(03/10/05更新)
このページでは各地の取り組みのなかから生まれた道路公害の克服と住民本位の地域再生や街づくりに関連する政策提言と関連する動きなどを紹介しています。これらの政策について活用いただく場合は、関係団体かJNEPまで連絡してくださるようお願いします。
●始まったディーゼル車規制(03/10/05)
●始まったディーゼル車規制
東京、埼玉、千葉、神奈川の1都3県で10月1日からディーゼル車排ガス規制がスタートした。4都県の規制対象車は計約70万台で、このうち70〜80%程度が規制基準をクリアするための後付け装置の着装および新車導入の対策をとったものと見られている。
ディーゼル車規制は早くから叫ばれてきたが、東京大気汚染裁判もすでに1審を終えている段階になってようやく実現したが、遅すぎた。SPM汚染はこのところ3年連続で高止まりの状況である。
規制は、乗用車を除き新車登録から7年を超えるディーゼル車が対象で、他地域から1都3県に入る車も含まれる。違反者には運行禁止命令を出し、従わない場合は50万円以下の罰金が課せられる。
対策となった単体規制のほか、ディーゼル車に使用する軽油のPMを減らす低硫黄軽油の供給が始まったことも大気汚染改善に大きく貢献するものと見られる。
問題点を見てみる。
物流の主役であるトラックの排ガスを規制するなら首都圏のみの規制では不十分で、当然全国各道県を通じての指導(規制)がないため、常に「違反車」が首都圏に乗り入れる事態が継続することとなる。現に規制逃れの目的で事業所を規制外の県に移す運送業者も現れている。規制は当然、全国的規模で国が行うべきであるが、小池環境大臣は「様々な経済活動を妨げないのか、プラスの面とマイナスの面があるので、同じような規制を国が導入するのは難しい」と消極的。
規制地域内でのディーゼル車走行のためには後付けの除去装置をつけるか、排ガス基準をクリアした新車を購入しなければならないが、いずれにせよユーザー側の経済負担となっており、この負担が解決できないので転廃業が続出している。メーカー側の負担はまったく問われない仕組みなら、国・都県の補助制度の拡充が必要。(現行:都2/1、国4/1補助。国は予算枠40億円で打ち切り)
耐用年数が残っているのに規制で走れないのは欠陥車と同じだが、国は製造当時は安全基準を満たしており、いわゆる欠陥車とは認めない。メーカーは買い換えをせまられるユーザーに新車を売りつけるのではなく、後付けの除去装置をメーカー責任でつけさせるべき。
メーカーの新車販売攻勢で走れなくなったトラックが中古車市場に流され、規制外地域を走行する、または海外市場に輸出され、それぞれ大気汚染を引き起こす。
こうして、さまざまな問題を抱えてスタートしたディーゼル車規制だが、その効果が実際にどの程度になるのか。これが大気汚染測定値に反映されるのか。これについては例えば東京でのSPM汚染状況が規制実施前と規制後でどのように改善されるのかを見る必要があるが、都の自動車排ガス測定局のSPM測定値について実施前の9月のデータと実施後の10月における日報平均値を見ても35局全体のについて、また個別局ごとについて顕著な変化はいまのところ見られない。
兵庫県の「環境の保全と創造に関する条例」の一部改正について、公害・地球懇(JNEP)は1月27日、次の意見書(パブコメ)を提出しました。
意見書では、改正条例の趣旨に賛成しつつ、規制対象道路から高速道路を除いていることについて慎重に検討することや、未対策の車両の猶予期間を短縮することのほか、運輸業界のとるべき対策についても提案している。
改正条例は、「自動車NOx・PM法」に基づく対策地域において、法の排出基準に適合しない自動車の運行規制を県条例で行うと同時に、対象地域外の兵庫県内自動車および他府県の自動車が同地域に流入する場合にも適用しようとするもの。また、指定する道路を規制の対象から外すことで、R43から湾岸線、山陽道、中国自動車道に誘導することもねらっている。
2003年1月27日
公害・地球懇(JNEP)
「自動車NOx・PM法対策地域内における自動車の運行規制内容案」
についての意見
NO2・酸性雨・SPM全国一斉測定運動実行委員会(代表藤田敏夫)、公害・地球環境問題懇談会(代表清水誠)は全国における大気汚染状況の自主測定運動の結果を踏まえ、10月8日、小泉総理と環境省に対し、抜本的な大気汚染防止対策を要求した。
●NGO、自主測定結果ふまえ大気汚染対策求める
内閣総理大臣小泉純一郎様
環境大臣鈴木俊一様
2002年10月8日
NO2・酸性雨・SPM全国一斉測定運動実行委員会
代表藤田敏夫
公害・地球環境問題懇談会
代表清水誠
要 請 書
以上
連絡先:NO2・酸性雨・SPM全国一斉測定運動実行委員会事務局
事務局長木村弥三郎
TEL.&FAX.03-5275-0257
公害・地球環境懇談会幹事長小池信太郎
TEL.&FAX.03-3352-4938
(注)※は6月19目〜20目測定(合計・平均は除く)
JNEPは大気汚染の原因となっている自動車用燃料にたいする硫黄分除去に関して政府方針にたいし次のコメントを提出しました。(2002/4/22)
自動車NOX・PM法は一昨年の中環審答申を受けて粒子状物質(PM)を対象物質に加えるなどの改正が行われ、対策地域に名古屋などが加わりました。
対策地域のある都府県(埼玉、千葉、東京、神奈川、愛知、三重、大阪、兵庫)は、NOx総量、PM総量のそれぞれについて、「総量削減計画」を策定することになっています。計画は、「期間については2010年3月までに環境基準が概ね確保されるように達成の期間を定める」他、それぞれの物質の削減総量(中間目標を含む)、計画の達成の期間及び方途を定めることとされています。
JNEPは、東京都に対して以下のような意見書を提出しました(2002/2)。
この計画は東京都だけではなく、対策地域全てで行われていると見られますので、どんな計画がどのようにつくられているのか検証することが必要です。
JNEPは自動車NOx・PM法の施行について次のパブコメを提出しました。全国公害患者の会連合会および藤田敏夫さん(NO2・酸性雨・SPM全国一斉測定実行委員会代表委員)のパブコメとあわせて掲載します(2001/09/13)。
●全国公害患者の会連合会のパブコメ
環境省環境管理局自動車環境対策課
●藤田敏夫(NO2・酸性雨・SPM全国一斉測定実行委員会代表委員)さんのパブコメ
環境省環境管理局自動車環境対策課(パブコメ担当)御中
JNEPは小泉内閣が進めている「構造改革」の一環としての特殊法人見直し問題に関連して、環境庁所管の特殊法人である環境事業団および公害健康被害補償予防協会の2法人について、見直し対象とすべきか否かについての基本的認識と2法人がそれぞれ果たしている役割を評価して、体制強化や施策の充実を図るべきとの意見を行革・規制改革担当大臣ならびに環境省に申し入れた(2001/09/03)。
行革・規制改革担当大臣 石原伸晃 殿(同文・環境大臣宛)
東京都環境保全推進委員会は4月25日、知事にたいし当面の環境問題について第3次報告書のかたちで提言した。
報告書の最大の焦点はディーゼル車対策を中心とする自動車公害解消問題であり、自動車公害問題分科会(小池信太郎分科会責任者)が次の報告書を取りまとめたもの。報告書は廃棄物・リサイクル問題、自動車公害問題、自然保護問題、環境学習・環境教育問題の5課題についてまとめられているが自動車公害問題以外は省略する。
東京都は東京都環境基本条例に基づき、東京都環境保全推進委員会(2年の任期で、団体および地域から選ばれた100人の委員で構成)が設置され、都知事への「提言」を主要な任務とし、1998年5月から第3期目の委員会が発足している。今期は公害・地球懇から、同委員会委員として小池幹事長を送りだしている。
JNEPは2000年12月6日、自動車排出ガス総合対策のあり方を審議している中央環境審議会に対し、次のパブリックコメントを行った。10月6日にも中間報告にたいするコメントを行ったが、今回の最終報告案は中間報告よりも大幅に後退した内容となっている。
中央環境審議会(大気・交通公害合同部会)御中
公害・地球懇(JNEP)は自動車排ガス対策の抜本的強化について、2000年10月6日、中央環境審議会にたいし意見書を提出した。特に、東京都などの取り組みが前進を示し始めているなかで、国の対策が後手に回り、低いレベルのナショナルスタンダードを自治体などに押しつけている問題の早急な改善を求めている。
中央環境審議会(大気・交通公害合同部会) 御中1.はじめに
これまでも自動車公害対策がそれなりには行われてきたにも関わらず、大気汚染は悪化しています。これは、(1)対策が対症療法に終始してきたこと、(2)その規模や内容が不十分だったことだけではありません。そうした効果を帳消しにしてしまうような政策が実行され、継続されてきたからです。
これまで、自動車公害については (a)自動車交通量が増えるのは自然現象で、その解決の基本は道路を増やすことである (b)ディーゼルは経済的であり、またその排ガス対策はガソリン車に比較し技術的に困難な点が多いという幻想が支配し、政策が継続されてきました。
しかし、英国政府報告などが指摘しているように自動車交通量の増加は政策の帰結で、道路建設がかえって自動車交通量を増やす効果もあります。国民も産業も自動車利用の目的は移動や運搬であって、自動車自体ではありません。移動や運搬の手段は政策によって大きく左右されます。今求められているのは移動や運搬を自動車以外に極力代替し、自動車にゆだねる部分は徹底的に低公害化する政策を実現し、国民や産業の移動・運搬の需要を満たしながら自動車交通量を大きく削減し、汚染物質の排出を激減させることです。
また、東京都の「ディーゼルNO作戦」が指摘するように、ディーゼルが安いのは甘い基準、不当に安い燃料税制など国の政策の帰結であり、逆に政策を変えれば簡単に変更できるものです。技術的に困難という主張も怪しいものです。欧米にはガソリン車と同じ排ガス基準を導入している国もある。ディーゼルの排ガスが汚いのは技術ではなく政策に問題があるからです。
私たちは、(1)環境政策を他の経済・開発政策の下位におき環境政策に逆行する政策を改めない、(2)政策選択の指標や基準が明確でなく、抜本的施策があっても採用しない、(3)目標を定めても点検しない、あるいは達成できなくても達成に十分な政策の改善をしない、(4)意思決定や進捗状況の評価に国民を参加させない、などのこれまでの政策の位置づけやシステムに根本的な問題があったと考えます。従来の施策の延長ではまた数年後に目標を達成できなかったとする報告書ができるだけである。以下に意見を述べます。
2.中期ビジョン、中期目標の設定の必要性
2.−1環境政策上位位置づけの必要性
従来の経験から、建設政策と運輸政策とは別に環境政策を実施することでは効果が上がらないことがわかっています。開発省庁の政策を含めて道路、自動車に関する従来の政策を白紙に戻し、環境政策を中心に据えて一からやりなおす必要があります。その際には
(1) 環境政策は他の政策に優先すること、
(2) 環境政策は必ず達成することを目的とすること
(3) 環境容量の概念を導入し、経済活動はその範囲に止めること
などの原則が必要です。
(2)は説明が必要でしょう。環境政策は何かやっていることで十分とされ、既存の政策(開発官庁が既存の政策の看板・表紙だけ替えただけのものが多い)十分な効果を上げる見込みがないのに、今ある政策の効果をもう少し見極めてから判断すべき、などと実質的に対策を先送りする主張がまかり通ることが何と多いことでしょうか。審議会でこれらの原則を確認し、来年には全ての目標を達成できるよう、また次のステップでは自動車公害を根絶できるようにする必要があります。
2−2数値目標と達成期限の設定
自動車公害対策に関しては、大気の「環境基準」と「排出基準」が制定され、しかも各種施策が実行されたにも関わらず、報告にもあるようにこれまで達成の見通しすら立っていません。数値目標と達成期限を定め、それに向けて裏付けとなる政策を実施するとともに逆行する政策を中止あるいは変更し、毎年達成状況を点検し、不十分な政策は強化して目標を確実に達成するしくみをつくることが必要です。その際には (1)環境基準における達成期限の設定と厳格化 (2)環境基準達成のための各種数値目標や達成期限の設定 (3)環境基準や他の数値目標の期限内の達成を裏付ける個々の政策の効果の数値化などの仕組み必要です。
(3)は説明が必要でしょう。環境基準や他の数値目標を達成するためには、様々な政策を組み合わせなければなりませんが、そこであげられた政策にはどれだけ汚染物質の排出を削減するか、事前見積もりを行うことが必要で、そうでないと毎年どれだけ進んだかがわかりませんし、対策をどう強化していいかもわかりません。また、このために前節で触れたような、対策先送りのために、開発官庁や業界が、「この政策や自主取組をいまやっているのだから様子を見よ」などという主張がまかり通るのです。
2−3 中期ビジョンの必要性
従来の経験から、建設政策と運輸政策とは別に環境政策を実施することでは効果が上がらないことがわかっています。環境制約を考えて将来的に自動車・道路をどうするか、のビジョンを出し、それに向けて対策を積み上げていくことも必要です。道路建設を抑制し、自動車の役割を限定し、自動車に頼らない交通、街づくりを進める政策です。言うまでもありませんが、ここで言うビジョンは、何も対策をしなくても将来技術開発で全て解決する、今は公害被害者の声は無視して道路だけ作っておけばいいのだ、などという技術の夢物語を展開することではありません。
3.実施状況の評価について
自動車NOx法に基づく施策が全く効果がなかったとは考えませんが、削減目標が達成できず、また埼玉県のようにかえって増加した地域もあります。削減についても対策が進んだのか、建設不況でディーゼルトラックの走行量が減っただけなのか(例えば通産省のエネルギー需給確報によれば、1998年度の運輸貨物の燃料消費量は減少している)検証しなければなりません。原単位が2割削減されたからといって、対策が進んだかどうかは定かではありません。
単体対策など各種対策ごとの数字が一部示されていますが、低公害車普及対策など一部を除けば目標とした削減量に対する実際の削減量が示されていません。目標とした削減量に比較し、どれだけ削減できたのか、達成できなかった原因は何か、が検討されないと従来政策の点検にならず、今後の対策を提案できないと考えます。
また、PM対策は特に遅れが目立ってきたところです。道路建設の環境アセスメントでもPM対策は定量的評価が行われていない例が多く、制度上大変問題です。
4.今後の自動車排ガス総合対策のあり方について
(1)対象物質
ディーゼル微粒子を加えるべきです。
(2)特定地域
窒素酸化物、ディーゼル微粒子を要件に、環境基準を超える高濃度汚染が見られた地域は自動的に加える制度とし、当面は名古屋市近郊および環境基準非達成局の近郊を加えるべきです。
(3)目標
環境基準は2000年度中に確実に達成すべきです。目標が達成できないのは排ガス基準の甘いディーゼル車と質の悪いディーゼル燃料を野放しにしているためであり、緊急時の対策を取ってこなかった行政の責任です。軽油改質と既存車へのDPF装着を含めこれらを改善すれば達成が困難とは言えません。政治的に2000年度中が困難という場合にはその理由を明記し、また確実に達成する年度を明記すべきです。
ディーゼル微粒子についてデータが不十分で排出量の目標が出せないという記載は納得できません。まずラフな目標をたて、モニタリングを強化し、達成状況を見ながら排出目標を進化させていくのが筋ではないでしょうか。完璧な知見が得られるまで何もしないというのは本末転倒だと思います。
新たな期間が10年、中間目標が5年というのは長すぎます。ディーゼル対策がようやく次々に出てきた現在、10年もだらだらと古い目標を掲げていてはかえって対策を妨害することになります。期間はせいぜい3年とし、期間の長短を問わず毎年の中間目標を掲げて進捗の点検をすべきです。
(4)基本的枠組み
国が甘い方針を定め、都道府県の進んだ政策を縛るのは問題です。国の基本方針は最低限度であって、都道府県がそれ以下とするのは許されないが、強化することは自由とすべきです。
計画の進行管理は定量的に行い、それが政策変更に反映されなければ何の意味もありません。これまでの環境関係の計画の進捗が、今年度はこの対策を実施した、という文章だけで、政策が進んだのか足らないのか判断できず、あるいは判断を意図的に避け、結果として公害の激化、環境破壊を放置し、そして新たな政策展開へのブレーキをかけてきたのではないでしょうか。関連施策に登録された政策は全て予測削減量を事前に明らかにし、毎年点検を受けて不十分なら強化すべきです。また、政策の選択においては官庁の恣意に任せず、予測削減量をもとに評価し、選択すべきです。
基本的枠組みに、国民の政策決定への参加がないのは問題です。政策選択の機関と進捗点検の機関として少なくとも国民参加の第三者機関を設け決定権限を持つこと、国民参加の情報機関を設けてここの請求する環境関連情報は民間情報を含めて全て公開(個人情報は除く)する、の2点は最低限必要だと考えます。
(5)具体的施策
交通流対策の推進として道路建設を行うのは容認できません。大都市では特に道路建設は交通需要を増やし、公害の激化につながること、今後は原則として対策には用いないことを記載してはどうでしょうか。
5.各施策の充実強化の方向について
全てについて言えることですが、政策措置すべてについて削減量の予測値を明記し、進捗の点検の際に政策を強化すべきかそのまま継続すべきかの目安にすべきと考えます。
(1)車種規制について
排ガス規制を強化し、特定地域では一律にガソリン車の規制を満たさない車は使用できないようにすべきです。ディーゼル車についても、燃料改質とDPF装着により、あるいは事業者の選択する別の手法により、ガソリン車の規制を満たすことは困難ではないと考えられます。
規制対象としては、乗用車や工事用車両を含む全ての車種とすべきです。規制の強化はメーカーの技術開発努力、石油精製会社による精製の改善などをもたらし大変有効です。DPFの紹介など適切な情報を発信すれば報告が懸念するような事態はおこらないと考えられます。
猶予期間が定められ、異常に長いことは公害対策に有害です。ディーゼル車は今日では燃料改質さえ行われればDPFを装着すれば飛躍的に改善が図られるのがわかっているのですから、石油会社には短期の猶予措置を、ユーザーにはDPF装着に必要な期間だけを与えればすむことで、平均使用期間-1年などという膨大な年数をかける理由は見あたりません。
(2)低公害車の普及促進
一部の低公害車にほんの少しの減税で優遇して普及を促進する手法(自動車取得税の軽減)は長年とられてきましたが、低公害車の普及はほとんど見るべきものがありません。この延長の政策ではだめだということではないでしょうか。
製造メーカーあるいは販売業者に、一定割合(たとえば50%)を義務づける、自動車を保有する事業者に対し一定割合の低公害車保有を義務づける、低公害車でない車の取得税や保有税を10倍に上げて低公害車は半額にする、特定地域では住宅地への乗り入れは低公害車に限定し、そうでない車は幹線道路しか走れないようにする、などの策を講じないと進まないかと考えられます。
(3)事業者における自動車排出ガス抑制対策の強化
トラックなど自動車を大量に保有する事業者に対し、計画だけにとどまらず、平均排ガス基準などの規制を導入すべきです。その上で、走行量削減のための計画を出させるのは有効だと考えます。
なお、こうした事業者の不法流入者を取り締まることは大変重要です。現在でも車庫だけを他県に配し、特定地域で公害車両を運行している悪徳業者があるとの指摘があり、東京都も対策強化を国に求めています。こうした事業者を取り締まるため、特定地域での運輸業あるいは自動車を使った営業は全て許可制とし、違反が見つかったらただちに営業停止にするなどの厳しい措置が必要です。
(4)自動車メーカーにおける低排出ガス車の製造・販売を通じた自動車排ガス抑制対策 自動車メーカーの責任は重大です。フリート規制、低公害車割合の両方を規制として実施すべきです。
(5)交通需要マネジメント等
旅客においては、公共交通機関を充実し、バスの定時運行をはかるためにバスレーンとバス専用信号機の原則設置、路面電車の設置を通じ、具体的目標として公共交通機関へのシフトの目標を明記すべきです。貨物では、共同輸送を原則とし、具体的目標を明記し、他地域のディーゼルトラックは原則として幹線道路とトラックターミナル以外は立ち入れないようにすべきです。
また、幹線道路以外の最高速度を極めて低速(例えば時速15km)に制限し、幹線道路からの入り口に障害物を配し、住宅地や学校の周囲には通過交通を入れない政策が必要です。都心部の駐車場を規制などでできるだけ減らし、車ででかけられないようにする政策も必要です。
都市計画の際には、まちづくりにおいて自動車交通量を評価し、それが増加するような計画は採択しないこととすべきです。
(6)経済的措置
低公害車の項でも触れたように、低公害車でない車の取得税や保有税を10倍に上げて低公害車は半額にする、などの策が必要だと考えられます。
また、特定地域の道路利用、駐車場利用には課徴金を課すべきです。とりわけ駐車場への課税はすぐにでも始められると考えます。道路利用への課徴金も、いつから導入するのか報告に明記すべきです。
(7)局地汚染対策
環境基準を超えた場合には緊急時として自動的に局地汚染対策を実施し、予め定めた交通規制、車種規制などを環境基準達成まで続ける制度とすべきです。
(8)その他
ディーゼルの排ガス規制がガソリンより甘いのは問題です。軽油改質と同時に、既存車を含めて同じ規制値にするか、それにみあうような代替案を提案すべきです。DPF装着義務の見送りについては東京都も指摘しているように問題です。中央環境審議会がこれでは不十分と考えるなら、東京都などがDPF装着で達成できるとした削減量にみあう代替案を示すべきです。代替案を示さずに反対するのでは、公害発生と環境ただのりの悪徳業者を放置し、問題を先送りするだけではないでしょうか。(以上)
公害・地球懇(JNEP)は東京都の自動車公害対策の抜本的強化について、2000年9月14日、東京都の関係会議において提案した。ディーゼルNO作戦以来、東京都の自動車公害対策は大きな前進を示しつつあり、またこれが、環境庁や関係業界にも一定の影響をあたえつつあり、今後の進展が期待されているが、東京都の取り組みを成功させるために問題の所在と、総合的な抜本対策を改めて展開した。また、この政策達成のための点検・評価システムなどについても新たに言及している。
1.はじめに
東京の大気汚染は深刻である。最も深刻な被害である公害被害者の数で見ても国の認定患者だけで3万人、児童の多くに喘息の症状が見られるような小学校もあると言われる。被害者の多くがかつて健康に暮らし、むしろ体の強いと自他共に認めてきた人も多かったことを考えると、都民の誰もがこうした健康被害の犠牲者になりうる、とくに弱者である子供とお年寄りには脅威である。都民が毎日健康を脅かされている大気汚染を放置することはもはや許されず、他の何にも増して優先して自動車公害対策をすすめ、具体的に大気汚染を改善、解決することが緊急の課題である。
国や東京都により、これまでも自動車公害対策がそれなりには行われてきたにも関わらず、大気汚染は悪化している。これは、対策が対症療法に終始し、またその規模や内容が不十分なだけではない。そうした効果を帳消しにしてしまうような政策が実行され、継続されてきたからである。
これまで、自動車公害については
(1)自動車交通量が増えるのは自然現象で、その解決の基本は道路を増やすことである
(2)ディーゼルは経済的であり、またその排ガス対策はガソリン車に比較し技術的に困難な点が多いという幻想が支配し、政策が継続されてきた。しかし、英国政府報告などが指摘しているように、自動車交通量は政策の帰結であり、道路建設がかえって自動車交通量を増やす効果もある。考えてみれば都民にせよ産業にせよ、目的は移動や運搬であって、自動車を動かすことではない。その移動や運搬の手段は政策によって大きく左右されるわけで、今求められているのはそうした政策を実現し、都民や産業の移動や運搬の需要を満たしながら自動車交通量を削減することである。また、東京都の「ディーゼルNO作戦」が指摘しているように、ディーゼルが安いというのは燃料税制など国の政策の帰結であって、政策を変えれば簡単に変更できるものである。技術的に困難という主張も怪しい。欧米にはガソリン車と同じ排ガス基準を導入している国もある。ディーゼルの排ガスが汚いのは技術の問題ではなく政策に問題があるからである。
都民・NGOが公害対策の強化を主張すると、きまって「できない」とされ、公害政策の強化は阻まれ、それを帳消しにする政策は何ら変わらなかった。しかし、上に見たように「できない」という理由は説得力がない。逆に悪い政策を変えることが自動車公害対策を最も効果的に進める手段である。
幸い、私たちの身近には大胆な政策を導入して効果をあげた実例がある。東京都は東京都公害防止条例を制定し、深刻な産業公害とくに大気汚染公害について国の基準を大きく上回る厳しい規制を導入し、東京に青空を取り戻した。国も、ガソリン自動車の排ガス規制について日本版マスキー法を技術的なあては必ずしもなかったが導入した。「できない」「つぶれる」と主張する自動車メーカーは全て基準を達成したし、「つぶれる」どころかこの技術開発により世界最強の競争力を得た。いずれも「できない」という根拠のない抵抗をはねのけ、公害対策最優先の意思・政策判断の下で決断した結果である。
これらはいずれも発生源対策での成功例である。今日では自動車公害はさらに広範で深刻である。従来の幻想にとらわれた、あるいは幻想を利用した政策による公害についてその原因を見据え、発生源対策以外の多くの分野でもこうした「できない」政策を実現し、政策の進行を毎年検証し、足らない政策を補い、障害となる対策は改め、目標年次までに具体的に大気汚染を改善、解決していかなくてはならない。
以下、意見書では最初に国などの政策の問題点を示し、次にあるべき政策について、さらにその点検のしくみ、政策の意思決定のしくみについても提案する。
2.国などの政策の問題点
2.1 自動車・道路交通政策の根本的な問題点
前章で簡単に触れたように、国によりこれまでも自動車公害対策がそれなりには行われてきたし、東京都内は大半の地域が自動車NOx法の指定地域になって上乗せされた対策が行われてきた。東京都も自動車対策をやってこなかったわけではない。それにも関わらず、東京都の大気汚染、特にNOxやSPM汚染は悪化し、環境基準を守れない状態が多くの自動車排ガス局で、また必然的にその近隣の住宅地で続いている。
これは、国や都の公害政策が対症療法に終始してきたこと、政策の規模や内容が不十分なことだけが原因ではないと私たちは考える。そうした政策の効果を帳消しにしてしまうような政策が実行され、継続されてきたことが一番の原因であって、ここを解決しないと自動車公害対策は進まない。具体的にはディーゼル優遇政策と、道路建設であるし、またディーゼル公害対策にも後述のように様々な問題やミスマッチがある。
これまで、自動車公害対策を帳消しにするような政策が継続されてきたが、
(1)自動車交通量が増えるのは自然現象で、その解決の基本は道路を増やすことである
(2)ディーゼルは経済的であり、またその排ガス対策はガソリン車に比較し技術的に困難な点が多いという幻想が支配し、これに基づき、あるいはこれを利用した政策が継続されてきたからである。この2つが根拠のないものであって、他ならぬ国の政策の帰結であることを以下に述べる。
(1)ディーゼルが「経済的」なのは国などの政策の帰結
東京都の「ディーゼルNO作戦」が極めて的確に指摘しているように、ディーゼル車がガソリン車に比べて安いというのは燃料税制など国の政策の帰結である。
ガソリンへの燃料税であるガソリン税(揮発油税と地方道路税)がガソリン1リットル当たり53.7円なのに対し、ディーゼル燃料である軽油への燃料税・軽油引取税は32.1円にすぎない。このようにガソリンへの税と、ディーゼル燃料への税とでは1リットル当たり20円以上も格差があって、もともとの価格がそれほど変わらないのに、最終的な売値に大きな差をつけ、国が税制によってディーゼル化を促している。さらに、営業車に対しては、さらに暫定税率分(軽油引取税の約半分)の還付まであって、自治省から業界団体に還付されているということである。
こうした「つくられた経済性」は、政策による経済性であることから、そのもとになっているディーゼル優遇の政策を変えれば簡単に変更できるものである。
(2)ディーゼルが公害車であるのは国などの政策の帰結
東京都の「ディーゼルNO作戦」や、東京都の環境白書が極めて的確に指摘しているように、ディーゼルが排ガス公害を引き起こしているのはディーゼル排ガス対策、燃料対策に甘い国の政策の帰結である。
欧米にはディーゼル車とガソリン車と同じ排ガス基準を導入している国もあるのに、日本の排ガス対策はディーゼル車に対する基準がガソリン車に比較して異常に甘い。
また、ディーゼル車の排ガスでSPM(浮遊粒子状物質)が燃料中の硫黄分によることは自明で、欧米ではそのために燃料の改質規制をしている国が多いのに、国はそうした対策をこれまで行ってこなかった。
さらに、規制自体がSPMに甘かったり、排ガス規制のもとになる走行パターンが大都市の実態を反映していないこと、新車の点検だけで既に作られて走って経年劣化が起こっている車については野放しであること、など排ガス規制自体の欠陥もある。
こうした「つくられた公害」は、政策による公害であることから、そのもとになっているディーゼル野放し、ディーゼル燃料野放しの政策を変えれば簡単に変更できるものである。
(3)自動車交通量が増加するのは国などの政策の帰結
英国政府報告などが指摘しているように、自動車交通量は政策の帰結である。英国政府報告は、道路建設自体がかえって自動車交通量を増やしていると明確に指摘している。道路容量を増やすことで渋滞を解決するという考えが誤りであることを明確に示している点で大変示唆に富むものである。
また、「東京都環境白書」は、東京都、とくに区部の道路が飽和状態にあるために自動車交通量の伸びが他の地域に比べて非常に小さいこと、またアンケートを行った結果、自動車を保有しながら利用しない人の多くが、渋滞がひどく道路が飽和状態であるために利用を控えていると答えている。都内における新たな道路建設は、こうした潜在的な需要を掘り起こし、自動車交通量を増加させることを示唆している。
建設省は自らのホームページにおいて、道路や橋の建設における渋滞緩和の短期的な効果を全国の幾つかの事例をもとに示そうとしている。確かに短期的改善について全てを否定する必要はないが、改善が一時的に見られたところも、やがてその改善自体が自動車交通量の増加を促し、もとの渋滞に戻ってしまう。また、運輸関係の公共投資の85%は道路に費やされている。自動車の占める割合は旅客でも貨物でも5割程度であるのに比較しても、著しい優遇と言える。
こうした道路容量拡張政策は、他の交通機関に対して自動車を優遇し、モーダルシフトどころか、鉄道などから自動車への交通シフトを助長し、国全体の運輸に占める自動車の輸送分担率は大幅に増加し、最近も増加傾向が続いている。隠れた自動車優遇政策を変えない限り、自動車交通量は増加する。
2.2 環境政策の位置づけ
こうした幻想に基づいた政策があったとしても、国には環境基準もあるし、道路建設においては環境アセスメント制度もある。にも関わらず、大気汚染公害は悪化し、環境基準の達成の目処すらたっていない。これは全体政策の中における環境政策の位置づけ、環境政策と他の政策の関係に大きな問題があるからである。
環境基準を例に取り上げると、環境基準の達成のためにはそれを裏付ける様々な政策を、削減量などの数字の裏付けを実行する必要がある。しかし、実際には環境基準を達成するに足る政策が十分に導入されることはなかったし、環境基準の達成の障害になるとして他の政策の変更が行われたという例も聞いたことがない。
環境政策では削減量を個々に割り当てて達成度をチェックしながら計画を進めていくことは大変少ない。開発政策で道路延長などを指標化して数字を明示した計画をたてて実現しているのに比較し、余りにも位置づけが低いと言わざるを得ない。
また、環境アセスメント制度については、80年代前半には開発省庁や産業界による反対で立法化が阻まれ、1997年にOECD諸国では最後という不名誉な記録をつくりようやく法制化されたものの、代替案が義務化されず、また事後(道路が開通後の)評価を反映する仕組みがないことなどの欠陥があり、本制度が開発政策を中止させたことがないのをはじめ、開発政策の誤りを正す手法としては不十分なままである。
環境政策以外の政策には、環境政策と矛盾したり、その効果を帳消しにしてしまうような政策がある。環境政策の優先順位をあげて、環境基準や、環境計画にあげられた目標を達成するために障害となる政策を転換、変更していくことも必要である。
2.3 東京都の責任について
以上に指摘した多くは国の政策の誤りである。東京都は「東京都環境白書」の中で、発生源対策の問題点や燃料税制など、こうした誤りの一部について具体的に指摘しながら国にその修正を求めており、自治体の姿勢として高く評価できるものである。
但し、東京都の政策の中にも自動車公害をある程度助長・促進しているものもあり、また自治体独自でできる可能性のある政策もある。
発生源対策の一部や、交通政策の中には、国に替わって東京都でも実現できるものが多数あると考えられる。緊急課題である自動車公害対策については、国の政策転換を求めるのと並行し、都の対策を進めなければならない。
一方、東京都の進める道路政策、あるいは都市計画、臨海部開発に代表される開発計画の中には、自動車交通量を増加させたり、特定地域に過大な交通需要を創出させる効果を持つものがある。東京都が国の道路容量拡張政策に基本的に協力しているのも問題と考えられる。
東京都もこうした点は今後改め、都としてできる政策は国に先行して実現し、大気汚染に具体的成果をあげるべきである。その具体例について次の章に示す。
3.あるべき政策
3.1 環境政策の優先の確認
(1)環境政策は他の政策に優先すべきこと
公害対策、大気汚染対策は緊急の課題であり、他の政策、とりわけ経済政策や開発政策に優先して実現されなければならない。民間の経済活動は、環境制約のもとで行われなければならず、多少のコストの上昇を理由に対策を先送りすることがあってはならないし、国がかえってそれを助長したり、先送りを正当化する政策を採ったりしてはならない。従来は、環境基準ですら「維持されることが望ましい基準」という位置づけしか得られず、維持を至上命題として、必要な対策を図って効果を着実にあげていく位置づけになっていないし、現実に削減対策が機能したり、環境基準を超えたために緊急の対策が取られているということもない。
東京都は公害対策最優先の原則を確認し、また国に対してこの原則を確認し、その実行を求めるべきである。
(2)環境政策は達成することが目的であること
自明のことであるが、環境政策は、単に政策がとられているだけでは不十分で、効果をあげて目標を達成してはじめて意味があるものである。しかし、現実には環境政策の大目標で実現されたものは少ないのではないか。また、達成できなくてもNOx環境基準のようにそのまま放置されたものも少なくないのではないか。
環境政策では事前に汚染物質排出の削減量が示されず、進捗の点検でも示されることが少なく、目的にあわないとして途中で変更されることはさらに少ないのは問題である。しかも、強化の議論では、今ある政策の効果をもう少し見極めてから判断すべき、などの主張が通るなど、効果の評価が曖昧なことが対策を先送りする口実になり、実効性を低下させ、他の分野の政策を変更させることを妨げてもいる。
東京都はこの原則を確認し、また国に対してこの原則を確認し、その実行を求めるべきである。
(3)環境容量の概念を導入すること
民間の経済活動は、環境制約のもとで行われなければならず、国や都はその制約を数字で明らかにするとともに、その実現を政策で担保する必要がある。環境基準など諸規制の策定や改正の際の議論を透明性の高いものにするためにも、経済活動が環境容量の下で行われるという原則を示し、大気など透明性のある客観的な数値化が容易な分野から導入すべきである。
東京都はこの原則を確認し、また国に対してこの原則を確認し、その実行を求めるべきである。
3.2 数値目標と達成期限の設定
自動車公害対策に関しては、大気の「環境基準」と「排出基準」が制定され、しかも各種施策が実行されたにも関わらず、第2章に指摘した政策の問題点、あるいはかえってディーゼルや自動車を優遇する政策が続いていることで、これまで達成の見通しすら立たない事態になっている。
数値目標と達成期限を定め、それに向けて裏付けとなる政策を実施するとともにそれを打ち消す効果のある政策を中止あるいは変更し、毎年達成状況を点検し、不十分な政策は強化して目標を確実に達成するしくみをつくることが必要である。
(1)環境基準における達成期限の設定と厳格化
現行の環境基準を実質的に強化するため、達成期限を1年後など具体的に定め、厳格に守ること、すなわちそれに向けて各種政策措置をとって実現していくこと、期限後に未達成になることがあればただちに緊急対策をとってただちに基準以下にすることを原則として確立すべきである。
東京都はこの原則を確認し、また国に対してこの原則を確認し、その実行を求めるべきである。また、国がただちに実行しない場合、東京都が独自に環境基準に対しこうした格上げを行うことも必要である。
(2)各種数値目標や達成期限の設定
環境政策における各種数値目標や達成期限の設定を行うべきである。例えば大気環境基準を守るためには地域ごとの排出量の上限をNOx、SPMなど気体・物質毎に定める必要があるし、場合によっては活動量や効率に上限を課すこともあると考えられる。こうした目標の数値化を大目標(例えば環境基準)だけでなくさらに細かい分野で設定することは、達成状況を点検し、環境政策が着実に実行されているかを明らかにし、予定された数値が得られていない場合には政策を拡充強化するために必要である。
東京都は独自に、各種数値目標や達成期限の設定を行うべきである。また国に対してこの原則を確認し、その実行を求めるべきである。
(3)環境基準や他の数値目標の期限内の達成を裏付ける個々の政策の効果の数値化
環境基準や他の数値目標を達成するためには、様々な政策を組み合わせなければならない。そこであげられた政策にはどれだけ汚染物質の排出を削減するか、事前見積もりを行うことが必要である。
これまでの環境政策ではこれがほとんど行われていないために、年限が経過してもどの政策が不十分なために達成ができないのかの点検ができず、また追加対策の実施や政策の強化もできなかったと考えられる。削減見積もりを正確に行うことは不可能だと政府関係者はよく主張するが、精緻な削減見積もりを初年度に出してもあとの見直しを一切しないのでは意味がない。精緻化が不十分で社会情勢の予測が外れても、次年度以降毎年見直して政策の評価を行って対策の強化につなげることが必要なのである。
東京都は独自に、各種削減見積もりや達成期限の設定を行うべきである。また国に対してこの原則を確認し、その実行を求めるべきである。
3.3 数値目標を裏付ける政策
自動車公害対策は単体規制などの発生源対策や燃料対策だけでなく、自動車効率化対策、自動車交通量抑制策、同転換策、道路沿道対策、様々な分野の対策がある。水谷洋一・静岡大学助教授らは「クルマ依存社会」に様々な対策をまとめているし、環境庁や建設省も一部をまとめている。以下に様々な分野の対策の一例を示し、東京都の役割についても述べる。
特に、東京の自動車公害問題を解決するためには、国が行うべきことと都の行うことを分けることも大事であるが、本来国全体で行うことが効率的であるものの国の対策が遅いために都でどこまで肩代わりできるのかを検討することも大変重要である。
3.3.1 発生源対策
(1)ディーゼル車対策
ディーゼル単体対策として、東京都の政策が引き金になって様々な対策が提案されている。ここでは、排ガス規制の他、狭義の発生源対策では入れないことがあるが、経済的手法、環境ラベル、自主的取り組みの促進や都の率先実行などがあるのでこれらについて以下に述べる。なお、燃料電池車が普及すれば自動車公害は自然に解決するなどとして対策を先送りする意見があるが、緊急性に照らし、論外であると言わざるを得ない。
個々のディーゼル車の排ガス限度を定める規制的手法として、ディーゼル車の排ガスのガソリン車なみ規制、特にSPM規制の強化、規制の前提となる走行パターンを大都市の実態にあわせたものに変える、新車だけでなく既存の車にも規制をかける、激甚地域で自動車NOx法指定地域の東京都内の上乗せ規制値を非常に厳しくし、使用車種の規制を実施する、などの策がある。既存の車にもディーゼル車にDPF装着や触媒の利用で排ガスの大幅な浄化の手段がある。東京ルールとして都独自の施策も可能である。また、流入車対策の強化もこれらでは検討する必要がある。
メーカーや販売事業者、運輸事業者に対する規制的手法として、生産、販売あるいは保有する車の平均排ガス量を規制値として定める方法がある。これはアメリカで燃費についてメーカーに対して行われている手法を大気汚染対策に用いるものである。流入車対策の強化もこれらでは検討する必要がある。
個々のディーゼル車への経済的手法として、まず考えられるのは軽油にかかる燃料税をあげ、ガソリン税以上に引き上げることである。なお、軽油引取税は現在道路特定財源になっているので、東京都が単独で実施する場合には、都の一般財源あるいは環境対策に使える独自の税が望ましいとも考えられる。また、燃料税以外に、既存の自動車税や自動車重量税などの保有にかかる税、自動車取得税という取得にかかる税があり、いまのところ国の制度ではディーゼル公害を全く反映していない。東京都の税制は自動車税のみについて不均等課税を一部実施しているが、増税対象は車齢11年以上のディーゼル車であって必ずしも排ガスレベルを対象にしておらず、また増税幅もわずかである。この強化や、対象を取得税にも広げるなどの対策がある。なお、自動車重量税と自動車取得税は現在道路特定財源になっているので、東京都が単独で実施する場合には、(保有税では自動車税のように)都の一般財源あるいは環境対策に使える独自の税が望ましいとも考えられる。
環境ラベルでもディーゼル対策になる制度がある。販売時にNOx、SPMについて段階を示したラベルを義務づけると、これら指標においてガソリン車に比較し極端に悪いディーゼル車の購入を抑止する効果がある。同じ指標についてメーカーや販売事業者、運輸事業者に対するラベルも検討されてよい。
メーカーや販売事業者、運輸事業者にディーゼル抑制の計画をたてさせて進捗を公表することは事業者の自主的な対策を促進するしくみとして有効である。都が公用車、交通局や清掃局の車にディーゼルを使わないことも対策の一つだが、大阪府のように納入にディーゼル車を使わせない、あるいは都の発注する運送にはディーゼルを使わない輸送業者を優先するなどの政策も事業者の自主的な対策を促進するしくみとして有効である。都の発注する公共事業でも同様の対策を取ることができる。
広報においては天気予報の際に大気汚染状況を地域ごとに流してもらうなど、ディーゼル汚染とその結果をより広く知らせる工夫が必要である。
(2)ディーゼル燃料対策
ディーゼル排ガス汚染の原因の一つが燃料の硫黄分の高さである。通産省の石油審議会でも改善の方向を打ち出したが、都は国の対策を悠長に待つことなく、独自に対策を取るべきである。規制によるか、税による料金格差が適当か、流入車対策をどうするかは別途検討すればよい。
(3)低公害車普及対策
低公害車の普及も単体対策として重要である。性能において大型車でもディーゼルと遜色ない天然ガス車やLPG(液化石油ガス)車は、これまでの転換できないとする事業者の言い訳を排除するものであり、積極的に進められなければならない。
低公害車普及には燃料供給設備の普及が前提なので、こうした施設を設置する事業者への補助を行ったり、一定期間だけ都が供給施設を運営することも検討されてよい。
メーカーや販売事業者、運輸事業者に対する規制的手法として、生産、販売あるいは保有する車の低公害車の保有率や利用率を規制値として定める方法がある。カリフォルニア州では一部導入されている。
経済的手法として、まず考えられるのは既存の自動車税や自動車重量税などの保有にかかる税、自動車取得税という取得にかかる税について東京都の自動車税不均等課税以上に、低公害車の減免を大きく、それ以外を高くすることである。
環境ラベルでも自動車公害対策になる制度がある。低公害車の指標を環境庁が3ランクに分けて策定しており、売場でラベルとして義務づけると効果がある。同じ指標についてメーカーや販売事業者、運輸事業者に対する平均ラベルも検討されてよい。
メーカーや販売事業者、運輸事業者に低公害車導入及び運行割合増加の計画をたてさせて進捗を公表することは事業者の自主的な対策を促進するしくみとして有効である。都が公用車、交通局や清掃局の車に優先して使うことも対策の一つである。また、都の発注する運送には低公害車を使う輸送業者を優先するなどの政策も事業者の自主的な対策を促進するしくみとして有効である。都の発注する公共事業でも同様の対策を取ることが可能である。
3.3.2 自動車交通量抑制策
(1)自動車効率化対策
旅客では乗用車の乗車率の低さが問題になっている。また、貨物では短距離の貨物の積載率の低さが問題になっている。いずれも効率が悪いために自動車交通量を著しく増大させる原因である。
旅客では、相乗りの推進が効果をあげる場合がある。これには金沢市などで一部実現している相乗車優先レーン、あるいはそもそも相乗りしていないと乗り入れできない地域の設定などが効果的である。車の所有自体を共用化する動きも諸外国にあり、東京でどのように実現できるか検討する必要がある。
貨物では、共同輸送は最も効果的な方法である。東京都では新宿新都心地域でしか実施されていないと考えられるが、区部をブロック化し、区部は共同輸送が原則とするなどの思い切った政策が求められる。都も地域内共同集配拠点の整備の支援などを行う必要がある。
この分野は国の動きを待つことなく、都が独自で進めることのできる分野である。
(2)公共交通機関の整備
旅客においては公共交通を都内の輸送の柱として、その輸送分担率を計画的に増やしていくことが必要である。
旅客においては公共交通を優先する政策が必要である。当面、区部ではバスの利用が現実的であるため、その定時運行を保障する様々なしくみが必要である。バス専用レーン、バス優先信号は最も優先される課題であり、区部のバス路線のうち片側2車線ある全ての道路で専用レーンを設ける、一部の道路ではバス優先のために一般車の通行を遠慮してもらうなどで、バスを定時運行させることが重要である。
将来的には東京都内を縦横に路面電車を整備することが求められる。計画的整備に向け、具体的検討を始めるべきである。
民営の路線を含め、公共インフラとして独立採算にこだわらない仕組みも検討されるべきである。自家用車を利用してもバスを利用しても公共交通の負担を同額求められるという仕組みもモーダルシフトに一役買うと考えられる。
この分野も国の動きを待つことなく、都が独自で進めることのできる分野である。
(3)住宅地や特定地域に自動車を入れないしくみ
住宅地の街路に通過交通のディーゼルトラックが進入し、それが野放しになっている現状は異常な事態である。規制するか他の手法かはともかく、大原則として、住宅地の街路からは通過交通を排除することが必要である。住宅地は住民等以外は進入を原則禁止する手もあるが、進入路に段差をつける、わざと曲がらせる、植樹をして見通しをわるくする、などの様々な対策で通過交通を阻む施設整備も可能である。また、この点で示唆に富むのはドイツのフライブルク市の政策である。同市は最高速度を幹線とその他で差をつけて進入を防いでいる。なお、東京都の幹線道路はドイツより渋滞がひどいので、速度格差も大きくする必要がある。なお、学校、病院、養護施設、療養所などを含む街区はディーゼル車は規制により乗り入れ禁止とすべきである。
さらに広域的に、例えば都心部に車を入れにくくするしくみとして、ロードプライシング、駐車場課税(あるいは規制)、パークアンドライドなどがある。シンガポールでは都心部進入車から料金を自動徴収するしくみを既に導入している。川崎市や尼崎市では高速道路の料金格差により住宅地近くの高速道路から車をシフトさせる試みが検討されている。また、都心の駐車場課税は都心への自動車での進入を抑制する大きな効果がある。なお、東京都が駐車場を都心に設置したり、あるいは民間の駐車場設置予定者に補助をすることは、都心への自動車の流入を政策的に増加させる愚かな政策と言え、中止されなければならない。パークアンドライドやパークアンドバスライドは、区部周辺では無理であるが、多摩地域の一部で可能性がある。
この分野も国の動きを待つことなく、都が独自で進めることのできる分野である。
(4)自動車交通量管理政策
大口の交通需要を持つ事業者(運輸事業者の他、他の業種でも通勤、営業、など)に対し、交通管理計画を策定させたり、社用車の削減、マイカー通勤の削減を求めることは効果がある。川崎市や尼崎市では事業者への協力要請で住宅地近くの道路から車をシフトさせる試みが検討されている。
また、前述のロードプライシングなどの他、車種規制、ナンバープレート規制などで走行車両を絞る手段がある。但し、後者の規制は保有台数が増えない工夫を併せて行うことが必要である。
この分野も国の動きを待つことなく、都が独自で進めることのできる分野である。
(5)徒歩、自転車利用の促進
徒歩、自転車利用の促進は、単に促進のための政策措置を幾つか試行するだけでなく、都内の輸送の柱として位置づけ、その輸送分担率を計画的に増やしていくことが必要である。
自転車の場合は、自転車専用レーンを主な道路に車線を削ってでも設け、また駐輪場を駅前や公共施設周辺に設置することが輸送分担率向上につながる。
この分野も国の動きを待つことなく、都が独自で進めることのできる分野である。
3.3.3 交通流対策
特定の部分において交差点の改良、踏切の改良などが考えられる。
この分野では、駐停車規制の強化が効果的である。違法駐車を規制することは渋滞解消やバスの定時性確保に大きな効果がある。
この分野も国の動きを待つことなく、都が独自で進めることのできる分野である。
3.3.4 道路・沿道対策
道路容量を増やせば平均速度が上がるという単純な考え方をやめ、この分野を考える必要がある。今後の東京都内における道路建設は最低限に抑え、建設部局の主たる仕事は既存の道路の補修と、車を入れにくくする施設の整備になると考えるべきである。
沿道対策としては、幹線道路の車線を減らして交通量を減らしたり、植樹帯を増やすなどの環境施設帯の設置が検討されるべきである。
この分野も国の動きを待つことなく、都が独自で進めることのできる分野である。
3.3.5 まちづくり、都市計画
まちづくりは自動車公害を防止する重要な手段である。
都心にこれ以上の業務需要をつくらないための業務ビルの開発抑制、公共交通機関のない箇所への公共施設の建設を行わないこと、など検討課題が多い。
この分野も国の動きを待つことなく、都が独自で進めることのできる分野である。
3.3.6 環境アセスメントの強化
今後の東京都内における道路建設は最低限に抑え、建設部局の主たる仕事は既存の道路の補修と、車を入れにくくする施設の整備になると考えるべきだが、建設がゼロになるわけではないため、建設した場合に絶対に公害を激化させない環境アセスメント制度の強化が必要である。特に事後評価を行い、事前の予測を上回る事態に際しては供用停止を含め、様々な追加対策を義務づけることが求められる。
また、政策や予算の環境影響評価のため、戦略アセスメントを条例化すべきである。 この分野も国の動きを待つことなく、都が条例により独自で進めることのできる分野である。
3.3.7 事業アセスメントの新設
従来の道路建設は、輸送の量や質を確保しながら自動車交通を減らす代替政策手法を検討していない。このため、建設分野の事業について、需要削減政策との比較や公共輸送機関整備との比較など、事業の内容を代替案をもとに検討する事業アセスメント制度を設置すべきである。
この分野も国の動きを待つことなく、都が独自で進めることのできる分野である。
3.3.8 被害者救済制度の充実
自動車公害の被害者に対する補償や支援の仕組みも必要である。東京都では子供に対する補償制度があるが、成人に対してはない。国が公害健康被害補償制度に基づき対処すべき事柄ではあるが、1987年以降、新たな被害者の認定を国が拒否している現状から、東京都が補完する政策を取るべきである。
4.達成を担保する点検・評価システム
環境政策は成果をあげることが目的であり、そのためには達成期限にはもちろん、中間段階でも毎年きちんと達成度を点検し、評価し、不十分なところは追加したり改めたりするシステムが必要である。2章で提案した目標値の設定、個々の政策の削減量予測の設定は、この進捗点検を非常に効果的にする。
環境政策に限らず、効果的な点検、評価システムは以下がポイントになる。
(1)事前の指標・水準(目標値、政策ごとの削減量予測の設定)の明確化
(2)意思決定機関の透明性を確保(審議の公開)
(3)利害関係者を排除した第三者機関による公平性を重視した点検
(4)点検結果を政策強化に反映
ここでは自動車公害対策を念頭に提案を行う。
東京都は独自に、以下について、自動車公害対策において実践するとともに、国に対してこの原則を確認し、その実行を求めるべきである。
(1)事前の指標・水準の明確化
点検機関の審議では、事前に定められた目標(環境基準やその他の目標)、対策の個々の削減量予測に対する、当該指標の中間段階の数値(大気中の汚染物質濃度、その他の目標の数値による進捗状況)、対策の個々の削減量推定値を明示し、その比較検討を行なうこと、結果が芳しくないときにはその理由を解明することなどにより進捗状況を点検する。こうした点検においては事前の指標(例えばNO2の大気中濃度)やあるべき水準(例えば規制値)がどれだけなのかを明確化することが重要である。
(2)意思決定機関の透明性を確保
点検機関の審議は全て公開されなければならない。国の審議会では部会は公表されていてもその下の小委員会が非公開で、重要なことは非公開の小委員会で決まってしまうことがあるし、審議会事務局の提案するたたき台が前回までの議論を踏まえずに出てくるなど事務局と他の部局との折衝が審議会の審議より重要な意味を持つこともある。中には、都市計画審議会のように公開しない審議会すらある。
点検機関は全てを公開して行わなければならない。仮に企業の営業秘密が問題になる場合にはその部分だけを非公開にすること、非公開にした理由は公開すること、非公開部分の議論だけを根拠に除外規定を設けることのないよう非公開部分の議論の取り扱いをルール化すること、などが必要である。
(3)第三者機関による公平性を重視した点検
こうした点検を行う機関が公平性を欠いたものであってはならない。例えば点検機関に、行政開発部局やそのOB、大気汚染物質を多量に排出する業界・事業者の代表が含まれ、その意見が全体の意思決定を左右するようでは公平・公正な点検とは言えないし、そもそも点検自体が信用されないであろう。関係業界の考えを聞くことは必要なので、点検機関でも意見を聞く機会を設けることは必要だが、委員に入れることは不要である。逆に点検機関には、市民、環境NGOの代表、あるいはその推薦する専門家が多数加わり、利害関係を排した議論と意思決定を行い、文字通り第三者機関として機能することが必要である。
委員の人選は、最終的に役所の長が任命する形を取るとしても、役所の裁量で人選がなされるようでは公平性を疑われる。この点、登録団体の互選という選出方法を採用した東京都自然環境保全審議会の方法は大いに参考になる。
(4)点検結果を政策強化に反映
せっかく点検を行っても、次期以降の政策に反映されなければ意味がない。点検でどこが不十分かが明らかになっているので、ただちに翌年度に行われる対策を修正・強化し、必要があれば他の分野の政策も修正させること、この仕組みを制度化することが必要である。
5.自動車公害政策の意思決定、政策選択について
今後も自動車公害対策は強化されなければならない。その際には、今以上に事業者や都民(国民)に不便を強いるような施策を取る必要が生じる可能性もある。公正で利害関係にとらわれず、論理的な決定がなされないとどの主体も納得しない。現在のように全てが役所の裁量で決まり、数ある施策の中で(あるいはその可能性の中で)なぜその施策に決まったのかが誰にもわからないようでは厳しい政策が受け入れられずに対策が滞る可能性がある。こうした事態を防止するためには、透明性の高い政策選択の仕組みを確立し、制度化する必要がある。
環境政策に限らず、透明性の高い政策決定システムは以下がポイントになる。
(1)事前の判断指標、判断基準の明確化
(2)複数の代替案の提示
(3)意思決定機関の透明性を確保(審議の公開)
(4)利害関係者を排除した第三者機関による公平性を重視した審議
(5)結果を政策に反映
ここでは自動車公害対策を念頭に提案を行う。
東京都は独自に、以下について、自動車公害対策において実践するとともに、国に対してこの原則を確認し、その実行を求めるべきである。
(1)事前の判断指標、判断基準の明確化
事前にどのような基準で政策を選択するのかを明らかにすることが重要である。自動車公害対策では、環境負荷の削減効果が大きなものを選択する、費用対効果の大きなものを選択する、将来の脱クルマ社会につながるものを選択するなど、様々な指標が考えられる。東京都の環境政策としてどういう基準(複数あって構わない)を選び、またその中でとりわけどれを重視するのかを討議し、決定し、明らかにすべきである。
(2)複数の代替案の提示
政策選択においては、必ず複数の代替案を提示し、判断指標に照らしてなぜ他の案より選択した政策が優れているかを示すことを行政には義務づけるべきである。代替案は多い方がよいので、都民からも提案を受けることが望ましい。事前に判断指標が明らかになり、また判断の対象である代替案が明らかになれば行政の恣意性はかなりなくなり、また仮に恣意的決定をしても、後から専門家が議事録をもとにどの委員が恣意的発言をして恣意的決定がなされたかを明らかにでき、責任の所在も明確になることが期待される。
(3)意思決定機関の透明性を確保(審議の公開)
審議機関の公開は重要である。これについては第4章に述べた点検機関の公開と同様である。
(4)利害関係者を排除した第三者機関による公平性を重視した審議
審議機関の公平性の確保、委員選出における行政の恣意性の排除は大変重要である。
これについては第4章に述べた点検機関の公開と同様である。
(5)結果を政策に反映
審議機関の答申も政策に反映されなければ意味がない。政策に反映させる仕組み、権限などを制度化することが必要である。
--以上--
JNEP、自動車NOx総量削減で環境庁に意見書(00/5/15)
環境庁大気保全局(自動車環境対策第一課 )御中
東京都知事 石 原 慎太郎殿
1.2トン車以下のディーゼル車は、ガソリン車、または低公害車への転換を義務づけ、 大型ディーゼル車には排ガス除去装置の装着を義務づけること
2.ディーゼル車の排ガス基準をガソリン車と同じにすること
3.軽油品質基準を改善するよう石油業界に働きかけること
4.自動車販売業者に低公害車販売計画を義務付けること
5.軽油に対しガソリン並み燃料課税を行うこと
6.ディーゼル車に対し取得税、保有税を導入すること
7.激甚大気汚染地域へのディーゼル車の乗り入れ制限を行い、ロードプライシングを導 入すること
8.健康弱者の施設が存在する地域には乗り入れ禁止及び制限地域を設定すること
9.低公害車の普及のための支援と燃料供給設備の導入促進を行うこと
10.公害健康被害者の救済制度を充実させること
11.道路整備計画を全面的に見直すこと
建設大臣 中山正暉殿
阪神高速道路公団 理事長松野一博殿
1.本日国と阪神高速道路公団は、不当にも1月31日に下された神戸地方裁判所判決を不服とし控訴した。
私たちは、このような暴挙に対し、抑えることのできない怒りを覚えるものである。
3.今回の国・道路公団の行った控訴は、こうした世論の流れに背を向け、国民のいのち と健康をないがしろにする姿勢を示すものとして、断じて許すことはできず、直ちにその撤回を求めるものである。
国のやるべきことは、公害被害者を救済するため、速やかに公害健康被害補償法の地 域再指定を行うべきであり、また、道路政策を根本的に改め、自動車交通量の削減、低 公害車の開発・普及、鉄道等の公共交通機関の充実などの諸施策を積極的に推進することである。
財政危機打開策を理由とする福祉・教育制度などの見直し策の一環として東京都がすすめている都内の大気汚染公害患者のうち18歳未満の医療費について公的負担とし、本人負担を無償にしている制度の見直しについて公害・地球環境問題懇談会(JNEP)は2000年1月19日付けで次の要請を石原都知事にたいし行った。
東京都は、来年度から大気汚染公害認定患者に対し、医療費無料制度を廃止し、自己負担を導入する計画であると伝えられています。
東京の大気汚染は、ディーゼル排ガスを中心に現在ますます深刻化し、気管支喘息などの呼吸器疾患の患者は増加の一途をたどっています。こうした結果、医療助成を認められている18歳未満の患者だけでも、最近の10年間に約4.6倍も増加し、現在4万9,000人を超える深刻な事態となっています。
こうした状況のもとで、東京都は昨年「ディーゼル車NO作戦」とそれにもとづく諸政策を打ち出しました。私たちは、このような自動車排ガス汚染の改善のための積極的な諸施策を高く評価し、さらに、その具体化にむけ一層のご努力を期待するとともに、私たちも全力をあげ奮闘する決意を固めて運動をすすめているところです。
ところが他方で今回行おうとしている公害医療費の助成制度に対する自己負担導入については、前述した東京都の積極的施策と完全に矛盾・逆行するものであり、許されないものです。
「大気汚染に係る健康障害者に対する医療費の助成に関する条例」にもとづく助成の目的は、特定の「原因者(加害者)」のもたらした大気汚染による「被害者」に対する補償措置として定められたものです。そして、東京都は公害被害者の発生について、まったくの第三者ではあり得ないという立場から、被害者救済について一定の行政責任を果たすものとして、本制度が実施・運用されてきたものです。したがいまして、単純に社会福祉施策として公費負担を行っているものとは性格を異にするものであり、社会福祉施策の全面後退自体についても問題であると考えるものですが、さらに本件についての重大性を指摘せざるを得ないものです。
「大気汚染に係る健康障害者に対する医療費の助成に関する条例」について、患者自己負担の導入をすることなく、次年度においても現行水準を維持するとともに、さらに、同条例の18歳年齢制限条項撤廃など制度の充実強化をはかるようつよく求めるものです。
国立環境研究所(つくば市)がディーゼル排ガスが健康に与える影響を調べた特別研究を報告書(「ディーゼル排気による慢性呼吸器疾患発生機序の解明とリスク評価に関する研究」嵯峨井勝・前総合研究官チームによる)にまとめる際、環境庁自動車環境対策第2課が、自動車からのダイオキシン発生量や、排ガスと健康被害の関係などに関して、延べ約100カ所も削除や修正を求め、発行を半年間にわたって遅らせていたとの報道(「朝日」2000年1月3日)に接して、JNEPは次の申し入れを環境庁長官に対し行った。
朝日新聞の報道によると、国立環境研究所のディーゼル排ガスが健康に与える影響を調べた特別研究の報告書に対し、運輸省出身者が代々課長を占める本庁自動車対策第二課が、ディーゼル排ガスの影響を薄めて環境庁の対策の効果を持ち上げる方向で削除や修正を求め、ディーゼル排ガス中のダイオキシン排出が本庁の調査と異なることを理由に発表も半年遅らせられたとしています。内容の修正を求めたこと、発表も半年遅らせるよう求めたことは、本庁自動車対策第二課も大筋で認めているようです。
環境庁でなくとも、省庁が基礎とする科学研究の報告発表を妨害したり、国民の目から事実を遠ざけようとすることはあってはならないことです。しかし、現実には薬害エイズをはじめ、事業官庁では業界の利益を国民の健康に優先するために事実を曲げるような多くの犯罪的ともいえる行為が繰り返されて来ました。報道が正しいとすれば、今回は環境を保全し、国民の健康を守るべき環境庁が、本庁の圧力で研究成果の報告を妨害したことになり、私達は衝撃を受けています。とりわけ、今回の報告は、数万人の認定患者が苦しむ大気汚染公害に対し、ディーゼル排ガスの健康影響を解き明かす鍵になる報告で、事実とすれば「薬害エイズ」同様、極めて悪質と言えます。私達は、今回のケースは実は氷山の一角かもしれないとも懸念しています。
私達は、今回のケースを重大なものと受けとめています。これまでの事業官庁の経験から、事実は担当課に任せていても出てこないと考えられます。「薬害エイズ」の際のように環境庁長官の責任の下に事実関係の調査を行い、長官が全て明らかにすること、事実の有無に関わらず、本庁の圧力により国立環境研究所その他の調査研究の発表が伏せられること、事実を国民から遠ざけることのないよう、再発の防止と、それを誓う大臣の宣言を求めるものです。
圏央道の土地収容ゆるさず、首都圏3環状道の見直しを
道路公害反対運動全国交流集会…高尾大会
11月6日から8日まで東京・八王子市で開かれた第25回道路公害反対運動全国交流集会高尾大会に、全国の道路公害反対運動家、約200人が集まった。
この集会は、建設省が強行しようとしている圏央道東京ルートのあきる野インター工事に係わって、土地の強制収容をゆるさない全国結集として注目された。なぜなら環境問題で異議を唱えている地権者の土地収容をゆるせば、これが先例となって全国の道路建設に波及するからである。
現地視察した参加者は20年前のデータで15年前に形式的に行われたアセスメント(例えば通過交通予測はごく少なく見積もり公害の発生はないものとされている)をやり直そうとしない建設省の姿勢に憤りを示し、現地土地トラストに参加するものも見られた。
集会では、標博重さん(全国連事務局長)が、基調報告で、高齢化社会と人口減少をむかえる21世紀を展望すれば、従来型の考え方で道路建設をさらに推進すれば財政負担の増大や自然破壊で取り返しがつかなくなる。幹線道路より例えば車椅子が通れる道路(都道府県道を含む)の整備をすすめさせようと「クルマ優先から人間優先の道路」へと運動の発展をはかることを呼びかけた。
集会は分科会討論(@計画段階の運動、A自然環境・文化財を守るには、B住環境・まちづくり・公共交通、C公正なアセスメントのあり方と取り組み、D事業化・供用段階の運動、裁判調停の取り組み、E道路交通政策のありかた)などを経て、3本の決議(「アピール」、「特別決議・首都圏三環状計画を抜本的に再検討せよ」、「特別決議・高尾山にトンネルを掘らせない」の3文書)を採択するとともに、八王子市長、建設省の圏央道推進出先の相武国道工事事務所長、建設省本省、環境庁にたいし、申し入れを行った。
道路公害反対運動全国連絡会はこの集会に合わせて、全国の道路公害反対運動の現局面の取り組みや問題点などを網羅した「クルマ優先から人間優先の道路へ」(文理書房・2300円)を発刊した。以下に「特別決議・首都圏三環状計画を抜本的に再検討せよ」を掲載する。
<特別決議>首都圏三環状道路計画を抜本的に再検討せよ
建設省と東京都はじめ首都圏各県はここ最近首都高速中央環状線、東京外郭環状道路(外環)、首都圏中央連絡自動車道(圏央道)のいわゆる三環状の事業化促進のため、マスコミ等を利用して大々的な世論対策を次々に打ち出している。
また、建設省は平成12年度の重点施策としてで大都市圏環状道路…首都圏三環状のほか中部圏の東海環状自動車道及び名古屋環状2号線、近畿圏の京奈和自動車道の整備促進を打ち出している。
道路整備に伴う土地流動化(立ち退き)による経済波及効果は約1500haの土地取引が生じ、約6兆円と試算される。
私どもは次の観点から建設省が力点を置くPI即ち国民参加のもとに抜本的な再検討を要求する。
1、道路公害裁判判決、新道路政策・新道路環境政策に基づいて抜本的に再検討せよ
国道43号線、西淀川、川崎等の道路公害裁判判決において事業者である国は「予測可能性と回避可能性」に基づいて事業を事前に評価し、「回避」出来ない場合は建設すべきではないと述べている。この観点からの評価を行うべきである。
また、平成9年6月の「今後の道路環境政策のあり方」中間答申において「早期段階で十分調査し、当該道路整備を行なわないことも選択肢に含めて検討する」と述べているが実行していない。
さらに、平成10年11月の道路審議会答申「より良い沿道環境の実現に向けて」の基本理念…「経済・社会活動を支えている幹線道路の役割と沿道に居住する人々の生活環境の保全との両立」を図ることを確認している。
しかし、三環状はこのような判決の意義や政策理念に立脚した計画ではない。新たな事態に即応して再検討することこそ建設省の新理念に即したものである。
2、三環状道路は新たな道路交通政策により不必要になる。
23区に用のない通過交通が現在35万台/日というが、これは都内の内々、内外、外々の総交通量660万台/日の5%に過ぎない。東京圏では今後道路公害と渋滞を低減するためには自動車の総量規制が必要でありそのための公共交通等への転換を計りつつあり、その結果5%以上の交通量が削減されることは明白である。そうなればこの三環状は不要である。
3、三環状道路それぞれに必要性や環境に問題や矛盾がある。
(1)中央環状新宿線はかえって都心に流入を誘導し、分散効果は期待できず、自動車総量を増加させることになり、逆効果である。また、沿道の山手通りの出入り口やインター周辺は「回避不可能な受忍の限度を超える」高度の道路公害にさらされることになり建設してはならない。
(2)外郭環状線も沿道地域は既に都心並みに交通量の多い地域であり、中央環状と同様に分散機能を多くは期待できないし、却って流入を誘導することになる。さらに沿道の住宅街や商店街は膨大な立ち退き、まちこわし、環境破壊は回避不可能、両立不可能となる。たとえ地下方式にしても立ち退きとまちこわしは避けられず、インターや出入り口周辺は回避、両立不可能な道路公害にさらされる
(3)圏央道の迂回効果は北関東や東海東部で事業化、計画されている高速道を利用する方が合理的である。また、圏央道の目的である業務核都市構想は破綻しており、沿道は青梅・秋川の市街地、八王子北・高尾・秦野の自然、神奈川中央・横浜の市街地を通過する「回避・両立不可能」な公害道路となる。
(4)三環状道路より現在の国道・都県道を整備せよ歩道や停車帯なし、右左折路線のない交差点等の国道・都県道が数多くある。高齢者社会を迎えるいま、安全で公害のない、渋滞解消の幹線道路整備が優先である。
4、旧アセスはアセス法に適合していない。追加、修正が必要。
三環状道路のうち中央環状、圏央道、外環埼玉・千葉・東京大泉は旧閣議アセスで環境影響評価を実施した。私たちはその時にアセスの不備を指摘したが無視された。
アセス法が制定され旧アセスの不備が以下の点で明白になった。
(1)アセス法基本的事項において二酸化窒素等の予測及び評価の手法として削減計画等が達成されるものとしての予測評価はしてはならないとされている。三環状のアセスは削減計画が達成されるものとして予測評価した。
(2)騒音の予測評価も旧アセスでは測定位置が地上1.2 mのみであったが、新環境基準では道路に面する全ての階で予測評価することとなった。
(3)環境保全の措置については複数案の検討をすることとなった。以上のごとく三環状道路は追加、修正アセスが必要となった。また予測可能性・回避可能性の観点からも必要である。
5、三環状道路にパブリックインボルブメントはなかった。
計画立案時の住民とのパートナーップもなかった。平成9年道路審議会建議及び中間答申で公約した住民参加は三環状では住民からの問題提起には全く対応せず事業化を強行した。遡ってPI、パートナーシップの実行を要求する。
6、メリットだけを強調し、デメリットを示さないのは公正ではない。
前述のように経済効果があると説明しているが、費用・損失については全く触れていない。これは公正を欠くものである。土地流動化とは強制立ち退きさせられた住民が立ち退き先で土地建物を購入した費用を経済効果と称しているものでこれは経済効果ではなく道路建設費用である。
新道路環政策答申では道路用地費=立ち退き費用は費用として効果と比較考量しており、これは行政内部での考え方の矛盾である。デメリットは算定も回復措置も検討されていない。
以上三環状道路計画は多くの矛盾、欠陥をもっている。建設省の事業再評価方針からも再検討は必須である。早急な住民参加での再検討を要請する。
以上決議する。
東京都「ディーゼル車NO作戦」と私たち (99/10/8)
公害・地球懇 (JNEP)は、東京都が現在、展開している「ディーゼル車NO作戦」のインターネット上の討論に次の書き込みを行い、都の取り組みを多としながら、この問題の基本政策と深くかかわっている関係省庁の取り組み強化をもとめるための呼びかけを行いました。なお、東京都の討論のためのホームページは次の通りです。 → http://www.kankyo.metro.tokyo.jp/cgi-bin/tokyokh/bbs/bbs.cgi?
私たち(公害・地球懇 JNEP)は、東京都が脱ディーゼルの取組みが端緒についたことについて、その方向性を多とし、一層の政策の推進、また既存の逆行する政策の転換を求めるものです。
ディーゼル車は東京のNOx排出量の半分以上を占める大気汚染被害の元凶であり、東京都内では国の認定患者だけでも3万人の公害被害者が存在し、さらに児童・生徒では大気汚染激甚地域を中心にクラスの2〜3割が喘息にかかっている地域もあるほどです。ディーゼル対策、とりわけその大半を占めるディーゼルトラック対策は待ったなしといえます。
トラックが物流の半分を、とくに都市内などの陸上輸送の大半を担っているのは事実ですが、これはトラック以外に輸送手段がないからではなく、国が毎年道路整備計画で15兆円(国民1人当たり12万円)を投資することを決定し、競争相手である鉄道などの競争力を剥いできたことが原因です。また、トラックの中でディーゼルが増えてしまったのは燃料税制で軽油の税を大幅に安くしているためです。5トン以下のトラックはガソリン車でも性能上何ら問題はないと言われているのに、この転換を阻んでいるのは燃料税制にあります。ディーゼルが増えているのは政策の失敗の帰結であって、ディーゼルが私たちの生活に不可欠なものと言うのは無理があります。
ディーゼルは燃費に関してはガソリン車よりいいこともありますが、燃料の性質の違いから、たとえ燃料消費がやや少なくても二酸化炭素排出量はかえって多いことも事実です。車両重量1.5トン以下の乗用車で比較すると、同じ距離を走るときの二酸化炭素排出量は、ディーゼル車は同種のガソリン車に比較し、5%から10%も多くなっています。「ディーゼル車を使うと地球温暖化対策になる」というのはかなり怪しいといえます。
今の不幸な燃料税制の下ではトラック業者は燃料代が安くてよいが、ディーゼルが私たち市民にいいことは一つもありません。
この点で、東京都が脱ディーゼル政策を検討し、その中で燃料税制の改正をも訴え、また限定的ながら古いディーゼル車への自動車税増税を検討していることは評価できます。
しかし東京都は、これまでディーゼル車を増やすような政策を次々に実行してきました。道路建設は自動車の輸送分担率を上げ、ディーゼルを増やすことに貢献してきました。また、臨海部開発などの大規模開発はトラック需要を確実に増加させてきました。ディーゼル対策が都の看板となっているもとで、しかも深刻な財政危機にある中でも膨大な都民の税金を道路建設や大規模開発につぎ込むことを変えようとしない都の開発部局の姿勢は理解に苦しむものです。
ディーゼル車を保有する事業者や都民を敵視し、その使用を強制的にやめさせることを望むのではなく、私たちが低公害車キャンペーンを3年前から継続し、業界への要請や話し合いを通じ、業界の努力を聞くと共に、業界の要望をも取り入れて政策要求を行って来たところです。
参照 http://member.nifty.ne.jp/jnep/jp22.htm
脱ディーゼルを根元から進めるためには業界の自主努力に期待するとともに、都や国、とりわけ自動車、ディーゼルを増やす政策ばかり続けてきた国の政策を変えることが不可欠となっています。今回の都の政策転換を後押しすると共に、国の政策転換をもとめる運動をさらに強化することを、あらゆる層に呼びかけます。
公害・地球環境問題懇談会(公害・地球懇 JNEP)
幹事長:小池信太郎
JNEP、自動車環境税の強化を求める(99/8/13)
JNEPは、政府部内で検討されている自動車環境税…いわゆるグリーン税制に関して99年8月13日付けで、新たに創設されるグリーン税制が、今日の大都市での自動車による大気汚染問題の解決に役立つ制度となるよう、政府検討案の問題点について指摘した。
主な指摘点は、ディーゼルトラックへのグリーン課税を適用対象車種や保有規模を一部に限定していること、軽油への課税をも含めてグリーン課税を検討することなど。
<JNEPのグリーン税制研究会への要請内容>
環境庁大気保全局企画課 御中
自動車の環境負荷には大気汚染、騒音、地球温暖化などが大きな課題です。
中でもディーゼルトラックによる大気汚染が特に深刻で、大都市や幹線道路沿道で多くの公害被害者が苦しんでおり、今は健常者である多くの住民もいつ被害者にならないとも限りません。あらゆる手段を講じてこの解決に当たらなくてはなりません。地球温暖化問題で自動車対策を強化するのは当然ですし、これまで環境の視点が欠如していた自動車税制を環境を一部取り入れて設計し直そうとしているのは多とするものです。しかし、今回、運輸政策審議会がCO2対策のみを念頭に置いて、大気汚染対策を除外しているのは問題だと考えます。
自動車環境税制研究会が、ディーゼル対策を一部取り入れた自動車諸税の制度提案をしているのは一歩前進と考えています。しかし、その組み込みの規模や範囲には不満を持っています。
ディーゼル排ガスの規制年次を基準にするのは、大型車ほど甘い基準が適用されていることを考えると問題があります。また、適用対象や規模を一部に留めたことは問題です。私たちは、ディーゼル自動車とりわけトラックの所有者がガソリン化、さらには低公害車への転換を真剣に考えざるを得ない課税を強く求めます。製造事業者や運輸事業者の短期的利害のためにディーゼルへの課税が先送りされてはなりません。
自動車環境税制研究会が、今回、検討課題とされているものの中にも、幾つかの大きな問題が積み残されています。多くは特定の利害関係者のための歪んだ国の制度が環境問題を引き起こしているものです。ガソリンと軽油の燃料課税の差がその一つです。大気汚染の主因とも言えるディーゼル車を不当に優遇する軽油引取税の水準は早急に改められなければなりません。また、自動車諸税の中には道路特定財源になっているものがあります。公共事業の無駄が問題になっている中でも15兆円と異常に大きく、しかも増加している道路建設予算も問題です。
自動車が引き起こす環境問題の解決のためには、国の政策の歪みが引き起こしている問題を一つ一つ解決していかなければなりません。今回の答申で、大型ディーゼルへの適正な課税を重視すると共に、燃料課税や道路財源についても改める制度提案を求めます。
東京都が総合的自動車交通抑制にふみだす(99/7/31)
深刻な自動車交通問題をかかえている東京都が関係省庁や学識経験者に呼びかけ首都東京の交通をどうさばくかを検討していた「東京都交通需要マネジメント検討会議」(座長・太田勝敏東大教授)が、99年7月末に報告書をまとめた。
この報告書は、将来、都内の交通を、自動車の効率的利用や公共交通への利用転換で自動車交通需要の抑制を図るとしている。
報告書は、交通渋滞に伴う経済損失を4兆9000億円と試算、大気汚染による健康被害の原因となる窒素酸化物は自動車からの排出が全体の3分の2を占めていることなどを指摘した上で、道路整備などで交通容量を拡大する一方、経済的な誘導や規制で交通需要を調整するなどTDM(Transportation Demand Management)手法をとるとしている。
都内交通の状況分析では、圏央道・外かく環状・首都高中央環状の3環状の未整備のため、通過交通による渋滞の影響が大きいとし、これら3環状の整備促進を第一義的課題と位置づけている。
そのうえで具体的には、都心区域内に進入する車に料金を課すロードプライシング制度を導入、郊外の駐車場から都心へ公共交通機関で向かうパーク・アンド・ライド、ナンバーによって走行できる車を指定する「ナンバー規制」などを挙げいる。
東京都はこの報告書をベースに、99年11月までに「交通需要東京行動プラン案」を策定し、2000年2月にも成案とし、実現可能な施策から実施に移す計画で、成案への過程では、都民参加を求めている。
都心部通行車両から料金徴収、建設省が検討(99/8/4)
建設省は、都心部に流入する車の数を減らし、排ガスによる汚染や渋滞を解消するため、混雑地域を通行する車から料金を取る「ロードプライシング」の導入に向けて、本格的な検討を始める。首都高速道路や阪神高速道路など、道路公害が特に指摘されている地域での導入を想定し、都心部に流入する車について通行料とは別に料金を取り、通過車両を都心部から湾岸部へと誘導する計画。現在、首都高などで進めている自動料金収受システム(ETC)を組み合わせ導入する方針。
ロードプライシングは、特定の地域を通行する車両に課金して、車の流れを別に誘導する方法で、建設省は1995年の阪神高速騒音訴訟判決を受けた対策や、今年5月の川崎公害訴訟和解でもロードプライシングの適用検討を盛り込んでいた。
ぜん息患者医療費助成を拡大/川崎市(99/5/18)
ぜん息患者の医療費を助成する川崎市の独自の制度がこの5月から拡大実施されている。同市はこれまでも旧公害健康被害補償法の指定地域に居住し1967年〜88年の間に公害病にかかった患者を対象に91年から助成してきたが、国の制度による患者認定制度の廃止後もぜん息患者が減らないばかりか増える傾向にあるため、今回は制度を新たな患者にも制度を適用する。要件は川崎市川崎区と幸区の3年以上の居住者で、慢性気管支炎、気管支喘息、肺気しゅの成人患者で88年以降に罹患した患者に適用される。
環境庁は昨年5月の中央環境審議会答申に基づき9月に騒音環境基準「改正」を告示し、4月から実施する構えである。この「改正」は、国道43号線騒音訴訟の最高裁判決を無視するなど多くの問題がある。最近の朝日新聞の報道で、「上限65デシベルでは道路新設の際、環境アセスメントをクリアできない」などの意見が支配するなど環境保全のための改正ではなく、道路建設を進めるための改悪であることがいっそう明らかになったといえる。公害・地球懇は、これまで多くの団体と共同し、基準改悪を行わないよう申し入れ活動等行ってきたところであるが、改めてここに関係省庁が事実関係を明らかにすると共に、基準の「改正」・施行を中止することを強く要求する。
今回の改定の問題点は、評価手法の変更という体裁をとりながら
・幹線道路沿いの基準を緩和し、基準値を、国道43号線騒音訴訟の最高裁判決を無視し、受認限 度を超える70デシベルに緩和したこと
・屋内基準を設け、屋外基準未達成でもすむようにしたこと
・緩和された基準値が適用される「幹線道路」の範囲について、高速自動車道、一般国道のほか都 道府県道のすべてと四車線以上の市町村道まで拡大適用したこと
などの後退があり、騒音基準を事実上大幅に緩和したものになっている。
基準の国際標準化の名を借りた環境基準の大幅緩和は断じて認められない。環境庁には環境保全の強化を求める国民の立場にたって環境行政を進めることを求めると共に、以下の事項を要求する。
1.騒音基準の改正は白紙に戻し、4月からの施行を中止すること
2.今回の基準の大幅緩和の経緯について、事実関係を明らかにすこと
3.新たな騒音基準策定に向け、騒音被害激甚地域などの地域住民や環境NGOを含む協議機関を設けること
4.騒音環境基準を満たしていない地域において、一定の期間内(例えば1年)以内に対策の効果が出ない場合に交通規制を導入することなどを前提に、早急に騒音対策を強化すること
<解説>
騒音基準改悪とその背景
99年4月施行の騒音基準の改定は、表向きは騒音評価手法を、これまでの中央値(注1)から、国際的に行われている等価騒音レベル(注2)に変更するというものだが、実際には評価手法の変更という体裁をとりながら、多くの改悪が行われている。
中央環境審議会の審議で、建設省サイドの委員が、これでは道路がつくれない、最高裁判決に縛られる必要はない、などと発言し、他の委員や環境庁などを押し切ったとマスコミ報道された。
●改正の問題点
(1)幹線道路沿いの基準を緩和(2)屋内基準を新設
新たに屋内騒音基準を設け、屋外での基準達成という原則を放棄し、屋外基準未達成でもすむようにした。
(3)緩和された基準値が適用される「幹線道路」の範囲を拡大
幹線道路は一般地域よりも緩和された基準が適用されている。ところが、この幹線道路の範囲を著しく拡大し、高速自動車道、一般国道のほか都道府県道のすべてと4車線以上の市町村道にまで拡大適用した。
(注1) 中央値
一定時間に計測された変動する騒音値から音のエネルギーを求め(ただ変換するのではなく、人の音の感じ方(感度曲線という)を通じて変換)、低いものから高いものまで並べ替え、中央の値を採用する評価手法。
(注2) 等価騒音レベル
上と同じように変動する騒音値から音のエネルギーを求め、平均を取る(等価騒音)方法。
(参考)
騒音に係る環境基準についての環境庁告示
JNEPは運輸省が進める自動車の環境・交通対策に関して次の意見を提出しました。(99/2/28)
運輸省(自動車の環境対策、自動車交通システム等担当課)御中
1999年2月28日
公害・地球環境問題懇談会
公害・地球環境問題懇談会は、「なくせ公害、守ろう地球環境」をスローガンに、自動車公害問題などに取り組み、低公害車キャンペーンなどを実施してきた。
今回は環境対策を中心に意見を述べる。
I.自動車交通に係る環境対策のあり方について
1.基本的認識について2.自動車に関する環境対策について
「自動車排出ガス規制は段階的に強化されているが、大都市部を中心に窒素酸化物等による大気汚染は依然深刻な状況」というのは正しい認識であり、このことは単体の規制強化や、建設省の言う「渋滞解消のための道路建設」では解決ができないことを示している。
「低公害車の保有台数は、平成9年度末において約9000台であり、COP3の温室効果ガス削減目標を達成するために必要とされている約200万台と比較すると大差がある。今後低公害車の普及促進のために抜本的な対策が必要」という認識も重要。従来のような普及に消極的な政策では解決ができないことを示している。
低公害車の税金を軽減する反面、NOx排出の大きいディーゼル車や、燃費の悪い大型車
を中心に、思い切って税金を上げることも必要。
自動車単体対策では、排ガス対策が進まないディーゼルからの転換を第一に進めるべき。ガソリン車で性能が十分期待できる5トン以下の車についてはディーゼル車を使う理由がないので、販売規制、使用規制を含めて転換について具体的に政策を進めるべき。バスについては天然ガス車など代替技術があるので転換について具体的に政策を進めるべき。現状ではガソリン車化のむつかしいトラックについては、ガソリン車その他の代替技術の開発を早急に進め、特殊用途を除いていつまでにディーゼル車をゼロにするのかの具体的期限を明記し、転換政策を進めるべき。
「実用性、経済性にすぐれ今後大いに普及が期待できるものについて、一層の経済的誘導策の実施、使用者の選択を促すための情報公開等が必要」との案には賛成である。また、「低公害車・低燃費車であることが容易に視認できるステッカー等の創設やナンバープレートの活用」については「活用可能性について検討」ではなくすぐに実施していただきたい。逆に、大気汚染物質排出の大きい車、燃費の悪い車であることが容易に視認できるステッカーや、識別可能なナンバープレート、などを義務づけ、販売店で購入をためらう雰囲気、日常の運転がためらわれる雰囲気をつくることも必要。
メーカー毎に毎年どれだけ「低公害車・低燃費車」を製造し販売に供したか、また著しく大気汚染物質排出の大きい車、燃費の悪い車を製造し販売に供したか、を公表することも必要である。
3.使用済み自動車等のリサイクルの推進について
「約25%がシュレッダーダストとして廃棄されていること、使用済み自動車の不法投棄、処理段階において適正処理の不十分さ等の問題がある」、「管理型処分場の残余容量の逼迫、逆有償化による不法投棄、不適正処理の増大も懸念」などの問題を解決するには製造者責任により、廃棄物の適正処理をメーカーの責任で実施させることが不可欠である。
(1)使用済み自動車等の適正処理の推進
「自動車登録制度、マニフェスト制度の活用を含め、自動車の解体・処理までの追跡管理を可能とする新たなシステムの構築が必要」ことは一歩前進だが、製造者責任を伴うことが不可欠。
(2)自動車流通の各段階におけるリサイクルの促進
「リサイクルに配慮した自動車の製造をさらに推進するための方策」として、製造者責任に基づく廃棄が必要で、その導入により不法処理と大量廃棄の問題の双方が前進する。
「自動車の長寿命化の必要性と排ガス対策等の観点からの早期の買い換えの必要性について、何らかの考え方の整理が必要」というのはその通りで、そのためにも企業毎車種毎のエネルギー使用量、環境負荷などの細部にわたる情報公開が必要。
II.安全と環境に配慮した自動車交通システムのあり方について
1.基本的認識2.具体的なシステムのあり方について
「高齢化社会への対応、中心市街地の活性化等幅広い視点に立って」というのは賛成だが、「自動車交通以外の多様な交通手段との連携も視野に入れた検討が必要」というのでは甘過ぎ、自動車交通以外の多様な交通手段を重視し、低公害車を補完的に位置づけるなどの大胆な運輸政策の転換が必要。
◎幹線交通について
旅客、貨物ともに自動車を利用しないことを原則とし、運輸政策を転換すべき。
「中・長距離の連続走行という交通の形態に即した安全で円滑な交通システム」を前提にしてはならず、「地域交通との結節点の適切な配置」や「拠点間のトラック輸送の効率化」等は必要だが、モーダルシフトと、中・長距離は自動車を利用しにくい、あるいは利用すると極端に損をするようなシステムを導入すべき。
交通インフラ整備もそれにあわせて抜本的に転換すべき。
◎地域交通について
都市内も中心部を中心に自動車を利用しないことを原則とし、運輸政策を転換すべき。 「都市交通を中心に自動車交通の安全性の向上や環境負荷の低減に資する交通システムの構築(バス等の利用促進、タクシー輸送の効率化、トラック輸送の効率化、自家用車の効率的な使用等)」は全て重要であるが、自動車交通をどこに使い、どこは自動車に頼らない交通にするのかの分担を早急に整理することが必要。とりわけ、都市部の裏通り、生活道路を大型ディーゼル車が無規制に走り回ることについて検討すべき。
「低公害車の導入を促進する交通システムの構築(都市内小型低公害車レンタカーシステム)」も重要だが、将来的には、低公害車に限るというような方向性を示すことが需要。
公害激甚地域など、早急な対策が必要な部分には、低公害車の割合を急速にたかめ、逆にディーゼル車を原則禁止するなど緊急対策が別途必要。
「地域の自主的な取り組みの尊重や社会実験の積極的な活用」は重要であり、自治体の取り組みを「上乗せ規制」だとして国がつぶすことのないよう、また支援することが必要。
交通インフラ整備もそれにあわせて抜本的に転換すべき。
●都心幹線の車線削減など流入規制にのりだす/建設省(11/20)
大都市の自動車排ガスによるNO2が改善されないばかりか、一層悪化している問題の対策として、建設大臣諮問機関の道路審議会は、都心の幹線道路の車線を減らし、車を周辺道路へ振り分ける交通規制を導入するなど、具体策を11月20日にまとめた。答申では大都市の自動車排ガスが、一部で環境基準を超えている状況が続いていることを認めたうえで、早急な対策を求めている。
具体策は、@大型トラックが都心部を通過するのを減らすために、都心の幹線道路の車線を減らし、周辺道路に振り分ける交通規制の導入。A商店街などで仕入れトラックの共同利用など物流の見直し。B通勤などに公共交通機関を利用するよう車利用の削減など。建設省は、この答申に沿って具体策を打ち出す。
●住宅密集の地下ルート変更させる/東京(98/11)
==首都高中央環状新宿線大橋ジャンクション==
首都高速中央環状新宿線と首都高速3号線を接続する通称「大橋ジャンクション」が目黒区の住宅地の地下ルートで建設されることにともなう建設公害などに反対して、ルート変更をもとめていた問題で、首都高速道路公団と東京都は住民らの要求を受け入れ、99年3月までに都市計画変更手続きに入ることが確定した。
これは、目黒区駒場1、3丁目と大橋2丁目の地権者でつくる「駒場大橋中央環状新宿線対策住民連絡会」が7年越しに運動をすすめていたもので、要求内容は、住宅密集地ルートの再検討、買収・立ち退きによる街こわし、排ガス対策問題など。
首都高側は、ルートを変更して、首都高速3号線沿いに予定している「大橋換気所」を囲むかたちで二重ループを設置して2本の高速道路を接続するという。変更理由について都側はシールド工法の技術水準が向上して周辺住民や道路交通への影響を抑えることが可能となったという。すでに決まった都市計画事業を廃止する形でルート変更するのはまれなケース。
●川崎の大気汚染対策で道路環境対策協が発足(98/11/12)
大気汚染の著しい川崎市南部地域の道路環境対策を話し合うため国、神奈川県、川崎市などでつくる「川崎市道路環境対策推進協議会」が11月12日発足した。
川崎道路環境推進協は関東通産局、関東運輸局、関東地方建設局や首都高速道路公団のほか、神奈川県、同県警、川崎市など構成。98年8月の横浜地裁川崎支部で勝訴した川崎公害訴訟原告団からだされていた要求をベースに、45項目の対策案をまとめ報告した。
主な対策は、公害訴訟で排ガスによる沿道住民の健康への影響が指摘された首都高速横羽線の通行料金を同湾岸線より割高にし、交通量の臨海部への誘導する「ロードプライシング」の導入。国道交差点の立体化。低音舗装。光触媒を使った二酸化窒素削減実験などだ。
局地的な排ガスの汚染除去システムとして有効性が確認された土壌浄化装置を環境庁が99年に川崎に設置する予定。このシステムは高濃度のNO2などの排ガスを土壌内に強制吸引し、微生物が分解浄化した空気を大気中に戻すというもの。環境庁は川崎市と協力して、全国ワーストワンの汚名をもつ同市内の池上新田交差点脇の公園地下にシステムを設置する。予算は1億7000万円程度。効果はNO2の96%、SPMの90%程度を除去できる。これは、「道路公害をなくすための川崎の提言」のなかで要求していたもので、局地的な対策で提言が一歩実現にむかうことになる。(98/11)

建設省は、東京、大阪、名古屋の3大都市圏で自動車による騒音や大気汚染の対策を抜本的に進める「沿道環境改善事業」を来年度から創設することを決め、概算要求に627億円を要求する。
これは、このページでとりあげているように、道路公害地域からの国にたいする要求の一部について、建設省が予算要求を行うもので、実現すれば、「西淀川和解」と「川崎判決」以降の新しい展開となる。
新制度は、対策が必要な地域をまず選定して、環境対策の予算特別枠を設けて立体交差や道路拡幅などを総合的に実施する。沿道で買い取りの要望がある住宅地を国が購入し防災公園などに利用するなどが対策の柱となっている。
対象となるのは、阪神地域の国道43号沿線や川崎公害訴訟の原告らが住む地域など緊急な環境対策が必要な地域で、国・地元自治体・住民らが協力して総合的な環境対策の計画を作成し、その計画に従って対策を進めることにしている。
また住宅地を買い上げるのは、道路を拡幅したり防音壁の設置など道路側だけの対策では不十分な場合、沿道にある土地を国や日本道路公団などが購入し、緑地に利用したり、スーパーや事務所ビルの建設を計画している民間業者に転売し、道路と住宅が混在する地域からの脱却を図る計画となっている。
ロ 1982年3月18日、国・首都高速道路公団と東京電力・日本鋼管・東燃などを被告として川崎公害裁判は提訴された。「きれいな空気と生きる権利」を求めた長い闘いのすえ、1996年12月に加害企業に謝罪させ、全面解決した。
ワしかし道路公害の課題が残された。おりしも1995年7月5日、大阪地方裁判所は西淀川公害裁判(2次3次訴訟)で、自動車排ガスの健康被害を認め、国と公団の加害責任を認め、また7月7日にも最高裁判所は国道43号線裁判で騒音・振動公害についてその公害責任を指摘した。 こうして「道路公害」、「欠陥道路」問題は、社会的に定着しつつある。
ン 西淀川判決は、国・公団の公害防止義務について具体的に問題点を指摘した。第1に、国・公団には「沿道住民等に健康被害を生ぜしめる危険性がないかどうか」の調査義務がある。第2に、具体的義務として道路構造対策(トンネル化、シェルター化、交差点の立体化等)、道路設備対策(植樹帯、遮音壁、歩道等の改善)、道路周辺対策(緩衝緑地、緩衝住宅等の建設)を行うこと。第3に、それでも不十分な場合は走行車輛自体を削減する措置(車線削減、大型車の進入禁止等)をとるべきとした。
゚ これらの到達点を発展させ、川崎地域に具体化させるためには、さらに、NOx削減法の抜本的強化。
主要幹線道路について、道路構造対策・道路沿道対策・交通規制対策・公共交通機関中心の交通体系の整備、事業所ごとの自動車排ガス総量規制、歩行者・自転車優先の交通環境対策をとらせる必要性。
さらに、環境対策への配慮に欠けたまま進行している、道路計画、高速川崎縦貫道計画の中止も必要。
また
地域の再生・まちづくりも、道路問題とあわせて重要。そのため既存道路も、環境重視、緑地帯の保全・拡充、地域住民の安全対策、さらに地域生活に調和する「まちづくり」の観点から見直し、その構造改善をはかる必要がある。
川崎の現状
NO2・SPMの汚染濃度は1985年以降悪化ないし横ばいで推移。いっぽう川崎の工場・事業場からのNOx排出量は1974年の28,554t/年から、1995年には11,581t/年と半分以下に減少。しかし自動車排ガスによる大気汚染悪化のため、市民の健康に深刻な影響を与えている。このため川崎市条例(医療費助成)にもとづく20歳未満のぜんそく患者は1988年度の2,643人から1996年度には4,650人と1.8倍に急増している。
1 住宅密集地を通る道路には大型シェルターを。
川崎区・幸区内の細街路・生活道路を除く幹線道路(国道1号、15号、132号、409号、首都高速横羽線・産業道路等)沿いの住宅密集地では、まちづくりのうえでの調和を考慮したうえでシェルターや大型の排ガス遮蔽壁、大型の遮音壁を設置すること。地域によっては全面シェルター化や地下化(トンネル)など将来的な対策についても、技術面や財政面を含めて具体的な検討を開始すること。
2 大師ランプ、浜川崎ランプ、浅田ランプ等高速横浜・羽田線(産業道路)関連のランプ・交差点の改良をはかり、交通渋滞とそれにともなう大気汚染を改善すること。
3
「多孔質性舗装」などの低騒音舗装や吸音装置の設置をすること。
1 緑地帯の設置に向けて沿道調査を実施すること。
川崎区・幸区の幹線道路にはみるべき緑地帯・緩衡植樹帯がない。幹線道路の現況調査を行い、住民意見を十分把握して、車線削減、用地取得、既存用地の再利用などして緑地帯・緩衡植樹帯の設置、推進を図ること。
2 土壌や光触媒による大気浄化システムを導入すること。
川崎区・幸区内の道路沿道で土壌による大気汚染浄化システムや光触媒による脱硝装置につき速やかに実験を開始し、その実用化の確立と早急な導入を図ること。
3 住民本位の面的なまちづくりを行うこと。
沿道法の改正により、従来よりも広い範囲を対象に沿道対策をすることが可能となった。川崎区・幸区の幹線道路沿いは住宅密集地が多く、単純な用地取得では十分な公害対策は不可能である。地元住民の意思を尊重した面的な公害のないまちづくりを行うこと。
1 主要幹線道路の大型車規制を行うこと。
主要幹線道路での大型車の混入率調査をふまえて全面的な大型車・ディーゼル車規制を実施し、とりわけ大型車・ディーゼル車が住民居住地域に入らないようにすること。
2 ロードプライシングの実施で交通量の削減をはかり、課徴金を公害環境対策に充てること。
主要幹線道路の交通量の削減をめざしてロードプライシングを実施すること。とりわけ、横羽線及び東扇島トンネル等における早期実施をめざして検討すること。同時に徴収した課徴金は、制度の趣旨に鑑み公害環境対策に充てること。
3 測定体制を強化し、高速出入り口の閉鎖も行うこと。
高速横羽線をはじめ首都高速各路線では交通渋滞が激しい時には、出入口閉鎖が行なわれているが、これを大気汚染濃度が高い時にも実施すること。そのために、各高速道路(産業道路を含む)の沿道に測定局を新設し、汚染濃度をきめ細かく把握できるようにすること。なお、測定局の新設は主要幹線道路にもきめ細かく行うこととし、そのための用地確保を図ること。
4 大気汚染物質の排出量調査と到達量調査を行うこと。
5 アイドリング・ストップ規制を実施すること。
6 トラックなどの大型車を対象に、過積載やスピード違反の大型車についてのその取締の強化を図ること。
7 湾岸道路へ自動車交通を誘導すること。
湾岸道路への自動車交通の誘導を図るための啓発、指導を行うこと。
川崎の都市機能を維持しつつ、物流・人流の両面において、自動車に依存しない交通体系を整備する。
1 鉄道を整備すること。
JR浜川崎線、神奈川臨海鉄道を整備・延長し、東扇島から直接鉄道による物流を可能とし、物流センターに関連する物流を鉄道輸送に誘導する。
これと同時に、浜川崎線を直接川崎駅に接続し利便性を向上させて、人流を鉄道に誘導する。
また、京浜急行大師線を地下鉄形式で、産業道路に沿って延長し、浜町ないし池上からJR川崎駅までを環状の鉄道として、人の移動を鉄道に誘導する。
2 バス路線の整備を行うこと。
バス優先レーンの拡充・徹底をはかり、バスが一般の交通渋滞に巻き込まれないようにしてバスの利便性を高め、あわせてバスを増便して、マイカーによる人の移動をバスに誘導する。また、市電の再活用も検討する。そのためには駅前のバスターミナルを障害者にも利用しやすいように改良する。
バスには電気自動車、ハイブリッド車等の低公害車を優先的に配置する。
3 海運を利用した物流体制を検討すること。
4 低公害車の普及・促進を図ること。
1
川崎およびその周辺地域について、一定規模の事業所を対象に、その保有・使用する自動車からの排ガス総量を割り当てて規制し、地域全体の自動車排ガス総量の削減をはかること。
なお規制物質としては、二酸化窒素とともに浮遊粒子状物質も含めることとし、各事業所の総量規制の数値は道路沿道も含めて全ての測定局で少なくとも現行環境基準を達成するように設定すること。
2 各事業所において、排出総量削減計画の作成・届出および計画履行状況等の報告を 義務づけること。
1 幹線道路を中心に、歩行者(車椅子を含む)・自転車優先の視点をふまえて、歩道や横断歩道、自転車道を整備し、主要駅前に自転車ステーションを整備すること。
自動車交通優先の現状のもとでは、歩道や横断歩道、自転車道、並木、植樹帯の整備が遅れている。
これを住民が安心して移動できるように自動車交通優先から歩行者と自転車優先の構造に変えてゆく必要がある。そのために弱者優先の視点から横断歩道橋の見直しを図り、とりわけ、駅前地下街(アゼリア)周辺の横断歩道の早急な復活を行うこと。
駅前自転車ステーションを整備、拡充し、そのうえで、歩行・自転車移動の障害となる放置自転車対策を強化すること。
また、将来的には区内を移動するときには自転車を利用する方が便利になるよう「自転車道ネットワーク」を整備すべきである。
2 違法駐車対策を強化すること。
交通渋滞の元凶の一つである違法駐車対策の徹底を図ること。
これ以上の大気汚染を拡大しないため、高速川崎縦貫道計画を中止し、同時にFAZ計画等物流拠点づくりの計画を中止すること。
(1998年3月1日)
川崎公害裁判原告団・弁護団・支援共闘会議
川崎市川崎区砂子2-11-19 大幸ビル3F 川崎公害・労働センター内
TEL 044-211-0391
道路公害をなくす西淀川(大阪)からの提言
1.いま道路政策が問われている
本提言は、高度経済成長以後、わが国の道路政策・行政の矛盾として顕在化した西淀川地域から道路のあり方を問う。
先般の道路審議会建議にみられるように、わが国の道路政策もいま大きく変わろうとしている。その背景には、道路公害による被害の顕在化や地球規模での環境問題、公共事業のあり方に対する国民の厳しい世論などがある。建議では、社会的価値の実現のために道路づくりを位置づけるようになっており、地域にとってどのような道路が望ましいかを各地域の実情に即して考えていく必要がある。
提言の3つの道路づくり原則
1.自動車に依存しない社会づくりに向けた計画
2.健康で文化的な地域づくりに寄与する道路
3.道路づくりにおける民主主義の拡充2.西淀川地域の道路環境をめぐって
(1) 地域の特徴
大阪市西淀川区(面積 14.23平方キロ、人口約9万人)は、阪神地域の中心に位置し、臨海部には大規模な工場群が広がり、内陸部は住宅と中小零細企業が混在する。阪神高速池田線・神戸線・湾岸線、国道2号・43号などの大型幹線道路が地域を縦断し、区内には大型貨物自動車がひしめいている。このような道路環境の下で、NO2
やSPMなどの大気汚染や騒音・振動の問題、交通事故、アメニティの欠如、コミュニティの分断など、様々な影響があらわれている。
区内には、全長 3.5kmの大野川緑陰道路(歩行者・自転車専用道)がある。川を埋め立てて高架高速道路にする計画に対する住民の反対運動の成果である。供用開始から30年近くを経て、豊かな緑を形成して、市民の貴重な散策・憩いの場となっている。
(2) 道路公害をめぐる住民の運動
西淀川区では、工場と道路からの大気汚染により公害病として認定された患者数は、最高時で
7,702名を数えてた。国制度による認定は1988年4月に打ち切られたが、近年は認定患者の加齢に伴い毎年80〜100人が亡くなっている。その一方で、自治体独自に実施している医療費助成制度の対象者は、年齢制限等があるものの、年々増加する一方で、大阪では国制度による認定患者数をはるかに越える新たな患者の発生をみている。
こうした中、西淀川区内の公害病認定患者とその家族は、大気汚染公害の責任をめぐる裁判を1978年に提訴した。1995年3月には被告企業9社との間で和解が成立し、和解金の一部を基本財産とする(財)公害地域再生センター(あおぞら財団)が国の許可の下で設立され、地域環境の再生に向けた取り組みを進めている。1995年7月5日の大阪地裁判決においては、国道43号などからの大気汚染公害と健康被害の因果関係を認め、設置管理者である国・阪神高速道路公団に対して、原告への賠償金の支払いを命じた。
(3) 道路環境をめぐる区民の意識動向
このような背景を踏まえつつ、提言検討の土台とするために、西淀川区内の道路環境に関するアンケート調査を実施した(有効回収数1189票、有効回収率70.4%)。
その結果、自動車交通問題として大気汚染を深刻と考えている区民の割合は高く(68.8%)、交通サービスの改善としては「交通弱者に対する交通サービスの充実」や「歩道・自転車道の整備」「自動車交通量の抑制」を必要と考えていることがわかった。
また、西淀川地域で考えられる各種交通需要マネジメント施策に対する賛否意識では、「公共交通の利便性の向上」「自転車道や駐輪場を整備し自転車利用を促進」「車道の一部を削って自転車・歩行者道を整備」などに対する賛意が強くあらわれた。
3.西淀川道路環境再生プランの提言
(1) プランの性格
1.全国政策を考える素材として
2.道路公害大気汚染地域における道路づくりのモデルとして
3.地域討議の素材として

(2) 基本目標と方針
・基本目標 道路公害対策の総合的体系の構築
・基本方針 道路公害による被害者の救済
環境保全に配慮した道路整備計画
自動車交通量の削減
環境負荷の少ない交通サービスの育成・充実
道路整備における地方分権と市民参加
適正な税体系の確立
・目標期間 短期目標:2005年をめど
中期目標:2010年(気候変動枠組条約の目標年度)をめど
・獲得目標 沿道環境(大気質や騒音振動)と沿道整備における数値目標を設定
(3) 阪神間広域プラン
・新規高速道路整備に関する基本的考え方
阪神地域における新規の高速道路整備計画は、需要予測の見直し、環境制約への配慮、自動車交通適正化施策の導入などの基本方針が担保されるまで凍結すること。
・道路整備計画見直しに関する具体的な対応
凍結した計画への具体的対応は、圏域全体での交通量削減施策の実施、計画アセスメントの実施、計画見直しを含む関係住民との協議、必須計画についての環境対策の 実施、「時のアセス」の実施、老朽化高架高速道路の今後のあり方についての検討などの進捗状況をふまえて具体的に対応する。
・ロードプライシングの導入
交通量管理の操作性の向上、原因者負担による社会的負担の徴収、交通施設整備財源の確保等をねらいに、短・中期的には「線的ロードプライシング」を導入し、中長期的には「面的ロードプランシング」へと展開する。
・超低床路面電車(LRT)の導入
国道2号上を走り阪神地域を結ぶ路面電車を復活し、高齢者や障害者も含めて、すべての人々のモビリティ向上に役立てる。
・物流対策と大型車規制
複合一貫輸送などによる長距離輸送対策、一定地域内での共同輸配送と低公害車普及などによる短距離輸送対策を推進する。
・道路整備計画における分権化と住民参加制度の確立
広域幹線道路に関する計画決定の分権化や住民参加を図る。大阪市の行政区制度をより地域課題に対応できる体制に改善し、住民主体の協議組織の形成を図る。
(4) 西淀川モデルの提言
●環境容量による流入規制
・地域環境測定体制の拡充(大気環境等の面的な測定体制の整備)
・地域環境監査システムの確立(環境容量について合意形成と監査体制の構築)
・「パリ型規制」の導入(大気汚染レベルによる車種別流入規制等の実施)
●地域内交通量抑制策
・貨物自動車の通行規制(通常時および非常時における貨物自動車の通行規制)
・小規模工場の共同建替による駐車場等の確保推進
・付属駐車場を設置しない住宅建設への誘導
●社会実験方式による環境対策モデル事業の展開
・市街地幹線沿道でのビオトープ実験(行政・市民連携のグラウンドワークにて)
・歌島橋交差点でのスクランブル交差点実験
・沿道大気浄化モデルゾーン導入実験(各種大気浄化実験を集中的に導入)
・低公害車ゾーンの導入実験
●低公害車普及モデル事業
・低公害車の普及推進事業(産業界との連携によるキャンペーンの展開)
・低公害車モデル地区の導入(低公害車以外の流入を規制できる体制を整備)
●公共交通体系の整備
・低公害&福祉型バスによる公共交通体系の確立
・超低床路面電車(LRT)の導入(十三地区〜御幣島〜R2)
●緑道(歩行者・自転車道)のネットワークづくり
・「西淀川フィールドミュージム事業」の推進(周遊トレイルの形成)
・「Cycling for the Earth 」(自転車利用促進運動)の展開
・歩行環境の整備(大野川緑道の再整備、R43・R2での道路空間再配分)
・大野川緑道を基軸とした歩行者・自転車道ネットワークの形成
●道路構造の改善
・道路沿道対策の早期実施(兵庫県側で実施済の沿道対策を大阪市内で実施)
●道路づくりからの“まちの顔”形成
・道路沿道景観づくり条例の検討、策定(住民参加によるワークショップ等にて)
・モデル的な前庭住宅の開発(環境再生型住宅の建築推進キャンペーンの展開)
・府道大阪池田線への公害地域再生シンボルロードの導入(大和田〜歌島橋間)
●住民協議会の設置・運営
・西淀川地域の道路づくりに関する協議会の設置・運営(有志による参加の重視)
・住民による地域再生マスター・プランづくり
・住民・行政・企業が協議できるNPOづくり
●交通学習事業
・道路づくりに関する地域懇談会やワークショップの開催
・交通教育の見直しパイロット事業の展開
●環境保健対策
・沿道環境健康被害要観察地区の指定(大気汚染と健康に関する学際的研究の実施)
・道路環境と健康影響に関する国際学術シンポジウムの開催
(5) 環境税の検討
自動車利用に伴う費用を政策的に引き上げ、直ちに過剰な自動車利用を抑制することを眼目として、全国レベルあるいは都道府県レベルでの環境税の導入を検討すること。税収の使途としては、一般財源としての用いて環境対策に資する方法と、環境対策や健康被害補償等に使途を限定する方法等が考えられる。
4.提言実現のために
(1) 提言実現のタイムスパン
「できるものはできるだけ早く」を基本につつ、目標期間である短期(〜2005年)と中期(〜2010年)で項目を整理した。
(2) 提言実現のための環境づくり
・新設される国土交通省は、地方分権を基本に、地方の交通政策をサポートする機能を重視すること。
・特定財源制度は廃止し、自動車交通量の抑制や外部不経済の負担等の観点から、道路の適切な利用な可能となる道路料金システムを検討すること。
・地方自治体の権限と責任の明確化を、財源の委譲とあわせて行うこと。広域的な交通問題を扱うことができる地域交通計画機関を新設すること。
・地域交通政策の立案への市民参加を促進するために、情報公開や各種検討組織の公開と市民参加を推進するとともに、地域NPOを育成すること。
(1998年7月)
あおぞら財団・公害地域再生センター
大阪市西淀川区千舟1-1-1 三洋ビル4F
TEL 06-475-8885
http://www.aozora.or.jp/
E-mail=webmaster@aozora.or.jp