気候変動  
  温室効果ガス2010年度排出量確報 
20120414
     
2010年度温室効果ガス排出量確報値が発表されました。
基準年比0.3%減になっています。
排出量データも以下にあります。
詳しい報告書は以下にあります。
条約事務局にも出ています。
国内むけ資料には
の5ページのようにCO2の部門別推移が説明され、業務(オフィスなど)と家庭が増えたと発表されていますが、IPCCガイドラインに基づいた条約事務局提出資料
の35ページ(page2-5と記載)と大きく異なります。国内むけの政府資料では、火力発電所の排出は工場・業務(オフィスなど)・家庭に配分され分散され、まとめた量はなかなかわからなくなっています。諸外国の人が条約事務局のホームページを見ればその情報は一目でわかります。
 この差の手がかりは上記国内むけ資料の15ページ下の円グラフの排出構成にかろうじて示されています。
 環境学会の報告で多少解説をしています。
  海の酸性化、過去3億年で最速 
20120302
    
産業革命以降の海の酸性化、過去3億年で最速=米研究論文
 【ワシントン1日ロイター時事】米コロンビア大学ラモント・ドハティ地球観測所のバーベル・ホーニッシュ氏らの研究グループは1日、科学誌サイエンスの掲載論文で、世界の海は酸性化しており、その速度は過去3億年で最速である可能性があり、とりわけ地球が急速に温暖化した5600万年前の二酸化炭素(CO2)大量放出期よりも速いかもしれないと警告した。
 海水の急速な酸性化は、動植物にすみかを提供するサンゴ礁を破壊するほか、ムールガイやカキなどが自らを保護する貝殻を形成しにくくする。サケなどの魚の餌となる微生物の成長を阻害する可能性もある。
 海の酸性度は、大気に放出されるCO2が増えると上がる。研究チームによると、産業革命以前は火山の噴火などでCO2が自然発生的に放出される時期が定期的に訪れ、地球の気温が押し上げられていた。大気中のCO2の濃度は、産業革命が始まった当初は280ppmだったが、化石燃料を燃やすといった人間活動により、現在では392ppmにまで上昇している。
 研究チームは5600万年前の約5000年間にわたる温暖期に着目した。この時期は活発な火山活動といった要因によって温暖だった公算が大きいが、過去3億年間ではこの時期が最も現在の地球の状況に近いという。チームによると、5600万年前の5000年間で、大気中のCO2の量は2倍に増え、平均気温はカ氏で10.8度(セ氏で6度)上昇した。また海洋の酸性度はこの間、pHスケール(14ポイント)で0.4程度上がった。
 ホーニッシュ氏は、当時の温暖化と酸性化はこのように急速だったが、5000年という長い間の出来事であり、わずか150年ほど前に始まった産業革命以降の地球の状況と比較すると、その速度はむしろ遅いといえると指摘した。
 5600万年前の5000年間の温暖化期は「温暖化極大期(PETM)」として知られ、恐竜絶滅から約900万年後にあたる。酸性度は5000年間でpHスケールで0.4上がったのだから、100年ごとでは平均して約0.008と計算できる。
 ホーニッシュ氏ら研究チームによれば、当時、多くのサンゴ礁が消滅し、海底に住んでいた単細胞生物の多くも消滅した。この結果、食の連鎖の上位にあった動物や植物も同様に死滅したとみられる。これに対して20世紀の100年間の地球では、海洋はpHスケールで0.1酸性度が高くなっており、2100年までに0.2ないし0.3程度さらに酸性度が進むと予測される。また国連の「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」によれば、今世紀に世界の気温はカ氏で3.2ないし7.0度(セ氏で1.8ないし4.0度)上昇する可能性があると予測されている。
 ホーニッシュ氏は「PETMの(100年ごとの酸性度)変化率が現代よりも小さかったし、今後も大きなエコシステム上の変化が予想される」とし、「それだけに、海洋で今後何が起きるか懸念せざるを得ない」と述べている。[時事通信社](2012/03/02-12:36) 
 
  気候変動否定派、米学校教育へ関与する動き発覚 
20120227
     
気候変動否定派、米学校教育へ関与する動き発覚
2012年02月27日 18:50
【2月27日 AFP】米国で右派系の利益団体が、気候変動に関する学校教育を誘導する運動に資金提供していたことが発覚し、気候変動問題をめぐる新たな不祥事として問題になっている。
 発覚の元となったのは、シカゴ(Chicago)を拠点とするNPO「ハートランド・インスティテュート(Heartland Institute)」の予算と戦略を記した内部文書。前週公開されたこの文書によると「地球温暖化学校カリキュラム・プロジェクト」に20万ドル(約1600万円)の予算が計上されていた。またこのプロジェクトの内容として、「人間が気候を変化させているのかどうかは、科学的に大きな議論の余地があり」、気候モデルの「信頼性にも賛否両論」と学校で教えるよう促進する活動だと記されていた。
 また化石燃料業界やその利益団体から多額の寄付があった他、匿名の個人から125万ドル(約1億円)の寄付があったことや、国連(UN)の気候変動に関する研究成果の反証に成功した研究チームに30万ドル(約2400万円)が支払われる予定だったことなども発覚した。
 ハートランド・インスティテュートでは、戦略に関するメモ2ページ分は捏造(ねつぞう)されたものだと反論しているが、そのほかの文書については言及せず、AFPの取材申し込みにも答えていない。
■米連邦機関の科学者も関与か
 この問題は22日に議会で米民主党議員が、漏えいした文書に名前の挙がっていた米内務省職員の証人喚問を求めたことで、さらに大きな局面を迎えた。
 渦中にいるのは内務省科学テクノロジー政策プログラムの副責任者インドゥル・ゴクラニー(Indur Goklany)氏で、ハートランド・インスティテュートから月1000ドル(約8万円)の報酬を受け、同団体に寄稿していたと、問題の文書に記録されていた。連邦職員がこうした報酬を受け取ることは違法であるうえ、同氏の論文は国連の「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」の報告に対する批判を目的として対抗する科学者の国際グループ、「気候変動に関する非政府間パネル(NIPCC)」の書籍に掲載される予定だった。
 気候変動を否定するメッセージを発信するために、ゴクラニー氏が不当に金銭を受け取ったとして、民主党のラウル・グリハルバ(Raul Grijalva)下院議員は、天然資源委員会へのゴクラニー氏の召喚を求めている。また、他にも政府関係機関の科学者が関与している疑いもあると指摘している。
 環境保護団体グリーンピースUSA(Greenpeace USA)も同じく、政府機関の科学者が違法に報酬を受け取っていた事実の記載が問題の文書にないかどうか、政府に公式調査を求めている。グリーンピースUSAのカート・デービス(Kert Davies)氏はAFPの取材に対し、ハートランドは「何百万ドルもの資金を調達し、何年にもわたって気候変動とそれに関する科学を混乱させる運動を行ってきた」と批判している。
■気候変動の専門家が潜入を告白
 20日にはさらに意外な展開が加わった。気候変動の専門家として著名な科学者であるパシフィック・インスティテュート(Pacific Institute)のピーター・グライク(Peter Gleick)所長が、ハートランドの役員を装って同団体に潜入し、極秘内部資料を入手し、それを自分の同僚やメディアに流出させたことを明かしたのだ。グライク氏は今年初めに匿名のメールでハートランドの戦略に関する資料を受け取り、応答したところ、ハートランド内部の誰かしらから直接、最初の資料を裏付ける資料が届いたと述べた。
 グライク氏は潜入して文書を入手したことについて20日、公式に謝罪した中で、気候科学に対する「資金力がたっぷりあり、巧みに仕組まれた匿名の攻撃に対してたまっていたフラストレーションのせいで、判断が曇らせられた」と訴えた。
 これに対し、ハートランドのジョセフ・バスト(Joseph Bast)会長は「これは犯罪だ」と述べ、「当団体が受けた損害を回復するには単なる謝罪では十分ではない」と非難し、法的措置も追求する構えを見せている。
 一方、グリーンピースのデービス氏のように、科学者が文書を盗んだといった点よりも重要なのは、それによって漏えいした内部文書が本物で、その出所がハートランドだったことが確認されたことだと擁護する声もある。 
  東電、京メカクレジット購入見送り 
20120303
    
対策ではなく「後始末」ですが、経団連計画で、達成できなければ京メカクレジットを購入すると言ってきたものが崩れるようです。

東電、CO2排出権購入見送り…温暖化対策後退
(2012年3月3日17時49分 読売新聞)
 東京電力が今後10年間、地球温暖化対策でこれまで購入してきた二酸化炭素(CO2)の排出権の購入を見送る計画を立てていることが明らかになった。
 月内に策定する総合特別事業計画に盛り込む見通しだ。福島第一原子力発電所事故後の資金繰りが厳しいためだが、日本の温暖化対策が大きく後退しかねない。
 東電は2007年度から排出権の購入を始め、10年度までの4年間で615億円をかけて、年間のCO2排出量の4割にあたる計4170万トン分の排出権を取得した。CO2の排出量を1キロ・ワット時あたり0・304キロ・グラム以下にする目標を立てたが、08~10年度は3年連続で目標を達成できていない。また、11年は100億円程度を購入する計画だったが、原発事故後に排出権を購入したかどうかは明らかにしていない。
 東電は国内電力需要の3割程度を供給しており、CO2の排出量は国内で最も多い。東日本大震災後は、発電時にCO2を出さない原発の稼働率が大幅に落ち込むとともに、火力発電への依存度が高まり、CO2の排出量は増えている。東電が排出権の購入を見送ることは、日本のCO2排出量を増やしかねない。 
  リコー経済研の温暖化対策提案 
20120215
   
電力安定供給とCO2削減は「両立可能」 リコー経済研の神津氏に聞く
編集委員 滝順一
日本経済新聞2012/2/15 7:10
 東日本大震災と東京電力・福島第1原子力発電所の事故の後、地球温暖化対策の推進と経済成長の両立が困難になったという意見が増えている。そんな中にあって、リコー経済社会研究所は昨年12月、原子力発電の縮小を前提に成長に必要な電力を確保し、同時に温暖化ガス削減目標も達成するのは可能だとする報告書をまとめた。神津多可思・首席研究員は「両立の道が困難だからあきらめるといった発想は世界には通用しない」と話す。
神津多可思・リコー経済社会研究所首席研究員
 ――エネルギーの安定供給を確かなものにして経済成長を実現しつつ、同時に地球温暖化対策も推進するという理想形を追求するのが難しくなったという意見をこのところよく耳にします。
 「確かに(飛び越さねばならない)バーは高くなった。原発は運転している時に二酸化炭素(CO2)を出さないので地球環境問題を考える上ではプラスだった。今の日本は電力の確保が最優先の課題となり、原子力依存が下がる中、安定供給を確保して、さらに温暖化ガスの排出削減目標も達成するというのは以前に比べれば困難度が増した。しかし達成不可能ではない。(現実を見失った)ドン・キホーテにはならないで、実現する道がある」
 ――具体的にはどのように。
 「太陽光や風力発電は電力供給が安定せず、設備利用率も低いため、ベース電源としての原子力の役割を代替できない。今後10年間程度は化石燃料による火力発電だけが原子力を代替しうる。ただ石油火力は、ベース電源用に導入しないとした国の指針に基づけば新規建設は困難だ。石炭火力は発電コストが比較的安価という利点があるものの、CO2排出の大幅増加につながる。将来、CO2の排出権価格が上昇する可能性を考えれば、新規建設は慎重にすべきだ」
 「残るは天然ガスだ。米国におけるシェールガス開発の動向をみても世界的に天然ガスの供給が増える方向にあり、安定供給の観点からも有望だ。温暖化対策の観点でも石油や石炭に比べてCO2排出が少ない利点がある」
 ――しかし天然ガスも化石燃料であり、原子力を代替していけば国全体としてCO2排出が増えるのは避けられません。
 「原発への依存の大きさで3つのケースを想定し試算してみた。第1ケースは福島第1、福島第2(東京電力)、浜岡原発(中部電力)を停止し、島根3号(中国電力)と大間原発(Jパワー)が新規に運転を始めた場合。第2は福島第1、福島第2、浜岡の停止に加えて運転開始後40年を経過した原発を止め、新規運転開始がない場合。第3は全原発を止める場合だ」
 「これらのケースについて原発が減った分を主として天然ガス火力で補い、さらに石油、石炭火力も天然ガス火力に転換していく。天然ガスの消費増によって増える二酸化炭素排出は節電の推進で相殺していくとする。既存の天然ガス火力の設備利用率を最大70%前後まで引き上げれば、2020年までに天然ガス火力を今より5%程度、設備増強をするだけで、石油、石炭火力の設備利用率を5%くらいにまで引き下げることが可能だ」
 「ケース2の場合は、天然ガスへのシフトに加えて、16%程度の電力需要の削減を達成すれば、環境省が一昨年に示した温暖化対策の中長期ロードマップで想定する二酸化炭素排出削減目標(20年に1990年比25%減)を実現できる。原発の停止が少ないケース1なら7%程度の需要削減で達成可能という試算になる」
 「16%の需要削減は、ちょうど昨年夏に東京・東北電力管内で実現した節電量に相当する。昨夏の節電はピークカットを狙って最大電力需要を抑えることが目標だったが、結果的に8月の電力消費量は約16%減った。あのような節電が全国規模で年間を通じて実現できればよい」
 「中長期ロードマップは20年時点でかなりの節電を実現することを織り込んだシナリオなので、原子力依存を減らすという新たな条件下で、現実にはもう一段の節電をしなくてはならない。スマートグリッド(次世代送電網)関連の技術を使うなどしてエネルギーの利用効率を上げていくことが必要だ。とりわけデパートやホテル、オフィスビル、学校など業務部門と家庭部門における恒常的な節電が重要になってくる」
 ――心配なのは天然ガスへの依存度があがることです。安全保障面から問題にはなりませんか。
 「天然ガス供給の量と価格の両面での安定性は注意深くみていくことが必要だろう」
 「震災などで困難度が増したからといって温暖化対策の目標をあきらめると日本が主張しても世界が理解を示してくれると思うのは甘い。中国ですらエネルギー安全保障とグリーン経済の競争力のため、再生可能エネルギーの導入に懸命だ。国家財政破綻の危機を抱えた欧州ですら(温暖化対策やエネルギーのシフトで)日本の1、2周先をいっている」
 「国境を超えて活動するグローバル企業にとっては地球環境への視点を欠いては事業活動ができない。世界のグローバル企業は冷徹なそろばん勘定に基づいて行動しており、日本は特別扱いなどということはありえない」
 ■取材を終えて
 神津さんによれば、リコー経済社会研究所は「インハウス(企業内)の研究所でビジネスの将来像についてリコーの経営陣に情報を提供するのが目的だが、今回の報告書は企業の枠を超えて普遍性があるので発表した」そうだ。報告書は西岡秀三・国立環境研究所特別客員研究員を座長とする有識者懇談会の議論をベースにまとめたというが、確かに重要なメッセージを含む。
 エネルギー政策を議論する政府の会議などでは原子力をめぐる対立的な論議ばかりが目立つ。そこでは温暖化対策は原発必要論の口実として語られる印象すらある。しかしグローバルな視点にたてば、温暖化対策の緊急性は大震災を経てもまったく変わっていない。日本がエネルギー政策や成長戦略を組み立てる大前提であるべき課題だ。 
   COP17後の日本の役割 目標達成のため法整備必要
20120202
  
【論風】COP17後の日本の役割 目標達成のため法整備必要
2012.2.2 05:00サンケイビズ
 昨年、南アフリカのダーバンで開催された第17回気候変動枠組み条約締約国会議(COP17)は、全ての条約締約国に適用する議定書、その他の法的文書または法的効力のある合意された成果の採択に向けた新たな「ダーバン・プラットフォーム」プロセスの立ち上げに合意するとともに、京都議定書第2約束期間の設定、緑の気候基金の全体的な制度設計やカンクン合意(一昨年のCOP16で採択)の実施のための一連の決定を採択した。特にダーバン・プラットフォームへの合意は、全ての締約国に適用する法的枠組みの策定を目指す点で、歴史上初の画期的な成果である。
 しかしながら、これから始まるダーバン・プラットフォーム交渉は、先進国に加え、経済発展段階がはるかに多様な途上国の行動強化のための枠組みをつくる極めて複雑な作業となる。条約の「共通だが差異のある責任」の原則を21世紀の現実に適合するよう具体化し、各国の約束を適切に差異化することが不可欠である。
 加えて、主要国が誓約した排出削減目標の実施と気温上昇2度の抑制目標実現に必要な削減との間に残る60億~110億トン(CO2換算)のギャップを埋めるためのさらなる排出削減強化も大きな課題である。
 韓国・中国が取り組み加速
 このような中、アジアでは新興国などが低炭素型社会の発展に向けた取り組みを加速させている。韓国は国内排出権取引制度の導入など一連の極めて意欲的な政策を固め、グリーン成長戦略を世界に普及させるべく世界グリーン成長研究所を設立した。
 中国もGDP(国内総生産)当たりCO2排出量を2020年までに05年水準から40~45%削減する長期目標の下、第12次5カ年計画で17%削減する目標を定め、省エネ対策、再生可能エネルギー導入を強化するとともに、市場メカニズムを応用した削減目標実施推進方策の検討、排出データ集計・算定システムの確立、低炭素技術の革新の加速化などを進めている。
 わが国は、全ての主要国による公平かつ実効性のある国際枠組みの構築と意欲的な目標の合意を前提に、温室効果ガス排出量を20年までに1990年比25%削減を目指すと国際的に誓約し、ダーバン会合に向けて新しい一つの包括的な法的文書の速やかな採択を目指した。ダーバン・プラットフォームへの合意は、わが国が目指してきた目標を国際社会が共有したということを意味する。その前途は容易ではないが、わが国が上記の20年目標を掲げた際の前提も国際社会の共通目標となった。
 しかしながら、わが国は京都議定書第2約束期間には加わらないと決定していることから、上記の20年目標については国際的に法的拘束力を有するものではなく、また国内法で実施を担保されてもいない。これに対し、EU(欧州連合)は議定書の下で引き続き削減を強化するとしており、中国は前記の目標を第12次5カ年計画で拘束性のあるものとしている。
 追加費用は回収可能
 わが国は東日本大震災の試練をむしろ新たな発展への挑戦の機会とし、低炭素で持続可能な社会経済づくりを果敢に進めるべきである。昨年4月以降の電力需要(10電力計)は一昨年の同じ期間に比較して7%減少した(12月は速報ベース)。需要家の多岐にわたる節電努力の影響とみられるが、これを持続可能な省エネにつなげることが重要である。中央環境審議会中長期ロードマップ小委員会の検討の中間整理において、意欲的な国内削減の追加費用はエネルギー費用の節減により日本全体では回収可能と試算されている。
 わが国は目標の実施を国内法で担保し、温暖化対策税をはじめ目標達成に必要な施策を導入すべきである。ダーバン会議を受け低炭素化の取り組みが世界で加速すると考えられる。わが国の意欲的な取り組みは世界の低炭素化に貢献するためにも必要である。(地球環境戦略研究機関理事長・浜中裕徳)
【プロフィル】浜中裕徳 はまなか・ひろのり 東大工卒、1969年厚生省(現厚生労働省)入省。79年環境庁(現環境省)入庁、地球環境審議官を経て退官。現在、地球環境戦略研究機関理事長を務め、慶大大学院政策・メディア研究科教授も兼務。67歳。東京都出身。 
  地球温暖化の目撃者:独のリンゴ農家、雹や病虫害深刻 
20120206
 
 地球温暖化の目撃者:/10 独のリンゴ農家、雹や病虫害深刻
毎日新聞 2012年2月6日 東京朝刊
 地球温暖化の影響は途上国の問題と思われがちですが、先進国でも自然を相手にしている人々が痛切に感じています。ドイツ南部・コンスタンス湖周辺のリンゴ農園で働くピーター・トリロフさんは、「アップル・モス(リンゴのガ)」と呼ばれる害虫が以前より早くふ化していると気付き、1990年から気温、降雨量、湿度などのデータを集め、分析しています。最近の6月の気温は90年ごろに比べて平均で2度、最高気温は5度上昇しました。この地域の冬の気温は平年より下がっていますが、気温が短期間で大きく変化することが多く、冬の終わりの雨量もこれまでにないほど増えています。
 気温が変化したことで、リンゴの木の芽吹きが2、3週間早くなりました。通常は4月中旬ごろに芽を出しますが、ここ20年は毎年のように3月中旬に芽吹いています。このため農薬の使用期間が長くなり、費用がかさみ健康への危険も増しています。秋に湿度が高くなる年が増え、カビの感染で起こるリンゴ黒星病にかかる木が増えました。気温が十分に下がらず、暑い午後の日差しなどで、リンゴの色づきや日焼けの問題も出ています。
 この地域で栽培されてきたコックス・オレンジなどの伝統的な品種は高温には適さないため、これからは育てることができなくなるでしょう。さらに深刻なのが雹(ひょう)の被害です。これまで雹を伴う激しい雷雨は夏に2回ほどでしたが、2001年からの3年間、春に雹の嵐が数回起きるようになり、ここ何年かはたった一度の雹で作物が台無しになるほどです。リンゴを出荷できなくなった農家は収入が途絶えることになり、事態は深刻化しています。
 この地域で観察される生態系や農業への悪影響は気候変動が原因で生じていると高い確率で考えられています。トリロフさんは、温暖化に立ち向かうために、自宅を断熱材で覆い、太陽光発電を設置し、照明も省エネタイプに変え、移動の際は可能な限り飛行機を避けて電車を使うなど、できる限りのことを実践しています。
 昨年末の国際交渉では、すべての国を対象とした温暖化の法的枠組みが15年に採択されることが決まりました。各国が積極的に温暖化防止策を導入し、一人一人が実践することが重要になっています。【小西雅子・世界自然保護基金気候変動プロジェクトリーダー】=つづく

 「地球温暖化の目撃者」は、世界自然保護基金が展開するプロジェクト(http://www.wwf.or.jp/witness)です。
  対抗措置を示唆=EU温室ガス規制-中国航空当局 
20120206
 対抗措置を示唆=EU温室ガス規制-中国航空当局
時事通信
 【北京時事】6日の新華社電によると、中国民用航空局はこのほど、欧州連合(EU)が航空業界を対象に1月から導入した温室効果ガス規制について、国内航空各社に対し、中国政府の承認を得ずに規制に従ったり、運賃を引き上げたりすることを禁じる通達を出した。当局者は「国民や国内企業の利益を守るため、必要な措置を講じることも検討する」と、対抗措置を示唆している。
 EUの規制は域内発着便を有する航空会社に、温室効果ガス排出量取引制度(EU-ETS)に基づく排出枠の一部購入を義務付けている。(2012/02/06-11:52)

排出量取引の参加禁止、航空各社に通達…中国
(2012年2月6日19時23分 読売新聞)
 【北京=大木聖馬】新華社通信によると、中国国務院(中央政府)は6日までに航空当局を通じて中国の航空各社に対し、欧州連合(EU)が今年1月から航空業界に対して導入した温室効果ガスの排出量取引制度(EU―ETS)に、政府の許可なく参加したり、同制度を理由とした運賃の値上げをしたりすることを禁じる通達を出した。
 EUは域内の空港を利用する航空会社に対し、国籍を問わず排出権の購入を義務づけ、国際法にも違反しないとしているが、中国のほか、米国やロシアなども反発している。
 中国の航空当局者は6日、新華社通信に対して、「EUの一方的な立法行為は、国連気候変動枠組み条約や国際民間航空組織の関連規定に反するものだ」と批判したうえ、「事態に応じて、中国の国民、企業の利益を守るために必要な措置を講じることも検討する」と述べ、EUへの対抗措置を示唆した。

中国 航空機排出規制に応じず
2月6日 14時42分 NHK
EU=ヨーロッパ連合が、ことしから域内を発着する航空機を運航している航空会社を対象に、温室効果ガスの削減に向けた規制を一律に導入したことを受け、中国政府は国内の航空会社に、この規制に応じないよう求める通達を出しました。
EUは、ことしから域内を発着する航空機を運航している航空会社を対象に、航空機が飛行中に出す温室効果ガスについて、割り当てた枠を超えた場合、排出量取引市場で排出枠を購入しなければならないとする新たな規制を導入しました。
こうしたなか、中国国営の新華社通信は6日、中国民用航空局が、国内の航空会社に対し「政府の承認なしに、EUの規制を理由として航空会社が運賃などの引き上げを行うことを禁ずる」とする通達を出したと伝えました。
中国政府がEUの規制に応じないよう航空会社に指示したもので、最大の貿易相手であるヨーロッパとを結ぶ航空便が今後も増えることが予想されるなか、EUの規制が航空会社の負担の増加につながるという懸念があるものとみられます。
EUの規制については、中国のほか、日本やアメリカも「一方的で不公平だ」として反対しています。
  地球温暖化の目撃者:「桜守」が警鐘 「自然界全体に影響及んでいる」 
20120109
        
地球温暖化の目撃者:/9 開花時期のズレ「桜守」が警鐘 「自然界全体に影響及んでいる」
毎日新聞 2012年1月9日 東京朝刊
 佐野藤右衛門さん(83)は、造園業16代目、約200年前から京都の仁和(にんな)寺で庭の手入れをしていた家系です。かつて日本では、桜の開花を田植えや漁業の目安に使い、人の暮らしに溶け込んでいました。佐野さんは祖父の代から「桜守」として日本の銘木といわれる桜を訪ね歩き、後世に残しておこうと自宅の敷地に何百種類もの桜の苗木を持ち帰り、育ててきました。
 桜は年ごとに花の色や数が異なりますが、ほとんどが前の年の夏の天気の影響ということです。夏は桜にとって成長の季節。お盆過ぎに次の春に花を咲かせる花の芽を作ります。15~20度くらいの気温に落ち着いたときに、花が開きます。しかし最近は寒い冬がなくなってきたため、桜の色が薄くなり、開花の時期が狂ってきていると言います。
 今は300種類以上の桜がありますが、近年人気のソメイヨシノは人が作った花で、接ぎ木がしやすく、成長が早いので全国に広まりました。しかし、ソメイヨシノには種がなく、寿命も短く、雨や暑さにも弱いのです。夏に大雨が降ることが増えていますが、ソメイヨシノは根腐れが起きやすいので、危機的な状況になっています。
 佐野さんは「植物は動くことができず、そこにしかいられない。だから、自分が生きられるように対処しようとしている。名桜とたたえられる桜が枯れかけたら、人は大騒ぎして保護しようとするが、目前の一本だけを保護しても意味はない。自然全体に影響が及んでいることに気づくべきです」と訴えます。
 ◇過去50年で4.2日も早く
 桜の開花は、全国平均では過去50年で4・2日早くなりました。2100年ごろには、東日本、北日本での桜の開花は今よりも14・5日早まるという予測例もあります。桜の開花は日本人の生活に溶け込んでいるため、開花がずれると私たちの季節感も変えるかもしれません。
 先進国に温室効果ガスの排出削減を義務づけた京都議定書の第1約束期間は今年で終わります。日本は昨年末の国連気候変動枠組み条約第17回締約国会議(COP17)で、13年以降の第2約束期間に削減目標を掲げないと表明し、議定書の延長を拒みました。京都で生まれた温暖化防止のための国際約束である議定書を離れる日本を、京都の桜はどんな思いで見つめているでしょうか。【小西雅子・世界自然保護基金気候変動プロジェクトリーダー】
 「地球温暖化の目撃者」は、世界自然保護基金が展開するプロジェクト(http://www.wwf.or.jp/witness)です。
 
   長野県内リンゴ、温暖化で生育適地から外れる
20120127
     
 県内リンゴ、温暖化でピンチ 県環境保全研など生育適地予測
信濃毎日新聞01月27日(金)
 地球温暖化で気温上昇が続いた場合の長野県内でのリンゴの「生育適地」について、県環境保全研究所(長野市)と埼玉県環境科学国際センター(埼玉県加須市)が26日までに予測図をまとめた。世界的に高い経済成長が続き、温暖化が大きく進んだ場合、今世紀中ごろ(2031~50年)には、長野、松本、諏訪の各盆地の一部、伊那谷の一部などが適地から外れる予測結果が示された。
 予測は気温条件のみを考慮。気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が示す複数のシナリオのうち、バランス良くエネルギーを使って経済成長するシナリオを基にし、国立環境研究所(茨城県つくば市)などが開発した気温上昇が比較的高めに出る気候モデルで予測。県と全農県本部がまとめた「果樹指導指針」で示されている年平均気温が6~14度といった適地の条件に照らし合わせて、予測図を作成した。
 予測図では、今世紀末(2081~2100年)には、現在のリンゴの主な産地となっている平地の多くが適地から外れる想定となった。
 農林水産省によると、10年の県内のリンゴ生産量は14万4900トンで、青森県(45万2500トン)に次いで全国2位。予測を担当した埼玉県環境科学国際センターの増富祐司研究員(36)は「リンゴの品種改良や他の農作物への転換など複数の選択肢を用意して、将来に備えることが重要」と指摘。県環境保全研究所も、県果樹試験場(須坂市)が開発した新品種で、県内の主力品種ふじよりも収穫期が早く色づきも安定している「シナノホッペ」の普及など、気候変動に対する柔軟な農業政策の必要性を挙げている。
 予測は、温暖化が水資源や農業などのさまざまな分野に与える影響や、被害を軽減しようとする温暖化適応策をテーマに、環境省が進める研究プロジェクトの一環。県環境保全研究所と埼玉県環境科学国際センターはこのプロジェクトのメンバー。多様な気象条件や生態系を抱える長野県が「モデル自治体」に選ばれており、県環境保全研究所は積雪、植生、熱中症などの分野で県内予測を進めている。
  極暑で小麦が老化、収量が最大20%減少 
20120130
       
極暑で小麦が老化、収量が最大20%減少=米研究チーム
時事通信
 【シンガポール30日ロイター時事】米スタンフォード大学が中心になって行った研究によると、極度の暑さは小麦の「老化」スピードを早め、収量を少なくさせる可能性があるという。これは、地球が温暖化する中で急増する人口に食糧を行き渡らせる上での難題を浮き彫りにしている。研究結果は30日に科学誌ジャーナル・クライメート・チェンジに掲載された。
 科学者や農業従事者は長年、暑さが一部の作物を駄目にする可能性があることを認識していた。今回の研究は、小麦の「老化」の早さを調べることで、暑さからどうダメージを受けるのかを明らかにした。研究によると、種まきの時期によって、急速な老化によって失われる収量は最大20%に達する可能性があることが分かった。
 論文の主執筆者であるデービッド・ロベル氏率いるチームは9年間にわたり、インド北部の小麦の生長を衛星を用いて計測した。老化の速度を計るため、セ氏34度以上の気温にさらされた影響を調べた。その結果、急速な老化が小麦の登熟期間(種子が発育・肥大する期間)を短くさせることを発見した。老化の開始は穀物の穂の成長期間を短縮する。
 ロベル氏はロイター通信に宛てた電子メールの中で、「この研究で新しい点は、暑さが収量を減少させる特定のメカニズムへの理解が進んだことだ」と述べた。その上で「われわれは、これらの老化が農地で実際に起こっているのか、起こっているとすれば、それは問題になるほど大きいのかについて調べることにした。その答えは共にイエスだった」と語った。
 気候専門家は、世界中で極端な暑さが訪れる頻度が高まり、目立つようになっていると指摘している。これは作物を育てる上では大きな難題だ。小麦は世界でトウモロコシに次いで多く栽培されている作物だ。国連の食糧農業機関(FAO)は人口増や都市化などが進むことを理由に、食糧を行き渡らせるためには2050年までに世界の生産量を70%増やさなければならないと指摘している。
 小麦はとりわけ気温に敏感で、通常は晩秋ないし初冬に作付けされ、暑い夏が来る前に収穫される。
 ロベル氏は、研究チームの発見の結果、地球が温暖化するにつれて穀物と生育期間を調整する手段を洗練化できるだろうと述べ、「暑さに強い品種がカギになるだろう。極暑を避けるために生育を加速させるか、極暑にも耐えられる品種を作るのか、あるいは双方にするのかは判断が難しい」と語った。
 また同氏は「作付け時期を早める際の難題は、夏の作物(通常コメ)があって、小麦作付けの前にこれを収穫しなければならないことだ」とし、「多くの耕作地で小麦が気象上最適な時期のずっとあとに作付けされているのは、こうした理由による」と語った。[時事通信社](2012/01/30-12:01)
 
  ドイツ、2010年温室効果ガス排出量25%削減 
20120116
      
 EICネット発表日 | 2012.01.16
ドイツ、2010年温室効果ガス排出量国家インベントリーを公表、京都議定書目標義務を達成
http://www.eic.or.jp/news/?act=view&serial=26512
 ドイツ連邦環境省は、ドイツ連邦環境庁がとりまとめた温室効果ガス排出量に関する2012年国家インベントリーの内容を公表した。これは、2010年の温室効果ガス排出量を算出したものであり、2010年は景気回復にも関わらず、京都議定書の目標義務を達成したことを示している。2010年の排出量は1990年比で約25%減少となり、これは、年間2億9500万トンの二酸化炭素排出削減に相当する。2009年と比較し2.7%増加したものの、2008年と比較すると約4%減少している。また、温室効果ガス排出量のうち87.4%を二酸化炭素が占めた。このうち大部分は景気回復の影響で利用が増加した化石燃料エネルギーが占めている。一方で他の温室効果ガスの排出量は減少した。レトゲン連邦環境大臣は、「温暖化防止対策におけるドイツの成功は、国際社会及びヨーロッパにおいても顕著である。私たちは、経済成長と温暖化防止対策が両立可能であることを示している。この道を更に進み、2020年までに40%の温室効果ガス削減を目指す。温暖化防止政策によって、経済成長、技術革新、雇用創出も促進することも断言できる」とコメントした。【ドイツ連邦環境省】
 
  温暖化ガス削減目標「前提条件つけず検討を」 環境相 
20120130
      
温暖化ガス削減目標「前提条件つけず検討を」 環境相
2012/1/30 21:24日本経済新聞
 細野豪志環境相は30日、中央環境審議会(環境相の諮問機関)地球環境部会に出席し、2020年と30年の温暖化ガス削減目標について「前提条件を付けずにご検討いただきたい」と述べた。現在の目標はすべての主要排出国が公平で実効的な国際枠組みを構築し意欲的な目標で合意するのを条件に、20年の温暖化ガス排出量を1990年比で25%減らすとしている。環境相は新しい目標では「各国の動向にかかわらず我が国として何をなすべきか」が重要との認識を示した。

温暖化対策 本格的な見直しへ
1月31日 1時2分 NHK
原発事故を受けてエネルギー政策の見直しが進むなか、2020年までに温室効果ガスを25%減らすという国の中期目標の見直しも含めた、今後の温暖化対策についての議論が本格的に始まりました。
地球温暖化対策を巡って、政府はこれまで、2020年までに温室効果ガスの排出量を1990年に比べて25%減らすという中期目標を掲げています。しかし、原発事故を受けて今後のエネルギー政策が抜本的に見直されるなか、政府の関係閣僚会議は、昨年末、原発への依存度を減らすことと温暖化対策との両立を図ることなどを盛り込んだ基本方針を示し、温室効果ガスの削減目標の見直しを含めた将来の温暖化対策について、環境省の専門家会議で原案をまとめるよう求めています。30日の会議で本格的な議論が始まり、参加した細野環境大臣は「日本は大きな災害に見舞われたが、温暖化対策の姿勢を示せるメッセージ性のある案を示してほしい」と述べました。専門家会議は、原発への依存度を減らすために有効とされる再生可能エネルギーの普及策などを検討し、2020年と2030年までの温室効果ガスの削減目標や目標を実現するための対策について複数の選択肢をまとめ、この春をめどに関係閣僚会議に報告することにしています
第2約束期間不参加が国際的に認知?
20120119
     
「日本経団連タイムズ」には、政府との意見交換で、政府が「(日本が)第2約束期間に参加しないことが国際的に認知された」と説明したと書かれています。
25%削減見直し 政府が議論開始
20120118
     
温室ガス「25%減」見直し=30年目標も設定へ-政府
時事通信
 政府は18日、二酸化炭素(CO2)など温室効果ガス排出量を2020年までに1990年比で25%削減する中期目標の見直しに向け、本格的な検討に入った。東京電力福島第1原発事故に伴うエネルギー政策見直しと併せ、エネルギー・環境会議が今春に2020年と30年の目標について選択肢を提示し、夏までに取りまとめる。環境省の中央環境審議会(中環審、環境相の諮問機関)小委員会が同日、原案づくりに着手した。(2012/01/18-18:44)

温室効果ガス:25%削減見直し 政府が議論開始
毎日新聞 2012年1月18日 23時47分
 東京電力福島第1原発事故を受け、政府は18日、「温室効果ガスを条件付きで2020年までに1990年比25%削減する」とする国際公約を含めた地球温暖化対策の見直し議論を本格的にスタートさせた。今春までに、20年と30年までの削減幅について複数の選択肢を提示する。
 関係閣僚らでつくる政府の「エネルギー・環境会議」の要請で、環境省中央環境審議会小委員会でこの日、議論が始まった。温室効果ガスの削減幅を白紙から見直すほか、目標実現のための施策や、経済に与える影響などを議論することを決めた。委員からは「実現可能性をきちんと検討すべきだ」などの意見が出た。今後、省エネや再生可能エネルギーの普及策などを提示しながら、具体的な削減幅と対策を検討する。
 政府は、原子力政策の基本方針である「原子力政策大綱」や「エネルギー基本計画」の見直しなどと併せ、夏までに総合的なエネルギー政策と温暖化対策を決定する。
 現行の「25%削減目標」は、09年に鳩山由紀夫首相(当時)が表明し、国連にも登録した。この目標は途上国支援による国外での削減分も含むとの考え方もあり、環境省は国内削減分だけの「中長期ロードマップ」を10年に作成。ただし、「20年までに原発を9基新設する」としたエネルギー基本計画を基にしており、原発事故で前提が崩れた。【藤野基文】