書の延長、日本は対話を」
毎日新聞 2011年2月18日 22時41分(最終更新 2月18日 22時45分)
 今年末開かれる国連気候変動枠組み条約第17回締約国会議(COP17)の議長国である南アフリカのリジョイス・マブダファシ副水・環境相が18日、毎日新聞の単独インタビューに応じた。同相は京都議定書の単純延長に反対する日本に対し「(延長を主張する)中国や他の途上国と対話を重ねてほしい」と要望。COP17では途上国への資金的支援の枠組み作りを急ぐ必要があると訴えた。【江口一】
 昨年末、メキシコのカンクンで開かれたCOP16では、12年が期限の京都議定書の延長については結論を持ち越したものの、議定書で削減義務を課されていない米国や中国を含む新たな地球温暖化対策の枠組みへの基礎となる「カンクン合意」が成立した。COP17では議定書の扱いとともに、次期枠組みがどこまで完成するかが焦点だ。
 同相は「COP17ではカンクン合意を発展させたい。温暖化の影響を受けやすい途上国が行動を起こすには資金が必要だ」として、COP16で創設が決まった途上国支援のための「グリーン気候基金」を運用可能にし、森林破壊などに対処できるようにしたいと述べた。
 議定書の延長については、「なくなってしまうと法的な拘束力のある枠組みが消え、(世界が)ここまで達成したことをゼロに戻してしまう」と話し、「議定書を構成する要素、骨格は残されるべきだ」と強調した。また日本に対して「かたくなに反対するのではなく、(延長を支持する)途上国と話してほしい」と促した。

各国、京都議定書延長めぐり対立 交渉官が非公式会合
2011年3月4日23時2分朝日新聞
 2013年以降の地球温暖化対策を議論する国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP17)に向けて、主要26カ国の交渉官が3、4の両日、東京都内で非公式会合を開いた。会合では12年に「期限切れ」となる京都議定書をめぐり、延長を求める新興・途上国と、反対する先進国の主張が対立。年末に南アフリカ共和国であるCOP17では、この問題が最大の焦点になりそうだ。

 非公式会合で各国は、昨年末にメキシコで開かれたCOP16で採択した「カンクン合意」を高く評価。先進国は、合意に盛り込まれた途上国支援策や、削減目標の達成度を検証する仕組みの具体化を急ぎつつ、合意を法的な枠組みにすることを検討すべきだと主張した。

 ただ、合意を法的な枠組みにするには各国の批准が必要で、機能するまでに数年かかると言われている。新興国は13年以降が「無法状態」にならないよう、先進国だけに削減義務を課す京都議定書の延長を求めている。 
  生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)及び
気候変動枠組条約第16回締約国会議(COP16)
全国説明会の開催について(お知らせ) 
20110201
 
     
環境省ホームページに以下が掲載されました。
これは、COP16での政府方針(先進国の強い制度と、途上国を含む制度との2本建てに反対し、先進国と途上国を共通にする1つの制度を主張。京都新聞社説「議定書は 不公平だという経済界の代弁だと見透かされていた。」)の説明会になると見られます。

生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)及び気候変動枠組条約第16回締約国会議(COP16)全国説明会の開催について(お知らせ)
http://www.env.go.jp/press/press.php?serial=13390

1.日時・場所
※今後の詳細な予定・案内については、各地方環境事務所のHPにて公表予定です。

<第1回 仙台会場>
日程:平成23年2月22日(火) 18:00~20:00
会場:エル・パーク仙台 6階 スタジオホール
(仙台市青葉区一番町4-11-1141ビル(仙台三越定禅寺通り館)6階)
定員:150名
概要:COP10及びCOP16の報告に加え、地域における生物多様性や温暖化対策の取組等について、見上一幸氏(宮城教育大学理事・副学長)、長谷川公一氏(東北大学大学院文学研究科教授)を交えたパネルディスカッションを行います。
申し込み締め切り:2/15(火)までに事務局まで
問い合わせ先:東北地方環境事務所

<第2回 名古屋会場>
日程:平成23年2月28日(月) 18:30~20:30
会場:愛知県産業労働センター(ウインクあいち)5階 小ホール(名古屋市中村区名駅4―4―38)
定員:150名
概要:COP10及びCOP16の報告に加え、香坂玲氏(名古屋市立大学大学院経済学研究科准教授)、駒宮博男氏(ぎふNPOセンター理事長)、坂口光氏(中部電力(株)執行役員 環境・立地本部 環境部長)、林清比古氏(愛知県顧問)を交え、地域の取組や今後の政策の方針について語り合うパネルディスカッションを行います。
申し込み締め切り:2月25日(金)
問い合わせ先:中部地方環境事務所

<第3回 広島会場>
日程:平成23年3月2日(水) 18:00~20:00
会場:ホテルグランヴィア広島(広島市南区松原町1-5)
定員:100名
概要:COP10及びCOP16の報告に加え、中四国地域における生物多様性や温暖化対策に関する取組について、井巻久一氏(中国経済連合会副会長[マツダ(株)相談役最高顧問])、中越信和氏(広島大学大学院国際協力研究科教授)とともに座談会を行います。
申し込み締め切り:不明 http://chushikoku.env.go.jp/ に掲載予定
問い合わせ先:中国四国地方環境事務所

<第4回 札幌会場>
日程:平成23年3月6日(日) 13:30~15:30
会場:京王プラザホテル札幌(札幌市中央区北5条西7丁目2-1)
定員:100名
概要:COP10及びCOP16の報告に加え、NHK札幌放送局 朝のお天気キャスター・気象予報士の菅井貴子氏を迎え、「COPの結果を踏まえて北海道の企業や市民に求められること」について、対談を行います。
申し込み締め切り:2月28日(月)
問い合わせ先:北海道地方環境事務所

<第5回 大阪会場>
日程:平成23年3月10日(木) 18:00~20:00
会場:天満研修センター(大阪市北区錦町2-21)
定員:150名
概要:COP10及びCOP16の報告に加え、生物多様性の保全及び地球温暖化対策について、岩槻邦男氏(兵庫県立人と自然の博物館館長)、高村ゆかり氏(龍谷大学法学部教授)を交え座談会を行います。また、来場者との意見交換も予定しています。
申し込み締め切り:3月7日(月)
問い合わせ先:近畿地方環境事務所

<第6回 埼玉会場>
日程:平成23年3月14日(月) 18:00~20:00
会場:ラフレさいたま(さいたま市中央区新都心3-2)
定員:100名
概要:COP10及びCOP16の報告に加え、新美育文氏(明治大学法学部教授)を迎え対談を行うとともに、来場者の質問等を受け意見交換します。
申し込み締め切り:2/18(金)
問い合わせ先:関東地方環境事務所

<第7回 熊本会場>
日程:平成23年3月23日(水) 18:00~20:00
会場:熊本市国際交流会館(熊本市花畑町4-8)
定員:100名
概要:COP10及びCOP16の報告に加え、地球温暖化の影響に対する九州・沖縄地方の適応策や地域の生物多様性の今後について、浅野直人氏(福岡大学法学部教授)、蓑茂壽太郎氏(熊本県立大学理事長)とともに考えていきます。
申し込み締め切り:明記なし。先着順とのこと
問い合わせ先:九州地方環境事務所

2.説明者
環境事務次官 南川秀樹
※都合により変更の可能性があります。

3.説明会の流れ
南川環境事務次官の講演後、有識者を交え討論等を行います。
※会場ごとに内容は異なります。

4.その他
 参加の申し込み方法等の詳細については、別途、各地方環境事務所にお問い合わせください。



(参考)
環境省の排出量取引案、「排出増」キャップもあり得る
インタビュー:環境省 地球環境審議官 南川秀樹氏
2010年9月16日 日経BP
http://www.nikkeibp.co.jp/article/news/20100916/245470 
  地球温暖化:東京で全国会議 「計画書制度」普及目指し
毎日新聞 2011年2月1日 19時19分 
20110201
 
     
 東京や大阪など5都府県は1日、大規模なオフィスビルや工場を対象に、温室効果ガスの排出削減や削減計画の策定を条例で義務付ける「計画書制度」を広めようと、すべての都道府県と政令指定都市の担当者を集めた初の全国会議を東京都内で開いた。都によると、2010年時点で、全国35の自治体が計画書制度を条例化している。

 会議では、制度を導入している5都府県が企業への省エネ対策の指導・助言や、温室効果ガスの削減率が大きい場合の表彰など具体的なノウハウを紹介した。

 計画書制度は、企業の温室効果ガスの排出総量に上限を課し、企業間で排出枠を売買しながら削減を進める「キャップ・アンド・トレード方式」の排出量取引制度の土台ともなる。会議では、将来的に首都圏や関西圏で連携して排出量取引制度をつくる構想も議論。

 都の担当者は、政府が13年度を目指していた排出量取引制度の導入を先送りしたことを踏まえ「地方が地域の実態に合った温暖化対策を模索し、広域的に展開することが重要だ」と強調した。 
  温室効果ガス、90年度比4.1%減=09年度の速報値-環境省
時事通信 
20101227
 
    
温室効果ガス、90年度比4.1%減=09年度の速報値-環境省
時事通信
 環境省は27日、2009年度の国内の温室効果ガス排出量の速報値を発表した。それによると、二酸化炭素(CO2)換算で12億900万トンとなり、京都議定書基準年の1990年度比で4.1%減となった。前年度比では
5.7%減。
 2008年の世界的な金融危機に端を発する景気後退により、工場など産業部門からの排出が大幅に低下したことが主因。また、新潟県中越沖地震で被災し、停止していた柏崎刈羽原子力発電所が、09年末から営業運転を再開したことで、火力発電所への依存度が低下したことも寄与した。(2010/12/27- 21:35)

2年連続減少、過去最低に 国内の温室効果ガス
2010/12/27 17:52   【共同通信】
 環境省は27日、2009年度の国内の温室効果ガス排出量(速報値)が二酸化炭素(CO2)換算で12億900万トンとなり、08年度に比べ5・7%減少したと発表した。リーマン・ショック以降の景気後退が続き、原発稼働率が上がったのが要因。減少は2年連続で、排出量は1995年以降で過去最低となった。
 京都議定書の基準年である90年度比では4・1%減。日本は08~12年度平均で6%減の目標を達成するため、森林吸収と海外からの排出枠購入を合わせて5・4%分を削減量に算入する方針で、国内対策による0・6%分の削減は達成できた計算となる。
 ただ環境省は「景気の回復とともに排出量も増加する。目標達成には、国内の温暖化対策をさらに進める必要がある」としている。 
  2009年度の温室効果ガス排出量(速報値)について 
     環境省ホームページに以下が掲載されました。

2009年度の温室効果ガス排出量(速報値)について
http://www.env.go.jp/press/press.php?serial=13313

より詳しくは、国立環境研究所温室効果ガスインベントリオフィスホームページにファイルがあります。
http://www-gio.nies.go.jp/aboutghg/nir/nir-j.html

基準年比4.1%減になっていますが、不況の影響です 
  排出量取引、先送りを決定=温暖化対策で閣僚委
時事通信 (2010/12/28-13:04)
20101228
 
   
排出量取引、先送りを決定=温暖化対策で閣僚委
時事通信
 政府は28日、官邸で温暖化問題に関する関係閣僚委員会を開き、地球温暖化対策税(環境税)など温暖化対策の主要3施策の基本方針を決めた。このうち、国内排出量取引制度については、産業への影響や主要国が参加する温暖化対策の国際的な枠組みの成否を見極めた上で「慎重に検討する」として、目標としていた2013年度からの導入を事実上先送りした。
 同制度をめぐっては、民主党が今月政府に出した提言の中で、産業界の反発に配慮し、先送りを求めていた。(2010/12/28-13:04)

閣僚委、排出量取引導入を先送り 温暖化3施策を決定
2010/12/28 14:37   【共同通信】
 地球温暖化問題に関する政府の閣僚委員会が28日、首相官邸で開かれ、企業の温室効果ガス排出に上限を定めて企業間で排出枠をやりとりする排出量取引制度について、2013年度に予定していた導入を先送りする方針を決めた。
 効果的な削減策として昨年の民主党マニフェスト(政権公約)にも盛り込まれた温暖化対策の主要3施策の一つだが、産業界の強い抵抗に配慮した民主党の提言を受けて大きく後退した形。
 地球温暖化対策税(環境税)の11年度導入や、再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度の12年度導入も決まったが、実効性には疑問の声もあり、日本の温暖化対策は遅れが懸念される。

温室ガス:排出量取引13年度導入を断念 関係閣僚会議
毎日新聞2010年12月28日 15時0分 更新:12月28日 18時45分
 政府は28日、地球温暖化問題に関する関係閣僚会議を開いた。温暖化対策の主要施策として検討していた国内排出量取引制度について、13年度導入を正式に断念する方針を決めた。早ければ次期通常国会への提出を目指していた同制度の内容を定める関連法案などの議論も当面、先送りする。
 同制度では、大企業の温室効果ガス排出量に上限を設け、目標を守るため他企業と排出量を取引できる。国会で継続審議となった地球温暖化対策基本法案に主要施策として盛り込まれ、早ければ13年度の導入を視野に制度設計を検討してきた。
 しかし、7月の参院選惨敗後、制度導入に懸念を示す産業界の声に押されて政府・与党内の議論は徐々に後退。今月、国連気候変動枠組み条約第16回締約国会議(COP16)で13年以降の「ポスト京都議定書」の枠組みが決まらなかったこともあり、「実施を急ぐ必要はない」との意見が大勢を占めた。
 政府方針では、同制度について「産業に対する負担や雇用への影響、国際的な(温暖化対策の)枠組みの成否などを見極め、慎重に検討を行う」と結論。
太陽光や風力などで発電した再生可能エネルギーを電力会社が一定期間、同じ価格で買い取る全量固定価格買い取り制度について、「12年度の制度導入をめどとして慎重に検討し、制度導入後も柔軟に見直しを行う」ことなども決めた。【江口一】

 ◇経済界や労働界に配慮
 今回、政府が排出量取引制度の導入を先送りした背景には「ねじれ国会」で政策の推進力を失い、景気回復の遅れも伴って経済界や労働界の慎重意見に配慮せざるを得なくなった事情がある。また、13年以降の「ポスト京都議定書」の国際枠組みが固まっていないことも影響したとみられる。
 政府が掲げ、地球温暖化対策基本法案に盛り込んだ「温室効果ガスを20年に90年比25%削減する」目標は、米国や中国など主要排出国が入る枠組みが前提条件だ。このため政府は13年以降の削減目標を曖昧にし、排出量取引の対象でもある企業・産業部門の削減目標も決めていない。
 しかし、排出量取引制度の創設は政権交代時のマニフェスト(政権公約)に明記された主要政策の一つだった。しかも、ポスト京都が不透明だからといって、世界は温暖化対策をやめたわけではない。
 むしろ今年のCOP16では、米中も同意した次期枠組みの基礎となる「カンクン合意」がなされ、日本も賛同した。政府は「ポスト京都」の削減目標やその達成のための戦略を早急に明らかにし、国民に丁寧に説明する必要がある。【江口一】

温室ガス排出量取引、導入先送り…政府方針
(2010年12月28日13時17分  読売新聞)
 政府は28日、地球温暖化問題に関する閣僚委員会を開き、2020年までに温室効果ガスを1990年比で25%削減するという政府目標達成に向けた主要3施策の基本方針を確認した。
 焦点だった温室効果ガスの国内排出量取引制度の取り扱いについては「慎重に検討を行う」との表現にとどめ、事実上、導入を先送りすることになった。
 同制度では、原則として企業にガスの排出上限を設け、排出量の過不足分を企業間で取引する。市場原理を通じて、ガス削減を進めるという狙いがある。
環境省などでは13年度の導入を目指しており、今年度内にも具体的な制度設計に着手する必要があった。
 基本方針では、同制度について「地球温暖化対策の柱」と評価する一方、「企業経営への行き過ぎた介入、マネーゲームの助長といった懸念がある」と指摘。国内の産業への負担や雇用への影響などを見極めながら、「(導入は)慎重に検討を行う」とした。

国内排出量取引の導入凍結 政府、産業界に配慮
日本経済新聞2010/12/28 11:34 (2010/12/28 13:23更新)
 政府は28日、地球温暖化問題に関する閣僚委員会を開き、基本方針を了承した。国内排出量取引制度の導入について「国際的な枠組みの成否を見極め、慎重に検討する」と明記。当面、凍結する方針を示した。コスト増を懸念する経済界に配慮し、「創設する」とした民主党の衆院選マニフェスト(政権公約)から表現が後退した。
 菅直人首相は「鳩山由紀夫前首相が打ち出した方向性をさらに充実したものだ」と強調。温暖化ガス排出量に関して2030年に1990年比で30%削減するとの目標も示した。
 基本方針では地球温暖化を巡る主要政策と位置付ける排出量取引制度や、地球温暖化対策税(環境税)、電力会社による再生可能なエネルギーの全量買い取り制度について方向性を示した。環境税は来年度の導入を明記。全量買い取り制度に関しては来年の通常国会に関係法案を提出し、2012年度からの制度導入を目指す。このほか環境関連産業を伸ばす「グリーン・イノベーション」を進める総合戦略の策定もうたった。
 国内排出量取引制度を巡っては第16回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP16)で13年以降の国際枠組みづくりを先送りしたことで、導入凍結論が広がっていた。民主党も導入凍結を提言しており、政府・民主党が足並みをそろえた格好だ。

排出量取引制度は棚上げ 政府、温暖化基本方針を決定
産経新聞2010.12.28 22:26
 政府は28日、地球温暖化対策の主要3施策に関する基本方針を決めた。温室効果ガスの削減策として浮上している排出量取引制度の導入は、経済界からの反発に配慮して棚上げされることになった。再生可能エネルギーの全量買い取り制度については平成24年度から、地球温暖化対策税(環境税)については23年度から導入することを明記した。
 政府は同日午前、首相官邸で菅直人首相らをメンバーとする関係閣僚委員会を開き、基本方針について討議。菅首相は「イノベーション(技術革新)によって世界を救うことが日本経済にとって重荷でなくプラスとなる。自信を持ってこの方向で進め来年につなげたい」と話した。
 委員会では、企業ごとに温室効果ガス排出量の上限を設け、企業間で排出枠を取引する排出量取引制度について、「慎重に検討する」方針が確認された。
政府はこれまで25年度の制度導入を目指していたが、企業の負担が増えることや温室効果ガス削減に関する国際的な枠組みが固まっていないことなどから、実質的に棚上げされたかたちだ。
 太陽光や風力などで発電された電力を電力会社が固定価格で買い取る全量固定価格買い取り制度については、来年の通常国会に関係法案を提出し、24年度からの導入を目指すことを決めた。環境税については、税制改正大綱で決まった23年度から現行の石油石炭税の税率を引き上げる方針を追認した。
 政府は2020年までに温室効果ガスを1990年比で25%削減する目標に向け、3施策の導入を定めた「地球温暖化対策基本法案」を国会に提出している。しかし7月の参院選後に開かれた臨時国会では「ねじれ国会」の下で継続審議となり、来年の通常国会でも成立が危ぶまれている。
  世界の陸地の気温 過去最高に 
20101217
 
   
気象庁報道発表は以下にあります。
http://www.jma.go.jp/jma/press/1012/21d/worldtemp2010.html

世界の陸地の気温 過去最高に
NHK 12月21日 18時0分
 気象庁は、ことしの世界の平均気温が過去100年余りで2番目に高い値となり、陸地の気温に限ると過去最も高くなる見込みだと発表しました。また、日本の平均気温も明治31年に統計を取り始めてから4番目に高い値となっています。
 気象庁は、ことし1月から先月までの世界の陸地の気温と海面水温の観測データから、ことしの平均気温を計算し、速報値として発表しました。それによりますと、世界の平均気温は平年と比べて0.36度高く、統計を取り始めた119年前の明治24年以降では、平成10年に次いで2番目に高くなっています。特に、陸地の気温に限ると、平年より0.68度高く、過去最も高くなる見込みだということです。また、日本の平均気温も平年より0.85度高く、明治31年に統計を取り始めてから、4番目に高い値となっています。気象庁によりますと、ことしは、南米ペルー沖の東太平洋で海面水温が高くなるエルニーニョ現象がこの春まで続いていた影響で、猛暑となった日本を含めて陸地が多い北半球で気温の高い状態が続き、世界全体の気温を押し上げる形となりました。世界の平均気温が平年より高くなる傾向は10年余りにわたって続いています。気象庁は「エルニーニョ現象などの短期的な変化だけでなく、二酸化炭素などの温室効果ガスによる地球温暖化の影響が加わっていると考えられる」と話しています。

2010年、地球は暑かった 世界2位、日本4位タイ
2010/12/21 16:53   【共同通信】
 気象庁は21日、日本と世界の2010年の天候まとめを発表。年平均気温(11月までの速報値)は世界が平年より0・36度高く1891年の統計開始以降2位、日本は0・85度上回り1898年以降で4位タイの高温だった。世界は海面水温も含んでおり、陸域だけだとプラス0・68度で史上最高。
 同庁は原因として、地球温暖化に加え、昨年夏から今年春まで続いた「エルニーニョ現象」で、北半球中緯度帯が温暖な空気に覆われたことなどを挙げている。
 年ごとのばらつきをならすと、世界の年平均気温は過去100年で0・68度、日本は1・15度のペースで上昇しているという。世界の統計史上最高記録は、1998年のプラス0・37度。

世界もやっぱり暑かった、陸地は歴代1位 気象庁調べ
2010年12月21日19時23分朝日新聞
 気象庁は21日、今年の世界と日本の天候を発表した。世界各地に置かれた観測地点の平均気温(速報値)は平年より0.36度高く、1891年の統計開始以来2番目の高さ。陸地に限ると0.68度高く、これまで最高だった2007年を上回って歴代1位となった。日本の平均気温は平年より0.85度高く、歴代4位に並んだ。
 気候情報課などによると、世界の平均気温は約100年間で0.68度、日本で1.15度上昇。温暖化の影響で、特に90年代以降から高い傾向が続く。今年は、ペルー沖の赤道付近の海面水温が高くなるエルニーニョ現象が昨夏から今春まで続いたことなどから、世界の平均気温は98年に次ぐ2番目の高さとなった。3~5月の北半球で歴代1位タイだったほか、モスクワで7月の平均気温が平年同月を7.6度上回るなど、中央アジアなどを除く多くの地域で平年を上回った。
 日本国内では、今夏(6~8月)の平均気温が平年を1.64度上回って1898年の統計開始以来最高を記録。だが、4、5月に天候不順で平年を下回ったため、年間では07年と並ぶ歴代4位にとどまった。
 一方、今年の台風発生数は14個で、1951年の台風の統計開始以来最少となる見通しだ。平年26.7個発生しているが、今年はこれまで最少だった98年の16個を下回っている。接近数も7個、上陸数も2個と、いずれも平年を下回る見込みという。フィリピン東方海上で太平洋高気圧の勢力が強く、活発な雨雲が発生しづらかったことが原因とみられるという。

やはり暑かった!陸地の平均気温、観測史上最高
(2010年12月21日19時34分  読売新聞)
 気象庁は21日、2010年の世界の平均気温が1891年の統計開始以降、2番目に高くなる見通しだと発表した。
 猛暑が続いた日本は、観測史上4位タイ(1898年以降)の高さになるという。
 今年1~11月の観測データをまとめた速報値で、世界の平均気温は中央アジアを除くほとんどの地域で高くなり、平年を0・36度上回った。陸地だけの平均気温は平年より0・68度高く、観測史上最高となる。
 一方、日本の平均気温は平年を0・85度上回った。6月~8月の平均気温は過去最高だったが、3月~5月が低温だったため、年平均では07年と並ぶ4位タイにとどまる見込み。同庁は「地球温暖化に加えて、昨年夏から今年春まで続いたエルニーニョ現象が影響した」と分析している。12月の観測データも加えた確定値は来年2月に公表される。

温暖化!?今年は世界も暑かった 年平均気温は過去2番目の高さ 気象庁
産経新聞2010.12.21 16:55
 2010年の世界の年平均気温(1~11月、速報値)は平年を0・36度上回り、1891年(明治24年)以降、過去2番目に高い値に上る見込みになることが21日、気象庁のまとめで分かった。同庁は「昨年夏から今年春まで持続したエルニーニョ現象の影響」としている。
 同庁気候情報課によると、日本の年平均気温(同)は平年を0・85度上回り、明治31年以降、4番目に高い値になる見込み。今夏(6~8月)の平均気温は過去最高だったが、4月に東京都心で雪が降るなど、春(3~5月)の平均気温が平年を下回った。
 世界で平均気温が平年比で最も高かったのは、アーシアート(グリーンランド)の+5・2度。このほか、イスタンブール(トルコ)とヤクーツク(ロシア)が+2・1度、ニューヨーク(米国)が+1・9度-などとなっている。
 また、海を除く陸地の平均気温でみると平年を0・68度上回り、過去最高に上る見込み。
 北半球の平均気温が高くなった理由の1つとして、同課は「北極圏の海氷が溶け、太陽熱吸収や保温効果の高い海の面積が増加したため」とみる。
 世界の年平均気温の変動を長期的にみると、100年あたり0・68度上昇。
日本も同1・15度上昇しているという。同課は「温室効果ガスの増加に伴う地球温暖化の影響」としている。 
  2020年削減目標自体をやめる? 
20101217
 
   
見出しの意味がわかりにくいかもしれませんので、すこしきついタイトルに変えます。

2009年のマニフェストにはこう書かれています。

http://www.dpj.or.jp/special/manifesto2009/pdf/manifesto_2009.pdf
42.地球温暖化対策を強力に推進する
【政策目的】(抜粋)
○CO2等排出量について、2020 年までに25%減(1990年比)、2050 年までに60%超減(同前)を目標とする。
【具体策】(抜粋)
○キャップ&トレード方式による実効ある国内排出量取引市場を創設する。

温室ガス:民主変節?削減目標は「30年に30%」
毎日新聞 2010年12月17日 22時23分
 民主党の近藤洋介・政調副会長は17日、温室効果ガスの削減目標について「2030年に90年比30%の削減が、政府と党の唯一の公式目標」との見解を明らかにした。同党は政権交代時のマニフェスト(政権公約)に「20年に25%削減」を掲げ、政府の温暖化対策基本法案にも、主要排出国が温暖化防止の国際枠組みに参加することを条件に、同じ目標を盛り込んでいる。
 この日、同党の拡大政調役員会で、政府の温暖化対策への提言を正式決定した後、記者団に対して述べた。「変節」の理由を近藤副会長は「前提つきの目標は目標たりえない」と説明した。
 09年衆院選のマニフェストで同党は、削減目標を条件なしで「20年までに25%」と明記。鳩山由紀夫前首相は国連総会での演説でもこの目標を紹介した。一方、今年6月に閣議決定した政府の「エネルギー基本計画」では、原発14基の新設などで「30年の二酸化炭素排出量が90年に比べ約30%減る」との試算を紹介している。
 近藤副会長は、「30年30%は、国内目標であり、20年25%を包含している」として、法案修正は必要ないと述べた。【江口一、立山清也】
  環境保護2団体、エクソン訴え=汚染物質過剰排出で―米メディア
2010年12月15日11時6分 朝日新聞 
20101215
 
 
 【ニューヨーク時事】米環境保護団体シエラ・グループとエンバイロメント・テキサスは14日、米石油大手エクソンモービルが米国内で汚染物質を過剰に排出していたとして、同社をテキサス州の連邦地裁に提訴した。複数の米メ ディアが伝えた。
 この二つの団体が同種の訴訟を起こすのは3度目。過去3年間に英・オランダ系石油大手ロイヤル・ダッチ・シェル傘下の米シェル・オイルや、米石油大手シェブロンとコノコフィリップスの合弁化学大手シェブロン・フィリップス・ケミカルを相手取った訴訟で和解を勝ち取っているという。
 今回の訴状によると、テキサス州ベイタウンにあるエクソンの製油・化学施設は過去5年間にわたり、大気浄化法に違反する大量の二酸化硫黄や一酸化炭素などの汚染物質を排出していた。この2団体は、同法違反でエクソンに最大8125万ドル(約68億2500万円)の罰金が科される可能性があるとしている。 [時事通信社] 
  石油石炭税引き上げ 
20101215
 
環境税、初年度は380億円=3年半で段階実施-政府税調
時事通信
 政府税制調査会は15日、2011年10月から導入する「地球温暖化対策税」(環境税)の詳細を決めた。原油や石炭などの化石燃料に課税している石油石炭税を約5割引き上げ、上乗せした分を環境税と位置付ける。引き上げは3年半かけて段階的に実施。ガソリンの場合、初年度は1リットル当たり0.25円の増税となる。税収全体では初年度380億円程度、完全実施する15年度は約2400億円を見込む。
 環境税は化石燃料の二酸化炭素排出量に応じて課税。完全実施時の上乗せ税率は、原油1キロリットル当たり760円(現行の石油石炭税率2040円)、液化天然ガスなど1トン当たり780円(同1080円)、石炭1トン当たり670円(同700円)。(2010/12/15)

税調 環境税の導入方針を決定
NHK 12月15日 19時8分
 政府税制調査会は、15日の会合で、地球温暖化対策を促すために石油や石炭などに課税する「環境税」を来年10月から段階的に導入する方針を決めました。これで来年度の税制改正の内容が固まり、政府は、16日、税制改正大綱を閣議決定することにしています。
 環境税は、地球温暖化対策を促すため石油や石炭などいわゆる化石燃料に課税するもので、政府税制調査会は15日の会合で来年度から導入する方針を正式に決めました。環境税は、現在、石油や石炭などを輸入する際、企業に課税している石油石炭税に、二酸化炭素の排出量に応じて税率を上乗せする形で導入されます。消費者が購入する際の価格にそのまま転嫁された場合、経済産業省の試算では、ガソリン価格が1リットル当たりおよそ0.8円、電気代が1世帯当たり月に30円余り、値上げされることになります。税率の引き上げは、企業の負担に配慮して来年10月から3年半かけて段階的に行われ、平成27年度には年間2400億円程度の税収が見込まれるとしています。会合では、このほか、株式の売却益や配当にかかる税を軽減するいわゆる「証券優遇税制」を2年間延長することや、日本の航空会社の国際競争力の強化につなげるため航空機の燃料に課している税を現在よりも30%引き下げることも決まりました。これで来年度の税制改正の内容が固まり、16日、政府税調が菅総理大臣に税制改正大綱を答申したあと、政府が閣議決定することにしています。

環境税は来年10月から段階的に導入、税制改正大綱は16日決定
2010年 12月 15日 [東京 15日 ロイター]
 政府税制調査会は15日午後の全体会合で、地球温暖化対策税(環境税)を2011年10月から導入し、2015年4月まで3年半かけて段階的に導入する方針を決定した。
 初年度の増収規模は約350億円、最終的な増収規模は2400億円程度を見込む。また、14日の大臣折衝で決着した証券優遇税制の2年延長も正式決定した。これに伴い、日本版ISA(少額投資非課税制度)の導入時期も2014年1月に見送る。
 2011年度税制改正の主要事項はすべて固まり、政府は16日の閣議で11年度税制改正大綱を決定する。
 環境税の税率は、二酸化炭素(CO2)排出量に応じて化石燃料ごとに設定する。原油と石油製品は1キロリットル当たり現行の2040円から15年4月には2800円に引き上げられる。ガス状炭化水素は1トン当たり1080円から1860円に、石炭は同700円から1370円に引き上げられる。導入初年度の2011年10月からは、それぞれ2290円、1340円、920円となる。
 また、国内線を飛ぶ飛行機の燃料に課税する航空機燃料税は、現行の1キロリットル当たり2万6000円を8000円引き下げて1万8000円とする。
軽減は11年度から3年間の時限措置とする。

環境税:3年半かけ段階的に導入…16日に大綱決定
毎日新聞2010年12月15日
 政府税制調査会は15日の全体会合で、地球温暖化対策税(環境税)について、11年10月から3年半かけて段階的に導入することを決めた。これにより、11年度の税制改正に向けた税調の議論はすべて終了。16日午後に菅直人首相に11年度税制改正大綱を答申し、政府が大綱を閣議決定する。
 環境税は、輸入原油やガスにかかる石油石炭税について、税収を現行の約4800億円から5割(2400億円)増となるよう、二酸化炭素(CO2)の排出量に応じて増税。主に省エネ対策の財源とする。
 引き上げ幅は、原油・石油製品(現行税額は1キロリットル当たり2040円)が760円▽液化天然ガス(LNG)と液化石油ガス(1トン当たり1080円)は780円▽石炭(1トン当たり700円)は670円。増税に伴う公共交通機関への影響を緩和するため、旅客船に利用される重軽油や鉄道用の軽油、国内便の航空機燃料は13年3月まで免税・還付措置を設ける。
 税収の使い道については、幅広く使える一般財源化を求める財務省や、一部を地方に回すよう主張する総務省との綱引きがあった。最終的には、来年度は経済産業省と環境省が共管するエネルギー対策特別会計に全額を繰り入れ、地球温暖化対策に充てることで決着した。
 来年度は10月からの導入になるため、税収は約380億円。経産省や環境省は、電気自動車の普及促進や太陽光発電の導入支援などの対策強化を図り、CO2排出量削減の一層の促進を目指す。
 また、政府税調は環境税に関連し、民主党の衆院選マニフェストで廃止を明記したものの、10年度税制改正で「当分の間維持する」としたガソリン税と軽油引取税の旧暫定税率の取り扱いを論議。2.5兆円に上る税収維持のため、11年度も現在の税率を維持することを決めた。
 この日の政府税調では、14日に財務相と金融担当相の間で合意した証券優遇税制の11年末からの2年延長も承認。すべての項目についての取りまとめを終えた。【久田宏】

環境税、来年10月から段階的に導入…政府税調
(2010年12月15日21時17分  読売新聞)
 政府税制調査会は15日、2011年度税制改正で積み残されていた地球温暖化対策税(環境税)について、11年10月から段階的に導入することを決めた。
 環境省の試算によると、完全実施される15年度からは、ガソリンや軽油、灯油などの価格上昇により、1世帯当たりの負担は平均で現在より年間1100円増える見通しだ。税制改正の内容が固まったことで、政府は16日、11年度税制改正大綱を閣議決定する。
 原油や石炭などの化石燃料に課税している石油石炭税の税率を引き上げ、その上乗せ部分を環境税とする。増税分を地球温暖化対策に充て、完全実施後は年間約2400億円の税収増を見込む。
 家庭や企業の急激な負担を和らげるため、上乗せ税率は、11年10月からは完全導入時の3分の1の水準にとどめ、13年4月に3分の2の水準に引き上げ、15年4月から完全実施する。

環境税、来年10月に導入 税制改正大綱16日決定
初年度増税は350億円規模
日本経済新聞2010/12/15
 政府税制調査会は15日、地球温暖化対策税(環境税)を2011年10月から導入することを正式に決めた。石油・石炭税の税率を引き上げ、上乗せ分を環境税とす
る。初年度の増税規模は約350億円を見込む。これで来年度税制改正の検討課題が決着。政府は16日の臨時閣議で来年度税制改正大綱を決定する。新規国債発行額を約44兆円以下に抑えることなどを盛り込む来年度予算編成の基本方針も閣議決定する。
 環境税は二酸化炭素(CO2)排出量に応じ、燃料ごとに税率を引き上げる。
3年半かけて段階的に増やし、完全実施となる15年度の税収は2400億円。税収はエネルギー対策特別会計に繰り入れて、省エネ対策に充てる。最終的な増税幅は、原油・石油製品が1キロリットルあたり約760円、液化天然ガス(LNG)などが1トンあたり約780円。石炭は1トンあたり約670円の増税になる。
揮発油税や軽油引取税などに上乗せしている旧暫定税率は、財政状況が厳しいため、昨年の衆院選マニフェストで約束した「撤廃」を見送り、現行水準を据え置く。
 同日の税調会合ではこのほか、証券優遇税制を13年末まで2年間延長することや、経営再建中の日本航空の負担軽減などのために、航空機燃料税について燃料1キロリットルあたり8000円引き下げることも正式決定した。

環境税、3段階で27年度に完全導入 企業6千億円減税に
産経新聞2010.12.15 18:45
 政府税制調査会は15日、平成23年度税制改正大綱の16日閣議決定に向けた最終調整を行い、地球温暖化対策税(環境税)を来年度から27年度までに3段階で導入することを決めた。また、法人実効税率を5%引き下げる財源として企業の負担増を約8千億円まで積み上げた。この結果、企業関連税制は減税と増税の差し引きで最終的に約6千億円の減税となった。
 現在の石油石炭税を約5割引き上げて創設する環境税は来年10月に導入。増税規模は最初の23、24年度が800億円、25、26年度が1600億円、27年度からが2400億円とする。
 企業関連の減税規模は、法人課税の5%引き下げで国・地方合わせて約1兆5千億円。このほか、中小企業向けの法人税率を18%から15%に引き下げることで700億円、雇用促進税制で350億円、環境投資や外資系企業誘致などの優遇税制で300億円となり、トータルで約1兆6千億円強となる。
 これに対して企業関連の増税は、実効税率下げの代替財源を14日までに固まった6500億円から研究開発減税の縮小などで約8千億円に積み上げた。環境税が完全実施された場合の2400億円を合わせると、約1兆円強となり、差し引きでは約6千億円の減税となる。
 一方、個人課税は、高所得者の所得、住民税の控除縮小などで最大2930億円の増税、相続税でも約2600億円の増税となり、最大5530億円の負担増となる。 
  排出量取引制度 当面棚上げへ
NHK 12月15日
20101215
 
    
 政府の温暖化対策を検討している民主党の作業チームは、焦点となっている温室効果ガスの国内の排出量取引制度について「雇用への影響などを慎重に見極めたうえで検討すべき」などとして、当面、結論を棚上げする方向で調整を進めていることが明らかになりました。
 民主党の経済産業部門会議や環境部門会議などからなる合同の作業チームは、今週、温暖化対策について大詰めの検討を進めており、政府が行うべき施策として提言をまとめることにしています。
このうち、企業の温室効果ガスの排出量に上限を設けて過不足分を売買する国内の排出量取引制度については、導入の是非を巡って意見が分かれているため作業チームの判断が注目されていました。この制度について明らかになった提言案では「温暖化対策として重要だが、大口の排出者に新たな規制を課すことになるもの」と位置づけたうえで、「雇用への影響や海外の制度の動向などを慎重に見極めたうえで検討すべき」などとして、導入の是非を巡る結論を得るのは時期尚早として、当面、棚上げにする方向性を示しています。
ただ、作業チームの議員の中には、制度設計に向けた検討を継続すべきとする意見もあり、15日に開かれる会議で、この提言案を巡ってどのような意見が交わされるか注目されます。

排出量取引、議論先送り提言へ 民主方針 産業界に配慮
2010年12月15日8時7分
 民主党は14日、年内のとりまとめを目指していた国内排出量取引の制度設計の議論を来年以降に先送りするよう、政府に提言する方針を固めた。すでに導入する方針の地球温暖化対策税(環境税)など、政府が打ち出す規制的な手法に反発する産業界に配慮した。
党は15日にも提言をまとめ、政府は党提言をふまえて方針を決定する。
 国内排出量取引は、二酸化炭素(CO2)を多く排出する企業の排出量に上限を設け、上限を超えた企業が減らした企業から「排出枠」を購入して埋め合わせる制度。産業界から「規制が強化されると対応にコストがかかり、国際競争力が低下する」との反発が根強く、党内からも「導入の是非から議論すべきだ」という意見が出ていた。
 さらに、11日に閉幕した国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP16)で、2013年以降の温暖化対策の結論が先送りされたため、「国際動向が見えないと、制度の必要性についても結論が出せない」との意見が強まった。
 排出量取引は「2020年に90年比25%減」という政府目標達成のための施策の一つ。地球温暖化対策基本法案には「法施行から1年以内に制度を整備する」と書き込まれている。しかし、制度導入の裏付けになるはずの同法案は、ねじれ国会の影響で成立のめどが立たない。
 同法案の成立を想定し、環境、経済産業の両省がそれぞれに案をとりまとめており、一本化の必要があるが、議論自体を先送りする。(小暮哲夫、長富由希子)

排出量取引制度:13年度導入断念 COP16受け、産業界に配慮
毎日新聞 2010年12月15日 東京朝刊
 政府は、地球温暖化対策の一環で導入を目指していた国内排出量取引制度について、予定していた13年度からの実施を断念する方針を固めた。12年末で期限が切れる京都議定書に続く国際的な温暖化対策の枠組みが不透明で、企業活動への影響を懸念する産業界の意向を踏まえた。民主党も15日の関係合同会議で先送りの提言をまとめる予定だ。
 同制度は、大企業の温室効果ガス排出量(枠)に上限を設け、目標を守るために他企業と排出枠を取引する。地球温暖化対策基本法案は施行後1年以内に制度の成案を得ると規定。実施は「最短で13年度」が政府内の認識となり、経済産業、環境両省は、ポスト京都で新たな対策を求められることも視野に具体的な制度設計を進めてきた。
 しかし法案は「ねじれ国会」の臨時国会で継続審議となり、来年の通常国会でも成立のめどが立たない。11日までメキシコで開かれた国連気候変動枠組み条約第16回締約国会議(COP16)で、ポスト京都の枠組みが決まらなかった。
 13、14日の民主党の関係合同会議では、導入に積極的な意見もあったが、「負担は大きく、企業の海外流出につながる」と慎重な意見が相次いだ。政府は、民主党が15日にも出す「議論先送り」の提言を受け、近く関係閣僚会合を開き、制度の骨格策定を先送りするとともに、導入までの日程も見直す方針だ。【江口一、立山清也】 
  航空機燃料税、3割下げで決着へ 政府税調
2010年12月13日20時54分朝日新聞 
20101213
 
    
  政府税制調査会は13日、来年度税制改正で、航空会社の国内線にかかる航空機燃料税を約3割引き下げる方針を決めた。不振にあえぐ国内航空会社を支えるのが狙い。国土交通省が強く求めていたもので、引き下げは1972年の導入以来初めて。
 1キロリットルあたり2万6千円を1万8千円に引き下げる。本来なら約700億円の税負担が約250億円軽減される計算になる。航空自由化が進む中 、燃料税を安くして競争力を高めようと、国交省は1万5千円への引き下げを求めた。これに対し、財務省は2万1千円への引き下げにとどめるべきだと主張。結局は、その「中間点」で折り合うことになった。
 日本航空や全日本空輸など各社は減税分を収益改善に使う考えで、すぐには運賃値下げにつながらない見込みだ。
 一方、空港の維持整備を支えてきた特別会計は、燃料税などの「利用者負担」と一般会計からの「国民負担」で成り立っている。財務省は利用者負担だけの削減には反対しており、一般会計からの繰り入れも減らす方針。このため国交省は今後、空港の整備や維持にかかわる歳出の削減を迫られる。

航空機燃料税36%減で決着…国交省は半減要望
(2010年12月12日14時33分  読売新聞)
 国土交通省が2011年度の税制改正で、半減を要望していた国内線の航空機の燃料にかかる「航空機燃料税」(地方譲与税分は除く)について、約36%引き下げる方向で決着する見通しとなったことが11日、わかった。
 11年度から3年間適用する見通し。
 国交省は、燃料税1キロ・リットル当たり2万6000円のうち、空港整備勘定への繰り入れ分(13分の11、2万2000円)の半減を要望した。最終的には現行の2万2000円から1万4000円へと8000円(約36%)引き下げる模様だ。

航空機燃料税8000円下げへ 政府税調、日航の負担軽減
2010/12/11 1:56日本経済新聞
 政府税制調査会は10日、2011年度税制改正で国土交通省が要望していた航空機燃料税の引き下げについて、現行の燃料1キロリットルあたり2万6000 円から1万8000円へと、8000円下げる方針を固めた。経営再建中の日本航空の負担軽減などのために検討。社会資本整備事業特別会計の空港整備勘定の見直しで財源を確保する。

航空機燃料税 30%下げへ
12月11日 4時55分 NHK
 政府は、日本の航空会社の経営の負担を減らし、国際競争力の強化につなげるため、来年度の税制改正で、航空機の燃料に課している税を現在よりおよそ30%引き下げる方針を固めました。
 航空機燃料税は、国内線の航空機の燃料を対象に、1キロリットル当たり2万6000円を航空会社が払っているもので、航空会社の経営の負担となっています。これについて、国土交通省が、厳しい競争に直面している日本の航空会社の負担を減らし、国際競争力の強化につなげるため、来年度から税額をおよそ42%引き下げるよう求めたのに対し、財務省は財政状況が厳しいと主張し、調整を続けてきました。その結果、引き下げ幅をおよそ30%に圧縮して、1キロリットル当たり1万8000円とすることで決着する見通しとなりました。航空機燃料税が引き下げられるのは、昭和47年の導入以来初めてで、年間およそ250億円の減税となる見込みです。
   戦略なき日本の「延長反対」
20101212
 
    
 愛媛新聞「交渉の加速が欠かせないにもかかわらず、冷や水を浴びせたのは日本だ」「実現が極めて低いと知りつつ強硬姿勢に出たのだから、自国の義務拡大を嫌う逃げの姿勢だと批判されても仕方がない。」
京都新聞「会議で目立ったのが日本だ。京都議定書の延長に強硬に反対し、交渉難航の主因となった」「経済界の代弁だと見透かされていた」北海道新聞「最初からもっと柔軟に論議して、次期の自らの削減目標を示した方がよかったのではないか。大幅削減を嫌う姿勢とも受け止められた。」と書いています。


京都議定書後 戦略なき日本の「延長反対」

愛媛新聞社説2010年12月12日(日)付
 待ったなしの地球温暖化対策を議論する国際会議の舞台は、常夏のメキシコ・カンクン。世界有数のリゾート地にある会場は冷房が肌寒いくらいフル稼働していたから、各国代表が暑さと湿気に悩まされることはなかっただろう。対策を進める意識改革の難しさを象徴する光景だった。
 実際、交渉も冷え切っていたようだ。きのう閉幕した気候変動枠組み条約第16回締約国会議(COP16)は、途上国支援の新たな仕組みを設けることなどで合意したが、最大の焦点だった京都議定書後をどうするかは先送りした。
 京都議定書は2012年末で期限が切れる。新たな枠組み合意が遅れるほど、準備期間が短くなり、対策費用は膨らむ。最悪の場合は13年から温室効果ガスの排出削減に関する国際的な取り決めがない無法状態に陥ってしまう。
 途上国は議定書の枠組み継続を求めている。その上で離脱した米国、排出大国の中国が参加できる新たな協定をつくる2本立て方式を探る流れが会議では強まっていた。
 交渉の加速が欠かせないにもかかわらず、冷や水を浴びせたのは日本だ。冒頭から議定書延長をかたくなに拒否した。カナダとロシアが同調したが、圧倒的に少数派だ。
 すべての先進国と新興国が参加できる単一のルールをつくるべきだとする日本政府の主張は確かに正論である。
 今の議定書秩序では、削減義務を負う先進国が限られ、その排出量は世界の3割に満たない。米中抜きでは実効性もない。しかも欧州連合(EU)に有利 、不平等条約化しつつあるのも事実だ。
 そもそも石油ショックの時から省エネに取り組んでいる日本は出発点が違う。環境技術を生んできた産業界に自負もあろう。が、議定書延長や環境税導 に反対する日本経団連が会場に乗り込み、政府の言動を逐一監視する事態は異常だ。一部業界から「議定書離脱を」との声も出た。
 その言葉からは日本の国際連盟脱退という歴史的事件さえ想起させる。軍縮ルールに律義に従い、限界が見えると机をひっくり返すように満州事変へと突き進んだ。国内世論が選択の幅を狭め、国際社会の現実を直視しない行きがかりの外交がもたらした悲劇はもはや説明不要だろう。
 紛争や飢餓の原因になりうる気候変動への対処は、いまや安全保障の領域だ。戦前の失敗は今にも通じよう。
 温暖化対策に全世界を巻き込む戦略を日本政府は持ち合わせてはいない。実現が極めて低いと知りつつ強硬姿勢に出たのだから、自国の義務拡大を嫌う逃げの姿勢だと批判されても仕方がない。国際社会に不信を抱かせたまま、環境技術大国を名乗るのはただの自己満足である。

COP16  合意はしたが前途多難
京都新聞社説 2010年12月14日掲載
 京都議定書の期限が切れる2013年以降の地球温暖化対策について、メキシコ・カンクンで開かれていた気候変動枠組み条約第16回締約国会議(COP16)が、次期枠組みの要素をまとめた「カンクン合意」を採択、閉幕した。
 昨年のコペンハーゲン会議(COP15)が失敗、暗礁に乗り上げていた国際交渉は再び動きだした。決裂が回避され、交渉がつながったことをまず評価したい。
 合意のポイントは2点。最大の焦点だった議定書の期限切れ後については「空白の期間」ができないよう議論を急ぐ。議定書に参加していない米国や中国、インドを含め、すべての国を対象とした枠組みについて引き続き協議する。
 だが実質的なことは何一つ決まっていない。空白期間を埋めるため議定書を延長するのか、別の枠組みに切り替えるのか、方向性を出せなかった。難題は先送りし、とりあえずの合意を優先させた。
 会議で目立ったのが日本だ。京都議定書の延長に強硬に反対し、交渉難航の主因となった。
 議定書が排出削減義務を課すのは世界の排出量の27%を占める先進国の一部だけ。日本は「41%を占める米中が参加しないと意味がない。すべての国が参加を」と、もっともらしい「正論」で欧州連合(EU)や途上国が支持する延長論を攻撃した。「削減義務のない米中に対し、競争力で不利。議定書は不公平だ」という経済界の代弁だと見透かされていた。
 想起してほしいのは「共通だが差異のある責任」(条約前文)の原則だ。これに沿って京都議定書は先進国にだけ数値目標を含む削減義務を課した。ところが、米国は勝手に議定書を離脱し、日本は排出削減目標(6%)を達成するどころか、逆に増えている。
 確かに中国、インド、ブラジルは大排出国で、韓国やメキシコの所得水準は先進国に近い。相応の責任は負うべきだ。しかし、先進国が自らの義務を果たさないまま、1人当たり排出量がはるかに少ないこうした国々に義務を求めるのはおこがましかろう。
 来年、南アフリカで開かれるCOP17で新たな枠組みが議論されるが、京都議定書が構想から運用ルール決定まで5年かかったことを思えば、空白期間回避には相当スピーディーな議論が要求される。
 それゆえ、既存の京都議定書の延長が再びクローズアップされよう。日本は合意文書の脚注に、参加拒否権を留保するとの一文を入れさせたが、米国を追って離脱するつもりだろうか。
 地球温暖化との関連が疑われる異常気象が頻発し、対策は待ったなし。「日本の原則的な立場は守れた」(菅直人首相)などと自画自賛している場合ではない。

COP16 日本の役割どう果たす
北海道新聞社説(12月14日)
 メキシコで開かれていた国連気候変動枠組み条約の第16回締約国会議(COP16)が終わった。
 最大の懸案だった京都議定書の期限が切れる2013年以降の温室効果ガス削減枠組みは、来年12月の南アフリカ・ダーバンでのCOP17に委ねられた。
 京都議定書の単純延長という最悪の事態を免れたと安心するのはまだ早い。
京都の延長か新議定書かは未決着なのだ。
 しかも、どちらを採択しても12年10月までに各国が批准できなければ空白期間が発生する。わずか10カ月しかない。地球の未来が懸かるのに危うい綱渡りではないか。
 ただ、空白で利益を得る国はあるまい。各国にとって空白回避は大前提とみていいのかもしれない。
 世界の温室効果ガス排出量の4割を占める米国と中国は今回も削減義務を負うことに抵抗を示した。世界を引っ張る経済大国なのに何とも残念で情けない姿である。
 米国オバマ政権は、野党共和党の反対で政策の「チェンジ」を進められない。2年後の大統領選まで続くとの見方も広がってきた。
 中国は削減義務を負うことにはかたくなだったが、インドの仲介で、途上国に対する新検証制度を受け入れた譲歩が目を引く。枠組みに誘い込む足がかりにしたい。
 枠組み拡大に向けた希望の芽も加わった。これまでは削減に規定のなかった途上国が自主的な削減行動を国際社会に報告し、検証を受ける制度の創設である。
 開催地の名を冠した「カンクン合意」は、途上国の温室効果ガス削減を支援する「緑の気候基金」の20年までの創設や、米中に一層の削減を求める内容も盛り込んだ。
 法的拘束力を持たないため実効性に疑問は残るが、現時点で到達できた唯一の合意である。これを足場に来年に備えていきたい。
 日本は京都議定書の単純延長に強く反対した。正論の展開に遠慮は不要だが、会議を難航させるとして欧州などの批判を受けた。
 議論を進める姿勢をより強く示すべきだったかもしれない。
 経済成長と温室効果ガス削減の両立という途上国の願いに対し、日本はさらに手をさしのべていくべきだろう。果たすべき役割は高い省エネ技術と資金の両面にある。
 それ抜きに途上国の新しい検証制度も発展しないのではないか。
 併せて、米中を削減義務の枠内に引き込むため欧州やカナダ、ロシアなどとの協力は不可欠になる。
 温暖化防止を破綻させてはならない。それぞれ「応分の責任」を果たす自覚を各国に求めたい。

温暖化会議 次の枠組み合意を早く
信濃毎日新聞社説 12月12日(日)
 病人を救うために集まったものの、利害が食い違い、より踏み込んだ処方箋は出せなかった-。
 こんな例えが当てはまる。メキシコ・カンクンで行われた気候変動枠組み条約第16回締約国会議(COP16)の結果である。病人は地球、疾患は温暖化による被害だ。
 現在の京都議定書は、2012年までの先進国の温室効果ガス削減を定めている。13年以降の枠組みづくりが急務だ。米国の参加と、排出量が急増している中国など発展途上国がどう削減していくかが焦点となっている。
 採択された決議には▽途上国の対策を支援する基金や、対応を助ける枠組みを設立▽先進国に削減目標の数値を上げるよう促す▽途上国は全体で、2020年に排出総量の伸びを抑制することを目指す-などが盛り込まれた。
 しかし、13年以降の次期枠組みなど、重要な事柄の決定は先送りされている。
 中国などは議定書の延長を求めた。自らに削減義務が課されていないためだ。これに対し、議定書で重い削減義務を負う日本は延長に反対し米国や中国も参加する新たな協定を結ぶよう主張した。
 米中も参加する新しい枠組みがまとまれば理想的である。だが、中国は削減は自主目標だとして外部による検証を拒否してきた。米国は、中間選挙で温暖化対策を推進する民主党が敗北したため、削減義務を伴う新たな枠組みには入りにくい。
 この状況では、日本などは議定書の中で削減義務を強化し、米国や中国については別の協定をつくる道もあり得る。日本はこの選択肢に強硬に反対した。
最初からもっと柔軟に論議して、次期の自らの削減目標を示した方がよかったのではないか。大幅削減を嫌う姿勢とも受け止められた。
 今後の国際交渉は、京都議定書と、米国や中国が参加する新たな国際協定の2本立て方式を探る流れが強まりそうだ。
 温暖化が進むと、大雨や干ばつなどが増え、途上国の食料生産も不安定になる。ガス削減の国際協調を築くことが大切だ。
 決議では、13年以降に国際的な削減義務がない「空白期間」が生じないよう取り組むとした。来年南アフリカで開くCOP17に向けた新たなステップにしたい。
 日本の果たすべき役割は大きい。まず、国内のガス削減体制を整えることが大切だ。途上国に対しては削減が進むよう、資金や技術面でしっかり支えたい。

COP16閉幕 早く「出口」を見つけねば
新潟日報社説 2010年12月12日
 こんな悠長なことをしていていいのだろうか。不毛な論議には、いら立ちを禁じ得ない。
 メキシコで開かれていた気候変動枠組み条約第16回締約国会議(COP16)が、発展途上国の温暖化対策を支援する「グリーン気候基金」の設立などを盛った決議を採択して閉幕した。
 だが、早急に取り組まなければならないのは、2012年までの温室効果ガス排出削減を定めた京都議定書後の温暖化対策をどうするかである。
 それなのに、13年以降の削減目標や、新しい枠組みでの議定書の位置づけなど重要な決定の多くは、来年以降に先送りされた。
 唯一評価できるのは決議を何とか採択に持ち込めたくらいだろう。先月29日からの長丁場の議論の割には、実りの少ない内容と言わざるを得ない。
 会議では国連の潘基文事務総長が「対策を遅らせるほど経済や環境、人命の代償が深刻になる」と、危機感を込めて各国に合意を促した。
 海面上昇で水没の脅威にさらされる太平洋の島国パラオの大統領は「温暖化の責任が最も小さい国が、最も大きな影響を受ける。われわれの悲鳴を聞いてほしい」と訴えた。
 これらの悲痛な叫びは各国の「自国益最優先」の前にかき消された。いつまで「総論賛成、各論反対」を続けているのか。温暖化は人類共通の問題である。もっと深刻に捉えるべきだ。
 京都議定書では1990年比で欧州連合(EU)は8%、日本は6%など、約40の先進国に削減義務が課せられている。だが、新興国や途上国に義務はない。「温暖化の原因は先進国にある」というのが理由である。
 一方、2大排出国である米国は議定書から離脱し、中国は新興国扱いだ。義務を課せられた約40カ国の排出量は、世界全体の30%に満たない。
 これでは不平等にすぎよう。削減効果も疑わしい。日本が米中はもとより新興国、途上国も含めた新しい枠組みの構築を主張するのは当然だ。
 だが、日本の「筋論」に中国はじめ各国は猛反発した。新興国などが求めたのは京都議定書の延長である。会議が決裂すれば、13年以降に空白が生じかねない。排出量取引制度を主導したいEUも、「日本たたき」に回った。
 それぞれの思惑で動いているうちは、迷路からの出口は見いだせまい。だが、未曾有の集中豪雨や干ばつが地球上の至る所で人々を苦しめている。身近で起きている記録的な猛暑や竜巻も温暖化の影響かもしれない。
 私たちの未来が懸かっている。今こそ世界が一つにならなければならない。
合意への「出口」を探し出す人類の知恵が試されている。

COP16 向こう1年が正念場だ
中国新聞社説'10/12/14
 地球温暖化を食い止める新たな枠組みづくりは、またも先送りになった。メキシコ・カンクンでの気候変動枠組み条約第16回締結国会議(COP16)が閉幕した。
 日本、EUなど先進国だけに温室効果ガスの排出量削減を義務付けるのが今の京都議定書だ。期限切れまであと2年。地球規模の気象異変などを考えると、先送りを重ねて「空白」を生むことは許されまい。
 今回、ぎりぎりの折衝でようやく「カンクン合意」が決議された。気温上昇を2度未満に抑えるために緊急に行動する。先進国と途上国の双方に排出量削減の努力を促し、資金の乏しい国の温暖化対策を支援する基金をつくる。そんな中身である。
 拘束力のない努力目標だとしても、米国、中国、インドなどを含めた主要な排出国が合意を優先して議論した成果といえる。
 途上国に削減義務を負わせたい先進国と、発展の妨げになるとして拘束を嫌う途上国。昨年のデンマークでのC0P15は両者の対立がエスカレートし、成果は主要国による申し合わせにとどまった。それに比べると、協調の芽が復活したことは評価できる。
 一方で新たな枠組みづくりが前に進まず、来年に持ち越されたことに不安を抱かざるを得ない。
 会議の場で強まったのは、いっそ京都議定書の枠組みを延長すべきだという意見だ。ブラジルなど途上国の側が強く主張した。
 1997年にできた議定書は、ほころびが目立つ。米国が離脱し、途上国扱いだった中国が今や世界の経済大国になった。世界全体の排出量の4割を占める両国が入っていない以上、本来なら延長は筋が通らない話だ。
 なのに自国に削減義務が生じない途上国のみならず、EUも「空白だけは避けたい」と延長に傾いている。
 強硬に反対したのは主要国では日本だけ。「企業の競争が不利になる」という産業界の意向をくんだからでもあろう。会議で孤立しながら「ノー」を通し、延長は決まらなかった。最悪の事態は避けられた、というのが日本側の正直な受け止めに違いあるまい。
 とはいえ延長論の再燃は必至だ。菅直人首相は「大きな成果」と喜ぶが、日本の主張が今後も通るとは限らない。
 鳩山由紀夫前首相は昨年、2020年までに排出量を25%削減すると表明したが、国内の議論は進まないまま。肝心の地球温暖化対策基本法案も国会でたなざらしが続く。足元が固まらないようでは国際社会への説得力も欠ける。
 来年、南アフリカで開かれるCOP17が正念場となる。向こう1年の各国の推進姿勢が問われよう。米オバマ政権は温暖化対策に前向きだったが、中間選挙の敗北でトーンダウンした。中国にも大国の自覚が感じられない。
 だからこそ日本の役割は重い。高い環境技術を生かして事態を打開できる対案を示し、各国に働きかける努力が求められる。

【COP16閉幕】「地球列車」の脱線を防げ
高知新聞社説 2010年12月12日07時58分
 「線路がなくなれば、列車は脱線してしまう」――国連環境計画(UNEP)の事務局長の警告が、地球温暖化進行への危機感を物語っている。
 先月末からメキシコで開かれていた気候変動枠組み条約の第16回締約国会議(COP16)が終わった。
 発展途上国の温室効果ガス削減に向けた基金創設では一定の前進があったものの、京都議定書が期限切れとなる2013年以降の削減目標など重要課題は先送りされた。
 国際的にどの国にも削減義務がない「空白期間」を生じさせないためには来年、南アフリカで開かれるCOP17がほぼ最終期限となる。
 先のUNEP事務局長の警告は、会議が暗礁に乗り上げる中の発言で、京都議定書を温暖化対策の「線路」になぞらえる。「列車」とは、人類をはじめ多種多様な生物が運命をともにして暮らす地球にほかならない。
 このかけがえのない「地球列車」を脱線させることなく、温暖化から守るためにも、日本を含めた先進国や議定書に加わってない米中、途上国がどう歩み寄れるかが鍵を握っている。
 会議は当初から難航した。
 議定書は、日本など先進国約40カ国に二酸化炭素(CO2)削減義務を課しているが、その総排出量は世界全体の約3割だ。最大の排出国・中国や新興国のインドなど途上国には削減義務はなく、2番目に排出量が多い米国も01年に議定書を離脱している。
 条約の論議が始まった20年ほど前は、先進国のCO2排出量は世界の7割近くを占めていた。責任を取る形で先進国だけが削減義務を負ったが、状況は中国や新興国の躍進で一変した。
 会議で松本環境相は、この実態を踏まえ、米中を含む全世界が加わった新たな枠組みづくりを訴えたが、削減義務を課される途上国などとの妥協点は見いだせないままだった。

 日本が仲介役を

 ただ今回の会議と前後して、打開の糸口も少しだが見えてきた。
 欧州連合(EU)が、米中など主要国が加わる包括的な枠組みが可能なら、京都議定書の13年以降の延長も検討する、と表明したからだ。
 産業界からの反対もあり、日本は現状の枠組みでの期間延長を拒み通したが、会議の停滞感を招いたのも事実だ。EU案を含めて幅広く検討する機運をもっと盛り上げるべきだった。
 一方で、最大排出国の中国は自らを「まだ途上国だ」とし、議定書に加わることを拒否し続けている。国内総生産(GDP)が世界2位になろうとする大国のこのあり方は、国際社会の中でもっと正す必要があるだろう。
 米国もオバマ大統領が議定書とは別の枠組みで温暖化対策に取り組む意欲をみせていたが、今年の中間選挙の与党・民主党の敗北で先行きは不透明となった。
 会議では肝心な課題は先送りされたが、京都議定書のほかに新たな国際協定を探る方向性も見えてきた。
 日本は京都議定書を合意に導いた当事国として、この手詰まり感を打破する責務を負っているのではないか。
 会議で松本環境相は、議定書の「精神は守る」とした上で「子どもたちから預かった地球を健全な形で受け継ぐ責務がある」とも強調した。
 その思いを生かすためにも、米中を含め途上国との橋渡し役を期待したい。
「地球列車」を決して脱線させてはならない。

COP16閉幕 米中含む枠組みの構築を
西日本新聞社説
2010年12月14日
 地球温暖化を防ぐには、すべての主要排出国が参加する公平かつ実効性ある一つの枠組みが必要だ。その鍵は二大排出国の米国と中国が握っている。世界の温室効果ガス排出量の41%を占める米中を責任ある形で参加させねばならない。
 これが、京都議定書後の2013年以降の温暖化対策をめぐる交渉では日本の基本的な立場であり、前提条件だ。
 この観点で見れば、メキシコで開かれた国連気候変動枠組み条約の第16回締約国会議(COP16)で採択した「カンクン合意」には、期待と不安がある。
 米中を含む新たな枠組みの構築を目指すとした点は一歩前進だ。最終局面で各国が歩み寄ったことも評価できる。
 だが、その枠組みに法的拘束力を持たせるのかや、日本が強く反対した京都議定書の延長など、重要問題の結論は先送りされた。来年末のCOP17に向けた交渉は次期枠組みの最終決着を目指して正念場を迎えるが、難航は必至だろう。
 今合意では広範な対策の骨格が示された。先進国は削減目標を掲げ、率先して取り組む▽途上国を支援する基金創設や温暖化の被害対策の枠組みをつくる▽そのうえで途上国が削減行動を実施し、全体では20年に総排出量の伸びを抑制することを目指す▽途上国の削減を国際的に検証する制度も設ける-などだ。
 今後の交渉の土台となるが、課題も多い。削減目標は昨年のCOP15のコペンハーゲン合意に基づき、各国が条約事務局に提出した目標を再確認した。
ただ、目標は自主申告のうえ、米中や途上国を含む各国が示した目標を合計しても、温暖化防止には不十分とされている。
 その削減状況をチェックする手段として重要なのが検証制度だ。米国が導入を強く求め、中国などが受け入れたが、ルールづくりは容易ではなかろう。
 一方、京都議定書の延長はひとまず回避された。とはいえ、今合意では13年以降に「空白期間」が生じないよう、早期に結論を出すことを目指すとした。この先、議論の再燃は避けられない。
 京都議定書では、排出量が急増中の中国などは途上国として削減義務がなく、米国は離脱した。削減義務のある日本や欧州連合(EU)など先進国の排出量は世界の27%しかない。米中抜きに議定書を継続しても温暖化は防げない。
 この日本の主張は正しい。だが、中国など途上国は議定書延長を主張し、EUも条件付きで延長を容認する姿勢に転じた。今後の交渉は、京都議定書に基づく先進国の削減義務の強化と、米中を取り込んだ新たな枠組みの2本立て方式を目指す流れが強まるとの見方もある。
 そんな国際交渉の中で日本は重大な選択を迫られる可能性がある。そのとき、日本は実効性ある枠組みづくりの議論をどうリードするのか。米中を取り込む説得力ある戦略の準備が必要だ。同時に、途上国向けに理解を得るための資金や技術支援など具体的な実践も問われる。
   排出量取引の議論、当面凍結へ 政府
2010/12/12 2:00日本経済新聞
 20101212
 
    
 政府は日本国内で取り組む温暖化対策の柱である国内排出量取引制度につい
て、導入に向けた検討を当面の間、凍結する方向で最終調整に入った。COP
16で 2013年以降の国際的な枠組みが固まらなかったうえ、負担増を警戒する
産業界に配慮し、国内外の環境が整うまで議論を棚上げする。 
  各紙社説:COP16 
 20101212
 
    
社説 COP16―飛躍へのステップになる
朝日新聞12月12日付け
 地球温暖化防止策をめぐる国際交渉は相互の不信感が和らぎ、メキシコで息を吹き返した。米国や中国も加わる新たな枠組みづくりに向け、来年の交渉が正念場となる。
 カンクン会議(COP16)は、もともと控えめに「次につなぐ」ことを目指した。それが貴重な成果を生み出したといえる。
 具体的な目標は二つだった。交渉を正常化することと、京都議定書の第1期の温室効果ガスの削減目標が終わる2012年の後に「規制の空白期」をつくらないための仕組みづくりだ。
 議長を務めたエスピノサ・メキシコ外相は、「隠された文書も秘密の交渉もない」と、透明性重視のていねいな運営に徹した。昨年のコペンハーゲン会議(COP15)の教訓を生かした方式である。
COP15では、米国のオバマ大統領ら主要国首脳が達した合意に、一部の国から「非公式の場でつくった」と批判の声が上がり、正式決定直前でつまずいた。今回、成果を生んだ背景には「失敗すれば決定的な痛手になる」という危機感があった。
 「カンクン合意」は極めて幅が広い。長期目標では温度上昇を2度以内に抑えることなどが記され、資金援助の新制度設立や途上国の削減行動の検証法も詳しく決まった。昨年のコペンハーゲン合意に従って各国が事務局に報告している独自の削減目標を重要視する、とされた。
 まさに「コペンハーゲン合意」が、より詳細になって再登場した形だ。この合意は、温暖化交渉を新しい段階に押し出す一歩になるだろう。
 京都議定書については、「空白をつくらないこと」とされた。空白を避けるにはCOP17(南アフリカ)で新しい枠組みを決める必要がある。簡単ではないが、熱い交渉の1年になる。
 米国も中国も、現行の京都議定書の枠組みに参加していないため削減義務がない。両国を含む新たな枠組みの検討を早め、COP17で一定の結論を出さねばならない。
 この枠組みは京都議定書のようなものなのか、全く別のものなのかを決めることも大切だ。
 温暖化対策は「不公平感」との闘いだ。京都議定書では先進国だけが削減目標をもった。その後、米国が勝手に離脱し、中国が世界一の排出国になり、2大排出国が削減義務をもたないことで不公平感が一層強まった。
 だが、解決策は規制を前に進める中でしか生まれない。広範な国々に規制の網をかけ、次第に公平な規制に発展させるやり方がよいのではないか。
 日本も京都議定書での削減義務に不公平感を抱く国だ。枠組みづくりに積極的に貢献する中で、公平さを実現すべきだろう。

社説:COP16 「全参加」へ歩み止めるな
毎日新聞 2010年12月12日 
 予想通り、大きな進展はなかった。メキシコのカンクンで開かれていた「国連気候変動枠組み条約第16回締約国会議(COP16)」がカンクン合意を採択し閉幕した。
 12年で期限が切れる京都議定書以降(ポスト京都)の枠組み作りはできず、COP17以降に持ち越した。最大の焦点だった議定書の延長問題も先送りされた。
 その中で、それなりに進んだのは、昨年、「留意する」という表現にとどまったコペンハーゲン合意の枠組みが格上げされ、国連の正式文書となったことだろう。途上国支援や削減の国際検証も盛り込まれた。
 コペンハーゲン合意には、日本や欧州だけでなく、温室効果ガスの2大排出国である米国と中国、途上国も入っている。米中や途上国に削減義務がない京都議定書と異なり、全世界が削減の責任を果たす枠組み作りにつながる可能性がある。
 ただし、削減の実効性を考えると楽観はできない。京都議定書のような法的拘束力がなく、削減の数値目標は自主申告となっているからだ。
 申告が気候変動を抑えるのに十分な削減かどうかも問われない。実際、コペンハーゲン合意の下で申告された各国の削減量を足し合わせても、気候の安定化には不十分だ。削減の具体的な検証方法にも不透明な部分が残る。
 カンクン合意には、産業革命以降の気温上昇を2度未満に抑える必要性も盛り込まれた。「2度未満」を実現するには自主申告と緩い検証では心もとない。削減を実質的なものにする仕組み作りに、世界が知恵を絞り、歩み寄る必要がある。
 今回、京都議定書の単純延長は避けられたものの、今後の国際交渉がコペンハーゲン合意に一本化されたわけではない。
 議定書の下で削減義務を負う国の排出量が全体の3割に満たないことを思えば、日本が議定書の単純延長に反対するのは正論だ。ただ、正論を主張するだけでは、思惑が入り乱れる国際交渉で、全員参加の実効性ある枠組み作りを進めることはできない。
 国際交渉が停滞しても日本は低炭素社会に向けた歩みを止めてはいけない。国内対策はもちろん、途上国の削減も支援しつつ、多くの国に日本の主張を理解してもらう必要がある。世界が化石燃料への依存から脱却できるよう、国際的な仕組み作りをけん引する気概を見せてほしい。
 日本は新成長戦略に「技術を生かし世界の温室効果ガスを13億トン以上削減する」との目標を盛り込んでいる。今回、京都議定書が単純延長されなかったからといって、胸をなで下ろしている暇はない。

COP16閉幕 「京都」の延長は何とか避けた
(12月12日付・読売社説)
 京都議定書を単純延長するかどうかを焦点に、メキシコで開かれていた気候変動枠組み条約の第16回締約国会議(COP16)が閉幕した。
 延長問題の結論は、来年のCOP17以降に先送りされた。日本にとっては、最悪の事態をひとまず回避した形だ。
 延長反対を主張し続けた日本の姿勢が、今回の決定に少なからず影響を及ぼしたと言えよう。
 京都議定書は、温室効果ガスの排出を削減させる国際ルールだ。2012年には、対象期間の5年間が終了する。
 先進国だけに削減義務を課しているため、最大の排出国である中国は、途上国として削減義務を負っていない。先進国側では米国が離脱した。
 2大排出国が削減の対象外となっている京都議定書をこのまま延長させても、世界の排出量削減に結び付かないことは明らかだ。
 日本が「米中も参加する新たな枠組みを作るべきだ」と訴えたのは、当然のことだった。
 今回、すべての先進国、途上国を対象とする、新たな枠組みの構築を目指すことで合意に至ったのは、一定の前進といえる。
 京都議定書の単純延長を完全に封じ込めるため、日本には、新しいルール作りの議論をリードしていく努力が求められる。
 新たな枠組みの骨格は、先進国にこれまで同様、削減義務を課す一方で、途上国には、自主的な削減を求めるというものだ。
 途上国は、削減の実施状況について、国際的なチェックを受けることになる。
大切なのは、抜け道を許さない精緻な検証体制を整備することだ。
 途上国の削減努力を後押しするためには、先進国からの資金・技術援助も欠かせまい。
 13年以降の枠組み作りは正念場を迎え、今後、各国の削減率などを決める協議が行われる。枠組みの内容は、公平で実効性のあるものにしなければならない。
 削減義務を負うのを拒み続けている中国に対しては、先進各国が協調し、応分の責任を負うよう働きかけを強めていく必要がある。米国が、日本などと同じく削減義務を受け入れるかどうかも、今後の焦点となるだろう。
 日本は、「20年までに1990年比で25%削減」という極めて高い削減目標を掲げている。今後の国際交渉で不利な削減義務を負わされるのを避けるためにも、この目標を、より現実的な数値に見直すことが肝要だ。

社説 米中参加の道残す温暖化合意
日本経済新聞2010/12/12
 地球温暖化対策の国際的な枠組みを話し合う国連の会議がメキシコ・カンクンで開かれ、デンマーク・コペンハーゲンの会議で昨年合意できなかった、いくつかの内容を盛り込んだカンクン合意を採択した。日欧などに温暖化ガスの削減を義務付けた京都議定書の延長については結論を来年に開く会議に先送りした。
 現行の京都議定書の約束が2012年で切れるため、13年以降の新たな目標設定が会議の大きな課題となった。日本は「大排出国である米国と中国が義務を負わない議定書は温暖化抑止の実効性を欠く」と主張し、京都議定書の下で新たな目標を検討することを拒んだ。今回、13年以降の「ポスト京都議定書」の早期策定をめざす決議が採択され、米中の参加に道を残したといえる。
 米中を含む各国はコペンハーゲンでの失敗を繰り返さないよう歩み寄った。合意のなかで、温暖化ガスの削減の実績を客観的に検証する制度の導入をうたっているのは、中国など新興国や発展途上国の排出削減の取り組みを促す狙いがある。
 こうした制度の詳細は今後の協議に持ち越したものの、再び新しい枠組みの構築に挑む土台ともなる。
 この合意を受けて、日本政府は欧州諸国とともに今後、米中が温暖化ガス削減の枠組みに入るよう最大限の外交努力をする必要がある。
 決議では、京都議定書の期限が切れた後に空白期間が生じないよう来年の合意を目指すとした。日本と同様、議定書の延長に反対しているのはロシアとカナダだけで、日本は厳しい対応を迫られる。
 日本が今の姿勢を貫くなら、米中を引き入れる外交努力とともに国内の温暖化対策の実行が求められる。政府は京都議定書の下の義務付けがなくても、温暖化ガスを減らす努力を続けると各国に理解を求めた。
 現実には、国内対策の柱となる地球温暖化対策基本法案は国会論議を深めることなくたなざらしだ。鳩山由紀夫前首相が世界に向け約束した20年25%削減の中期目標には、実行不可能との声が公然とあがる。
 民主党政権は立場の異なる意見をまとめられず、思い切った政策を打ち出せない。国内対策の遅れが日本の国際交渉力を損なう。

主張】COP16 温暖化の防止は全世界で
産経新聞2010.12.12
 京都議定書の単純延長は回避された。メキシコのカンクンで開催され、11日に閉幕した気候変動枠組み条約第16回締約国会議(COP16)の結論である。
 単純延長が決まると、地球環境にとっても日本の経済に対しても、とんでもないことになってしまうところだった。
 交渉で終始正論を貫き、世界の温暖化防止の道を誤らせなかった日本の姿勢を高く評価したい。
 現行の京都議定書で定められた温室効果ガス削減の約束期間は、2012年で終わる。その後の枠組みの構築がCOP16の主要課題であった。
 しかし、その構築は昨年のCOP15でも難航し、前に進んでいない。そのため、今回のCOP16では、京都議定書の約束期間を13年以降まで延ばせばよいではないかという意見が勢いを増した。
 京都議定書の単純延長論である。途上国や中国などの新興国にこの要求が強かった。
 だが、主要排出国の中国と米国に削減義務がない現行制度は実効性が減じている。新興国や途上国の排出が増加した結果、削減義務を負っている日本や欧州連合(EU)など先進国の排出量は、もはや世界全体の27%にすぎない。
 先進国だけで減らしても焼け石に水である。地球温暖化を防ぐためには、中国と米国が加わり、新興国も途上国も参加する枠組みの構築が不可欠なのだ。COP15の「コペンハーゲン合意」でも確認された方針である。
 今回のCOP16では、コペンハーゲン合意に沿った取り組みへの決議が採択されたが、現実の指導力には疑問が残る。
 13年以降の実質的な温暖化対策の枠組み構築は、来年末に南アフリカで開かれるCOP17に持ち越された。対策に「空白期間を生じさせない」という名目で、今後1年間、京都議定書の延長論がより強力に蒸し返されるであろう。
 現行制度で削減義務を負わない新興国や途上国にとって単純延長は都合がよい。排出を増やしつつ経済発展を加速できる。しかし、それは誤った道である。
 日本は環境先進国として、粘り強く各国を説得していかなければならない。単純延長論に屈すると世界全体による取り組みは、大きく遠のいてしまう。国益と地球益の双方を熟慮した上での国際交渉の積み上げが重要だ。 
  COP16時期枠組みに向けての決議採択 
20101211
 
    
途上国にも削減促す=ポスト京都は先送り-COP16閉幕
時事通信
 【カンクン(メキシコ)時事】国連気候変動枠組み条約第16回締約国会議(COP16)は最終日の10日夜(日本時間11日午前)から11日未明(同午後)にかけて全体会合を開き、2012年末で期限が切れる京都議定書後の温暖化対策の枠組み(ポスト京都)について「できるだけ早い作業完了を目指す」とした議長案(カンクン合意)を採択した。ポスト京都の合意を事実上、南アフリカ共和国で来年開かれるCOP17に先送りした形だ。
 ただ、カンクン合意には、途上国による温室効果ガス排出削減を促す新たな検証制度や支援基金の創設が盛り込まれるなど、進展もみられた。
 最大の焦点だったポスト京都をめぐっては、新興国・途上国が、排出削減義務を先進国にだけ課す京都議定書の延長を主張。これに対して日本政府は、主要排出国である中国や米国が削減義務を負わない現在の議定書の単純延長に当初から強い反対姿勢を表明。先進国と新興国・途上国との対立は最後まで解けず、条件付きで延長を容認する欧州連合(EU)の思惑も絡み、最終的に主要議題での合意を先送りすることで決着した。日本政府は議定書の単純延長を回避したことで「納得できる内容」(日本外交筋)と一定の評価をしている。
(2010/12/11)

温暖化会議、次期枠組み決議採択 途上国支援の基金設置
2010/12/11   【共同通信】
 【カンクン(メキシコ)共同】2013年以降の地球温暖化対策をめぐるメキシコでの気候変動枠組み条約第16回締約国会議(COP16)は11日の全体会合で、発展途上国の対策を支援する「グリーン気候基金」の設立や、先進国が求めていた新興国を含む温室効果ガス削減の検証の仕組みを盛り込んだ次期枠組みに関する決議を採択した。
 京都議定書に定めのない13年以降の枠組み交渉は、昨年のコペンハーゲン会議の失敗から停滞。決議はこうした状況から踏み出す一歩で、南アフリカで来年開かれる第17回締約国会議(COP17)以降向け新たなステップになりそうだ。
 日本が強硬に反対した、議定書に基づく削減義務の継続や、米国や中国を含む主要排出国の削減目標など主要な対立点は先送りになった。

ポスト京都へ決議案採択 米中にも削減要求 COP16
2010年12月11日 朝日新聞
【カンクン(メキシコ)=須藤大輔】地球温暖化対策を議論する国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP16)は11日未明(日本時間11日夜)、2013年以降の対策の骨格を示した決議案を採択した。京都議定書で削減義務を負っていない米国や中国などの新興国にも一定の削減を初めて求め、ポスト京都議定書の新しい国際体制が動き出す。

ポスト京都議定書の骨格示す COP16決議案
2010年12月11日 朝日新聞
【カンクン(メキシコ)=山口智久、須藤大輔】2013年以降の地球温暖化対策(ポスト京都議定書)を議論する国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP16)で最終日の10日夕(日本時間11日午前)、議長国メキシコが、会議で採択を目指す決議案を示した。温暖化被害を受けやすい途上国への資金支援や、被害軽減のための新機構の設立など、13年以降の対策の骨格が示された。決議されれば、ポスト京都の新たな国際体制づくりが動き出すことになる。
 12年に「期限切れ」となる京都議定書の延長については、来年に南アフリカで開かれるCOP17で決着を目指す。
 決議案に盛り込まれた対策は昨年末のCOP15で主要国首脳がまとめた「コペンハーゲン合意」に基づいている。合意には約140カ国が支持を表明しているが、一部途上国の反対で採択に至らず、宙に浮いていた。今回決議案が採択されれば、対策づくりが実質的に動き出す。対策を新たな議定書など法的拘束力がある形にするかは明示しておらず、この点については議論を続ける。
 決議案は、コペンハーゲン合意に沿って米国や中国を含む85カ国が示した20年までの温室効果ガス排出量削減の目標・計画を、各国が「留意」するとしている。京都議定書のように義務が課されるわけではないが、国際社会に宣言することで、誠実な実行が求められる。
 約40の先進国・地域に削減義務を課す京都議定書をめぐっては、13年以降の温暖化対策に「空白」が生じることを懸念する途上国が延長を要求、日本が強く反対していた。決議案は、削減策に空白が生まれない形で結論を出すと明示。
議定書の改正手続きや各国の批准手続きに必要な時間を考慮すると、来年末のCOP17で結論を出す必要がある。
 議長国メキシコは、9日夜から各国の閣僚らと断続的に協議を続け、意見調整した。対立が続いていた削減策をめぐり、中国やインドなどの新興国が削減の検証制度を設けることを受け入れ、決議案がまとまった。ただ詳細な制度設計や法的な位置づけについては先送りされ、先進国との対立は決議後も続きそうだ。
 決議案によると、先進国は削減目標を掲げ、排出量を毎年報告。途上国は、経済発展で排出量が増える余地を認められながらも、抑制に向けた計画をつくる。
2年に1回、国際的な検証を受けるが、抑制策が妥当かどうかは評価せず、罰則は設けない。
 洪水や干ばつなど温暖化による被害を受けやすい途上国への支援を強化するため、新たな機構を創設。資金支援のために基金も設ける。
 決議案は、10日夜から11日未明にかけて全体会合で議論される。

COP16:新合意案採択し閉幕へ 途上国支援基金盛る
毎日新聞 2010年12月11日 東京夕刊
 【カンクン(メキシコ)足立旬子、國枝すみれ】京都議定書に定めのない13年以降の地球温暖化対策を話し合う国連気候変動枠組み条約第16回締約国会議(COP16)は最終日の10日、議長国メキシコが、気候変動がもたらす災害対策などで途上国を支援する「グリーン気候基金」の設立などを盛り込んだカンクン合意案を各国に提示した。先進国と途上国の対立を反映し、注目された温室効果ガス排出削減の新たな枠組みは先送りしている。今後、各国が協議し採択する見通しだ。
 案では、09年12月のCOP15の「コペンハーゲン合意」を踏まえ、途上国と先進国が自主的に提出した排出削減目標や削減計画に留意するとした。ただし、これらの目標や対策を将来的に法的拘束力のある枠組みにするかは明記していない。
 また、京都議定書延長について、批准国は引き続き、どの国も削減義務のない「空白期間」が生じないよう早く結論を出すとしたが、合意の時期は明記しなかった。

米中含む枠組み提示…COP16で議長案
(2010年12月11日  読売新聞)
 【カンクン(メキシコ)=河野博子、吉永亜希子】国連気候変動枠組み条約第16回締約国会議(COP16)は閉幕日の10日夕(日本時間11日午前)、議長を務めるメキシコのエスピノサ外相が、米中を含む温室効果ガスの主要排出国を対象とする包括的枠組みを議長案で示した。
 この枠組みでは、中国などの途上国は自主的な削減を行い、温室効果ガスの測定・報告・検証や国際的なチェックを通じて実質的な削減を実現させる。一方、日本などの先進国には義務的な削減を課すとしたが、焦点のひとつだった京都議定書の延長については、結論を来年のCOP17以降に先送りした。 締約国は議長案を受けて全体会合を開き、締約国会議決定としての採択を目指す。議長案では、この包括的枠組みの法的性格については明らかにせず、今後の検討課題としている。
 議長案では、途上国は、2020年までに全く温室効果ガスの削減対策を取らない場合と比較して、排出ガスの量を減らすことを求められている。さらに2年に1度、ガスの総排出量や経年変化などのデータを条約事務局に報告。これに削減政策の実施状況などを加えた「国別報告書」も4年に1度、提出する。 また、途上国が先進国の支援を受けて削減を行った場合、ガイドラインに基づいてチェックを受ける。
 一方、先進国の義務的削減割合について、議長案では、昨年のCOP15でまとまったコペンハーゲン合意に基づき各国が条約事務局に提出した削減目標を参考に今後検討していく、とした。京都議定書の第1約束期間が12年に終了するため、13年以降の第2約束期間との間に空白期間が生じないよう早急に結論を出すことを目指すとしたが、合意時期は明記しなかった。
 COP16の交渉を通じて、日本は「米中が参加する新たな枠組みを作るべきだ」として、京都議定書が単独で延長されることには強硬に反対している。

COP16、温暖化対策の枠組み棚上げ 11年に持ち越し
ポスト京都巡り、先進国と新興国との対立激化
日本経済新聞2010/12/11
 【カンクン(メキシコ)=辻征弥】2013年以降の温暖化対策の国際的な枠組みの決着が先送りされることになった。第16回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP16)は10日、「ポスト京都議定書」の原案を作成したが、対立点の多い削減目標など主要課題には踏み込まなかった。「空白期間」を生じさせないために浮上した京都議定書の延長問題も日本などの反対が強く、協議を継続するとの内容にとどまった。
 「ポスト京都」を巡って主に先進国と新興・途上国との対立が激しく、溝が埋まらなかった。次期枠組みの決着は11年末に南アフリカで開催される第17回締約国会議(COP17)に持ち越される。
 COP16は2週間の会期を終え、最終日となる10日、ポスト京都の原案作成作業を進めた。採択に向けて詰めの作業が残っており、閉幕は11日にずれ込む見通し。
 原案には、途上国支援のための新たな基金として「グリーン気候ファンド」の創設や、温暖化で生じる被害対策に関する枠組みを盛り込んだ。

途上国支援で枠組み COP16、議長が草案
2010年12月11日 東京新聞
 【カンクン(メキシコ東部)=嶋田昭浩】京都議定書に定めのない二〇一三年以降の地球温暖化対策を話し合うためカンクンで開会中の国連気候変動枠組み条約の第十六回締約国会議(COP16)は最終日の十日夜(日本時間十一日午前)、議長国メキシコのエスピノサ外相が、発展途上国が海面上昇や異常気象など温暖化の影響に対応するのを助ける「カンクン適応フレームワーク(枠組み)」の発足などを盛り込んだ最終合意文書の草案を各国に提示した。
 草案は、途上国の取り組みを支援する「グリーン気候基金」の設立でも一致したとし、途上国の対策の検証措置にも触れた。
 一三年以降の温室効果ガス削減目標などの決定は、来年の南アフリカでのCOP17以降に先送りされたが、先進国全体で二〇年までに一九九〇年比で25~40%の大幅削減を掲げたうえ、途上国全体では二〇年に排出総量の伸びを抑制するよう求めた。
 今回の会議では、日本が冒頭、先進国だけに温室効果ガス削減を義務づけた京都議定書を延長すると、米国、中国や、途上国が義務を負わない不公平な枠組みが「固定化」されるとして、「いかなる条件でも京都議定書の延長は認められない」と表明。延長を求める途上国などが反発し、日本が会議の進行を妨げたと批判された。
 草案は議定書の新たな削減目標の義務づけには踏み込まなかったが、環境省幹部は「議定書延長に触れた部分があり、日本が拒否できるという点を注に明記した」と強調。全体については「先進国も途上国も対策を取るとしており、合意できればかなりの成功だと思う」と話している。

議定書継続か否かは先送り
NHK12月11日
温暖化対策を話し合う国連の会議、COP16は、途上国を支援する基金の設立などを盛り込んだ合意文書を採択し、閉幕します。先進国だけに温室効果ガスの削減を義務づけた京都議定書を継続するかどうかは来年の会合まで結論が持ち越され、温暖化対策の新しい国際ルール作りは大きな課題を抱えたまま交渉が続くことになります。
メキシコで開かれているCOP16は、11日、議長国のメキシコが示した合意案を公式会合で採択しました。この中では、先進国が途上国の温暖化対策を支援する「緑の気候基金」や、温暖化の影響を受けやすい国々の対策を強化する枠組みを設けることを決めたほか、途上国も温室効果ガスの削減に取り組むことなどが盛り込まれています。しかし、この合意文書に法的拘束力があるかどうかは明示されていません。一方、最大の焦点だった京都議定書を期限切れとなる2013年以降も継続するかどうかについては、「先進国の削減義務が存在しない空白期間ができないようにするため、議論をできる限り早く終わらせる」としながら、事実上、結論を来年の会合まで持ち越す内容になっています。COP16は、まもなく閉幕しますが、京都議定書を巡る対立が先鋭化するなか、温暖化対策の新しい国際ルール作りは、大きな課題を抱えたまま交渉が続くことになります。 
  COP16:閉幕へ ポスト京都の決着は先送りの見通し
毎日新聞 2010年12月10日 
20101210
 
   
 【カンクン(メキシコ)國枝すみれ、足立旬子】国連気候変動枠組み条約第16回締約国会議(COP16)は9日、各国の閣僚が京都議定書に定めのない13年以降の地球温暖化対策の枠組みについて協議した。しかし、各国の主張には隔たりが大きく、最終日の10日に「ポスト京都の決着は来年に目指す」などとしたカンクン合意案を採択する方向で最終調整が進んでいる。
 合意案の骨格は、島しょ国が欧州連合(EU)などの支持を得て作成し、議長国メキシコに提出された。
 それによると、来年12月、南アフリカで開催予定のCOP17までに「バランスのとれた包括的で法的拘束力のある枠組みを設置する必要性」を強調している。議定書延長に反対する日本に配慮し、13年以降の第2約束期間設置には触れず、作業部会で議論を継続するとしている。
 しかし、法的拘束力のある枠組みを設けることに、途上国が反対しているため、採択までには紆余(うよ)曲折が予想される。
 COP16で最大の焦点だった13年以降の枠組みづくりが先送りされる公算が大きくなり、出席者の間で、どの国も温室効果ガスの削減義務のない「空白期間」が生じるとの懸念も出ている。

COP16で草案 調整難航
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2月10日 NHK
 温暖化対策を話し合う国連の会議「COP16」で、議長国メキシコが呼びかけた非公式な会合で議長案のたたき台とする草案が示されたことが分かり、その内容が先進国だけに温室効果ガスの削減を義務づけた京都議定書の継続を示唆するものだとして日本などが強く反発し、調整は難航しています。
 メキシコで開かれているCOP16は、温室効果ガスの削減を先進国だけに義務づけた京都議定書を巡り、議定書の期限が切れる2013年以降も継続するよう求める途上国と、これに反対する日本などの先進国の対立が激しくなっています。こうしたなか、議長国メキシコが事態の打開に向け、50か国余りによる非公式な会合を設けて調整を進めています。この中で、京都議定書に関してイギリスとブラジルが作成した議長案のたたき台とする草案が各国に示されていたことが分かりました。それによりますと「各国は2013年以降、先進国の削減義務が存在しない空白期間が出来ないようにすることの緊急性を認識する」としたうえで「各国はこれまでに提出した削減目標を実行することに留意する」としています。これに対し、日本とロシアが議定書の継続を示唆する内容だとして強く反発し、議長案の取りまとめに向けた調整は難航しています。
  COP16:京都議定書延長「反対」 松本環境相が演説 
20101210
 
   
共同の記事は、見出しはともかく、最後の段落で「次の約束期間設定には賛同できない」という環境相の発言を伝えています。

「議定書延長」改めて拒否=松本環境相が演説-COP16
時事通信
 【カンクン(メキシコ)時事】松本龍環境相は9日(日本時間10日)、当地で開催中の国連気候変動枠組み条約第16回締約国会議(COP16)の閣僚級会合で演説し、途上国が延長を求めている京都議定書について「(米中などの不参加で)世界全体の二酸化炭素(CO2)排出量の約27%しかカバーされておらず、気候変動の悪影響の恐れに対応できるだろうか」として、延長拒否の立場を改めて強調した。
 交渉が停滞するCOP16では、京都議定書の是非が主要な争点となっているが、延長に反対する国は日本やカナダなど少数で、松本環境相の演説後、会場の一部からブーイングが起こった。
 松本環境相は議定書を延長すれば、主要排出国が削減義務を負わない現状が固定化し、「真に実効性ある法的枠組み構築への機運がそがれる」ことに懸念を表明。新たな枠組みはCO2排出量の8割以上を占める国をカバーするコペンハーゲン合意が基になるべきだと訴えた。(2010/12/10)

松本環境相、温暖化会議で演説 「全世界による枠組みを」
2010/12/10    【共同通信】
 【カンクン(メキシコ)共同】京都議定書に定めのない2013年以降の地球温暖化対策をめぐる気候変動枠組み条約第16回締約国会議(COP16)は9日、閣僚級会合で松本龍環境相が演説し「全世界が加わった実効ある新たな枠組みが不可欠だ」と述べ、米国や中国を含む国際協定の必要性をあらためて強調、日本はその中で削減義務を負うとした。
 会議は、議長を務めるメキシコのエスピノサ外相による非公式協議が同日までに始まり、妥協点を探る動きが活発化。だが発展途上国が日本に反発するなど対立が続き、先行きは依然不透明だ。
 松本氏は、京都議定書の「スピリットは守る」としながらも「次の約束期間設定には賛同できない」と述べ、新たな削減目標は受け入れられないとの日本の立場を説明した。

京都議定書延長、結論先送り促す COP16で環境相
朝日新聞
 【カンクン(メキシコ)=須藤大輔】地球温暖化対策を話し合う国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP16)の閣僚級会合で松本龍環境相が9日(日本時間10日未明)演説し、2012年で「期限切れ」となる京都議定書の延長に改めて反対を表明するとともに「これからも議論は続くと理解する」と述べ、締約国に結論の先送りを促した。
 先進国と途上国の対立で、温暖化を防ぐ新たな国際体制づくりの先行きが見えないなか、このままでは13年からの温暖化対策に「空白」が生まれかねないとして、途上国から京都議定書の延長を求める声が強まっている。
 松本環境相は、議定書延長について「我が国は京都スピリット(精神)を守り続ける」としながら、削減義務を負う国が限られている現状に「真に実効性のある法的枠組み構築への機運がそがれる」と懸念を表明。COP16の成果については「先進国と途上国が透明性のある形で排出削減を進め、先進国による途上国支援をいっそう充実させるパッケージ(包括的な合意)が必要だ」とするにとどまった。
 演説が終わると、傍聴席の一部から、拍手とブーイングがそれぞれ起こった。

COP16:京都議定書延長、改めて反対 松本環境相演説
毎日新聞 2010年12月10日 
 【カンクン(メキシコ)足立旬子】国連気候変動枠組み条約第16回締約国会議(COP16)は9日、閣僚級会合で松本龍環境相が演説した。「(京都議定書に定めのない13年以降の)第2約束期間の設定には賛同できない」と改めて京都議定書延長に反対の姿勢を示した。閉幕が10日に迫り、各国から「日本の強硬な姿勢が合意を遠ざける」との批判が強まっているが、日本は「議定書に代わる新たな枠組みを構築しない限り、地球温暖化防止にならない」と従来の主張を貫いた。
 議定書に基づいて削減義務を課されている国の二酸化炭素排出量は世界全体の27%にとどまる。松本環境相はこの点に触れた上で、「(現状の枠組みのまま)第2約束期間を設定すれば、すべての主要排出国を含む実効性ある法的枠組み構築への機運がそがれる」と主張。強まる日本への風当たりを考慮し、「第1約束期間(08~12年)の6%削減を誠実に履行し、13年以降も率先して一層の削減努力を行う。(日本の数値目標はなくても)京都議定書は存続する。その役割についてカンクン後も議論が続く」と理解を求めた。
 演説を聴いたコンゴの政府代表は「京都議定書だけでは温暖化防止が不十分なのは分かる。だが、なぜ第2約束期間に参加できないのかが分からない」と話した。
 議定書延長をめぐっては途上国が強く要望し、欧州連合(EU)も条件付きで延長を容認している。しかし、日本との対立解消や新たな枠組みづくりへの道筋が見いだせず、各国の閣僚らが調整を続けている。

COP16:京都議定書延長「反対」 松本環境相が演説
毎日新聞 2010年12月10日 東京夕刊
 【カンクン(メキシコ)足立旬子】国連気候変動枠組み条約第16回締約国会議(COP16)は9日、閣僚級会合で松本龍環境相が演説した。「(京都議定書に定めのない13年以降の)第2約束期間の設定には賛同できない」と改めて京都議定書延長に反対の姿勢を示した。閉幕が10日に迫り、各国から「日本の強硬な姿勢が合意を遠ざける」との批判が強まっているが、日本は「議定書に代わる新たな枠組みを構築しない限り、地球温暖化防止にならない」と従来の主張を貫いた。
 議定書に基づいて削減義務を課されている国の二酸化炭素排出量は世界全体の27%にとどまる。松本環境相はこの点に触れた上で、「(現状の枠組みのまま)第2約束期間を設定すれば、すべての主要排出国を含む実効性ある法的枠組み構築への機運がそがれる」と主張した。

京都議定書延長、新たな枠組み機運そぐ」 松本環境相がCOP16で演説
サンケイビズ2010.12.10
 【カンクン(メキシコ)=滝川麻衣子】国連気候変動枠組み条約第16回締約国会議(COP16)は9日(日本時間10日)京都議定書延長をめぐる対立構造に収拾がつかない中、閣僚が地球温暖化対策への各国の主張を演説した。松本龍環境相は「京都議定書は世界全体の排出量の27%しかカバーしておらず、気候変動の悪影響に対応できるのか」と疑問を呈し、延長により固定化されれば「すべての主要国を含む実効性ある法的枠組み構築への機運がそがれる」と訴えた。
 その上で、世界排出量の8割以上を占める国が参加するコペンハーゲン合意に基づいた、新たな枠組みの構築の必要性を強調した。
 京都議定書延長を拒否し続ける日本へは「COP16の障壁になっている」などと、途上国などから批判が集まっている。地球温暖化対策を話し合う会議の“悪役”にされかねない状況に対し、松本環境相は温室効果ガス削減に取り組む途上国への官民150億ドルの資金援助や、82カ国でのプロジェクトなど日本の取組をアピールした。
 残すところ2日となったCOP16で各国間の溝は依然深く、議長国メキシコは妥協点を探るため分科会を設定したり個別に折衝を進め、議論の集約に躍起になっている。
 8日に議長の呼びかけで立ち上げた分科会のテーマは、焦点の京都議定書延長や、先進国から途上国への資金支援。京都議定書に関係する分科会には日本のほか中国や米国、豪州などが参加している。
 議長委任で妥協点を探る調整役の国は、日本を含む議定書延長の反対国に対し2012年以降に新たな法的枠組みと京都議定書の延長の二つを走らせる案を提示。日本は「京都議定書を固定化させる」として拒否した。まとまる気配のない事態に「結論が出ないのでは」(交渉筋)との懸念すら生まれている。
 
  報道  環境税の効果が小さいとの試算 
20101209
 
  
火力発電所や工場の削減余地や効果をどう見込むかで違うとみられます。

環境税:導入しても温室ガス1%減…90年比、国環研試算
毎日新聞 2010年12月9日 
 政府が来年度予定している地球温暖化対策税(環境税)の導入による温室効果ガスの削減効果は、2020年に90年比でわずか1%と見込まれることが、国立環境研究所(国環研)の試算で分かった。政府内では税収の一部を一般財源にして使途を自由にすることも検討されているが、その場合は削減効果がさらに小さくなる見通しだ。
 国環研が環境省の依頼で試算し、中央環境審議会の専門委員会に報告した。全ての化石燃料に二酸化炭素(CO2)1トンあたり約273円の税を課すのが試算の前提条件。税収総額は約2400億円で、経済産業省が8日の政府税調全体会合で提示した、輸入原油や天然ガスなどにかかる石油石炭税を現行の1.5倍に増税する案とほぼ同じものだ。
 石油石炭税は本来、化石燃料のCO2排出量に応じた課税で値上げし、使用を抑制するのが目的だ。今回の案ではガソリン価格の上昇が1リットル当たり約0.7円で使用抑制にはつながらず、税収をハイブリッド自動車の導入やビル・住宅の省エネ、断熱化などの温暖化対策に充てることができる。しかし、温室効果ガスの削減効果としては1%にとどまるとみられる。
 国環研の試算では、ほかに温暖化対策の柱と位置づけられる排出量取引制度などを合わせても、削減効果は20年に90年比で7~8%にとどまり、政府が目指す「国内で少なくとも15%以上」の削減には及ばない。
 国環研の増井利彦・社会環境システム研究領域統合評価研究室長は「技術的には15%以上の削減は可能だ。そのためには環境税などのほか、例えば建物の断熱基準の強化や家電の省エネ基準の引き上げなど新たな対策が必要だ」と指摘する。【江口一】 
  来年度導入の温暖化対策税 「早期実現と税率アップを」
2010年12月6日中日新聞 
20101209
 
 
 来年度からの地球温暖化対策税(仮称)導入をめぐって、政府や民主党の検討作業が大詰めを迎えている。温暖化の原因となる二酸化炭素(CO2)の排出を抑えるのが趣旨。環境問題に取り組む非政府組織(NGO)九団体は、「検討中の案では効果が不十分」として、改善を求める要望書を政府に提出した。 (白井康彦)
 九団体は、「環境・持続社会」研究センター(JACSES)、気候ネットワーク、環境エネルギー政策研究所(ISEP)、WWF(世界自然保護基金)ジャパンなど。現在の政府や民主党内の議論の動向に、「大きな危惧を抱いている」とする要望書を十一月中旬に発送した。
 燃やすとCO2を発生する石油や石炭など化石燃料に課税し、CO2発生量を抑えるのが温暖化対策税。炭素税、環境税とも呼ばれ、環境省が一九九〇年代から検討してきた。産業界の反対が強く、これまで導入の機運が盛り上がらなかったことから、九団体は第一に「早期導入」を求めている。
 導入に前向きだった野党時代の民主党は二〇〇四年、参院選のマニフェストで同税の創設をはっきり掲げた。昨年、政権を奪取した後、一〇年度の税制改正作業で同税創設を検討したものの、結局、先送り。こうした経緯を踏まえ、NGOメンバーらは「今回も本当に創設されるのか分からない」とこぼす。
 NGOが次に要望するのは、「十分な効果のある税率」。民主党案では、主に化石燃料の輸入段階でかかる現行の石油石炭税に上乗せする仕組みを採用。単位燃料ごとのCO2排出量に応じて追加的に課税する。石油石炭税の一〇年度の税収見通し四千八百億円で試算すると、温暖化対策税として二千四百億円の税収がプラスされると見込まれる=図(上)。
 ただ、この試算で、ガソリンの増税分がそのまま価格に転嫁されたとしても、一リットル当たりの値上げ幅は約〇・八円にすぎない。民主党は、この程度の増税でも産業界などの負担は重いと考え、政府には、段階的に税率を引き上げる経過措置を要望している。その一方で、新税によるガソリンや軽油の価格上昇については、「(ガソリン税などの)税率の引き下げや還付などで避けるべきだ」とも求めている。
 一方、NGO側は、この程度の規模の新税では、化石燃料の消費量を抑える効果は小さいと断じる。気候ネットワークがガソリン一リットル当たりの新たな課税額として提案するのは約七円。民主党案の〇・八円との開きはあまりにも大きい。
 九団体の要望の第三は「自動車燃料税の現行水準の維持」。自動車燃料税のうち、ガソリン税は現在、本来の税率である一リットル当たり二八・七円に、旧暫定税率の同二五・一円を加えた合計分。
軽油引取税も、本来の税率の同十五円に、旧暫定税率の同一七・一円を合わせた額だ=同(下)。「旧暫定税率分の引き下げでガソリンや軽油が値下がりすれば、化石燃料の消費が増えてしまう」。NGO側は、CO2排出量が伸びないよう、これらの旧暫定税率を維持すべきだと主張している。
 一方、民主党は、昨年の衆院選マニフェストで「暫定税率廃止」を掲げながら、国の厳しい財政事情を背景に、一〇年度税制改正で暫定税率を実質的に継続。一一年度も維持する方向を示しているものの、党内では、マニフェスト違反との批判から旧暫定税率分の廃止や引き下げを求める声が強い。NGO側はこうした空気を警戒。
神経をとがらせている。
 九団体は、温暖化対策税の税収を一般財源とし、低所得者や、寒冷地、公共交通機関が不備な地域への配慮に役立てるようにと提言。要望の取りまとめをしたJACSES事務局長の足立治郎さんは「税収の使い方を精査する仕組みが示されないままでは、納税者に納得してもらいにくい」と指摘している。
 温暖化対策税はどうなるか。今月中に、政府税制調査会で結論が出る見通しだ。 
  日本に2度目の「化石賞」、COP16
TBS(9日) 
20101209
 
 
 世界500の環境団体からなるNGOが、日本に対し温暖化防止に「後ろ向きな国」として、「化石賞」を授与すると発表しました。
 化石賞はNGOが毎日、その日交渉に消極的だった国に送っているもので、日本は会議2日目に京都議定書への反対論をぶってすでに一度受賞しています。
 2度目となった今回の授賞理由は「1週間経っても前向きにならず、指導力を発揮できていない」というもので、京都議定書延長に反対する日本への風当たりの強さをうかがわせます。 
  報道  国際合意に消極的な発言 
 20101208
 
アメリカの元高官の発言ですが、アメリカが言っても説得力がないですね。。。
温暖化抑制の国際的枠組み合意「非現実的」、国連は断念を-米元高官
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90920012&sid=akk6BEnmz9oM
12月8日(ブルームバーグ):温暖化抑制に向け各国が包括的な法的拘束力のある枠組みの合意に達するのは不可能であり、国連はその可能性を断念し一連の方策による温暖化ガス削減に重点を置くべきであるとの見方を、米国務省の元高官2人が示した。
 1990年代に国連の気候変動関連交渉を担当したティム・ワース氏とアイリーン・クラウセン氏は、向こう数年間は米国で温暖化ガス排出を抑制する法律が制定されることはなく、米国が行動しなければ他国も従わないとの見通しを示した。
 ワース氏は「包括的な枠組みの合意についての交渉を少なくとも向こう15-20年間続けるのは全く非現実的だ」と指摘した。同氏は1997年に京都議定書が採択された会議で米国の交渉責任者を務めた。
 両氏はメキシコのカンクンで開催中の国連気候変動枠組み条約第16回締約国会議(COP16)でインタビューに応じた。温暖化抑制の取り組みに関与した米当局者の見解としてはこれまでで最も懐疑的と言えそうだ。
 温暖化抑制に向けた世界的な枠組み合意への反対派は、温暖化対策法案が米上院で可決されることはないとみているが、当局者はこれまでこの取り組みを支持する姿勢を取り続けていた。
 現在は気候変動に関するピューセンターのプレジデントを務めるクラウセン氏はインタビューで「魔法のような合意が達成できるという考え方は捨てなければならない」と指摘。「しばらくは合意に至ることはないだろう。意見交換を始め現実を理解する必要がある」と述べた。
  各国代表が意見表明=欧州委員、議定書延長容認-COP16
時事通信 
20101209
 
 
 【カンクン(メキシコ)時事】国連気候変動枠組み条約第16回締約国会議(COP16)で8日(日本時間9日)、京都議定書の延長をめぐり各国の代表が相次ぎ意見表明した。欧州連合(EU)欧州委員会のヘデゴー委員(気候変動担当)は記者会見で、米国、中国など温室効果ガスの主要排出国が何らかの形で温暖化対策の枠組みに加われば、議定書延長に応じる考えを改めて示した。
 ヘデゴー委員は、先進国のみに排出削減を義務付けた京都議定書締約国だけでは、世界の排出量の約30%しかカバーしないことを指摘した上で「他の先進国が加わらなければ、排出削減量がさらに落ち込んでしまう。議定書は死にかけている」と訴えた。
 また、この日の閣僚級会合の演説では中国の解振華・国家発展改革委員会副主任(閣僚級)が「われわれは特に議定書延長を成果として目指すべきだ」と強調。その上で先進国にさらに削減努力を求めた。南太平洋の島国ツバルのソポアンガ副首相は、議定書の継続を模索すべきだとしながらも「議定書に入っていない国も含む新たな法的拘束力のある国際協定を求める」と述べた。
(2010/12/09) 
  エネ多消費業界団体等 反対声明
20101209
 
業界団体の意見は以下にあります。
http://www.jisf.or.jp/docs/101209kinkyuteigen.pdf
「会議の決裂を恐れるべきではない」などというと、決裂で自国の義務がなくなるのを期待していると思われてしまいますね。

京都議定書延長、断固反対を=政府に方針貫徹を要求-産業界9団体
時事通信
 日本鉄鋼連盟や電気事業連合会など産業界9団体は9日、国連気候変動枠組み条約第16回締約国会議(COP16)で大詰めの協議を行っている2013年以降の温暖化対策の枠組みについて、共同の緊急提言を発表した。12年で期限が切れる京都議定書の延長論が強まっていることに対し、米国、中国の温室効果ガスの2大排出国や開発途上国が参加していない同議定書の実情を踏まえ、「政府は断固、延長を受け入れるべきでない」と強く訴えた。
 関係団体は同日夕、都内で記者会見し、COP16で同議定書の延長に反対した日本政府の姿勢を支持。その上で、鉄鋼連盟を代表する進藤孝生新日本製鉄副社長は「会議の決裂を恐れるべきではない」と政府に方針の貫徹を求めた。
(2010/12/09)

産業9団体、京都議定書延長の反対を再度表明
2010/12/9 日本経済新聞
 鉄鋼、化学、製紙など産業界の主要な9つの業界団体は9日、京都議定書の2013年以降の延長への反対を再度表明した。日本など一部の国だけに温暖化ガスの排出量抑制を義務付けている京都議定書の延長は国際競争力の低下につながるとして、「政府に延長反対を貫徹してもらいたい」(日本鉄鋼連盟)との要望を強めている。
 13年以降の新たな温暖化ガスの発生抑制の枠組み作りを話し合う国連気候変動枠組み条約第16回締約国会議(COP16)は、開催国メキシコの現地時間10日に閉幕する見通し。中国などは京都議定書の延長を条件に一定の譲歩を示しているが、「法的責任が異なるのは公平でない」(同)として、政府に妥協しないように呼びかけた。また、「義務は無くても環境面の国際貢献は続ける」(電子情報技術産業協会)とし、会議の成否にかかわらず企業単位での環境対策は続ける姿勢を強調した。 
  COP16閣僚級会合始まる 京都議定書継続巡り協議難航
20101209
 
今回は紋切り型の「先進国と途上国の対立」ではなく、「日本の孤立」という表現が日本の報道にも出るようになりました。最初の記事には「日本と立場が同じなのはカナダとロシアだけだ。」と書かれています。

COP16:閣僚級会合開幕 「ポスト京都」決着、来年以降 通じぬ日本の道理<分析>
毎日新聞 2010年12月9日 東京朝刊
 【カンクン(メキシコ)足立旬子、國枝すみれ】国連気候変動枠組み条約第16回締約国会議(COP16)は7日(日本時間8日)、閣僚級会合が開幕し、京都議定書に定めのない13年以降の枠組みをめぐる論議は山場を迎えた。しかし、地球温暖化を招いた責任論など従来の主張が繰り返され、「決着は来年以降」というのが交渉担当者の共通認識になっている。議定書で温室効果ガスの削減義務を負っている国の排出量は世界の27%にとどまる。日本は議定書の見直しを訴えるが、支持は広がらず厳しい対応を迫られている。
 「立場が違う相手に妥協を求めるより、まず自らが歩み寄ってほしい」。フィゲレス条約事務局長は閣僚級会合で各国に呼びかけた。この発言が象徴するように交渉は難航している。きっかけを作ったのが日本だ。
 11月29日のCOP16初日、日本は「いかなる条件でも(13年以降の)第2約束期間での削減目標を記入しない」と演説、議定書の延長不支持を鮮明にすると、会場は約30秒間、静まりかえった。
 97年に採択された京都議定書は日米欧などの先進国に温室効果ガスの排出削減を義務づけた。しかし、米国は経済的影響を理由に離脱、世界最大の排出国の中国も途上国扱いで削減義務はない。
 日本は「現状の枠組みでは産業の国際競争に影響が出る上、温暖化防止の実効性も乏しい」と説明、途上国支援の実績をもとに支持拡大を図るが、「開幕早々、水を差した」(タイ)、「柔軟性を持つべきだ」(パキスタン)など反応は冷ややか。日本と立場が同じなのはカナダとロシアだけだ。
 ◇目立つ米中の接近
 交渉では、皮肉にも削減義務を負っていない米国と中国の存在が目立つ。
 例えば、中国はインドと歩調を合わせ、先進国が議定書延長や早期の資金供与などの3条件をのめば、削減対策の国際検証を受け入れると表明。検証は着 に対策を実施するために重要で、米国が強く求める。「内政干渉」と抵抗する国は多いが、中国は条件闘争に入って主導権を握り、米国と水面下交渉を進める。
 中国外務省高官の劉振民氏は「米国との友人関係を楽しんでいる」と語り、米国のトッド・スターン気候変動問題担当特使も会見で「中国と頻繁に話し、愛情すら持っている」と語った。欧州連合(EU)は「米中はいつもひそひそ話をしている」と警戒する。
 中国は、閣僚級が現地入りした2日間に判明分だけで約20回の2カ国会談をこなした。松本龍環境相も7日、温暖化被害を受けやすい島嶼(とうしょ)国グループ代表のグレナダのトーマス首相、中国の解振華(かいしんか)・国家発展改革委員会副主任らと会談したが、中国の半分という。
 ◇交渉の構図、複雑化
 締約国の中で多数派の途上国は「温暖化を招いたのは先進国」という観点で、京都議定書延長の立場で足並みをそろえる。閣僚級会合で、イエメン代表は「先進国は温暖化問題の歴史的な責任がある。経済力に比例した目標をもつべきだ」と訴えた。
 その途上国も、気温上昇幅や世界全体の排出削減目標など、「ポスト京都」を構成する項目で主張が異なる。先進国との対立も相まって交渉の構図は複雑化している。
 COP16の作業部会で、議長のたたき台は、「(地球規模での温暖化被害を深刻化させないとされる)気温上昇を2度未満に抑える」と盛り込んだ。国連の「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」の報告書を反映した数値だが、途上国も排出削減を迫られる可能性があり、中国は反対している。
 同じ途上国でも、米国を抜き世界一の排出国となった中国をはじめとする新興国への目は厳しい。1・5度未満を求める南米ボリビアのパブロ・ソロン首席交渉官は「(自然災害をもたらす)温暖化は大量殺人だ。命を守ろうとする姿勢が、交渉を停滞させていると言うのか」と主張する。
 6日の会見でインドのラメシュ森林環境相は、米国が20年までに05年比17%削減するとの目標を取り上げ、「低すぎる数値だ。心底がっかりだ。これまでの累積排出量が最大の米国の参加なしに、地球規模での対策を成功させることはできない」と指摘し、さらなる温暖化防止のための資金支援を求めた。これに対し、EUは「2度未満達成には、すべての主要排出国の削減が必要だ」と主張し、日本も米中の参加を求めている。
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 ◆各国の温室効果ガス削減目標と交渉スタンス◆
    <20年の削減目標>        <京都議定書延長>
日本  90年比25%減          反対
米国  05年比17%減          意見表明せず
EU  90年比20~30%減       条件付き賛成
中国  GDP当たり05年比40~45%減 賛成
インド GDP当たり05年比20~25%減 賛成

COP16閣僚級会合始まる 日本は孤立さらに強まる
テレビ朝日(12/08 11:54)
 メキシコで開かれている地球温暖化をめぐる会議「COP16」は、日本の孤立がさらに深まるなか、閣僚級会合が始まりました。
 閣僚級会合では、2年後に期限を迎える京都議定書に続く新たなルールを話し合っていますが、日本はアメリカと中国が参加しない京都議定書の延長に強く反対しています。松本環境大臣は7日、中国側と会談し、二酸化炭素の削減義務を負うよう求めましたが、中国側は「国内でしっかりやっている」と譲りませんでした。一方で、中国は、二酸化炭素削減のチェックを受ける代わりに京都議定書の期間延長を求めていく方針でブラジルなど3カ国と合意しました。

京都議定書継続巡り協議難航
12月9日 8時23分 NHK
 温暖化対策を話し合う国連の会議、COP16は、2012年で期限が切れる京都議定書に代わる新たな枠組み作りに進展がないなか、中国などが先進国だけに温室効果ガスの削減を義務づけた京都議定書の継続を強く主張する一方、日本などはこれに反対し、難航しています。
 メキシコで開かれているCOP16は、閣僚級会合2日目の8日、交渉の進捗(しんちょく)状況を話し合う全体会合が開かれました。この中で、議長を務めるメキシコのエスピノーサ外相は、京都議定書の継続を巡る先進国と途上国との対立の解消が最大の焦点だという認識を示し、「交渉を進展させるためにはこの問題での政治的な決定が欠かせない」と述べ、政治レベルでの協議を加速させるよう求めました。今回の会議では、京都議定書に代わる新たな枠組み作りで進展がないなか、中国などが議定書の継続を明確に決めるべきだと主張しているのに対し、日本は議定書の継続には反対との立場を変えておらず、対立は激しくなっています。また、会議では、途上国の削減の取り組みをどう検証するかを巡っても先進国と中国など新興国の間で対立が続いており、こうした問題の解決を目指して議長の指名を受けた各国の閣僚が意見の調整に当たるなど、協議が本格化しています。

あらゆる分野で前進が必要=閣僚級会合で国連事務総長-COP16
時事通信(2010/12/08-13:06)
 【カンクン(メキシコ)時事】国連気候変動枠組み条約第16回締約国会議(COP16)で7日(日本時間8日)、閣僚級会合が始まった。開会式では、国連の潘基文事務総長が演説し、「持続的な発展のため、温暖化問題を克服しなければならない」とした上で、2013年以降の温暖化対策の枠組み(ポスト京都議定書)構築に向け、「あらゆる分野で前進が必要だ」と訴えた。
 事務総長は「温暖化のペースは進んでいる」と強調。その上で、交渉の進展が遅れている点を指摘し「決意をもって、現状を打破しなければならない」と述べた。また途上国の温暖化対策に向けた支援のため、先進各国が協力して資金拠出や技術協力をするよう呼び掛けた。

COP16:「ポスト京都」へ閣僚級会合開幕
毎日新聞 2010年12月8日 東京夕刊

 【カンクン(メキシコ)足立旬子、國枝すみれ】京都議定書に定めのない13年以降の地球温暖化対策を話し合う国連気候変動枠組み条約第16回締約国会議(COP16)は7日(日本時間8日午前)、閣僚級会合が開幕した。これまでの交渉で、先進国だけに温室効果ガス削減を義務づけた京都議定書の延長を求める新興・途上国と、反対する先進国が対立しており、歩み寄りが進むか、予断を許さない。10日まで開かれる。
 一方、松本龍環境相は7日、中国の解振華・国家発展改革委員会副主任と会談。解副主任は「京都議定書の第2約束期間(13年以降)はしっかりやってほしい」と議定書延長を主張した。

COP16:中国など温室効果ガス削減の検証法で基本合意
毎日新聞 2010年12月7日 
 【カンクン(メキシコ)足立旬子、國枝すみれ】京都議定書に定めのない13年以降の地球温暖化対策を話し合う国連気候変動枠組み条約第16回締約国会議(COP16)で6日、中国など4カ国の主要新興国が温室効果ガスの削減の実施状況の検証方法について基本合意した。検証を強く求めてきた米国と協議を進めており、7日の閣僚級会合を前に、難航している交渉が動き出す可能性がある。
 中国、インド、ブラジル、南アフリカの4カ国が共同会見で明らかにした。
基本合意によると、(1)先進国のみに排出削減を義務づけた京都議定書の延長(2)途上国への資金供与の前倒し(3)技術移転の加速--の3項目について先進国が受け入れることを条件に、途上国が国連に自主的に提出した削減目標の達成状況の報告に関し、専門家による検証を受け入れる。
 インドが提案し、各国に打診していた。インドのラメシュ環境森林相は「早期の資金供与がなければ(途上国の)交渉への協力度が下がる」と強調。解振華(かいしんか)・中国国家発展改革委員会副主任は「途上国への検証制度の性格は、先進国の報告義務より緩く、罰則がなく、各国の主権を侵さず、信頼 基づくものであるべきだ」と述べた。
 今後、検証制度の具体的内容をめぐって、せめぎ合いが進む。米国のトッド・スターン気候変動問題担当特使は6日の会見で「途上国が削減目標を掲げても(いつから減らすのかという)基準を明確にしなければ検証できない。検証する専門家の人選も重要だ」と注文を付けた。
 日本も途上国に検証受け入れを求めているが、今回の動きについて「交渉ではさまざまな提案が出る」と静観している。

  ポスト京都議定書、日中の意見平行線 COP16
2010/12/8 日本経済新聞
 【カンクン(メキシコ)=辻征弥】第16回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP16)に出席している松本龍環境相は7日、中国の解振華・国家発展改革委員会副主任と会談した。中国側は京都議定書による削減枠組みの延長を受け入れるよう要請。松本環境相は二酸化炭素(CO2)の排出が世界1、2位の中米両国が参加しない同議定書による現行の枠組みの継続は意味がないと述べ、意見は平行線をたどった。
 松本環境相は「国際枠組みの中で途上国の削減行動の透明性を確保する必要がある」と述べ、中国に国際枠組みへの参加を呼びかけた。これに対し同副主任は「途上国の削減行動はあくまで自発的なもの」と反論した。また同副主任は米国の削減取り組みに不満を述べ、米国こそ国際枠組みの中で削減に努めるべきだと語った。
 一方で日本は同日、京都議定書の延長反対で支持集めに動いた。松本環境相は島しょ国グループの代表国、グレナダのティルマン・トーマス首相と会談。
島しょ国は海面上昇など温暖化の被害を受けており、温暖化対策への関心が高い。トーマス首相は京都議定書の延長にはこだわらないとし、米中も含めた主要排出国が参加する枠組みを作ることで一致した。
 松本環境相はオーストラリア、ニュージーランドの首脳とも会談。両国ともに新興・途上国の温暖化ガス削減を強化するため、新興・途上国も参加する国際枠組みが必要との考えを確認した。
 COP16は同日、閣僚級会合が開幕。潘基文・国連事務総長が途上国支援をCOP16での合意の重要要素として挙げ、「2020年に1千億ドルの資金目標は挑戦的だが可能だ」と述べた。開催国メキシコのカルデロン大統領は「カンクンで第一歩を踏みだそう」と、次期国際枠組みの土台をCOP16で作ることを呼びかけた。
    政府税調 環境税の導入で一致
12月8日 23時10分 NHK 
20101208
 
石油石炭税なので、石炭の炭素トンあたりの税率が石油や天然ガスより安いほか、石炭多消費業種の一部に免税があるようです。
 また、「導入に伴う一般家庭の世帯当たりの税負担は、年に千二百七円増える」などと、省エネ対策は一切しないと決めてかかっているようです。単価が上がるので省エネしないとこれだけ上がるとか、負担増にならないためには何%省エネする必要があるとか、書き方があると思います。最後の経産省試算紹介記事は、電気もガスも1%未満の値上げと書いてあるので、これら燃料(但し家庭向けの高い単価)では1%省エネをすれば負担増にはならないことになります。


 政府税制調査会は、8日の会合で、地球温暖化対策を促すために、石油や石炭などに課税する「環境税」を来年10月から段階的に導入する一方、ガソリン税などの元の暫定税率分は来年度も今の水準を維持することで一致しました。
 導入する方針が固まった「環境税」は、石油や石炭などを輸入する際に課税している「石油石炭税」に、二酸化炭素の排出量に応じて税率を上乗せするものです。このうち、原油や石油製品で現在よりも税金が1キロリットル当たり790円、率にして38%引き上げられ、石炭は1トン当たり700円上乗せして2倍に引き上げられる見通しです。消費者が購入する際の価格にそのまま転嫁されますと、経済産業省の試算では、ガソリン価格が1リットル当たり0.79円、電気代が1世帯当たり月に34円、値上げされることになります。税率の引き上げは、企業の負担に配慮して、来年10月から数年間かけて段階的に行われ、最終的には年間2400億円程度の税収を確保する方針です。一方、民主党が去年、政権公約で廃止するとしながら、仕組みを変えて水準を維持した、ガソリン税などの元の暫定税率分に当たる税金は、厳しい財政事情を踏まえ、来年度も維持することで一致しました。

環境税:来年10月導入 家庭負担、電気34円・ガス10円増
毎日新聞 2010年12月9日 東京朝刊
 政府税調は8日の全体会合で、地球温暖化対策税(環境税)を11年10月から導入することを決めた。経済産業省は同会合で、輸入原油や天然ガスなどにかかる石油石炭税を現行の1・5倍に増税する具体案を提示した。家庭への影響については、標準世帯で電気料金が月額34円、都市ガスが同10円の負担増になると試算した。
 経産省案では、二酸化炭素(CO2)排出抑制を目的に、石油石炭税を11年度から段階的に増税。最終的な引き上げ幅は、原油・石油製品(現行税額は1キロリットル当たり2040円)が790円▽液化石油ガス(1トン当たり1080円)は910円▽液化天然ガス(同)は810円▽石炭(1トン当たり700円)は700円--とした。石油石炭税を増税すると、原油や天然ガスを原料とする幅広い製品やサービスの価格に影響が出る。経産省の試算によると、増税分を価格に転嫁した場合、ガソリンや軽油、灯油では1リットル当たり0・79円の負担増加になる見通しだ。
 経産省案では、増税分の2400億円はCO2排出抑制のための対策に充当。電気自動車の導入支援など現在約140億円ある運輸部門の予算を3~4倍に増やすなど、対策に年5500億~6000億円程度を使うとした。政府税調は、税制改正大綱に向けて、税収の使途などを更に詰める。【平地修】

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 ◆環境税導入による一般家庭への影響試算額◆

       負担増加額      現在の平均価格

電気       34円/月    6222円/月

都市ガス     10円/月    2916円/月

液化石油ガス    8円/月    2093円/月

ガソリン   0.79円/リットル  132円/リットル

軽油     0.79円/リットル  111円/リットル

灯油     0.79円/リットル   74円/リットル

 注)経産省の試算より作成。電気、都市ガス、液化石油ガスは標準的な世帯あたりの金額

環境税、来年10月導入へ…政府税制調査会
(2010年12月8日23時15分  読売新聞)
 政府税制調査会は8日、2011年度税制改正で創設する地球温暖化対策税(環境税)について、11年10月から導入する方針を決めた。
 国内外の景気の先行きに不透明感が残る中、企業や家計の急激な負担増を避けるため、3~5年間かけて税率を段階的に引き上げる。
 政府税調は新税の税収規模について、今の石油石炭税の税率を約5割引き上げて約2400億円とする方針だ。ただ、年度途中からの導入で税率も当初は抑えるため、11年度の税収は最大でも800億円程度にとどまる見通しだ。
 経済産業省の試算によると、最終的に標準税率まで引き上げた場合、ガソリンや軽油、灯油の価格は1リットルあたり0・79円上昇する。また、標準世帯で、1か月に電気代で34円、都市ガスの料金で10円、LPガスの料金で8円の負担増となる。

環境税 来年10月導入へ 政府税調
2010年12月9日 東京新聞
 政府税制調査会は八日、全体会合を開き、地球温暖化対策税(環境税)を来年十月から導入する方針を決めた。二酸化炭素(CO2)の排出量に応じて石油や石炭など輸入段階ですべての化石燃料に課税する。導入に伴う一般家庭の世帯当たりの税負担は、年に千二百七円増える。 
 環境税は増税による価格上昇で地球温暖化につながる化石燃料の消費を抑制することを狙っている。石油石炭税の税率を三~四年かけて段階的に上げ、最終的には現在より五割増税。増収分を環境税と位置付ける。
 税収は最終的に年二千四百億円を見込む。これを前提に試算すると、一般家庭の税負担は電気代が世帯当たり月三十四円、ガソリンは一リットル当たり〇・七九円増加。産業向けは原油が一キロリットル当たり七百九十円、石炭は一トン当たり七百円の増税。
 ガソリン税と軽油引取税にかかる旧暫定税率は二〇一一年度、現行の税率水準を維持する。
 民主党は環境税導入で、間接的に軽油やガソリン価格が上昇するのを防ぐ措置を講じるよう提言したが、政府税調は具体策を示さず、党内から反発が出る可能性もある。

家計の負担は年1207円増 環境税完全実施なら 電気料金やガソリンなど 環境省試算
 
2010/12/9 日本経済新聞
 政府税制調査会が導入する方針を固めた地球温暖化対策税(環境税)を完全実施すると、家計の負担額は1世帯あたり月101円、年1207円増える見通しだ。環境省が8日の税調会合に提示した。原料の輸入段階で課税され、ガソリンや軽油の製品価格や電気料金などに転嫁されることで負担が増える。
環境税の導入に伴う1世帯あたりの負担額 エネルギー価格上昇額 世帯あたり負担額
ガソリン・軽油・灯油 1リットルあたり0.79円 年間1207円
(1カ月101円)
電気 1カ月あたり34円
都市ガス 1カ月あたり10円
LPG 1カ月あたり8円
 ただ環境税は厳しい経済情勢を踏まえ、企業活動や国民生活への影響を考慮し、4年間かけて段階的に税率を引き上げる。このため初年度の負担額は試算よりも低くなる。
 政府税調の導入案では税率を二酸化炭素(CO2)の排出量1トンあたり約300円として、品目ごとに設定している。CO2の排出抑制のための費用をエネルギー利用者に公平に負担してもらうのが狙いだ。
 環境省による家計の負担額の試算は、総務省の2009年の家計調査などを基に平均的な金額を算出した。

環境税で家計負担年1200円増 ガソリンはリッター79銭増税
産経新聞2010.12.8
 環境省は、8日の政府税制調査会で、化石燃料に輸入段階で課税する石油石炭税を増税して創設する2400億円規模の環境税により、家計の追加負担が年1200円増加するとの試算を示した。
 環境税の創設で、ガソリンはリッターあたり0・79円、電気代はキロワットあたり0・115円、LPG(液化天然ガス)はキログラムあたり0・91円増税されるとし、年間使用量から負担を試算した。
 政府税調は14日もとりまとめる税制大綱に、環境税の来年度からの導入を盛り込む。実施時期は、来年秋を想定している。

環境税導入なら電気代34円上昇 経産省試算
2010/12/8  日本経済新聞 電子版
 経済産業省は7日、2011年度の導入に向けて政府内で調整している地球温暖化対策税(環境税)について、家庭への負担増加額の試算をまとめた。標準世帯では電力料金で月34円、都市ガス料金で同10円の上乗せになる。電力・ガス料金などの上昇率はいずれも1%未満になる見通しだ。
 
   温暖化リスク削減へのクリーンエネルギー投資、190兆円必要-米団体
20101208
 
  
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90920012&sid=aUTtI3oDM4_w
12月8日(ブルームバーグ):地球温暖化ガスを減らしリスクを削減するには、20カ国・地域(G20)の2020年までの再生可能エネルギー投資が2兆3000億ドル(約190兆円)必要になるとの見通しを米慈善団体ピュー・チャリタブル・トラスツが示した。
  8日発表されたピューのリポートは、これだけの額を投資するにはG20が地球温暖化対策や再生可能エネルギー政策を大きく転換する必要があるとも指摘した。
  現在の政策では、G20の20年までの投資額は1兆8000億ドルにとどまり大気中の温暖化ガス濃度が上限目標450ppmを超える見込み。この水準だと「気候変動との関連で手痛いインパクトがある」という。ピューはブルームバーグ・ニュー・エナジー・ファイナンスと協力してリポートをまとめた。
  G20の投資額が1兆9000億ドルだった場合は、昨年末にコペンハーゲンで開かれた国連気候変動枠組み条約第15回締約国会議(COP15)で策定された政策実施には十分で、温暖化ガス濃度は450ppmで安定する見通し。
  朝日「経済気象台」の枠組み変更の戦略
2010年12月4日0時13分朝日新聞 
20101203
 
  
 地球温暖化対策を議論する国連会議(COP16)が10日までメキシコで開かれている。温室効果ガスの削減義務を負わない米国や中国その他新興国の排出量が全体の70%を超える現状からいって京都議定書の枠組み変更は必須である、というのが日本の主張である。しかし米国も中国もこれに反対。途上国も自分たちに都合の
良いこれまでの枠組みの延長を強く求めている。
 一方、日本は世界に先駆けて省エネを進めて来た。そのために今後の温室効果ガス1トン当たりの削減コストは470ドルと著しく高く、米国の60ドル、EUの48ドル、中国の3ドル以下とは大差がある。
 世界の地殻変動で京都議定書の前提は大きく変わった。その単純延長は国益に反するし、広く世界に負担を求めた昨年のコペンハーゲンの合意からも、後退となる。しかし多勢に無勢の中で、日本がこの交渉を思い切って進めるには、不評も覚悟の上で、枠組み変更を強く求めることが必要だろう。それには国民の一致した後押しが不可欠となる。
 そこから見ると、国民全体にこの事態をデータも示して、正しく伝える努力や戦略は明らかに不足している。
 戦略といえば、例えば第2次大戦後の日本経済の急成長の背景には、世界貿易の将来を見越した重化学工業による輸出立国という戦略や、ソニー、ホンダなどのベンチャーの活躍など知恵を尽くした戦略があった。その推進力は現実を直視し、国民を幸せにすることを最優先したリーダーたちの強い願いと連携であった。
 その資質と体験を今に生かし、公平を貫く対外交渉力に結びつけるには、現実の厳しさや不条理さを、国民に広く率直に伝えることをまず急ぐ必要がある。(瞬)
    ◇
 
「経済気象台」は、第一線で活躍している経済人、学者など社外筆者の執筆によるものです。

 
「現実」というのは回収期待年数をあえて短くして計算したときの「削減コスト」の高さのようですが、国立環境研の試算では回収期待年を3年から8年に変えると「持ち出し」と計算されていたものが光熱費削減分が大きくなって「お得」に変わるものも多いようです。
   国会:温暖化基本法案不成立 環境相「立場が不利に」
毎日新聞 2010年12月3日 19時17
分(最終更新 12月3日 19時41分)
20101203
 
 
 臨時国会の閉会で地球温暖化対策基本法案が継続審議となったことが進行中の温暖化交渉に与える影響について、松本龍環境相は3日の会見で「(他国などから)指摘されると思う。理由を国会日程だと丁寧に説明したい」と述べ、立場が不利になる恐れがあるとの見方を示した。
 メキシコ・カンクンで開催中の国連気候変動枠組み条約第16回締約国会議(COP16)では、京都議定書の単純延長に反対する日本に批判が集まっている。法案は「90年比25%減」の温室効果ガス削減目標を掲げ、成立すれば日本の温暖化対策への熱意を示す材料になると期待されていた。松本環境相は「COP16を成功に導くため建設的な努力をする。日本は、議定書脱退をまったく考えておらず、京都を一番愛しているのは私たちだ」と理解を求めた。
 松本環境相は6日から現地で交渉に参加する。【江口一】

温暖化対策法案継続審議に COP16で説得力欠くのは必至
産経新聞2010.12.3 21:53
臨時国会が3日閉会したことで、2020(平成32)年までに温室効果ガスの排出量を90年比で25%削減するとした、地球温暖化対策基本法案の継続審議が決まった。メキシコ・カンクンで開かれている気候変動枠組み条約第16回締約国会議(COP16)で、国内対策が進んでいることを前提にした主張をしている。法案が成立しなかったことは、主張の説得力を欠くことになり、懸念の声が出ている。
 同法案は先の通常国会で衆院で可決されたが政局から廃案に。今国会で再度提出されたが、実質審議にも入れないままだった。
 法案が成立しなかったことについて松本龍環境相は3日の会見で、「残念。(交渉で日本の主張が根拠を欠くことを、各国から)多分、指摘されると思うが丁寧に説明していきたい」と語った。環境NGO「気候ネットワーク」の浅岡美恵代表も「日本の主張が、説得力を持たなくなるのではないか」と指摘している。
 COP16で日本は、実効性がないことを根拠に、京都議定書の枠組み延長に反対する一方、すべての主要排出国の参加する国際的枠組みをつくるべきだと主張。その際に「日本国内の対策や途上国支援など、やれることはやっている」として、各国の理解を求めている。 
  世界平均気温 観測史上最高に
NHK 12月3日 8時56分 
20101203
 
 
 WMO=世界気象機関は、ことし1月から10月までの世界の平均気温が、観測史上、最も高くなったとして、進む一方の温暖化を防ぐための早急な対策を呼びかけました。
 これは、温暖化対策を話し合うためメキシコで開かれている国連の会議、COP16で、WMOジャロー事務局長が記者会見して明らかにしたものです。それによりますと、ことし1月から10月までの世界の平均気温は14.55度と、1998年に観測した14.53度を上回り、観測史上、最も高くなりました。
具体的には、ロシアで熱波のため7月の気温が平年より7度以上、カナダでも冬場の気温が平年より4度以上、それぞれ高くなるなど、各国で最高気温を更新しました。さらに、過去10年間の平均気温も最も高くなり、アジアやアフリカ、それに北極を中心に温暖化が進んでいるという見解を示しました。そのうえで、ジャロ-事務局長は「このまま何の対策もとらなければ、気温はさらに上昇し続けることになる」と述べ、温暖化防止に向けた新たな国際ルールづくりをめぐって、先進国と途上国の間の交渉が難航するなか、早急に対策を取りまとめるよう呼びかけました。
   最も簡単な温暖化対策は「電球交換」 国連が報告書
2010年12月2日21時34分朝日新聞 
20101202
 
  
 【カンクン(メキシコ)=須藤大輔】省エネ電球が世界中に普及すれば、二酸化炭素の排出量を少なくとも1%削減できる――。こんな調査結果を国連環境計画が1日、気候変動枠組み条約締約国会議(COP16)で報告した。報告書では「電球の交換がおそらく最も簡単な温暖化対策だ」と指摘している。
 報告書によると、世界の電力の19%を消費している照明器具について100カ国を調べたところ、エネルギー効率の悪い白熱灯が電球の売り上げの半分以上を占めていた。これを電球型の蛍光灯や発光ダイオード(LED)などに置き換えれば、電力消費の2%以上を削減でき、470億ドル(約4兆円)の燃料代節約につながるという。

これはこれでやったらいいとは思いますが、もっと大きな対策を考える必要があると思われます。
 火力発電所や製鉄所を建て替えるとどれくらいのポテンシャルがあるか、などを検討する必要があるでしょう。
 
    COP16:「議定書延長、次善の策」--ヘデゴー欧州委員(気候変動担当)
毎日新聞 2010年12月2日 東京朝刊
20101202
 
 
 【ブリュッセル福島良典】欧州連合(EU、27カ国)のコニー・ヘデゴー欧州委員(気候変動担当)は11月30日、メキシコ・カンクンでの国連気候変動枠組み条約第16回締約国会議(COP16)の開幕に合わせ、毎日新聞と単独会見した。12年末が期限の地球温暖化対策「京都議定書」について「盛り込まれた果実を捨てないようにすべきだ」と述べ、新たな法的枠組みが整備されるまで延長する案を次善の策として検討すべきだとの考えを明らかにした。
 京都議定書は不参加の米国を除く先進国にのみ温室効果ガス排出量削減義務を課している。日本は米国や中国などが削減義務を負わない現状での単純延長に反対、すべての主要排出国が参加する単一の法的枠組み(ポスト京都議定書)の早期策定を求めている。
 ヘデゴー委員は「最終的には単一の仕組みを作りたい」としながらも、「京都議定書を飛び越して、新たな枠組みを作るには何年もかかる」と主張。新たな法的枠組みで合意のめどが立っていないことから、京都議定書が13年以降も延長される可能性を視野に交渉に臨む考えを示した。
 ただ、ヘデゴー委員は「排出量世界1位の中国、2位の米国、4位のインドが貢献しなければ気候変動には対応できない」と指摘、京都議定書延長の条件として米中の取り組み強化を求めた。EUと日本が連携し、米中に削減努力を促す圧力をかける必要性も強調した。
 COP16では、今後の成長で排出量が増える途上国に削減の取り組みを求める先進国と、「温暖化は先進国の責任」と主張する途上国が対立、交渉は難航が予想される。ヘデゴー委員は「カンクンで十分な成果が得られなければ国連プロセスへの関心がしぼむ危険がある」と警告した。
 EUは今年、京都議定書の延長を条件付きで容認する姿勢に転じた。ヘデゴー委員はCOP15で議長だった。 
  COP16:日本に「化石賞」…会議で最も後ろ向き発言
毎日新聞 2010年12月1日 19時45分
20101201
 
    
  【カンクン(メキシコ)國枝すみれ】国連気候変動枠組み条約第16回締約国会議(COP16)のNGO会場で30日、環境団体のネットワーク組織(CAN)が最も後ろ向きな発言をした国に授与する「今日の化石賞」の1位に日本が選ばれた。
 前日に経済産業省の有馬純大臣官房審議官(地球環境問題担当)が「日本は京都議定書の延長(第2約束期間の設定)をいかなる場合でも認めない」と発言したことが理由で、CANのイアン・マグレガー氏は「会議の建設的雰囲気をぶち壊す破壊発言。代表団の8割、ほとんどのNGOが否定的に受け取った」と批判した。
 化石賞は99年のボン会議から始まった。期間中、環境団体の投票によって“その日の悪者”が選ばれる。今回は約200団体が投票した。
 中国や米国が参加しない京都議定書は世界の温室効果ガス排出の27%しかカバーしておらず、日本の立場は「単純延長は締結国にとって不公平」というもの。有馬氏は「議定書延長がカンクン会議の最大の成果になるとの発言が途上国からあり、黙っていては日本が延長を受け入れると誤解されるので、明確に言った」と振り返る。同氏の発言に会場は静まり返ったという。
 各国代表団からは「なぜ日本は交渉をブロックするのか」「日本の論理は正しいが、現段階で立場に固執すれば会議を壊すだけだ」の声が上がっていた。
  温室ガス自主削減目指す-COP16で日本方針
(2010年11月28日03時03分  読売新聞) 
20101128
 
    
2013年以降の温室効果ガスの削減枠組みをめぐり、気候変動枠組み条約第16回締約国会議(COP16)が29日から、メキシコ・カンクンで開かれる。
 政府は、京都議定書の削減期間(2008~12年)の延長に反対する一方、昨年、デンマーク・コペンハーゲンでのCOP15でできたコペンハーゲン合意を基礎にした枠組みの構築を締約国会議で採択するよう働きかける方針を固めた。COP16に臨む対処方針として、30日に地球温暖化に関する閣僚委員会を開き、正式決定する。
 政府が目指すのは、各国が自主的に削減に取り組み、お互いにチェックしあう枠組みの構築をCOP16の決定事項とすること。コペンハーゲン合意は、COP15で正式に採択されなかったため、その後の交渉の軸になっていない。

 
京都議定書の前の、条約の誓約&レビューの枠組みですね。
  COP16始まる
20101128
 
    
 米中をのせるために先進国がどうするか(先進国が先に高い目標を確定することを含め)、世界は色々考えているところだと思いますが、単純に反対すればいいと思う人々もいるようです。「日本は『ドン・キホーテ』か」(日経)、「日本のノーが地球を救う」(産経)という過激な主張は、気候変動の被害や化石燃料のリスクを棚上げするだけでなくて、「無理な排出削減がこれ以上続けば日本経済への悪影響は計り知れない。」(→無理な排出削減?)「排出量取引などで中国や東欧諸国に莫大な国富が流出する。」(→クレジットを買うのはやめて国内対策をすれば光熱費減もあっていいのでは?)「国内の主要工場が海外に生産拠点を移す事態を招き、地方の雇用は失われる。」(→機械産業や建築業には対策特需では?)という誤解からのようです。

社説:COP16 今は国の対策を着実に
毎日新聞 2010年11月28日 2時31分 


 温暖化対策を議論する「国連気候変動枠組み条約第16回締約国会議(COP16)」が29日からメキシコのカンクンで開かれる。
 京都議定書以降(ポスト京都)の枠組み作りができず、期待はずれに終わったCOP15から1年。国際交渉は進まず、今回で決着がつく見通しは立たない。
 しかし、議定書の第1約束期間は12年で期限切れを迎える。気候変動を抑えるための合意に向け、一歩でも前進させる努力は欠かせない。
 一方で、国際交渉の行方にかかわらず、日本は国としての対策を着実に進めていくことが肝心だ。
 京都議定書の最大の問題点は、大量排出国である中国に削減義務がなく、米国も離脱していることだ。2大排出国が削減に責任を負わない合意には実質的な意味がない。
 昨年、米国はオバマ政権が誕生し方向転換が図られるはずだった。しかし、議会の反対でポスト京都の削減目標は決められず、中間選挙の民主党敗北で目標設定は遠のいた。このままでは中国の関与も望めない。
 議論が停滞する中で、空白期間を避けるために取りざたされているのが、現行の枠組みの下に先進国の削減目標を設定する「京都議定書の単純延長」だ。
欧州連合(EU)も、米国や中国が入った包括的枠組みができることを条件に、これを検討する方針を決定している。
 だが、今は包括的枠組みができる見通しはない。日本が議定書の単純延長に反対するのは当然だ。日本のこだわりが交渉の前進を妨げるという見方もあるが、緻密(ちみつ)な戦略がないまま押し切られることは避けたい。
 ただし、交渉の場では「単純延長」の定義ははっきりさせておきたい。京都議定書には、先進国の数値目標以外にも、削減のためのさまざまな仕組みが含まれている。これらを改良しながら、ポスト京都に応用していく手はある。
 国際交渉とは別に、化石燃料に依存しない低炭素社会をめざした仕組み作りは進めなくてはいけない。
 たとえば、途上国の発電所建設にあたり日本の技術で二酸化炭素を削減する。削減は2国間で分配し国際クレジットとして認定する。京都議定書にも似た仕組みはあるが、使いにくく日本の技術が生かせない。ポスト京都をにらみ、新しい仕組みを育てていくことはできるはずだ。
 国内の排出削減のため、地球温暖化対策基本法案に盛り込まれた環境税や国内排出量取引制度、再生可能エネルギーの全量買い取り制度についても早急に検討を進めたい。国内での削減努力を示すことは国際交渉で日本の立場を理解してもらう後ろ盾にもなるだろう。

温室ガス、米中含む削減枠組み必要
(2010年11月28日18時29分  読売新聞)

 京都議定書は、2008~12年の5年間に先進国に温室効果ガスの削減を義務づけている。
 ところが、2008年のデータによると、京都議定書で削減義務を負う先進国の二酸化炭素排出量は世界全体の27%にすぎず、条約締約国でありながら京都議定書を批准していない米国は19%、削減義務のない中国は22%を占める。
 このため、米国を除く先進国は、「米中を含む主な排出国が入る枠組みでなくては意味がない」と主張してきた。
 日本も「すべての主要排出国が入る公平で実効的な枠組みの構築」を求め、新たな議定書の早期採択を目指してきた。
 コペンハーゲン合意は、COP15で、米、中、日、欧州各国など26か国の首脳が非公式協議で文面を練った。〈1〉各国は2020年ころまでの削減目標や削減行動を条約事務局に届け、測定・報告・検証可能な形で、削減を行う〈2〉先進国は途上国支援のため、2010~12年の3年間に計300億ドルを拠出、20年には年1000億ドルまで増額する――が骨子。これまでに、計139か国が賛同を表明し、計85か国が削減目標・行動を条約事務局に提出した。
 日本はじめ先進国は、コペンハーゲン合意がCOP15後の交渉の軸になると考えたが、交渉の中で、選択肢の一つとして“格下げ”されてしまった。一方で、「京都議定書の延長を行うべきだ」との途上国の声が大きくなりつつある。
 こうしたなか、日本の対処方針は、あくまでもコペンハーゲン合意を今後の枠組み作りの基礎として位置づけようというものだ。
 京都議定書延長については、欧州連合(EU)が積極的に検討する姿勢に変わり、豪州、ニュージーランドも追随している。12月10日のCOP16閉幕までには、難しい局面も予想される。(編集委員 河野博子)

メキシコで始まるCOP16 日本は「ドン・キホーテ」か
2010/11/29 7:00日本経済新聞

 きょうから12月10日までの予定でメキシコ南東部のカンクンを舞台に気候変動枠組み条約第16回締約国会議(COP16)が始まる。カリブ海に面したカンクンは陽光が降り注ぐリゾート地として知られているが、温暖化ガス削減の枠組みをめぐる国際交渉の行方は混沌(こんとん)とし、日本にとっては雲が厚く垂れこめている。
 「カンクンでは最初から京都議定書(延長)の議論になるのではないか」。
COP16に先立つ11月4~5日にメキシコ市で開かれた準備会合に出席した環境省の南川秀樹・地球環境審議官はこんな懸念を抱えて帰国した。会合は議定書延長をめぐる話題に終始し、「出ていて腹が立つ」状況だったようだ。
 京都議定書には日本や欧州連合(EU)など先進国・地域の温暖化ガス削減義務が盛り込まれている。対象期間は2008~12年だが、中国など新興・途上国はこの枠組みを13年以降も続けるべきだと主張している。ただ、同議定書は米国が不参加で、削減義務がある国の二酸化炭素(CO2)排出量は世界全体の3割にも満たない(08年)。
 一方、日本は米国や中国といったCO2排出大国が入っていない議定書を延長しても温暖化問題の解決には無意味との立場。米中両国で世界のCO2の4割以上を排出している現状に照らせば正論だ。京都議定書の延長ではなく、米中も含めた新しい枠組みを作るべきだとの考えだ。
 だが、国際政治の「正論」は別のところにある。南川氏とともに11月上旬の準備会合に出席した経済産業省の菅原郁郎・産業技術環境局長は「各国が国益を前面に出し、外交は武器を使わない戦争だとしみじみ感じた」と漏らす。経済成長を抑制しかねない削減負担を負う枠組みに米中を引き込むことは容易でない。
 日本と同様に京都議定書の延長に反対してきたEUも排出量取引市場を維持するため、米中が応分の削減努力をするという条件付きながらも「延長を検討する用意がある」との姿勢に転じた。先の準備会合で明確に延長に反対したのは日本以外はロシアだけ。そのロシアの反対も「森林のCO2吸収効果を多く認めさせることなどを狙った条件闘争」(沢昭裕・21世紀政策研究所研究主幹)との見方がもっぱらだ。
 国益がせめぎ合った準備会合で日本政府代表団は「温暖化ガスの1990年比25%削減」を盛り込んだ地球温暖化対策基本法案を今国会に提出していることを紹介したという。単に議定書延長に反対しているだけではないことをアピールする狙いがあったようだ。
 だが、昨秋の政権交代後に鳩山由紀夫前首相が25%削減を国連総会で表明した当時のような、高い目標を掲げれば国際世論をリードできるという「幻想」をわずかでも抱いているとすれば、その感覚のズレは深刻だ。「孟子」の「千万人といえども吾往(われゆ)かん」の心意気かもしれないが、国益をかけて臨む国際交渉の場でドン・キホーテを演じることになりかねない。
 国内に目を向けると、京都議定書延長には産業界も断固反対を表明している。政府と足並みがそろっているように見えるが、内実は必ずしも一枚岩ではない。 25%削減という目標設定自体や、米中などとの削減負担の公平が担保されていないにもかかわらず国内排出量取引制度や環境税の導入を先行して検討していることに納得していないからだ。
 「私はこの国(日本)に対してものずごく悲観的だ。低成長、きつい法人税、円高、それに高い環境コストが加わろうとしている」。11月17日に東京都内で開かれたCOP16と25%削減をテーマにしたシンポジウムで日本経団連の坂根正弘環境安全委員長(コマツ会長)は「京都議定書が延長されたら日本は離脱すべきだ」と決然と語りつつ、国内状況をこう嘆いた。
 ドン・キホーテは槍(やり)を抱えて風車に立ち向かったが、国論すら統一できていない状態の「25%削減」は対外交渉の武器にすらならない。
 政府内には「京都議定書の延長を主張する国々には日本企業の優れた技術を取り上げようという思惑がある」(経産省幹部)との読みもある。日本に高い環境コストを課すことで企業の国外流出を促すことを狙っているというわけだ。
 実際、「いざとなれば経営判断ひとつで生産を海外工場に移せる」(坂根氏)、「内需型産業の我々でも(負担の)ハードルが上がれば海外に出ることを考えざるを得ない」(二瓶啓・日本製紙連合会常務理事)との声が広がりつつある。
 それでは政府はCOP16で交渉を有利に運ぶため、ブラフとしてでも「離脱」をちらつかせるつもりがあるのか。省エネ支援など日本の技術力をカードにして米中をCO2削減負担の枠組みに巻き込む知恵があるのか。各国の出方次第で25%削減目標を柔軟に見直す考えがあるのか。国際交渉に臨む戦略ははっきりしないままだ。
 13年以降の温暖化ガス削減の国際枠組みの最終合意は南アフリカで来年開かれるCOP17に持ち越されるとの見方が大勢だ。だが、日本は京都議定書延長論が台頭しているカンクンから早くも正念場を迎える。(産業部 小野聡)

【主張】COP16 日本のノーが地球を救う
2010.11.29 03:43産経新聞

 メキシコのカンクンで気候変動枠組み条約第16回締約国会議(COP16)が、日本時間の30日から始まる。焦点は地球温暖化防止の新たな枠組みの構築だ。現行の京都議定書の約束期間は2012年で終わる。その後の温室効果ガス削減の国際ルール作りが緊急の課題となっているのだ。
 交渉では、参加各国に公平で、かつ削減効果の高い仕組みの構築を目指してもらいたい。
 13年前に採択された京都議定書は、世界の人々の目を地球環境へと向ける効果を上げてきたが、欠点も多い。
 その第1が、温室効果ガスの削減義務を負っているのが日本や欧州連合(EU)などの先進国に限られている点だ。第2は、世界に率先して省エネに取り組んできた日本が、その先駆性のために、かえって過大な負担を強いられているという矛盾である。
 ポスト京都の新たな国際ルールを作るに当たっては、まず2大排出国の中国と米国の参加が欠かせない。COP16では両国への働きかけが何より重要だ。
 しかし、米中が応じる気配はみられない。それどころか、日本に矛盾をのみ込ませようという論調が強まりかけている。
 新たなルールの構築が難しそうだから、今ある京都議定書の枠組みをそのまま存続させようという「単純延長論」の台頭だ。
 現行制度の下で削減義務を負わない途上国は大歓迎だし、排出量取引市場のよりどころを京都議定書に置いているEUも、これに同調する傾向をみせている。
 議長国のメキシコは会議の成功を熱望している。日本は世界中から京都議定書の延長にイエスと言わされかねない状況だ。
 だが、日本政府は決して圧力に屈してはならない。無理な排出削減がこれ以上続けば日本経済への悪影響は計り知れない。
 排出量取引などで中国や東欧諸国に莫大(ばくだい)な国富が流出する。さらには国内の主要工場が海外に生産拠点を移す事態を招き、地方の雇用は失われる。
 なおかつ、世界の温室効果ガスの排出増加は止まらない。それゆえ京都議定書の単純延長は認められない。日本が勇気を持って断ることで地球温暖化対策は、前向きに動き出す。松本龍環境相には、閣議で政府の意思を再度固めたうえで交渉に臨んでほしい。

温暖化対策交渉/米中取り込む戦略はあるか
河北新報 2010年11月29日月曜日

 現行の国際的な枠組みである「京都議定書」に続く2013年以降の地球温暖化対策を話し合う気候変動枠組み条約第16回締約国会議(COP16)が29日から約2週間、メキシコ・カンクンで開かれる。
 新たな枠組みづくりの交渉は行き詰まりを見せている。議定書の期限切れを2年後に控え途上国で強まっているのが、主に日欧に温室効果ガスの削減義務を課す現行枠組みの延長論だ。
 だが、単なる延長では、世界一の温室ガス排出国である中国と、議定書から離脱した第2位の排出国・米国は、引き続き削減義務の枠外に置かれる。
 世界の排出量の4割を超す米中抜きで対策の実効性は確保できない。両大国に排出削減を義務付ける仕組みがどうしても必要だ。日本を含め関係国は粘り強く交渉を重ねるべきだ。
 1年前、コペンハーゲンであったCOP15は先進国と途上国が激しく対立。主要排出国が参加する包括的な新枠組みづくりに合意できなかった。以後も、温暖化への責任が重い先進国が大幅な削減義務を負うべきだとする途上国の主張は強硬で、交渉は難航を極め、今回も合意は非常に難しい状況にある。
 先月、この事態に風穴をあけそうな変化があった。米中への削減義務付けなどを条件に、欧州連合(EU)が議定書の延長を認める方針を打ち出した。
 議定書は08~12年の5年間で1990年比で日本は6%、EUは8%などと排出削減目標を規定している。この期間の暫定延長を容認し、率先して削減継続の意志を明らかにすることで途上国の歩み寄りを促す。それを弾みに米中から削減への関与を取り付けようとの狙いだ。
 EUは米中を含む別の枠組みをつくり、議定書との2本立て方式を想定しているとされる。
 肝心の両大国の対応は後退気味だ。中国は削減義務回避の姿勢を崩さず、米国は温暖化対策に積極的な民主党政権が中間選挙で大敗した。その影が交渉にも色濃く映し出されよう。
 今回、新しい枠組みづくりに合意できなければ、12年末での議定書期限切れが現実味を増し削減義務に「空白期間」が生じる事態を招きかねない。そうなれば、現実問題として議定書延長が焦点に浮上してこよう。
 日本はどう臨むのか。「20年までに25%削減」を盛り込んだ地球温暖化対策基本法の成立が見通せない中で国内論議も停滞し、国内の取り組みを武器に国際舞台で駆け引きはできない。
 菅直人首相は単純な議定書延長に「反対」を表明、あくまで包括的枠組み合意を目指すという。EUのように空白期間回避も視野に米中を取り込む構想があるのかどうか。米中参加の枠組みが必要というなら、戦略を携えて交渉に当たるべきだ。

社説 温暖化対策交渉 米中取り込む努力続けよ
2010年11月29日 10:42
=2010/11/29付 西日本新聞朝刊=


 先進国の温室効果ガスの削減目標を定めた京都議定書は、2012年末に約束の期限が切れる。その後の13年以降の温暖化対策を話し合う国連気候変動枠組み条約第16回締約国会議(COP16)が、29日からメキシコで開かれる。
 昨年のコペンハーゲンでのCOP15では、先進国と途上国が激しく対立し、新たな国際枠組みづくりは失敗した。今交渉でも合意は困難な情勢で、来年のCOP17に持ち越されるとの観測が強い。
 悲観論が支配的な中で、京都議定書の延長論が浮上している。仮にCOP17で次期枠組みに合意できても、各国の批准手続きには時間がかかり、13年に発効できない可能性がある。そうなれば、法的な削減義務のない「空白期間」が生じてしまう懸念があるためだ。
 しかし、「京都延長」は論外だ。「京都」では、離脱した米国や途上国の中国には削減義務がない。米中の排出量は世界の4割を占めるが、日本や欧州連合(EU)など削減義務のある先進国の排出量は3割弱しかない。二大排出国の米中が参加しない枠組みの継続では、公平性も削減の実効性も著しく欠くからだ。
 延長論に強く反対してきた日本は、この姿勢を貫いて、あくまで新たな枠組みづくりを目指し、その中に米中両国を取り込む努力を続けねばならない。
 ただ、交渉を取り巻く国際情勢は厳しさを増している。米国では、与党の民主党が中間選挙で大敗し、包括的な温暖化対策法案の成立が困難になった。今交渉への悪影響も指摘されている。
 中国は、成長を妨げるとして削減義務化を拒み続けている。「京都延長」に加え、インドなど新興国と共に先進国に一段の削減努力を求めている。
 気になるのがEUの動向だ。EUは10月、米中など主要排出国の「削減への関与」を取り付けることを条件に、「京都延長」を容認する方針を打ち出した。13年以降に「空白期間」が生じ、国際的な排出規制がなくなれば、域内の排出量取引市場に混乱が生じかねない。それを回避したい思惑もあるようだ。
 EUが交渉で「京都延長」の姿勢を明確にすれば、日本は苦しい立場に陥る。しかし、日本が延長を受け入れれば、米中抜きの枠組みがずっと続きかねない。これでは温暖化を防げず、世界にとっても避けねばならないシナリオだ。
 省エネが進んでいる日本の削減余力は小さい。その分、他国よりも削減コストは割高だ。それでも、民主党政権は20年までに1990年比で25%削減する高い目標を掲げた。ただこれは、すべての主要国による公平な枠組みの構築と意欲的な目標の合意が前提条件だ。日本はこの条件を堅持しなければならない。
 その上で、米中をどう説得するかである。まず、EUを新たな枠組みづくりにつなぎ留めることが先決だ。菅政権は、政権内の意思統一と明確な戦略を持 て交渉に臨まねば、孤立しかねない。
  環境税:「石炭増税反対」で要望 県内の化学メーカー3社 /山口
毎日新聞 2010年11月27日 地方版  
20101127
 
    
県内に生産拠点を置き、石炭による自家発電に大きく依存する東ソー、トクヤマ、宇部興産の総合化学メーカー3社は26日、政府・民主党が地球温暖化対策として検討を進める石炭課税の大幅増税に強く反対する緊急要望を発表した。
 山根修二・東ソー南陽事業所長と山田哲史・トクヤマ徳山製造所長は26日、周南市役所で記者会見した。民主党プロジェクトチームが11年度から石炭の税率を1トン当たり1400円(現行700円)に倍増させるとの方針を受け▽東ソーで16億円▽トクヤマで11億円▽宇部興産で8億円--それぞれ税負担が増えると指摘。「国際競争力が失われれば、県内での操業をあきらめて海外に出て行かざるをえなくなる。地域の雇用不安や地域経済の崩壊にもつながりかねない」と訴えた。【内田久光】〔山口東版〕

3社は自家発電所での石炭多消費を認めています。なお、3社はセメントを製造し、その燃料の大部分は石炭ですが、この分は租税特別措置で無税ではないかと。
  温室効果ガス 10年後に90年比25%減 温暖化対策案 札幌市が策定
(11/26 09:14)北海道新聞  
20101126
 
      
 札幌市は25日、高断熱住宅や省エネ給湯器などの普及で、温室効果ガス排出量を2020年に1990年比25%減を目指す「札幌市温暖化対策推進ビジョン案」を発表した。
 目標達成に必要な実際の削減量は、07年比でみると42%減の507万トン(CO2換算)。このうち7割を家庭、企業、運輸の各分野で削減し、具体的には《1》給湯器の85%、暖房機の50%を省エネ型《2》乗用車の購入の50%以上を低公害車《3》全家庭の家電を省エネ型-などとする10項目の行動計画を掲げている。
 残り3割に当たる167万トンは、北電泊原発3号機の稼働によるエネルギー転換などでの削減を見込む。
 ただ、市の温室効果ガス排出量は90年以降増加しており「行動計画の実現を含め、ハードルはかなり高いが、市が率先して削減に取り組みたい」(市環境局)としている。
 同ビジョン案は、政府が昨年9月、国内の温室効果ガス排出量を20年までに90年比25%削減を目指す中期目標を掲げたことを受けて策定した。 

8月の段階の資料しかわかりませんでした。
http://www.city.sapporo.jp/kankyo/shingikai/kankyo_shingikai/7dai3/pdf/shiryou2.pdf
  大阪市:環境ビジョン素案 活動にエコポイント 温室効果ガス25%以上削減 /大阪
毎日新聞 2010年11月26日 地方版  
20101126
 
     
 大阪市は25日、90年度の温室効果ガス排出量(2283万トン)を20年度までに25%以上削減する目標を盛り込んだ「おおさか環境ビジョン」の素案を発表した。料金後払い制のICカード「OSAKA PiTaPa」を活用した「なにわエコポイント制度」の創設を目指すなど、市民を上げた環境問題への取り組みを呼び掛ける。
 市によると、温室効果ガスは08年度現在、産業・運輸部門で減っているが、OA機器の普及などに伴い、業務・家庭部門で増加している。このため太陽光発電の導入拡大や省エネルギー住宅普及などで排出を抑制。91年度に217万トンあったごみの処理量も15年度までに110万トンに削減することを目指す。
 一方、なにわエコポイント制度では、約25万6000人が加入するOSAKA PiTaPaを活用。公園清掃などのエコ活動に参加するたび、市営地下鉄やバスの割引サービスを受けられるポイントを付与する。市民に環境への関心を深めてもらうのが狙いで、小中学校の授業に環境科を設けられないかも検討する。【平川哲也】
 
市の発表は以下にあります。
http://www.city.osaka.lg.jp/kankyo/page/0000102574.html

なお、「産業は減少、業務家庭は増加」とあります(資料では2000年比の数字があります)。産業は工場の移転で生産減、業務は床面積増、家庭は世帯数増のためだと思われます(原単位変化でみれば、産業が改善して民生があったしたわけではないのでは?)。また、間接排出統計なので、発電所の運用、関西電力のCO2排出係数が2004年の舞鶴石炭火力発電所運転開始で3割以上悪化したことも影響していると考えられます。
   経済に配慮しつつ環境税に道をつけよ
  
日本経済新聞   2010/11/26付
20101125
 
     
 民主党の税制改正プロジェクトチームが来年度からの導入を目指し、石油や石炭にかける環境税の案を示した。環境税は化石燃料の消費を抑え、税収を低炭素技術の普及に生かす税だ。厳しい経済環境に配慮しつつ、温暖化対策の国際動向もにらみ導入に道をつけてほしい。
 民主党の案では、石油や石炭などの輸入や生産にかかる税を5割増やす。ガソリン1リットル当たりでは0.79円の増税となり増収幅は約2400億円を見込む。政府は昨年も1兆円規模での導入を検討したが、意見をまとめきれず「2011年度実施に向け成案を得る」と持ち越した。
 石油石炭税の今の税率は、二酸化炭素(CO2)排出が多い石炭に軽く、排出が少ない天然ガスに重い。炭素含有率に比例した税率に改めるのであれば、温暖化対策に取り組むうえで理にかなう。
 税収は、環境技術を伸ばし低炭素化につながる投資を促すとか、一部を法人税減税に充てるとか、企業に還元するのが望ましい。革新的な省エネ技術の普及を後押しできれば、化石燃料消費が大きい産業も燃料費を節約できる。その結果、税負担を軽くすることも可能になる。
 各省の環境対策にムダがあっては国民の理解も得にくい。事業仕分けで指摘を受けたように、政策が重複し効果があいまいなものもある。国のふところ事情が厳しいなか、国民や企業に負担を求める税収をムダに費やすことがあってはならない。
 国連の温暖化対策の交渉が暗礁に乗り上げるなか、日本と欧州が主に温暖化ガスの削減義務を負う京都議定書の延長を望む声が、途上国などで強い。二大排出国である中国と米国が加わった新たな国際的な約束を目指すべきで、日本は議定書の延長を安易に受け入れるべきでない。
 交渉行き詰まりを打開できなければ、議定書の約束は12年末で切れる。仮にそうなっても削減努力を続けるのは日本の責務だ。日本の真意を世界に理解させるためにも、環境税をはじめ国内対策を整え、低炭素化への強い決意を示すのが望ましい。
 環境税の税率を決めるには、景気動向と温暖化交渉の行方の2つを見極める必要がある。
 国際競争が厳しくデフレとあって、税負担の製品価格への転嫁は難しく、収益が圧迫されるとの産業界の心配にはもっともな面がある。今の景気と、米中がなかなか国際的な約束に加わりそうもない状況を考え合わせると、いきなり大幅な増税をせず、徐々に税制を整えていってもよいのではないか。 
  基準排出量は1167万トン 都のCO2削減対象事業所
2010/11/25 19:07   【共同通信】 
20101125
 
     
  東京都は25日、環境確保条例で二酸化炭素(CO2)削減を義務付けたビルや工場など大規模事業所の基準排出量の合計は1167万トン(中間集計)で、都内の業務・産業部門の約4割を占めたと発表した。事業所は20年度までに、この排出量をベースに平均で17%の削減を求められる。
 都は「4割という数字で、大規模事業所の温暖化対策の重要性があらためて浮き彫りになった」としている。
 排出削減は、電気などの使用量が原油換算で年間1500キロリットル以上の業務・産業部門の1271事業所を対象に本年度からスタートした。基準排出量は、02~07年度から事業所ごとに連続する3年間を選んで、平均値を算定し都に報告する仕組み。
 今回集計できたデータは1155事業所分で、内訳は業務部門が937事業所(1事業所当たりの基準排出量0・9万トン)、産業部門は218事業所(同1・5万トン)となっている。
  COP16:気温上昇2度未満に 議長案提示
 
毎日新聞 2010年11月25日 21時39分
20101125
 
     
 国連気候変動枠組み条約第16回締約国会議(COP16)が29日開幕するのを前に、マーガレット・ムカハナナ・サンガウエ特別作業部会議長は25日、各国に交渉を促すための議長案を提示した。温暖化の影響が生じない目安とされる、産業革命前からの気温上昇を2度未満に抑えるため各国が行動するよう提言。温暖化対策の実施状況の測定・報告・検証を条約事務局に提出するよう求めた。しかし、国別の温室効果ガス削減目標などの主要論点は明示を避けている。
 COP16では京都議定書に定めのない13年以降の温暖化対策を話し合う。【足立旬子】 
  基準排出量は1167万トン 都のCO2削減対象事業所
2010/11/25 19:07   【共同通信】 
20101125
 
     
 東京都は25日、環境確保条例で二酸化炭素(CO2)削減を義務付けたビルや工場など大規模事業所の基準排出量の合計は1167万トン(中間集計)で、都内の業務・産業部門の約4割を占めたと発表した。事業所は20年度までに、この排出量をベースに平均で17%の削減を求められる。
 都は「4割という数字で、大規模事業所の温暖化対策の重要性があらためて浮き彫りになった」としている。
 排出削減は、電気などの使用量が原油換算で年間1500キロリットル以上の業務・産業部門の1271事業所を対象に本年度からスタートした。基準排出量は、02~07年度から事業所ごとに連続する3年間を選んで、平均値を算定し都に報告する仕組み。
 今回集計できたデータは1155事業所分で、内訳は業務部門が937事業所(1事業所当たりの基準排出量0・9万トン)、産業部門は218事業所(同1・5万トン)となっている。
   環境税収は2400億円=民主小委が基本方針案
時事通信
20101125
 
     
 民主党の地球温暖化対策税検討小委員会(中塚一宏委員長)は24日の総会で、来年度導入する地球温暖化対策税(環境税)の基本方針案を公表した。原油や石炭などの化石燃料に課税している石油石炭税の税率を約5割引き上げ、増収分を環境税と位置付ける内容。税収は約2400億円と見込んでいる。近く政府税制調査会に提言する。
 税調は来月の税制改正大綱策定に向け詳細を詰めるが、総会でも異論が相次いだほか、産業界の反対も強く、実現には曲折が予想される。
 現行の石油石炭税の税率は原油の場合、1キロリットル当たり2040円。
今年度の税収は約4800億円を見込む。小委は、環境税の導入でガソリンや軽油、灯油などは1リットル当たり0.79円値上がりすると試算している。
(2010/11/24-20:16)

CO2ベースで炭素税として原油の税率なみにかける場合に比べて石炭の税率は半分以下になります。
素朴な疑問ですが、いつも負担増とありますが、省エネ設備投資で節税しないのでしょうか?
  いつまで続く野菜の高騰 供給不足、懐に厳しい冬に
2010/11/25 7:00日本経済新聞 
20101125
 
     
 「大根が高いわねえー」。「今はどこに行ってもこのぐらいの価格ですよ」。1本248円で大根が売り場に並ぶ東京都江東区内のスーパーで、買い物客と店員の間でこうした会話が交わされていた。夏の猛暑が原因で高騰した野菜だが、なお高い状況が続いている。急速に冷え込んで冬本番を迎えつつあり、栄養を取るためにも野菜はしっかり食べておきたいところ。だけどこの高値、いつまで続くの??。

平均価格、平年を37%上回る
 「高値がこれだけ続く年も珍しい」とスーパーの青果物担当者はため息をつく。東京都中央卸売市場の11月上旬(1?10日)の野菜全体の卸値は1キロ265円。安値だった前年同期と比べ43%高く、平年(過去3年の平均価格)も37%上回る。供給量が平年に比べ1ー2割少ないことが要因だ。
 単価が高いため大幅な売り上げ減にはなっていないが、「消費者1人当たりの購買量は下がっている」という。農林水産省の調査では11月8ー12日の大根の全国の店頭価格は過去5年の平均より6割高く、キャベツやネギ、トマトなどもそれぞれ3ー9割平年を上回った。
 卸値は猛暑が顕著になった7月後半から上昇し、同月中旬以降、平年比7ー37%高で推移している。2009年夏も長雨で野菜の生育が鈍り8月に高騰したが、9月以降は天候の回復などで値下がりに転じた。今年は8月の記録的な猛暑が高値を長期化させた。

8月の種まきシーズンに高温乾燥、作付け遅れる
 夏に長野県や東北地方など涼しい地域、冬に九州、四国など関東以西の温暖な地域といったように、野菜は季節ごとに産地をリレーし、全国に供給される。8月は種をまいたり、苗を植えたりする秋?冬の主産地の準備期間に当たる。そこに高温乾燥がぶつかったことで、土壌に水分が足りずに種まきや苗植えが1ー2週間遅れて、10月以降の産地が切り替わる時期に供給の谷間ができた。
 大手青果卸の東京青果(東京・大田)の担当者は「畑に植えられている作物が少ないようだ」と話す。夏にまいた種の発芽が順調に進まなかったり、植えた苗が枯れたりしたためで、ニンジンなど産地が切り替わった作物も出荷量が伸び悩んでいる。
 千葉県松戸市のネギ農家の男性は「葉が黄色く変色したり病気にかかったりするネギが今年は多い」と話す。トマトなどの果菜類は夏に苗を育成するが、「育成技術の高い農家とそうでない農家とで、順調に実をつける苗を育てられたかに差が出る」(東京青果)という声もある。

年明け直後も高値続く可能性も
 農林水産省が設置した野菜出荷安定対策本部は当初、11月に入れば価格は平年並みに下がってくるとしていたが、10月以降の冷え込みや同月末の台風14号の影響で生育がずれ込んだ。その後、下部組織の野菜生産出荷安定連絡協議会では「価格下落が遅れている」との意見が出た。
 今月上旬の高値は大根やキャベツなど産地の切り替わっている品目で供給の谷間ができているという要因もある。現在の水準からは徐々に値下がりする見通し。ただ、最近の急速な冷え込みで出荷量は伸び悩んでおり、いつ平年並みに落ち着くかは不透明感が強い。「年明け直後も高値が続いているのでは」(都内の卸売会社)との声も出ている。
 厳冬となれば、野菜の出荷は伸び悩む。一方で栄養を取ろうと野菜の消費は増えると見られ、価格は高めになりそう。暖冬の場合、野菜の生育が促進されるため価格は下がってくるが、生育が進んで次の産地の切り替え時期になる来春に再び供給の谷間になる可能性もある。

ジャガイモとタマネギ、北海道の生産量1?3割減
 来春まで高値が続きそうなのがジャガイモとタマネギ。秋に収穫した北海道産が、秋から翌春にかけての出回りの中心になる。猛暑の影響で、北海道産の生産量は前年から1?3割減少したもようで、現在の東京市場の卸値はジャガイモが前年比25%高、タマネギが同37%高。都内スーパーの店頭価格もジャガイモが1個60円前後、タマネギが同70?80円と、前年に比べ1?2割高い。
 カルビーはポテトチップスの原料にするジャガイモが「予定の9割程度しか集まらなかった」。同社は原料となるジャガイモの規格を従来より緩くしている。スーパーのダイエーは同じく不作だった昨年に続いて年末ごろに北米産のタマネギを扱う予定だ。
 「鍋物野菜などで売り込みをかけたいが、品物がない」とスーパーからは嘆き節が聞かれる。生産が安定しているキノコ類の仕入れを増やして割高感を抑える店舗があるなど、対応に苦慮している。

リンゴやミカンなども1?3割高
 リンゴやミカンなど旬の果物の店頭価格も例年に比べ1?3割高い。春先の低温と夏の猛暑の影響で供給量が軒並み少なく、高値になっている。果樹が実をつけるのは1年に1回のため、今年産は高値傾向が続きそう。「野菜・果物全体を見ても安いのは在庫が多くなっているバナナくらい」(東京・大田市場の仲卸業者)と、消費者にとっては厳しい冬になりそうだ。 
   電事連など9団体、議定書延長反対で提言
2010/11/25電気新聞
20101125
 
    
 国連気候変動枠組み条約第16回締約国会議(COP16)の開幕を29日に控え、電気事業連合会や日本鉄鋼連盟など産業界9団体が24日、京都議定書延長への反対などを盛り込んだ提言を発表した。京都議定書では削減義務を負う対象国が地球全体の二酸化炭素(CO2)排出量の3割弱しかカバーしていない点を問題視。国際的な公平性や排出削減の実効性の観点から、すべての主要国が参加する国際枠組みの構築を求めている。電事連は、「2国間オフセットメカニズム」の必要性を訴えるととともに、国内排出量取引制度の導入に強く反対する意向を示した。

意見書は、以下の日本鉄鋼連盟ホームページ、電事連ホームページなどにあります。
http://www.jisf.or.jp/news/topics/101124.html
http://www.fepc.or.jp/news/__icsFiles/afieldfile/2010/11/24/20101124press.pdf
 読むと、コペンハーゲン合意でボトムアップ目標策定・・・に合意したなど
とあります。コペンハーゲン合意への各国意見を読めば、多くの国が拘束力ある議定書などをコメントとしてつけていますが。
  CO2、国内対策だけで15%削減」 環境次官が提言
 
2010/11/26 21:24日本経済新聞  
20101124
 
     
  「 日本経済研究センターは26日、都内でシンポジウム「環境税、排出量取引は環境と経済の両立を図れるのか」を開いた。
 講師を務めた小林光環境事務次官は2020年に1990年比25%削減するとした政府の二酸化炭素(CO2)排出抑制目標について「国内対策だけで少なくとも15%削減を達成すべきだ」と指摘。そうすれば30年には30%の削減が可能になるとの見通しを示した。
 国内対策は真水とされ、原子力発電所の増設や自動車の燃費改善、住宅の断熱性向上などが対象。残る10%分は海外からの排出枠購入などで埋める考えとみられる。
 センターはシンポで環境税の影響試算を公表。現在政府・与党が検討する石油石炭税の引き上げ案では「CO2削減効果はないに等しく、全国どの地域でも経済成長への影響もほとんどない」と指摘した。

温室効果ガスと書かずにCO2としているのでよくわからない記事ですが(2008年実績でCO2は6.1%増でとりわけエネルギー起源CO2は7.5%増、他は減っているので温室効果ガス6ガス全体では1.6%増)、「25%削減」全部を国内ではなく、海外からの排出枠購入など他に頼るという趣旨かもしれません。 
20101124
 
     
日経BPホームページにに以下が掲載されました。
環境は政府保証付きのニーズ
http://eco.nikkeibp.co.jp/article/report/20101124/105347/

桜井・経済同友会代表幹事へのインタビューで、気温上昇2度という気候変動の悪影響を避ける目標を踏まえた上で、「日本の企業も、25%削減が難しいという前に消費者市場で勝たないと生き抜いていけないはずだ。」「実現できれば高い競争力を持ち、成長性のある企業になれる。」などと言っています。 
 
  温暖化ガス濃度、過去最高=メタンが再び増加傾向-09年 
時事通信 【ジュネーブ時事】
20101124
 
    
世界気象機関(WMO)と日本の気象庁などは24日、二酸化炭素(CO2)など温室効果ガスの2009年の世界平均濃度が、前年に続き過去最高を更新したとの報告書をまとめた。鈍っていたメタンの増加ペースが再び加速する傾向がうかがえると分析、地球温暖化対策が急務と訴えている。
 大気中の主な温室効果ガスはCO2、メタン、一酸化二窒素(N2O)。昨年1年間で3種類いずれも増加が確認された。
 このうち、化石燃料の燃焼などで放出されるCO2の平均濃度は386.8ppm(ppmは100万分の1)と前年から1.6ppm増加。メタンは1803ppb(ppbは10億分の1)、N2Oは322.5ppbとなり、それぞれ5ppb、0.6ppb増えた。(2010/11/24-21:10)

温室効果ガス濃度 過去最高に
11月24日  21時3分 NHK
 去年、世界各地で観測された二酸化炭素やメタンなどの温室効果ガスの平均濃度が、過去最も高い値を更新したことが、WMO=世界気象機関のまとめでわかりました。
 スイスのジュネーブに本部がある国連の専門機関、WMOは、去年、世界各国の気象機関などが観測した主な温室効果ガスの平均濃度をまとめました。それによりますと、▽大気中の二酸化炭素の平均濃度は、前の年より0.42%高い386.8ppm、▽メタンの平均濃度は、前の年より0.28%高い1803ppb、さらに▽一酸化二窒素は0.19%高い322.5ppbとなり、いずれも過去最も高い値を更新しました。このうち、一時、増加の傾向が頭打ちとなっていたメタンは、3年連続で高い伸びとなりました。WMOは、3年前からおととしにかけて、北半球の高緯度地域が異常高温となって凍土が解けたり、南米沖の海面水温が低くなるラニーニャ現象の影響で熱帯地域の雨量が増えたりしたために、地中などから発生するメタンが増えた可能性があると推定しています。データの取りまとめを中心的に行った日本の気象庁は「北半球の異常高温やラニーニャ現象はことしも起きており、メタンの増加は続いている可能性がある。ただ、温室効果ガスの大半は経済活動によって排出されているので、長期的な排出削減の取り組みが今後も重要だ」と話しています。 
  滋賀嫌悪排出の50%は産業部門です(電気のCO2を消費
側に割り振る間接排出で)。


低炭素化計画書義務付け県条例案300事業所対象に 
(2010年11月23日  読売新聞)
20101119
 
    
 地球温暖化の原因となる二酸化炭素(CO2)など温室効果ガスの排出量を抑えようと、県は22日、年間エネルギー使用量が一定量を超える事業所に対し、低炭素化に取り組む計画書の提出を義務付ける条例の要綱案を明らかにした。来年2月の定例議会に提案し、4月1日の施行を目指す。県は12月21日まで県民の意見を聞く「パブリックコメント」も募集する。
 「県低炭素社会づくりの推進に関する条例」(仮称)の要綱案で、県議会の温暖化・造林公社問題対策特別委で示した。原油換算で年間1500キロ・リットル以上のエネルギーを使う約300事業所が対象で、CO2などの排出量は全製造業の総排出量の約8割を占める。
 各事業所は計画期間や基本方針、削減目標などを自主的に設定。
建物改修など直接効果のほか、省エネ製品を製造・販売したり従業員の自動車通勤を抑制したりするなどの間接効果も盛り込める。
 県は計画の達成度について毎年度、実績報告書の提出を求める。
条例に違反したり、達成度が低かったりしても罰則規定はないが、県は各事業所の計画書と報告書を公表し、低炭素社会づくりに向けた各事業所の姿勢を知らせるという。
 条例施行から1年間を周知期間とするため、計画書の提出については2012年4月から義務化される。 
  長期的な海水温上昇が2割強=今夏の猛暑要因-スパコンで再現実験・東大 
20101119
 
      
 今年の日本の猛暑を引き起こした異常気象の一因に、過去約30年の長期的な海水温の上昇があるとの研究結果を、東京大・大気海洋研究所のチームがスーパーコンピューターを使った解析でまとめ、19日発表した。
 こうした傾向にラニーニャ現象に伴う熱帯域の海水温上昇や北極の海氷の減少が重なり、北半球で広範囲に猛暑が起 きたと分析。木本昌秀教授は「海水温上昇には多くの要因が考えられるが、温室効果ガスによる地球温暖化も一因だ。温暖化が猛暑を後押しした可能性がある」 と話している。
 チームは、海水温が大気に及ぼす影響を再現する計算モデルを使って実験。今年3~8月の海水温や、極域の海氷データを用いて計算したところ、日本周辺や米国東部などで実際に観測されたのとよく似た気温上昇や、ロシア中部の低温状態が起きた。
 長期的な海水温上昇が、日本周辺の夏場の気温上昇にどの程度関係しているかを計算すると、猛暑の2割強が海水温上昇で説明できるのを確認。チームは最近の温暖化が猛暑を底上げしたとみている。 
  温室効果ガス:車の燃費「65%改善」 削減策、20年までに--環境省 
20101119
 
     
 環境省は18日、地球温暖化対策のため、自動車の燃費を20年までに現状(05年)から最大65%改善させる方針を固めた。ハイブリッド車や電気自動車などの次世代車の販売割合を5割まで高め、従来車(ガソリン車)についても、燃費を大幅に改善したモデルに置き換えていく。
 政府は20年に温室効果ガスを最大25%(90年比)削減する中期目標を掲げている。燃費改善方針は、目標達成に向けた行程表素案の主要項目として同日、中央環境審議会の小委員会に提出された。
 自動車からの温室効果ガス排出は、運輸部門の排出量全体の9割を占める。このため同省は、公共交通の利用促進などと併せて、自動車の燃費の大幅改善が必要と判断した。
 素案によると、従来車の燃費は08年までの10年間に約3割改善した。次世代車の普及と従来車の燃費改善とが並行して進めば「燃費の65%改善は可能」と分析している。
 また、都市部人口の最大1%が、車を複数で共同利用する「カーシェアリング」をできるような支援も併せて実施するとした。
 環境省はこの行程表を完成させ、政府の計画として来年度以降に閣議決定、目標達成を目指す。しかし、中期目標の根拠となる地球温暖化対策基本法案は国会で成立のめどが立っておらず、今後の行方は不透明だ。
  「環境自動車税」は先送り=12年度改正で検討-政府税調 
20101119
 
     
 政府税制調査会は19日、総務省が地方税としての新設を要望した環境自動車税について、11年度税制改正大綱では結論を見送る方針を決めた。軽自動車が増税となるため、政府・与党内の反発が強かった。また、財務省は「国税の減収につながる」と反対していた。
 環境自動車税は地方税の拡充と地球温暖化対策を目的に、自動車税(地方税)と自動車重量税(国税)を地方税に一本化し、自動車の排気量と二酸化炭素(CO2)排出量に応じて課税する制度。総務省は12年度からの導入を要望しているが、「周知期間が必要」として11年度税制改正での決定を求めていた。
   排出量取引制度:産業部門の負担年700億円
20101116
 
    
地球温暖化対策として政府が大企業を対象に2013年度の導入を目指す国内排出量取引制度について、環境省は16日、導入後の対象企業のコスト総額を明らかにした。省エネ技術の導入などで鉄鋼やセメント、化学、自動車など産業部門は年間600億~700億円の負担が必要だが、オフィスビルなど業務部門は逆に同約400億~500億円の支出減になるという。
 同省はこの日の中央環境審議会小委員会に排出量取引制度の最終案を提示した。経済産業省などと調整して年内にも政府方針を固める方針だ。
 同制度は二酸化炭素(CO2)を確実に削減するため、企業(年1万トン以上のCO2を排出する約4000事業所)を対象に排出上限を定める仕組み。国内で20年に90年比15~25%削減するのに必要な、企業による省エネなどの投資費用の総額を環境省が今回推計した。
 省エネ機器を13~15年で更新すると仮定すると、産業部門は年間2600億~2700億円、業務部門で同約400億~700億円の一時支出が必要になるが、省エネ効果でその大半を回収できる。その結果、最終的な支出は産業部門で4分の1程度に抑えられ、業務部門は支出減になる。試算は政府の補助金などを考慮していないため、実際の負担はさらに減る見通しだという。
 最終案はこのほか、電力会社には電気の供給義務があることを考慮して、電力量あたりの排出上限を決める「原単位方式」で優遇し、その他の企業は総排出量に上限を設ける「総量方式」とすることが盛り込まれた。
  CO2排出量、09年度は軒並み減少 世界不況が影響  
20101110
 
   
日本経済新聞
 本紙が主要27社について環境報告書などを基に主に国内生産部門のCO2排出量を集計したところ、鉄鋼4社の09年度の排出量は08年度比5.3%減。同じく電機9社が10.6%、自動車7社が7.2%の減少だった。ただ、省エネ対策の成果というよりも、世界同時不況で国内生産が急減したことが主因だ。
 新日本製鉄やJFEスチールなど鉄鋼4社は全社が減少。09年度の粗鋼生産量が08年度比8.6%減となったことが大きい。化学はエチレンの生産が伸び、住友化学などでCO2排出量が増えた。
 自動車7社では、日産自動車を除く6社が減少。国内生産が合計で11.4%減となったことが排出抑制につながった。電機でも堺市で液晶パネル工場を稼働したシャープを除く8社が08年度比で減少した。
 政府目標の基準年となる90年度との比較では業種により進ちょくにばらつきがある。自動車は比較が可能な6社のCO2排出量は09年度に39.1%減と、この間の国内生産の減少幅(34.8%)を上回る削減実績を達成。鉄鋼4社も粗鋼生産量の減少幅(13.7%)を上回る16%の削減だった。
 一方、電機は生産工程で大量の電気を消費する半導体や液晶の生産が伸びた結果、ソニー、パナソニック、東芝が90年度比2けた増だった。足元の数字を見ると、電機の進ちょくが特に厳しい。 
 
  CO2、90年度比16.8%減=景気低迷で下げ幅最大に-昨年度  
 20101110
 
 日本経団連は10日、製造業・エネルギー産業34業種による2009年度の二酸化炭素(CO2)排出量を公表した。景気低迷に伴う生産減などの影響により、排出量は京都議定書が削減の基準年とする1990年度比で16.8%減の4億2170万トンとなった。90年度比の下げ幅は、経団連が地球温暖化防止のためCO2抑制の自主行動計画を策定した97年以降、最大となった。
 一方、34業種の予測に基づく経団連の試算では、京都議定書の削減約束期間である08年度から12年度まで5年間の排出量は、年平均で90年度比8.2%減の4億6527万トンと1けたの減少幅にとどまる見通しだ。

直接排出だと増加している可能性があります。
エネルギー効率については、資エ庁の需給確報では産業はエネルギー効率が悪化しているようです。
 
  温暖化対策交渉、「奥の手」に注目 23年前の条約活用 
20101110
 
  
地球温暖化対策の国際交渉が難航する中、「奥の手」が注目を集め始めた。1987年に採択され、オゾン層破壊を食い止めたとされる「モントリオール議定書」を改正し、温室効果ガス排出削減に応用するアイデアだ。
 12日までバンコクで開かれている同議定書の締約国会議では、最高で二酸化炭素(CO2)の1万2千倍という高い温室効果がある厄介者の代替フロン、ハイドロフルオロカーボン(HFC)を規制できるようにするかを決める。
 HFCは温室効果ガス排出を規制する京都議定書の対象だが、2013年以降の枠組み(ポスト京都議定書)を決める交渉は停滞している。そこで、世界のほぼすべての国が加わるモントリオール議定書で規制する案が期待を集めている。同議定書は、冷蔵庫やエアコンなどの冷媒が、オゾン層を破壊するフロンから代替フロンに切り替わっていく流れを作った実績がある。
 昨年の締約国会議でもHFCの扱いは議論になった。年末に予定されていた国連気候変動枠組み条約締約国会議の行方を見極めようとの思惑から改正は見送られた。大きな進展がなかったため、今年改めて焦点に。ただ9日付米紙ニューヨーク・タイムズによると、HFCを多く生産する中国やインドなどが急速な削減に難色を示しており、決着が来年以降にずれ込む可能性もある。
 米英両国に本拠を置くNGO「環境調査エージェンシー(EIA)」によると、HFCの全廃は、世界で化石燃料から排出されるCO2の3~5年分の削減に相当する。EIAは「モントリオール議定書による温室効果ガス規制は最も安上がりで効果的だ」としている。 
 
  地球温暖化:日本企業の7割「リスクがある」 
 20101101  日本の主要企業の約7割は、地球温暖化が進むと異常気象などで企業活動に悪影響があると受け止めていることが、英国の非営利組織「カーボン・ディスクロージャー・プロジェクト(CDP)」の調査で分かった。
 主要企業に温暖化に関する戦略などについて質問状を送付。日本では時価総額上位500社が対象で、218社から回答があった。
 回答企業の90%は、温暖化対応は役員会などの経営陣が責任を負っていると応じ、経営を左右する重要課題になっていることが浮き彫りになった。企業活動への影響に関しては、排出量取引や環境税などの規制的な政策でリスクがあると答えたのが81%、異常気象や動植物資源の変化などのリスクがあるとしたのは72%だった。
 一方で、80%は排出量取引導入などでビジネスチャンスがあると受け止め、水不足地域での水ビジネスをはじめ、新たな好機が生まれると答えた企業も過半数に上った。 
  排出量取引:対象は1万トン以上の事業所…環境省方針 
20101101
 環境省は1日、地球温暖化対策の国内排出量取引制度を実施する対象を「年間1万トン以上の二酸化炭素(CO2)を排出する事業所を持つ企業」とする方針を固めた。同日、中央環境審議会小委員会に報告した。約4000事業所が対象の見通し。具体的な排出上限は、生産量あたりの排出量や過去の排出実績などを踏まえて決める。年内に関係省庁と協議し政府案を決め、13年施行を目指す。
 現在、地球温暖化対策推進法に基づき、3000トン以上を排出する約1万2000事業所が排出量を国に報告している。
 環境省は、同制度実施の対象を検討し、排出量を1万トンに引き上げることにした。その理由について、環境省は、(1)対象数は3分の1になるが、その排出量の合計は3000トンとした場合の事業所排出量の9割を占める(2)約4000事業所の排出量は日本全体の4割を占める(3)対象が減ることで行政運営の効率化が図られる--と説明している。
 割り当てる排出量の決め方については、鉄1トンなど生産量あたりの排出量を設定しやすい鉄鋼などの業種では、それと生産量を掛け合わせた上で排出削減技術を考慮して決定する。それ以外の業種は、過去の排出実績を踏まえる。
また、企業が9000トンを排出する事業所を複数抱えていても制度の対象外だが、1万トンを排出する事業所が1カ所でもあると、その企業は排出上限が定められる。
 この制度は、企業単位などで定められた排出量の過不足分をお互いに売買する仕組み。環境省は政府が企業に排出量を割り当てるが、経済産業省は企業が自主的に目標を設定するとし、食い違っている。 
  EU、京都議定書目標達成は順調に進行中 
20101012

 10月12日、欧州委員会は、京都議定書の目標達成に向けた進捗状況について、年次報告書を公表し、欧州連合が、京都議定書に定められている目標を既に達成していることを示した。京都議定書では、EU15ヶ国に対し、2008年から2012年までの期間に基準年から8%削減することが義務付けられている。
EU27ヶ国に対する義務はないものの、2004年から2007年に加盟した12ヶ国のうち10ヶ国が、基準年から6%、もしくは8%削減することを自主的に義務付けている。残りの2ヶ国は、キプロスとマルタである。
 2010年6月に報告された通り、EU15ヶ国における2008年の温室効果ガス排出量は基準年より、6.9%削減された。一方で、この間の経済成長は、45%である。EU27ヶ国では、その数値は14.3%削減となっている。今回報告された2009年の数値では、EU15ヶ国では12.9%削減、EU27ヶ国では17.3%削減となっている。
 また、報告書では、EU15ヶ国における2008年から2012年の平均値は、14.2%削減という予測値を挙げている。これは、まず、既存の政策のみで取り組む場合も、10.4%削減が達成され、さらに、15ヶ国中10ヶ国によって計画されている京都メカニズムにおける排出権の購入により、2.7%削減が達成できるとされている。これにより、13.2%削減が達成される。また、森林対策の実施による森林吸収により、さらに追加的に1.0%、削減できるとしている。また、新規加盟国で京都議定書目標を導入した10ヶ国全てが、この目標を達成、または超えるとしている。【欧州委員会気候行動局】

EICネットに以下が登録されました。

なお、EUの発表は以下にあります。
http://ec.europa.eu/environment/climat/pdf/gge/report_2010_en.pdf

EU、京都議定書目標達成は順調に進行中
http://www.eic.or.jp/news/?act=view&serial=24102&oversea=1 
  温室効果ガス 10年後排出量 90年度比10%減 県、実行計画提案へ 
 10101026
秋田県は2010年の温室効果ガス削減目標が90年比9.5%削減のはずでしたが。。。
 県内で排出されるCO2など温室効果ガスの削減を話し合う県地球温暖化対策実行計画協議会は25日、2020年度の排出量を1990年度比約10%減の702万1000トンに抑える数値目標を設けることを了承した。県はこの数値目標を盛り込んだ実行計画の素案を12月定例県議会に示す。
 実行計画は、11年度から20年度まで、県の今後10年間の地球温暖化対策の指針となる。県は、経済界と県民が新たな省エネ対策に取り組まず05年度レベルにとどまった場合、20年度の排出量は90年度比約30%増の1022万1000トンに達すると試算している。
 このため、県は、経済界の代表者などでつくる協議会に対し、削減目標を提案した。具体的には〈1〉高効率給湯器や低燃費車の導入、建物の断熱化など省エネ対策で162万6000トン〈2〉電力会社の発電所対策で151万1000トン〈3〉太陽光など新エネルギー導入で6万3000トンを削減する。
 協議会からは、目標達成には補助金など行政のインセンティブ(奨励)が必要との意見も出たが、県の提案を了承。
 数値目標は、県が2月県議会に提案を目指す「県地球温暖化対策推進条例(仮称)」の実効性を担保するものにもなる。 
  米、トラックに初の燃費規制 温暖化対策で 
 10101026
 米環境保護局(EPA)は25日、地球温暖化対策として、配達用トラックやトレーラーからの二酸化炭素(CO2)排出量を規制する初の燃費規制案を発表した。2014~18年モデルが対象で、最大20%のCO2排出削減を求める。
 規制の導入で燃料の消費が抑制されることにより、計410億ドル(約3兆3千億円)の利益が利用者にもたらされるとも試算している。
 EPAは乗用車に対しては、燃費を16年モデルでガソリン1リットル当たり約15キロに向上させる規制を決定。25年モデルでは同20~26・4キロを義務付ける案も発表している。 
  途上国の森林破壊どう防ぐ 名古屋で閣僚級会合
 10101026
 日本、パプアニューギニアなど30カ国以上が参加した森林保全と地球温暖化に関する閣僚級会合が26日、名古屋市で始まった。日本など69カ国は既に、森林保全を行うことで、温室効果ガスを削減する仕組みづくりのためのパートナーシップを結成しており、会合では、森林減少の著しい開発途上国支援に向け2012年までの作業計画について議論する。
 前原誠司外相の代理として出席した山花郁夫外務政務官はあいさつで、森林保全について「最も効果的な気候変動緩和策の一つ。迅速に取り組みを進めるべき分野だ」と述べた。
 40億ヘクタールの世界の森林面積のうち、焼き畑などの農地転用や違法伐採、森林火災などを主因に毎年1290万ヘクタールが消失。この結果、森林消失に伴う温室効果ガスの排出量は全排出量の2割分に達しており、森林保全の国際的な仕組みづくりが大きな課題となっている。
 パートナーシップは、特に森林減少が加速している途上国の熱帯雨林を中心に、先進国が資金や技術を支援。森林保全による排出削減分を排出権として先進国が取得できる仕組みの構築を目指している。森林分野の国際協力で実績のある日本も、この仕組みを活用していきたい考え。
 国連交渉では、REDD+(途上国における森林減少の防止)と呼ばれる新制度の導入が議論されている。同グループの目的は、国連交渉とは別に短期的な取り組みを強化して制度づくりの主導権を握ることだ。設立時に、先進国側は計40億ドル(約3200億円)の拠出を表明している。
 この日は2012年までの作業計画の方向性を議論し、共同議長サマリーを発表する予定。
 REDDは「森林減少と劣化の防止による温室効果ガスの削減」の英文略語。 
  アジア都市の洪水被害拡大 温暖化進行で2050年に 
10101020
 【バンコク共同】アジア開発銀行(ADB)などは22日、地球温暖化に伴う気候変動が現状のまま2050年まで進行すれば、タイの首都バンコクなど東南アジアの主要都市で洪水被害の規模が拡大し、各都市の被害額は各国の国内総生産(GDP)の2~6%相当になると想定されるとの報告書を発表した。
 ADBと世界銀行、国際協力機構(JICA)は08年から、沿岸部に近い1千万人前後の人口を抱えるバンコクとマニラ(フィリピン)、ホーチミン(ベトナム)の3都市を対象に共同調査を実施した。
 ホーチミンでは現在の気候条件で人口の約26%が台風の影響を受けているが、気候変動により50年には約62%まで増加する可能性があると指摘。3都市は東南アジア地域の経済や政治の中心地でもあり、気候変動のリスクに対応するための長期的な都市計画やインフラ管理が必要だと促した。 
  コメ品質、猛暑で大幅低下=1等米比率が99年以降で最悪-農水省 
10101020
 農林水産省が20日発表した9月末現在の2010年産米の品質検査結果によると、最も品質の良 い1等米が全体に占める割合は64.4%にとどまった。
9月末としては、比較可能な1999年以降では02年(65.8%)を下回り、最悪となった。今夏 の記録的な猛暑が影響したもので、同省は「今年のように全国的にコメに高温障害が表れたのは珍しい」(食糧部)としている。
 コメの品質検査は、民間機関が実施し、同省が毎月集計。整った粒の割合や水分含有量などの基準で1等から3等、規格外に格付けしている。
  10年産米は9月末現在で、1等が64.4%、2等が32.8%、3等が2.0%、規格外が0.8%。09年産の1等米が同時期に83.0%だったのに対 し大幅な低下となった。品質悪化は猛暑が続き、夜の温度も下がらなかったことなどから、コメに十分な栄養が行き届かず、白濁したものが多くなったのが主因 だ。
  今世紀中に深刻な干ばつ危機=南欧など顕著に-米研究機関 
20101020
 
 【ワシントン時事】米大気研究センター(NCAR)は19日、温室効果ガスによる温暖化現象で、21世紀中に人口密度の高い南欧などが、人類が経験したことのない深刻な干ばつの危機に見舞われる可能性があると発表した。
 NCARはコンピューターによる気候モデル解析に基づき、2000~09年、30~39年、60~69年、90~99年の四つの期間ごとに、世界の各地域がどの程度乾燥するかを調べた。
 乾燥の度合いをマイナスで表し、最高値をマイナス20に設定した。調査に当たったダイ研究員によると、マイナス4以下は極度に乾燥した状態で、マイナス6以下になるのは極めてまれ。
 しかし、30年代までに米国の中部や西部の多くの地域でマイナス4からマイナス6となり、地中海地域ではマイナス8以下になるとの分析結果が出た。今世紀末までには、中国や南西アジア、アフリカ、南米、オーストラリアの大部分も深刻な干ばつに見舞われ、特に地中海地域の多くは未曽有のマイナス15以下に達する可能性があるとしている。
  電力消費の2割削減 県職員定時退庁を調査 
20101019
 
埼玉新聞2010年10月19日(火)
 県庁職員が残業せずに一斉に定時退庁すると、平日の勤務時間外平均(午後6時から午前0時まで)と比べて、19・6%の電力消費量削減効果が得られることが分かった。現在、年3回設けている一斉退庁日を毎月1回実施した場合、年間で二酸化炭素(Co2)排出量を45・4トン減らすことができ、約147万円の経費削減につながるという。
 県は6月28日から7月18日(土、日曜日を除く)までの期間、電力消費量からCo2排出量の削減効果について調べた。調査対象は、さいたま市浦和区高砂の県庁本庁舎、第2庁舎、第3庁舎、別館、衛生会館、職員会館、県議会議事堂のほか、県内に12カ所ある地方庁舎。通常勤務日の勤務時間外平均と7月7日に設けた一斉退庁日、6月30日と7月14日のノー残業デー(水曜日)のデータを比較した。
 県温暖化対策課によると、電力使用量について調べたところ、地方庁舎を含めた全職員一斉退庁日(午後5時15分か同45分)の7月7日は、通常勤務日と比べて19・6%削減できたという。ノー残業デー2日間と比較しても、7月7日は9・8%の削減効果が得られた。
 仮に1年を通して、毎週1回のノー残業デーで、退庁時間に帰宅したと想定した場合、年間で61・2トン、約196万円の経費を削減できると予想している。61・2トンはコンビニエンスストア1店舗のCo2年間排出量に相当するという。
 休日前だった7月9日の金曜日には、地方庁舎を含めた各課にパソコンのコンセントの引き抜きをはじめ、テレビやコピー機などの主電源を切るように待機電力削減を呼び掛けた。呼び掛け前の7月3、4日と呼び掛け後の7月10、11日の電力消費量を比べると、1・9%減らすことができたという。
 同課は「午後10時以降の時間外勤務は1人当たりの電力消費の視点からみて、特に効率が悪い。一斉退庁などの取り組みは特別な設備投資を行うことなく、身近なところからできる温暖化対策だと言える」としている。
 県は2020年度までに05年度比で25%の温室効果ガスを削減する目標 を掲げている。 
  温室効果ガス、15%削減 温暖化対策で県が計画 11~15年度高い目標値 
 20101019
(10月19日 05:00) 下野新聞
 県は18日、県地球温暖化対策実行計画(2011~15年度)の素案をまとめ、県環境審議会地球温暖化部会(部会長・赤塚朋子宇都宮大教授)に示した。地球温暖化の原因となる二酸化炭素(CO2)など温室効果ガスの県内排出量を、15年度に90年度比で15%削減するという、現行計画から大きく進んだ目標値を設定した。目標達成に向け、本県の自然環境を生かすため、温泉熱による加温や木材残材活用の発電の促進なども盛り込んだ。
 温室効果ガスの削減目標は3月に小沢鋭仁前環境相が示した「地球温暖化対策にかかわる中長期ロードマップ」を念頭に設定。20年度までの排出量削減目標を、90年度比で25%に設定した上で、現在の県内排出量を踏まえて、15年度までの削減目標値を15%とした。県内排出量を15年度には、90年度比で約273万トン削減し、1542万トンとする計算だ。
 削減に向けた具体策では、太陽光発電装置の普及など国のロードマップで示されている施策に加え、本県の自然環境を生かす取り組みを盛り込んでいる。
 豊富な温泉資源と森林資源を活用し、例えば温泉熱を循環させて温泉を加温するシステムの普及や製材後に残った木材残材を活用したバイオマス発電の促進などを挙げている。
 現在、温室効果ガスの県内排出量の削減目標を定めているのは県地球温暖化対策地域推進計画(06~10年度)で、10年度までに90年度比で0・5%の削減を目標としている。こうした中、08年度の県内排出量は90年度比で1・5%下回り、目標を2年前倒しで達成した形になっている。
 ただ県環境森林部によると、新たな対策を見込まなかった場合、排出量はほぼ横ばいで推移するとみられており、新計画のレベルはかなり高いとみられている。 
  12年度ガス排出 6%減目指す 倉敷市温暖化対策計画素案 
 20101018
 倉敷市は18日、地球温暖化対策実行計画の区域施策編(クールくらしきアクションプラン)の素案をまとめた。官民が協力し、市内の二酸化炭素(CO2)など温室効果ガスの排出量を2012年度に、基準年の07年度に比べて6%減らす目標などを掲げている。
 市議会市民環境委員会で報告した。19日から11月15日まで市民の意見を募る。
 素案は、産業、まちづくり、ライフスタイルといった側面から「低炭素都市」を目指すとし、「環境調和型コンビナートの形成」「中小事業者の環境経営支援『ものづくりエコサポート』の推進」「環境にやさしい生活様式『良環スタイル』の推進」といった七つのプロジェクトを挙げている。
 プロジェクトの具体的な方策は今後検討するが、「徒歩や自転車、公共交通機関で移動する交通体系の構築」「高い省エネ性能を備えた住環境づくり」「市域の緑化推進」などが浮上している。
 市内の温室効果ガス排出量(CO2ベースで換算)は推計で07年度に約3960万トン。数値目標は12年度に6%減とする短期目標のほか、20年度までの中期目標(12%減)、50年度までの長期目標(80%減)を定めてい る。
 素案は市本庁、支所などで閲覧できる。問い合わせは市地球温暖化対策室
(086―426―3394)。 
  CO2総排出量規制、電力会社は例外 環境省案 
20101018 
2010年10月18日15時1分朝日新聞
 地球温暖化対策として政府が導入をめざす国内排出量取引制度について、環境省は18日、電力会社以外の企業に二酸化炭素(CO2)の総排出量での削減を義務づける方針を明らかにした。電力会社だけは例外として、発電量当たりの排出量を規制する。2013年度からの実施を目指す。排出量取引をめぐっては経済産業省も制度設計を進めており、政府内で一本化の必要がある。
 この日開かれた中央環境審議会で、8月に示した3原案のうち有力案を明らかにした。同案によると、CO2排出量が一定規模以上の企業を対象に政府が排出量の上限値を設定し、上限値からの過不足分を企業同士が売買することで、全体の削減を図る。
 上限値は、既存の省エネ技術を導入すれば達成できる水準にする。例えば鉄鋼業では先端技術で鉄1トンをつくった場合の排出量を調査。この数値に生産量なども考慮し、各社の上限値を決める想定だ。
 電力会社は需要に応じた電力の供給義務を負うため、総排出量では規制しない。発電量当たりの排出量を規制することで、火力発電の占める割合を減らす。発電に伴う排出量は、企業や家庭など利用者側の排出量として計算する。
 ただ、先行する欧州連合(EU)をはじめ海外の制度では、電力会社にも総排出量で上限値を設定するのが主流だ。将来、排出枠を国際的に流通させる場合に、整合性を問われる可能性がある。
 また、既存の技術で達成可能な水準で企業の削減義務を決めるため、20年に温室効果ガスを90年比25%削減するという政府目標の達成につながるかどうかは不透明だ。産業界の受け入れやすさを狙っているが、環境NGOは不十分だと強く批判。環境省幹部は「企業に無理なことをやらせても仕方がない。省エネ対策が遅れている企業が追いつくまでの緩和措置だ」と説明する。
 経産省も制度の検討を進めてきたが「企業の負担が増え、国際競争力が低下する」など産業界の反発が強く、まだ案をまとめていない。(長富由希子) 
   京都議定書の単純延長反対 首相、全主要国の参加強調 
20101018
菅直人首相は18日午後の参院決算委員会で、地球温暖化防止の新たな国際的枠組みについて、「すべての主要国が参加し、公平かつ実効性のある枠組みを構築する、新しい一つの包括的文書を速やかに採択すべきだ。単純に京都議定書を延長することには反対だ」と表明した。
 温暖化対策をめぐっては、来月から国連気候変動枠組み条約第16回締約国会議(COP16)が開かれるが、中国を含む途上国は、先進国だけに温室効果ガスの削減義務を課した京都議定書の延長を主張。欧州連合(EU)も条件付きでこれを受け入れる用意があるとしている。
首相は11月からメキシコで開かれる気候変動枠組み条約第16回締約国会議(COP16)に向け「すべての主要国が参加する公平かつ実効性のある新しい包括的文書を速やかに採択すべきだ」と述べた。
 
   25%削減“費用回収可能 
 20101018
 温室効果ガスを25%削減するための具体策を検討している環境省の委員会は、太陽光発電やエコカーの導入などで年間およそ10兆円の投資が必要になるものの、エネルギーの節約効果によって、2030年にはその費用の回収が可能だとする試算をまとめました。
 東京都内で開かれた15日の委員会には、各分野の専門家が出席し、温室効果ガスの排出を2020年までに25%削減する政府の目標を実現するための試算結果が発表されました。それによりますと、太陽光発電や電気自動車などのエコカー、それに断熱性能の高い住宅などを導入することで、日本全体で年間9.6兆円の投資が必要になるとしています。しかし、こうした機器の導入でエネルギー消費が大幅に節約できるため、2030年までには投資分を回収できるとしています。その結果、国内の対策だけで25%の削減が可能だとしていますが、原子力発電所の稼働率が、前提とされている85%まで、今後、上がらなければ、温暖効果ガスの排出が増えてしまうリスクがあることも指摘 しています。委員長を務める国立環境研究所の西岡秀三特別客員研究員は「家庭でどんな対策が取れるのか真剣に考えてもらいたいし、今後もエコカー減税のような政策の後押しが欠かせない」と話しています。 
   ポスト京都 単純延長は問題外だ(毎日新聞) 
  20101016
 欧州連合(EU)は日本やEUなどが温室効果ガスの削減義務を負っている京都議定書の単純延長を条件付きで認める方針を決定した。議定書の枠外の米国や中国も応分の削減を約束することが条件だが、日本は同調すべきでない。
 日本が延長をのめば、米中が日本の期待するような「約束」をするとはとても期待できない。両国とも困難な国内事情を抱え、経済成長を優先せざるをえない状況だ。
 米国は議会の反対で削減目標すら国際公約できない。そのなかで甘い想定をして「京都」の延長をのめば、日本だけ公平を欠いた負担を背負い、産業の「空洞化」を加速することになるだろう。
 来月末からメキシコのカンクンで開かれる国連気候変動枠組み条約第16回締約国会議(COP16)は、世界経済の不調をうけて成果がまったく望めない状況だ。途上国は削減義務を課されることに反対し「温暖化は先進国の責
任」と主張している。「京都」は先進国だけが大きな削減義務を負うシステムであり、途上国はかねてその単純延長を求めてきた。EUは途上国の離反を食い止めるには、それをのむほかないと判断したようだ。
 しかし、EUには別の思惑があることを忘れてはなるまい。京都議定書の第1約束期間は2012年に終わる。翌年以降、「空白期間」が生じることをEUは懸念している。EUは「京都」をベースに二酸化炭素の排出量取引制度を構築し、金融機関は大量の「在庫」を抱えている。排出量取引市場の存続がEUにとって至上命令なのだ。
 政府はかねて「京都」の単純延長に反対であることを表明してきた。EUが賛成に回れば状況は厳しくなる。日本以外で単純延長に反対の国は多くない。
しかし、あくまで反対姿勢を堅持すべきだ。
 日本は京都議定書の目標を達成するため「京都メカニズム」に従い海外からクレジットを購入しており、その費用は5年間で約1兆円が見込まれている。
国民や企業の負担である。その一方で米中は世界の温室効果ガスの4割を排出するのに、こうした枠組みの外にある。不合理極まりない取り決めだ。
 民主党政権は90年比25%削減の目標を掲げた。仮にその半分をクレジット購入でまかなうとすれば、いまの市況だと5年間で2兆~4兆円程度の負担が必要になってくるだろう。25%の達成には相当のコストがかかるのである。それを考えれば、「京都」の単純延長が問題外なのは明らかだ。日本は地球環境問題で国際貢献すべきだが、そのためには「国際的公平」が不可欠なのだ。
   航空業界、「国際連帯税」に反対 外務省に意見書 
20101015
 国内航空会社でつくる定期航空協会の伊東信一郎会長(全日本空輸社長)と大西賢理事(日本航空社長)は15日、外務省を訪れ、途上国の貧困問題などの財源にする「国際連帯税」について、同省が航空券への課税を要望していることに反対する意見書を提出した。
 国際連帯税は貧困や地球温暖化の解決に向け国境を越えた経済取引に課税する内容。外務省が2011年度の税制改正での導入を目指しており、日航と全日空の国際線航空券への課税が検討されている。海外にはフランスや韓国など航空券に課税している国もあるが、定航協は意見書で「受益と負担の関係や合理的理由が不明確で、国際競争力低下を招く」と強調した。 
   風力発電、2030年には世界の電力の20%を供給可能に 
20101015
 2010年10月15日14時46分朝日新聞
 世界風力エネルギー協会(GWEC)とグリーンピース・インターナショナルは北京でこのほど「2010年世界風力エネルギー展望(Global Wind Energy Outlook2010)」を発表した。同報告によると、2020年には風力発電を通じて世界のエネルギー需要の12%を、2030年には22%を賄うことができるという。「科技日報」が14日に伝えた。
 同報告は、風力エネルギーは主な温室効果ガスの排出を減少すると同時に、世界で日に日に増え続けるエネルギーニーズを満たすことができると指摘する。報告はまた、世界における風力発電の設備容量は2020年までに10億キロワットに達し、年間15億トンの二酸化炭素の排出を削減できると予測、これは「コペンハーゲン協定」で先進国が定めた2020年までの排出削減目標の50%-75%に相当する。また、世界における風力発電の設備容量は2030年までに23億キロワットに達し、二酸化炭素排出削減量は合計340億トンに上る見込みだ。
 中国は現在、世界最大の風力発電市場であり、世界最大の風力発電ユニット生産基地でもある。中国国内の風力発電設備容量は2009年末までに2500万キロワットに達する見通しだ。報告の予測によると、中国国内の風力発電設備容量は2020年までに現在の10倍になるという。
   温暖化ガス、2020年に16~21%削減が効率的 環境省 
 20101015
 
環境省は15日、2050年までに温暖化ガス排出量を1990年比80%減らすには、20年に16~21%削減するのが最も効率的とする試算結果を明らかにした。コスト面でも有利だという。20年に90年比で25%減とする政府の目標より低いが、残りの4~9%分は海外から排出枠を購入するのが得策だとしている。
 同日開いた中央環境審議会(環境相の諮問機関)の中長期ロードマップ小委員会がまとめた。 
 
  地球温暖化対策作業部会、アメリカと中国が激しく対立したまま閉幕 
 20101011
地球温暖化対策を話し合う国連の会議、COP16が来月開かれるのを前に、中国で開かれた作業部会は、アメリカと中国が激しく対立したまま閉幕し、今後の議論の行方を危ぶむ声が出始めています。
京都議定書に定めのない2013年以降の地球温暖化対策を協議する気候変動枠組み条約の特別作業部 会が9日、大きな進展がないまま中国・天津での約1週間の討議の末、閉幕。世界最大の温室効果ガス排出国である中国での初開催で注目されたが、米中間など で意見の対立が目立ち、欧州連合(EU)の交渉担当者は「若干の進展はあったが、進展は遅い」と指摘した。
 11~12月にメキシコ・カンクンで開く同条約の第16回締約国会議(COP16)で次期枠組み交渉が決着する のは絶望的な状況となり、13年以降に国際的な温室効果ガスの排出削減義務が存在しない「空白期間」が生じる恐れが強まった。同条約のフィゲレス事務局長 は9日、記者会見し「すべての国が交渉のテーブルについていることが重要だ」と述べ、カンクンの会議で一定の成果が得られるように各国に努力を促した。
 天津での会議では、先進国による途上国への環境面での資金協力を進めるための基金創設をカンクンの会議で合意する方向でほぼ一致した。ただ、先進国は金融危機の後遺症による財政難で資金拠出の余力に乏しいのが実情で、具体化にはなお曲折が予想される。
  温暖化対策法案を閣議決定 
20101008 
 政府は8日、先の通常国会で廃案となった地球温暖化対策基本法案を修正なしで閣議決定した。今臨時国会に提出、成立を目指す。温室効果ガスを2020年までに、1990年比25%削減するとの中期目標などを定めている。
 同法案は先の通常国会に提出されたが、衆院は通過したものの、参院では審議未了により廃案となっていた。
温暖化基本法案など閣議決定 臨時国会の成立不透明
2010/10/08 10:07   【共同通信】
 政府は8日、先の通常国会で廃案となった「地球温暖化対策基本法案」と、里山保全に携わる民間団体を国が支援する「生物多様性保全のための活動促進法案」を閣議決定した。臨時国会に提出するが、参院で与党過半数割れの「ねじれ国会」では本年度補正予算案など他の案件の審議が長引く可能性は高く、成立は不透明な情勢だ。
 基本法案は2020年までに温室効果ガス排出量を1990年比で25%削減する目標を示し、具体策として地球温暖化対策税や温室効果ガスの排出量取引制度を新設するとしている。ただ、対策に伴う負担増を懸念する産業界や自民党が強く反発、公明党はより積極的な対策を求めている。
 政府は、参院で与党が過半数割れしている現状を踏まえ「柔軟な対応を考える」(松本龍環境相)と修正協議に応じる考えを示しており、与野党の協議が注目される。
 活動促進法案は、国が動植物の保護や里山保全に向けた基本方針を策定することなどを規定。名古屋市で18日に開幕する生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)に向け、政府の積極姿勢をアピールする狙いがある。
   ゼロエミ電源規制は電力再編の引き金になるか
 20101004
 原子力や水力など温暖化ガスを排出しない「ゼロエミッション電源」の比率を高めるため、政府は電力会社に対し、個別に導入目標作成を求める方針を打ち出した。どこまで厳格な運用になるかは不透明だが、場合によっては電力10社体制を崩すほど破壊力を秘めた規制になるかもしれない。
 8月半ばに経済産業大臣の諮問機関である総合資源エネルギー調査会で議論がスタート。すでに2回の会合を経ており、近く内容が決まる。
 6月に政府が策定したエネルギー基本計画に従い、2020年までにゼロエミッション電源比率(発受電量ベース)を50%以上、30年には70%以上にするよう電力会社に工程表の策定を求める内容となる見通し。政府は導入に向けた取り組みが不十分と判断すれば、勧告や命令などで改善を促す。
 早くも東京電力は9月13日に発表した中期経営計画「2020ビジョン」のなかで、20年度にゼロエミッション電源比率を50%以上にする方針を打ち出した。
他電力も東電同様に規制に対応した方針を表明すると見られるが、「ウチは難しい」とうなだれるのが中部電力だ。
電力各社のゼロエミッション電源比率
(各社計画、%)
  2009年度 2019年度
北海道 52 56
東 北 37 48
東 京 33 56
中 部 24 38
北 陸 56 65
関 西 54 61
中 国 22 48
四 国 49 55
九 州 49 49
沖 縄 1 1
 各社の19年度のゼロエミッション電源比率(計画ベース)を比較すると、原発のない沖縄を除くと中部が38%と最も低い数字だ。中部は浜岡原発(静岡県御前崎市)1、2号機を廃止して20年度以降に6号機(出力140万キロワット級)を稼働させる計画がある。
 仮に6号機が稼働するとゼロエミ電源比率は45%程度まで高まると見られるが、その先に原発新増設計画はない。09年度時点で中国電力のほうがゼロエミ比率が低いが、島根3号機など3基の新増設を予定しているため、19年度には中部電を逆転する。
 中部の原発比率の低さは長年の経営課題だったが、新規制導入により放置できない段階にきたといえそうだ。打開策として浮上しそうなのが北陸電力との経営統合だ。中部と対照的に北陸電はゼロエミ電源の優等生。19年度65%は全電力でトップ。しかも水源が豊富なため水力23%、原子力40%とバランスもいい。
 仮に中部電と北陸が合併したと仮定すると19年度の統合会社のゼロエミ比率は43%。さらに電力需要があまり伸びず、09年度実績にとどまる前提なら49%となり、「50%以上」に近づく。
 電力業界にとって政府が再編を迫ることは想定外だろう。しかし、最近の動きを見ているとあまり楽観できないのではないか。すでに石油業界は実質的に政府主導で再編を促されているからだ。
 7月5日、経産省はエネルギー供給構造高度化法に基づき、石油各社に安価な重質油の利用を促す新規制の基準を公表した。重質油分解装置の新規導入や既存設備の廃棄を促し、重質油分解装置比率の引き上げを求める内容。設備廃棄の動きが鈍い「東燃ゼネラルとコスモ石油をターゲットにした規制」というのが石油業界での定説。重質油分解装置=ゼロエミ電源と置き換えると、石油と電力で規制の中身はよく似ていることがわかる。
 ある学識経験者は「これからは需要家が電力会社を揺さぶるかもしれない」と指摘する。政府が検討している国内排出量取引制度では大企業に温暖化ガス排出量の上限を設けると見られる。トヨタ自動車が温暖化ガス排出量を減らす手段のひとつは電力の購入先を中部電から、原発比率の高い関西電力に切り替えることだ。
 中部電の排出原単位は1キロワット時あたり0.417キログラム(09年度)。
一方、関電は0.265キログラムと中部電の64%。中部電から関電に購入先を切り替えるだけで使用電力量については3分の1以上、温暖化ガス排出量を削減できる計算になる。
 中部電では2000年に三重県芦浜地区での新設計画を断念して以降、原発新規立地のめどはたたない。原発以外のゼロエミ電源、水力はすでに開発余地がなく、太陽光と風力をいくら増やしても数ポイント程度の変動だろう。中部電の打つ手は限られている。
 複数の電力業界関係者の話によると2000年ころに東電と関電を軸にした業界再編構想が浮上したことがあったという。しかし、その後原発データ改ざんなどの不祥事の後始末に追われたり、推進役の電力トップが退陣したりするなどで立ち消えになった。
 2000年前後はロシアのガスプロムや米エンロンなど海外エネルギー大手が日本の電力会社に関心を示していた時期で、業界再編構想は買収防衛が出発点だったようだ。それからおよそ10年。個別の電力会社の設備計画に縛りをかけるようなゼロエミ規制に対し、電力会社からは当然のように不満の声は強い。エネルギー供給構造高度化法を使った官主導の業界再編を批判する学識経験者もいる。
 しかし、最近では「日本が海外インフラビジネスを開拓するには実力のある電力会社数社に集約したほうがいい」との声も業界周辺から聞こえてくる。ゼロエミ規制の可否は別にしても、世界的な環境規制やグローバル競争の圧力が電力産業のあり方を変えようとしていることは間違いない。 
  「エネルギーの使用の合理化に関する法律」について 
  20101005
日経BPに以下が掲載されました
http://www.nikkeibp.co.jp/article/tk/20100930/246827/
順守すればコスト削減に直結する
省エネルギーセンター・判治洋一本部長に聞く(前編)
2010年10月05日
聞き手/神保重紀(日経BP環境局プロデューサー)
文・構成/永井 隆(ジャーナリスト)、撮影/加藤 康
 財団法人省エネルギーセンターは30年以上にわたって、省エネ診断や人材の育成などを通じて省エネ推進の中核機関としての役割を担ってきた。同センタ ーの産業省エネ推進・技術本部の判治洋一本部長に改正省エネ法のポイントなどを聞いた。
   温暖化対策基本法案、原案通り再提出へ
  20101007
温暖化対策基本法案、原案通り再提出へ 8日閣議決定
2010/10/7 12:08日本経済新聞
 先の通常国会で廃案となった地球温暖化対策基本法案について、政府は7
日、原案通りに今国会に再提出する方針を固めた。8日に閣議決定する。同法
案は温暖化ガスの国内排出量を2020年に1990年比25%削減する目標を掲げ、国
内排出量取引制度と地球温暖化対策税の新設などで達成を目指す。ただ負担増
を警戒する産業界の異論は強く、国会審議で修正される可能性もある。 
  長江源流の氷河、40年間で4kmが消失…温暖化影響 
  20101005
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2010&d=1005&f=national_1005_126.shtml
 長江の最大の源流である、青海省のゲラダインドン(ゴラダンドン、格拉丹東)山ふもとの氷河のうち4000メートルが、過去40年間に消失した。地球温暖化の影響という、天津市で開催中の国連気候変動枠組み条約の会議で発表された。チャイナネットが報じた。
 青海省の山岳部には、100本以上の氷河が存在し、長江の主要な水源になっている。河川問題を主に扱う四川省の環境保護団体「緑色江河」の楊欣会長によると、中国科学院と共同で2005年に同地区の氷河の研究に着手したところ、最大の氷河が1969年から2007年までの間に4000メートル分、縮小していた。その他の地区でも、氷河の消失が目立つという。氷河の変化を調べるには、過去に撮影された航空写真や衛生写真を用いた。
 氷河の消失は、地球温暖化の影響と考えられる。楊会長は、「氷河の消失は加速している」と指摘。「高山地域で氷河は土地に滋養分を与えている。高山の血液と言ってもよい。氷河がなくなれば、(その下にある草原や耕作地の状態悪化で)、住民は住めなくなってしまう」と警告した。 
  オニヒトデ2000匹駆除…牛深沖、水温上昇で繁殖か 
 20101003
 サンゴが群生する天草市牛深沖の牛深海域公園一帯で、サンゴを食い荒らすオニヒトデが大量発生している。駆除数はこの1年で2000匹を超え、過去最大の被害が出た2002~03年の10倍以上。さらに数万匹が生息しているとみられる。地球温暖化に伴う海水温上昇などの影響で、牛深沖で繁殖した可能性が高く、関係者は定着の恐れがあるとして警戒を強めている。(桜木剛志)
 牛深沖では02~03年、テーブルサンゴなどがヒトデの食害に遭い、185匹が駆除された。その後、目立った被害はなかったが、昨年8月に再び被害が出始め、九州大学理学部付属天草臨海実験所(苓北町)の野島哲准教授(海洋生態学)らが調査したところ、大発生が確認された。環境省の委託を受けた地元ダイバーらが駆除に乗り出し、昨年8月~今年9月下旬に2025匹を捕獲した。
 野島准教授によると、前回捕獲された個体は生後3~4年で、大きさが20~35センチとほぼ均一だったため、南方から漂流してきたと考えられた。今回は生後1~5年と幅広く、大きさも5~40センチとばらつきがあり、広範
囲に生息していることから、南の海域から移動し、牛深沖で繁殖した可能性が高いという。
 オニヒトデは、年に数回産卵し、1回で約1000万個を産む。牛深沖の海水温はこの30年間で約1度上昇。今年は7月以降、産卵に適した25度以上となり、8、9月も20度台後半で推移。産卵に適した水温が続いていることも大発生の一因と考えられている。
 野島准教授は「海水温が高い状態が続けば、温暖な海域を好むオニヒトデは繁殖しながら生息域を北側に拡大する可能性がある。海の生態系のバランスを脅かし、漁業被害が出る恐れもある」と指摘している。 
  毎日新聞「失われる恵み:COP10・名古屋会議を前に」 
20101003 
失われる恵み:COP10・名古屋会議を前に/上(その1)
毎日新聞 2010年10月3日 東京朝刊
 ◇巨額マネーもたらす生物 日本、ソロモン諸島に「ハンター」
 ◇遺伝資源争奪、国益かけ激化
 医薬品や化粧品のもととなり、巨額マネーをもたらす生物が、地球温暖化や開発で急速に消えている。現在の絶滅速度は過去の平均速度の1000倍に達し、限りある生物の恵みをどう確保するのか、各国は危機感を募らせる。11日から名古屋市で開幕する国連生物多様性条約第10回締約国会議(COP10=名古屋会議)を舞台に、国益をかけた神経戦が始まる。
 「これは、地元の伝承医が腫瘍(しゅよう)や貧血の治療に使っている葉だ」--。赤道近くの太平洋に浮かぶソロモン諸島のマングローブ林を歩いていた渡辺高志・高知県立牧野植物園上級研究員(高知工科大特任准教授)が目を輝かせた。背丈をやや上回り、赤い花が印象的な木は、地元の伝承医が重宝しているのを知っていたからだ。
 渡辺さんは、メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)などに薬用効果のある植物を探す「植物ハンター」だ。7月からの2カ月間で、数百件の植物を採取し、日本に持ち帰った。
 探査は、ソロモン諸島が、以前から縁のあった小山鉄夫・植物園長に「有用な薬用植物を調べてほしい」と要請したのがきっかけ。07年、研究チームとソロモン諸島は相互協力の契約を結んだ。ソロモン諸島側は、日本側が漢方をはじめとする薬用植物を探し、新薬開発につなげるのを認める一方、日本側はソロモン諸島側の有用植物の目録づくりを支援する。
 契約の背景には、日本の医療用漢方製剤の原料の8割を中国に頼り、自給率は10%にとどまるという現実がある。プロジェクトにかかわる医薬基盤研究所の川原信夫・薬用植物資源研究センター長は「中国では砂漠化と資源枯渇が懸念される。中国から原料を入手できなくなる事態を想定する必要がある」と話す。
 人類にとり医薬品など有益な物を提供する動植物や微生物は「遺伝資源」と呼ばれる。
 ソロモン諸島に対しては、オーストラリアが数年前に同様の契約を打診していた。
 インドネシアは03年、日本の製品評価技術基盤機構(NITE)と6年契約をしたが、期限を迎えると、直ちに米カリフォルニア大と手を組んだ。米製薬会社メルクは、コスタリカ国立生物多様性研究所から数千点の遺伝資源を提供してもらう引き換えに、将来得られた利益の半額を提供する契約を結んだ。
 米国は、官民問わずマラリアやがんなどに効果のある遺伝資源を探し、原産国に利益配分する。「米国は国策として遺伝資源を世界規模で収集している」とNITEの安藤勝彦参事官は語る。
 遺伝資源の活用で開発された製品の売り上げは、年45兆~70兆円。抗がん剤の約4割が自然由来の成分を使っている。各国が独自の契約を結ぶ中、遺伝資源が豊かな途上国は、先進国が途上国から持ち出し、利益を得たのに十分還元されていないと不満を募らせる。
 ペルーは05年、各国での特許出願状況を調べ、カムカムなどアンデス地方原産の農産物で勝手に特許を取得した「バイオパイラシー(遺伝資源への海賊行為)」として、日本を含む先進国を非難する報告書を世界貿易機関に提出し、各国をあわてさせた。日本の特許庁は「そのような事実はない」と否定したが、生物が紛争の火種になると印象づけた。
 9月22日、ニューヨークの国連本部で開かれた生物多様性首脳級会合で、途上国代表のイエメンのアルサイディ大使は「バイオパイラシーは終わりにすべきだ」と訴えた。
 遺伝資源の国外への持ち出しを法律で厳しく規制する途上国の動きに、先進国は「研究や企業活動に支障が出る」と懸念する。名古屋会議では遺伝資源の利用と利益配分の国際ルール「名古屋議定書」の採択を目指すが、両者に歩み寄りは見えてこない。
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 ■ことば
 ◇生物多様性条約
 1992年に採択された。地球温暖化防止のための気候変動枠組み条約と合わせて双子の環境条約と呼ばれる。目的として、(1)多様な生物を、生息する環境とともに守る(2)生態系の恵みを持続的に使う(3)遺伝資源が生みだした利益を原産国にも配分する--の3点を掲げている。「遺伝資源」について、「原産国の主権的権利がある」とうたった。現在、193カ国・地域が批准している。米国はバイオ産業への影響を懸念し、批准していない。名古屋会議では、名古屋議定書のほか、生物多様性の損失を防ぐための新たな国際目標の採択を目指している。
失われる恵み:COP10・名古屋会議を前に/上(その2)
毎日新聞 2010年10月3日 東京朝刊
 ◇中国・フィリピン、法整備進め
 ◇途上国、資源保護に布石
 家電製品の性能向上などに使われるレアアース(希土類)について中国からの輸出で大きく揺れた産業界が、遺伝資源の分野でもリスクを負う可能性がある。
 今年6月のことだ。東京都内で開かれたセミナーで、来日した中国の大学教授らが「遺伝資源について国内法の整備を進めている」と明らかにした。会場には張りつめた雰囲気が漂った。詳細は語らなかったが、出席者の一人は「来るべきときが来た」と漏らした。
 フィリピンは05年、利用国に対し、遺伝資源をもとに開発された製品の売上額の2%を毎年払うよう国内法で義務づけた。企業にとって、「採算が取れない要求」(バイオメーカー)で、フィリピンからの遺伝資源確保は事実上閉ざされた経緯がある。
 中国は日本の25倍の広大な国土を抱え、豊富な遺伝資源が眠る。しかし、開発で失われつつあり、国内法次第では遺伝資源の入手が難しくなる。
 だが、これまでの交渉では、沈黙を守っている。地球温暖化交渉で積極的に発言してきたのとは対照的で、外交筋は「中国はバイオ技術が発達し、外国の資源を利用する国でもある。不利にならないように熟慮しているのではないか」と推測する。
 とはいえ、中国は生物多様性と異なる交渉の場で、自国の遺伝資源を守るための布石を打っている。
 09年、さまざまな商品の国際規格を策定する「国際標準化機構(ISO)」に自国の伝統医療「中医学」の治療法を国際基準とするための委員会の設置を提案した。
 これに、同じように伝統医療を持つ「漢方医学」の日本と「韓医学」の韓国は反発した。いずれも古代中国医学が源だが、何世紀にもわたり独自に改良して発展させ、生薬の配合などまるで異なる。
 もし「中医学」が国際標準化されると、「漢方医学」「韓医学」にかかわる両国の企業は国際競争力を失いかねない。
 「日本東洋医学サミット会議」の鳥居塚和生事務局長(昭和大教授)は「生物の名を借りた経済戦争の側面がある」と指摘する。
 動植物や微生物の遺伝子の働きには、人間の力では及ばない作用を持っているものがある。「20世紀の偉大な発見」と言われる抗生物質ペニシリンは、青カビをもとに開発された。アフリカの先住民が空腹感を抑える植物フーディアはダイエット食品に利用されている。
 93年の生物多様性条約発効前まで、先進国は自由に途上国から資源を持ち出せた。条約によって、原産国に所有権があることが明記され、途上国は今こそ、失われた利益を取り返そうと躍起だ。
 ◇資源国と利用国、妥協不可欠だが、こんな一面もある。
 20世紀半ばに人口増に対処するため、小麦やコメの生産量を飛躍的に伸ばす技術革新「緑の革命」では、収量が多い日本の3品種「農林10号」「赤小麦」「埼玉27号」が使われた。無償提供で、経済効果は毎年5000億円に上り、「日本の国際貢献」と関係者は胸を張る。
 主権にこだわりすぎると、国際協力による食品や医薬品などの開発は困難になる。「原産国と利用国が妥協点を見いださなければならない。名古屋で歴史を作る」とアフメッド・ジョグラフ条約事務局長は各国に柔軟な対応を呼びかける。
 ◇日本開発品種の無断栽培、海外で次々
 農業の分野でも争奪戦が展開されている。
 愛媛県宇和島市の農家、西田朝美さん(86)は11年前、韓国を訪れ強い衝撃を受けた。20年近くかけて開発したいちごの品種「レッドパール」が巨大なビニールハウス内で栽培されていたからだ。
 「赤い真珠」の名が示すように鮮やかな赤色で甘く、病気に強く、栽培しやすい。93年に新品種に登録された。日本では種苗法で新品種の開発者の権利が守られているが、韓国では同様の制度がなかった。06年時点で、レッドパールは韓国でのいちご生産高の53%を占め、同じように無断で持ち出された「章姫(あきひめ)」が33%あった。品種という資源に共通ルールがないすきを突いた格好で、日本の農林水産省によると、日本で開発され、無断で海外に持ち出された品種は最近の主なものでも約10件ある=表。
 韓国は近く品種登録を受け付ける予定だが、西田さんは「どの国も開発した人の権利を認める制度を整備してほしい」と強調する。
 名古屋議定書の原案では、「利用国が、遺伝資源原産国の議定書関連国内法を守る義務が生じる」としている。批准国同士であれば、レッドパールのような問題は回避される可能性がある。
失われる恵み:COP10・名古屋会議を前に/中
毎日新聞 2010年10月4日 東京朝刊
 ◇養殖種のしっぺ返し
 「ようやく黄色く熟れてきた」。9月、徳島県の養殖用アユの稚魚生産を担う県水産振興公害対策基金の三浦三郎次長(56)が水槽からアユをすくい、安堵(あんど)の表情を見せた。体に穴が開いて死ぬ感染症「冷水病」が全国で流行。この事態を受け、県は昨夏、17年間交配し続けたアユ数千匹を焼却処分した。被害の小さい交配年数5年以下のアユを残したが、昔のように育つか不安の1年だった。
 養殖では、成長が良い親を毎年選抜、交配し生まれた稚魚を育てる。県はアユの交配年数と遺伝子の多様性、冷水病への耐性の関係を分析。天然アユに比べ、10年以上交配したアユは、遺伝子の多様性を示す数値が半減し、耐性が低下していることを初めて突き止めた。冷水病による死亡率は天然アユが25%、飼育アユは63%だった。
 09年度、冷水病は全国に約300カ所ある養殖場の約3割で発生した。アユの養殖は70年代から国が推奨し、優れた稚魚が誕生したが、冷水病に見舞われた。県は「養殖が遺伝的画一化を招き、しっぺ返しを受けた」と話す。
 食料を提供する生物の多様性が失われているのは世界の傾向だ。中国で50年代に栽培されたコメは4万6000種だが、06年に1000種に減少。日本では09年産の収穫量の上位10品種が、コシヒカリまたはコシヒカリの「血」を引き、全体の8割近くを占める。
 約80年ぶりに、静岡市清水区で、手のひらほどの丸く濃い紫に光る「折戸なす」が復活した。このナスは江戸時代に徳川家に献上され、「一富士、二鷹(たか)、三茄子(なすび)」の由来とされる。
 大正時代まで栽培されたが、料理がしやすく収穫量の多いナスに代わられた。多くの農家は毎年、優れた性質が1代で終わる種子を買っている。折戸なすは種子だけが野菜茶業研究所に保存されていた。栽培を始めた遠藤亘さん(79)によると、当初は提供された50粒のうち半分しか発芽しなかったが、栽培法を改良し、今年は仲間と5トンの出荷を見込む。
 各国には、この研究所のようにジーンバンク(種子銀行)がある。日本で保
管されている種子の種類は世界で5番目に多い。各地で伝統野菜の復活の動き
が出ていて、多様な種の復活が期待される。
 ミャンマーでは同じ畑に長いナスから短いナスまで育てられている。それを見た同研究所の斉藤猛雄・上席研究員は「農民は無意識のうちに多様性が重要と認識し、種が絶滅しない方法を知っていた」と話す。香坂玲・名古屋市立大准教授は「豊かな多様性は、気候が変わり、病気が流行しても種の絶滅を回避する上で重要だ。保険のような役割を果たす」と語る。
失われる恵み:COP10・名古屋会議を前に/下
毎日新聞 2010年10月5日 東京朝刊
 ◇温暖化対策と連携を
 9月、岡山県沖の瀬戸内海は青く透き通っていた。「50年前は、海が濁り、漁でも網目がプランクトンで詰まるほどだった」。沿岸にある備前市日生(ひなせ)町の本田和士・漁業協同組合長(74)は天を仰いだ。海が透明に なった分、漁獲高は激減した。 かつての濁りの正体は、海水に漂う生き物、プランクトンだ。瀬戸内海の魚介類の餌となり、豊漁が漁業関係者の生活を支えた。
 県の調査では、35年間でプランクトンの量は約3割減った。この異変と並行し、70年代に約1万5000トン水揚げされたイカナゴが、現在では6分の1の約2500トンに落ち込んだ。他の魚も漁獲量が減っている。
 県が原因を探ると、県内32地点の海水温が平均約1・2度上昇していたと判明。県は報告書で「地球温暖化との関連が指摘されている」と触れた。
 日本に限った現象ではない。カナダ・ダルハウジー大は英科学誌ネイチャーに19世紀末以降で世界の海洋中のプランクトンが年平均約1%ずつ減少していると発表した。温暖化で海洋循環が弱まり海底からの栄養分供給が滞るためだ。海洋研究開発機構の千葉早苗研究員は「将来の漁獲高に影響する可能性がある」と指摘する。
 「もう毛が生え変わっている」。3月上旬、長野県の志賀高原で、動物研究家の野紫木(やしき)洋さん(77)は、残雪の中で茶色の夏毛になっていたオコジョを見つけた。オコジョはイタチの仲間で寒冷な気候を好む。体毛と風景の色が違うと、キツネなどの天敵に発見されやすくなる。
 30年近い観察から、春の冬毛から夏毛への生え変わりは1~2カ月早まり、逆に秋の夏毛から冬毛への移行も1~1・5カ月遅くなっていることが分かった。生息地は標高約1300メートルから約1500メートルに高くなった。周辺では80年代末から00年代初めにかけて、気温が約2度上昇し、生態の変化の原因は温暖化の可能性がある。
 「残されたわずかな高い場所に追いやられている。それも限界があり、寒冷を好む生き物の危機は世界共通」。環境変化が生態系に与える影響に詳しいジョン・グレース英生態学会前会長(65)は話す。
 国連の「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」は地球の平均気温が1・5~2・5度上昇すると、20~30%の動植物で絶滅の危険性が高まると予測。生物多様性条約事務局は今年5月、「生態系への直接の圧力要因となるのは、温暖化だ」として、温暖化防止の強化を訴えた。
 だが温暖化対策を名目に生物多様性を破壊する場合がある。東南アジアでは近年バイオ燃料となるパーム油を増産するため熱帯林を伐採し、アブラヤシ農園が造られた。国際自然保護連合のジェフリー・マクニーリー上席科学顧問は「温暖化対策のために同じ種類の木ばかり植えると、さまざまな生物がすめない森になる」と警告する。今まで温暖化対策と生物多様性保全は連携が不十分だった。「恵み」を守る枠組みをどう構築するのか。名古屋会議で問われる。
(この連載は足立旬子、江口一、関東晋慈、福島祥が担当しました)
  温暖化影響でコメの品質・収量とも低下 滋賀県がまとめ 
 20101001
京都新聞によると
 滋賀県は1日までに、地球温暖化が県内の農作物に及ぼす影響をまとめたコメが気温上昇で玄米に十分な養分を蓄えられなくなるなど、農作物の品質や収穫量が低下する可能性があるとしている。県は温暖地で栽培されるかんきつ類の導入調査など温暖化に適応した農業のあり方についても検討している。
 県農業技術振興センターは、コメの試験場での作況記録から、一等米比率が全国平均を下回った1998年から2008年までの11年間と、それ以前とを比較した。コシヒカリは品質を決める玄米の成熟割合が83%から75%と大幅に低下、収穫量も1アールあたり0・9キロ減った。
 生育期間が34日間と4日短くなっており、高温がもみの老化を早め、養分のデンプンが行き渡る前に生育を止めたと考えられるという。生育期にあたる4~10月の最高気温は1・24度、最低気温は0・55度上昇していた。
 甲賀市で栽培される茶は、4月中旬の新芽の育ち始め時期が3~2日早い傾向が過去4年続く。さらに早まれば、夜間の冷え込みで霜の被害にあうおそれがある。ブドウも7月以降の高温で、色素の合成が進まない着色不良がここ10年で増えているという。巨峰などは色づきが不十分だと商品価値が下がる。
 県は温暖化に対応した新たな作物の導入も検討。太平洋沿岸などで作られるかんきつ類が、県内でも栽培できないか、研究を昨年度から始めた。温州ミカンやレモンなど20品種を試験場に植え、冬の寒さに耐えられるか観察している。
 県農政課は「温暖化が進行するおそれがあり、今のうちに将来的な可能性も探っておきたい」とする。 
  2008年度の大口排出事業所のCO2排出量 
 20100709
 気候ネットワークが、2008年度の大口排出事業所の排出量について発表しました。
http://www.kikonet.org/iken/kokunai/2010-07-09.html
 排出量公表制度対象の15000事業所などで日本の70%を排出、そのうち150事業所で日本の半分、会社数では40社で日本の半分を排出だそうです。排出の大きなところは発電所と製鉄所で占められています。
 あと、40事業所で30%なのですが、「日本の排出の30%をしめる40 事業所の排出量は排出量公表制度対象外の小口の排出、つまり約5000万世帯、数百万の中小工場やオフィス・商店等、約7000 万台の車など全てと同じ排出量になる」のだそうです。 
  第22回参議院議員選挙  地球温暖化政策
 20100703
環境NGOの気候ネットワークなどでつくるメイク・ザ・ ルールキャンペーンが政党や候補者アンケート結果の 特設ページをつくっています。
http://maketherule.jp/dr5/ecocheck2
政党の政策整理は以下の3団体が整理していると思います。
気候ネットワーク「第22回参議院議員選挙 各党マニフェストの地球温暖化政策に関する分析」
http://www.kikonet.org/iken/kokunai/2010-06-23.html
WWFジャパン「参院選2010Äb0・各党のマニフェスト/選挙公約比較 ~地球温暖化対策の視点から~ 」
http://www.wwf.or.jp/activities/2010/07/842702.html
あおぞら財団「わが国の環境再生まちづくりに関する公開質問状への回答 」
http://www.aozora.or.jp/iken/2010sanngiinn.html 
  争点としての温暖化対策はどこへ? 
20100627
  
産経新聞2010.6.27の【杉浦美香の環境白書】参院選によると 温暖化対策についての各党の反応は以下のような状態だ。
第22回参院選が24日に公示され、日本列島は選挙戦に突入した。政権交代後に行われる初の国政選挙の最大の争点は「消費増税」となり、「温暖化対策」 は昨年の衆院選と比べて一転、影が薄くなってしまった。排出量取引制度や環境 税(地球温暖化対策税)など環境に関する論点は積み残されているのだが…。各政党、候補者のエコ度はいかに?
民主党マニフェストから温暖化対策が消えた?
鳩山由紀夫前首相は「2020(平成32)年までに1990年比温室効果ガス排出量25%削減」を国連総会の場で演説して外交デビューを果たすなど「環境」を売りにしていた。しかし、参院選前に発表した民主党のマニフェスト(政権公約)からは、先の衆院選の時にはあった地球温暖化対策の項目がこぼれ落ちてしまっていた。廃案になってしまった地球温暖化対策基本法案についても言及していない。
 先の衆院選マニフェストをひもといてみると、重要5項目の中の一つとして「地球温暖化対策を強力に推進し、新産業を育てます」と記し、「2020年までに温暖化(温室効果)ガスを25%削減(90年比)するため、排出量取引市場を創設し、地球温暖化対策税の導入を検討します」としていた。
 排出量取引については「政策集(インデックス)」の中で「キャップアンドト レード方式による実効ある国内排出量取引市場を創設します」と明記していたが今回、新たに政策集を出していないこともあって、スタンスのほどは不透明だ。
小沢鋭仁環境相も記者会見で「やらないという意味ではない」とはしているが「若干腑に落ちない」と疑問を呈していた。
温室効果ガス25%削減を明記している法案自体は今回の政局の影響で廃案になってしまったが、民主党のマニフェストでは「世界に向けて発表した」として「実現したこと」の中に入れ、法案は次の臨時国会で中身をいじらずに再提出するとしている。
 しかし、今回の民主党のマニフェストについて「(前より)弱まったような感じがする」と懸念する環境NGOも少なくない。
菅直人首相が鳩山前首相と比べると、環境について言及することがほとんどないのもその懸念に拍車をかけているようだ。
エコ度チェック
 「低炭素、環境で経済を再生させる」ことは表現の違いはあれ、どの政党でもそう違いはないといえる。ただ、その中身の具体性が分かりにくい。
 環境保護団体でつくる「MAKE the RULEキャンペーン」が立候補予定者に対して行った「エコ」に関するアンケート調査では、回答を寄せた候補者の約8割が地球温暖化対策に積極姿勢を示していたが、項目によっては所属政党によって大きな違いがあった。
 「日本は世界に先駆けて、温室効果ガス排出量を2020年に25%、2050年に80%削減するべきか」の問いについて民主、社民、公明、共産、みんなの党の回答者の9割が「世界に率先して日本が削減するべき」としたが、自民、国民新党、新党改革、たちあがれ日本は約5割が「他国の動向をみながら」と答えた。
 「低炭素経済を目指し、産業構造を変革して、新規ビジネスを育て雇用を増やすべきか」の問いでも、自民回答者の17%、民主8%が「産業界に悪影響を及ぼさないか疑問である」とした。
党によって違いが…
 大きな違いが目立ったのは、「企業の温室効果ガス排出量に規制を設ける方式の排出量取引や炭素税、再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度をすみやかに導入するべきか」の問いだ。
 社民、共産、みんなの党は8割以上が「速やかに導入が必要」と回答したが、民主は6割程度、公明は5割程度だった。一方、国民新党の約7割、自民の4割 が「有効性に疑問を持っている」と回答した。「温暖化対策として原子力発電が必要か」についても、社民、共産の回答者全員が「段階的削減」だったが、民主は「段階的削減」「新規増設や稼働率向上に疑問」「推進すべき」という回答にそれぞれ17%、36%、30%とばらついた。
原発政策の位置づけ
 温暖化対策の中で原子力発電の位置づけは論争のタネだ。放射性廃棄物の処理や安全性といった点で、原発はこれまで環境保護派から敵視されてきた。しかし、ここにきて温暖化といった地球規模のリスクを回避するため、原発の重要性を否定できなくなってきている。
 民主のマニフェストで明確に書かれていないが、今月出された「エネルギー基本計画」は、2030年までに温室効果ガス排出量90年比30%削減という積極的な目標を立てた上で「原子力」を重視、経済成長と原子力を含む環境技術を使った経済成長を推し進めると位置づけた。実際、原子力技術を日本の誇れる技術として世界に売り込んでいきたい考えだ。
 こうした事情を反映して同じ民主候補者であっても考えに差が出たとみられる。
 一方、環境保護団体「気候ネットワーク」は各政党のマニフェストの内容から政党のエコ度をチェックした。
 (1)中長期目標の法制化(2)排出量取引(3)再生エネルギーの目標(4)炭素税導入(5)原発政策-の5項目について、点数化したところ民主は14点。一方、麻生首相時代に示した中期目標90年比8%減の目標を掲げている自民は7点だった。点数が高かったのは社民(25点)と共産(18・5点)。
参院選の行方は
 アンケートを実施したNGOの一つ、気候ネットワークの平田仁子さんは「環境をてこに停滞した経済を活性化させるといって元の産業構造に戻ってしまっては意味がない。すべての政策に気候変動問題がくし刺しのように織り込まれる必要があるのではないか。争点にはなっていないとしてもエコ度チェックで真剣に温暖化問題を考える候補者を国会に送りこんでほしい」と呼びかける。
明日香寿川(あすか・じゅせん)東北大教授は「オーストラリアでは気候変動の影響で森林火災、干魃(かんばつ)がおきている。欧州は脆弱(ぜいじゃく)なアフリカの難民問題を抱えており、こうした国々の選挙では、気候変動問題が最重要課題で論じられる。しかし、日本は災害対策も行われ、気候変動の大きな被害にさらされておらず、ある意味恵まれており、気候変動問題の選挙での存在感が薄くなっている」と指摘する。
 「消費税」「雇用」「教育・子育て」「福祉」など生活に直結する政策だけではなく、温暖化問題は今、そのかじ取りを間違うと将来世代に大きな影響を与える。まずは一票を入れるため、こうしたアンケート結果を参考にしていきたい。
 エコ度のアンケート結果は、以下のHPアドレスで見ることができる。
http://www.maketherule.jp/dr5/votecheck2
(杉浦美香・社会部環境省担当)
 参院選候補者アンケートでは政党で差もある温暖化対策 
 20100623
 
参院選の立候補予定者の多くが地球温暖化対策に積極姿勢を示す一方、排出量 取引制度などでは、所属政党により考えの違いも目立つとするアンケート結果 を、環境保護団体が23日公表した。
 企業の温室効果ガス排出量に上限を設ける方式の排出量取引や、炭素税など は、回答者の72%が「速やかな導入が必要」とする一方、11%は「有効性に 疑問」とした。政党別では「速やかな導入が必要」としたのは社民党、共産党、 みんなの党では約90%かそれ以上だが、民主党と公明党では50~60%程 度。国民新党と自民党は「有効性に疑問」が党内で最多。
 国内の温室効果ガス排出量を2020年に25%減、50年には80%減とする中長期目標の是非については「世界に率先して削減すべき」が回答全体の8 1%。だが、自民党やたちあがれ日本では「他国の動向を見ながらやる方がい い」が党内で最も多かった。
 結果は国内の環境保護団体でつくる「MAKE the RULEキャンペー ン」のウェブサイトで閲覧可能で「投票の判断材料にしてほしい」としている。
主要政党の公認や推薦がある371人に送付し、193人が回答した。
 
  EU、温室効果ガス排出削減目標値引き上げの際の費用、利益、対策
オプションに関する分析を公表 
20100526
  
EICネットに以下が登録されました
http://www.eic.or.jp/news/?act=view&serial=23275&oversea=1
 欧州委員会は、2020年までの温室効果ガス排出削減目標を、1990年比20%から30%に引き上げた際の費用、利益、対策 オプションについて分析した文書を公表した。
これによると、30%削減は可能であり、EU全体に利益をもたらすとしている。概要は下記のとおり。
●目標達成費用
 2008年以降、20%目標を達成するための費用は、2008年の予測値である年間700億ユーロから480億ユーロに減少。減少理由は、低い経済成長による排出量の減少、高いエネルギー価格によるエネルギー効率の改善及びエネルギー需要の減少、経済危機により利用されなかった排出枠が次の期間に回されたことから炭素価格が2008年時の予測値よりも大幅に低くなったことなどが挙げられる。30%目標を達成するための費用は、2020年まで年間810億ユーロであり、2008年の予測値よりも110億ユーロ高く、今回の20%削減費用値よりも330億ユーロ高い。
●低炭素成長
 環境に配慮した低炭素成長は、新しい持続可能な雇用の創出とエネルギー供給保障の改善をもたらす。しかし、炭素価格が予想よりも低い現在、20%目標が持つ変革や革新への促進力は弱まっている。さらに、先進国グループの一員として、ヨーロッパは、2050年までに温室効果ガス排出量を最適な費用で80%から95%削減しなければならない。
●30%への引き上げへの対策オプション
 30%目標を達成するための対策オプションとして、EU排出量取引制度において競売される排出枠の削減、目標を定めた税制措置の実施、EU地域政策において環境に配慮した投資を促進するための財源の投入、そしてEU排出量取引制度において承認された国際炭素クレジットの環境効果の改善を挙げている。
●カーボン・リーケージ
 他国が温室効果ガス排出削減に関してコペンハーゲン協定の義務を実行し、かつ既存の対策を継続し、その上で、温室効果ガス排出削減目標を引き上げた場合、カーボン・リケージの影響は限られていると分析している。【欧州委員会環境総局】
   
 20100531
海水温:地球全体、16年で0.1度上昇 
石井正好・気象研究所主任研究官らの国際研究チームが英科学誌ネイチャーに発表したところによると 地球全体の海の平均水温が、93~08年の16年間で約0・1度上がったという。この熱で大気を温めれば気温は約30度上昇する。
 大気に比べ膨大な熱を蓄える海の温暖化を精密に解明した成果で、将来の気温上昇の正確な予測に役立つという。
 研究チームは、水深2000メートルまでの水温や塩分濃度を測定した装置約3000台の観測データなど過去の9研究で使われた膨大な記録を精査した。その結果、水深100~700メートルの海水温は、16年間に約0・08~0・12度の範囲で上昇し、海面1平方メートルあたり約0・64ワットの熱が加えられたことに相当することが分かった。
 これに必要な熱量は、全人類67億人がそれぞれ100ワット電球500個を点灯し続けたことに匹敵するという。
 海水温の上昇は以前から指摘されていたが、上昇の幅は0・04~0・15度と、研究によって3倍以上異なっている。
 また、国連の「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」によると、地球の平均気温は1906年からの100年間で0・74度上昇している。しかし、気温は天候の影響による変化が激しく、急な変化の少ない海水温の動向が、温暖化の進行を把握する鍵になっていた。
20100530
CO2「輸入」日本は世界2位 
米科学アカデミー紀要によると、日本が輸入した中国製品の製造過程で排出された二酸化炭素(CO2)は、年間2億トン近くに上る。
製品とともにCO2も輸入したとみなせば、日本は米国に次ぐ「CO2輸入大国」になる。新興国の排出量増加が問題視されているが、先進国が加担している格好だ。
 米シンクタンク・カー ネギー研究所は、113カ国・地域を対象に、家電製品や衣料品など57分野での生産に伴うCO2排出量(04年)を調べた。
製品の最終消費国を貿易統計などから割り出し、製品の移動先にCO2も移動するとみなし、その「貿易収支」を集計した。
 その結果、CO2輸入が輸出を上回る量が最も多かったのは米国(6億9900万トン)で、2位の日本は2億8400万トンの「輸入超過」。一方、「世界の工場」といわれる中国は輸出が輸入を11億4700万トン上回った。これは日本の年間国内排出量(約12億トン、輸送やオフィス・家庭からの排出を含む)に匹敵する。
 世界自然保護基金(WWF)で温暖化問題を担当する山岸尚之さんの話では「日本のために新興国での排出が増えていると国際社会から指摘される可能性がある。日本政府はこの点を踏まえて温暖化対策に取り組むべきだ」とか。
  20100317
 
日弁連の「地球温暖化対策基本法案」に関する意見書 
日弁連ホームページに以下が掲載されました。
地球温暖化対策基本法案に関する意見書
http://www.nichibenren.or.jp/ja/opinion/report/100318_5.html
 
  20100308 環境省「地球温暖化対策基本法の概要」掲載 
 環境省の検討している「地球温暖化対策基本法」の概要が、環境 省ホームページに掲載された。
 目標と、削減目標を達成するための各種政策からなる。各種政策 は骨格を示すのみで今後制定される個別法に委ねている。
 問題点として、目的に気温上昇2度未満など温暖化の被害防止の 基本的なことが書かれていないほか、(1)目標事態が国際合意を 前提にしており、国際合意があるまで日本の対策もやらないとよめ るもので前代未聞。(2)発電の時の排出を国際的ルールにならっ て発電所の排出として発電所の対策を重視するのか、これまでの日 本だけの特殊ルール通りに家庭やオフィスや工場が出しているとみ なして発電側の事情たとえば石炭火発が増えると家庭がふえたよう に見えるようなことを続けるのか、明らかでない。この弊害は例え ば以下のように現れる。大口排出源削減義務化政策が「排出量取引 制度」として掲げられているものの、上記のように発電時の排出を 発電所でなく、日本ルールで消費側の排出とすると、日本の排出の 3分の1を占める発電所が義務化対象から抜けてしまう。(3)大 口排出源削減義務化政策の削減目標がなく、大口の削減率が国の削 減率を下回る可能性も残っている。また、また総量削減でなくする (効率改善義務に置き換えることも認める)可能性がある。これで は総量が減らない。(4)原発推進の項目が書かれている。従来、 「原発新設優先」が大口排出源削減義務化政策や再生可能エネル ギー普及制度先送りの口実になって日本の対策が大きく遅れて来た のを繰り返すことになる。(5)再生可能エネルギー目標について 数値が低いこと。さらに、再生可能エネルギーでないもの(例えば エアコンや工場のコジェネなど)まで国会審議を経ず政令で「再生 可能エネルギー」に入れるおそれがある。
 概要は以下を参照。
http://www.env.go.jp/council/seisaku_kaigi/epc014.html