(03/12/06更新)

水問題の取り組み

●海洋投棄のありかたで公害・地球懇がパブコメ(03/12/06)
●水需要過大見積もり、巨大ダム40基分(01/08/06)
●「水循環」でJNEPが意見書(99/1/22)

 

 

 

 


海洋投棄のありかたで公害・地球懇がパブコメ

公害・地球懇 (JNEP)は12月1日、中央環境審議会地球環境部会が取り組んでいる今後の廃棄物の海洋投入処分等の在り方に関わって、この問題での基本的問題提起をパブコメのかたちで行った。

中央環境審議会地球環境部会
海洋環境専門委員会 事務局 御中

2003年12月1日
公害・地球懇 (JNEP)


「今後の廃棄物の海洋投入処分等の在り方について(案)」への意見



「3.今後の廃棄物等の海洋投入処分等の在り方に係る基本的考え方」について

(1)基本的考え方
 海洋投入は基本的に禁止すべきものであり、減量化だけですむものではない。認められるものはあくまで例外である。そこで当該制度は有害物の投入や環境影響が絶対に生じないよう安全側にたって定めるべきである。費用が高い、手間がかかる、陸上で有効利用できないなどは反論にならないし、手続が厳しすぎて投入が事実上できない不利益よりも、有害物が誤って(あるいは故意に)投入されることの防止を重視すべきである。

 投入を許される廃棄物の判断基準は個別判断ではなく、まず有害物質が混入しない、環境影響も間接を含めてないなど、議定書の条件を全てのケースにおいて満たすことと、陸上廃棄が物理的に不可能であること、それ以上の廃棄物量最小化が物理的に不可能なことを当事者が立証することなどとし、挙証責任は当事者に負わせるべき。また、科学的不確実性が生じた場合には予防原則に従い安全側に立って判断し、影響が不確実であるから認めるのではなく、影響がないことを立証できないものは一切認めるべきではない。また、現状以上にコストをかけたくない、利潤が減るなどの費用的理由は認めるべきではない。

 その上で例外が仮に生じた場合には、書類審査だけで通して後で虚偽が発覚するようなことがないよう、その全量について環境省が個別に係官が立ち会い全量点検し、企業名・品目・量を全て公表し、さらにその経費は全て税金でなく事業者負担とすることとすべき。

(2)附属書Iへの対応
 廃火薬は明らかに附属書で許容された廃棄物に該当しないので、速やかに海洋投棄を中止すべきである。
 中環審の案で附属書で許容された廃棄物と解釈している赤泥、建設汚泥については有害物質が混入する可能性があるので、許容されないものとみなすべきである。水底土砂も有害物質が含まれないことを証明する厳格なしくみが必要である。

 投入を許容する品目については個別に有害物質が絶対に混入していないこと、環境影響が間接を含めて一切ないことを事業者が証明し、かつ環境省が書類審査でなく個別に係官が立ち会い全量点検すべきである。その経費は全て税金でなく事業者負担とすることとすべき。

(3)附属書IIへの対応
 許可については、事業者に対し期限を定めて期限内の投入を許可するものではなく、投入1件1件について個別に行うべき。
 また、現在のバーゼル条約対応の国内制度は個別対応ながら書類審査だけで通しているためにフィリピンへのごみ輸出のような不正を察知できなかった。この反省を踏まえ、書類審査だけで通して後で虚偽が発覚するようなことがないよう、その全量について環境省が個別に係官が立ち会い、全量点検し、企業名・品目・量を全て公表することとすべき。
 案でも汚染者負担の原則を踏まえるとの方針が出されており、これに賛成である。全経費は直接間接経費に関わらず全て税金でなく事業者負担とすることとすべき。

「4.廃棄物等の海洋投入処分実態等の概要とその評価」について

4.1 一般廃棄物
 海洋投入は基本的に禁止すべきものであり、減量化だけですむものではない。認められるものはあくまで例外である。そこで当該制度は有害物の投入や環境影響が絶対に生じないよう安全側にたって定めるべきである。手続が厳しすぎて投入が事実上できない不利益よりも、有害物が誤って(あるいは故意に)投入されることの防止を重視すべきである。

(1)廃火薬類
 不発弾、押収爆発物・猟銃用廃火薬類はいずれも速やかに海洋投入を中止すべき。
 自衛隊の不発弾等については防衛庁の所管であることが明確であり、速やかに禁止すべき。旧日本軍の不発弾等については所管が不明確とされており、私たちはこのこと自体に驚いているが、関係者での検討の結論に無関係に海洋投入は禁止すべき。
 押収爆発物・猟銃用廃火薬類について、回収・廃棄の仕組み等の条件整備を関係者で検討するよう求めているが、この結論に無関係に海洋投入は禁止すべき。

(2)不燃性一般廃棄物
 海洋投入中止の方針は妥当であり、支持する。

(3)浄化槽に係る汚泥・屎尿
 既に法令で禁止されており、2007年までの経過措置について、寛大に認めることなく速やかに禁止原則の徹底を図るべきである。

4.2 産業廃棄物
 海洋投入は基本的に禁止すべきものであり、減量化だけですむものではない。認められるものはあくまで例外である。そこで当該制度は有害物の投入や環境影響が絶対に生じないよう安全側にたって定めるべきである。手続が厳しすぎて投入が事実上できない不利益よりも、有害物が誤って(あるいは故意に)投入されることの防止を重視すべきである。

(1)赤泥
 海洋投入を中止するのが困難との説得力ある理由が示されておらず、中止は困難と判断したのは問題である。まず、活用可能な方法がないのは理由にならない。次に、発生総量が多量というのも本当に多量か、また処分不可能なほど多量かが具体的でなく、また仮に示されてもそれだけでは理由にならず、大量の廃棄物を陸上処分している事業者とアルミ産業を差別する合理的な理由も必要だが、それももちろん示されていない。有害物が原理的に含まれないという保証も全くないし、どのようにそれを担保するのか、安易な許可で海洋を広範囲に汚染してしまった場合の対処も示されていない。

 以上の問題より、赤泥については、投入不可とすべきである。仮に投入を認めるならば、有害物が含まれないとの保証を事業者にさせ、その上で全量検査をして有害物が発見されれば海洋投入を当該事業者の当該分だけでなく全事業者分について以後永久に禁止すべきである。また、原状回復は事業者の責任で行わせ、倒産した場合に安易に税を投入せずにすむよう、事業者負担の基金の創設も検討すべきである。

(2)建設汚泥
 海洋投入を中止するのが困難との説得力ある理由が示されておらず、中止は困難と判断したのは問題である。
 建設汚泥については、投入不可とすべきである。仮に投入を認めるならば、有害物が含まれないとの保証を事業者にさせ、その上で全量検査をして有害物が発見されれば海洋投入の禁止(当該分だけでなく全事業者について以後永久に)をすべきである。また、原状回復は事業者の責任で行わせ、倒産した場合に安易に税を投入せずにすむよう、事業者負担の基金の創設も検討すべきである。

(3)動植物性残さ
 海洋投入を中止するのが困難との説得力ある理由が示されておらず、中止は困難と判断したのは問題である。
 零細企業が多ければ、転換のための支援を検討すればよい。

(4)家畜ふん尿
 中止の判断は妥当である。

(5)その他
 行われないものと考えられる、とすませるだけでなく、明確に禁止を求めるべき。

4.3 水底土砂
 海洋投入を中止するのが困難との説得力ある理由が示されておらず、中止は困難と判断したのは問題である。少なくとも有害物質が含まれないことを個別に環境省が立ち会いのもとに検査し、証明すべきである。

「5.今後の廃棄物等の海洋投入管理制度の在り方」について

5.1 制度の基本骨格について

 海洋投入は基本的に禁止すべきものであり、認められるものはあくまで例外である。当該制度は有害物の投入が絶対に生じないよう安全側にたって定めるべきである。費用が高い、手間がかかるなどは反論にならないし、手続が厳しすぎて投入が事実上できない不利益よりも、有害物が誤って(あるいは故意に)投入されることの防止を重視すべきである。

 海洋投入の許可については、事業者に対し期限を定めて期限内の投入を許可するものではなく、投入1件1件について個別に行うべき。

 市民関与の機会を確保することに賛成であるが、案はその範囲を制度の改廃に限定しているように見える。関与の内容・範囲は単に制度の新設や改廃だけでなく、個別の投入の是非についても関与でき、また投入の内容や量、最小化がそれ以上困難な理由についても事業者に挙証責任を課し、事業者ごとに公開することとすべきである。投入の是非については個別審査とし、できれば裁判制度のように対審構造の場で審議し、審議委員を裁判官席に座らせ、申請した事業者に対して国民が誰でも質問でき、必ず回答をさせ、回答が満足にできなければ認めない制度とすることが望ましい。

5.2 附属書IIが求める仕組みへの対応の考え方
(1)廃棄物抑制審査等
 投入の内容や量、最小化がそれ以上困難な理由についても事業者に挙証責任を課し、事業者ごとに公開することとすべきである。
 投入の是非については個別審査とし、できれば裁判制度のように対審構造の場で審議し、審議委員を裁判官席に座らせ、申請した事業者に対して国民が誰でも質問でき、必ず回答をさせ、回答が満足にできなければ認めない制度とすることが望ましい。

(5)潜在的影響の検討等
 潜在的影響についても、国で検討するだけでなく、事業者に挙証責任を負わせ、事前に立証させると共に、仮にそれでも影響が出た場合には、国が立証するのではなく、投入と環境影響に蓋然性があれば、事業者が無関係であることを立証できない限り無過失責任とすべきである。案では免除基準が提案されているが、認めるべきではない。
 また、潜在的影響について国民など第三者が国に訴える制度を設け、訴えがあった場合には事業者に反証を求める制度とすべき。
 具体的しくみとしては、環境影響評価制度に類似した手続を踏ませ、できれば裁判制度のように対審構造の場で審議し、審議委員を裁判官席に座らせ、申請した事業者に対して国民が誰でも質問でき、必ず回答をさせ、回答が満足にできなければ認めない制度とすることが望ましい。全ての反証は不可能との意見に対しては、明らかに非常識なものを国が限定列記で定めればよい。

(6)監視
 事業者の監視と報告だけに留まらず、国としても監視を行うべき。国の監視は抜き打ちで実施し、調査研究も含み、費用は全て事業者に負担させるべき。環境影響が生じた場合には、投入の中止を求め、また原状回復を事業者に求める必要がある。事業者に規制を課し費用負担を課すからには透明性ある判断基準が必要であり、詳細は今後検討される必要があるが、基本原則として判断基準は国がその因果関係を立証するものであってはならず、国は海洋投入と生じた環境破壊の関連の蓋然性を示すだけで足り、事業者がそれを否定する立証を行えなかった場合には投入中止と原状回復を求められることとすべき。また、監視について国民など第三者が国に訴える制度を設け、訴えがあった場合には事業者に反証を求める制度とすべき。全ての反証は不可能との意見に対しては、明らかに非常識なものを国が限定列記で定めればよい。

(7)許可の見直し・更新制度
 海洋投入の許可については、事業者に対し期限を定めて期限内の投入を許可するものではなく、投入1件1件について個別に行うべき。
 個別申請ごとに有害物が含まれないとの保証を事業者にさせ、その上で全量検査をして有害物が発見されれば海洋投入を当該事業者の当該分だけでなく当該区分全事業者分について以後永久に禁止すべきである。

5.3 その他
 洋上焼却は海域にかかわらず今後一切禁止すべき。

以上





水需要過大見積もり、巨大ダム40基分
 全国市民オンブズマン公共事業専門委員会が、国と地方自治体の水需要予測を検証し、都道府県ごとの「生活用水過大予測量ワーストランキング」を作成、8月4日開催の第8回全国市民オンブズマン京都大会で発表した。
 これは予測値と実績から過大予測量を割リ出し、年給水べースに換算したもの。
 これによると全国ワースト1となった神奈川県の場合、一日最大給水量が393万立方メートルなのにたいし、予測値は529万立方メートルとなっている。年間換算の過大分は5.29億立方メートルにものぼっている。
 こうして47都道府県全体では、39.8億立方メートルもも過大な予測が行われている。これは日本の1億立方メートルをこえる巨大ダム50基のうち、40基分に相当する巨大な需要予測となっている。
 この過大予測の原因について同専門委員会では、国の水需要予測とダムの建設計画については、1978年作成の「長期水需給計画」が高度経済成長政策時代の増加率を2000年まで踏襲し、これを前提にダム計画が作られたからと指摘している。

生活用水過大予測量ワーストランキング(年給水量べ一ス)
 全国市民オンブズマン連絡会議調べ

順位 都道府県 過大予測量
(単位:百万u)
1 神奈川県 529
2 愛知県 300
3 干葉県 229
4 兵庫県 227
5 茨城県 206
6 東京都 185
7 大阪府 183
8 埼玉県 165
9 青森県 133
10 群馬県 125
11 岐阜県 123
12 鹿児島県 122
13 岩手県 120
14 宮城県 119
15 北海道 105

注:年平均給水量は、検証年の負荷率と利用量率等と365日を使って算出。

 

 


「水循環」でJNEPが意見書(99/1/22)


中央環境審議会水質部会と同地盤沈下部会が水循環問題に関して国民の意見を求めていたので、JNEPは1月22日付けで次の意見書を提出しました。


中央環境審議会水質部会
  同  地盤沈下部会 御中

1999年1月22日
(公害・地球懇 JNEP)

「環境保全上健全な水循環に関する基本認識及び施策の展開について」に関する意見

 このたび、標記施策の展開に関して広く国民に意見を求めたことに敬意を表します。
 私たちは、「環境保全上健全な水循環」が損なわれている最大の原因は他ならぬ国の開発政策にあり、水環境保全・水循環のためには国の政策転換が何よりも重要との認識に立ち、意見を述べます。

質問1 現在あなたのお住まいの地域で、川や湖、地下水などの豊かな水環境が保たれている例や悪化した例がありますか。

<JNEP意見> 周囲に悪化した例が数多く見られます。
川や湖、地下水などが悪化した例
・東京都西多摩郡日の出町の谷戸沢廃棄物処分場直下の谷戸沢下流で、重金属や塩素イオンなどが検出されています。また、近所の井戸からも重金属や塩素イオンなどが検出されています。日本環境学会の指摘によれば、谷戸沢廃棄物処分場のゴムシートが破れ、汚染物質が排出しているということです。
・霞ヶ浦の汚染がひどくなっています。霞ヶ浦総合計画に基づく淡水化の一貫としての堰を締め切ったことの影響と思われます。
・長良川河口の汚染がひどくなっています。明らかに長良川河口堰の影響と思われます。
・関東近辺の山の各地で沢の水が枯れたり、または流量が少なくなっていると言われます。上流の国有林の荒廃が原因と言われています。
・河川があふれる洪水が頻発しています。山の人工林が荒れたり、また都市近郊の水田が開発により減ったり、無理な減反政策で減らされ、田の保水機能が損なわれてきていることが原因と見られます。
・各地で有機塩素系物質による地下水汚染が報告されています。

質問2 1であげられた例に対して、地域でどのような取組がなされていますか。

<JNEP意見>
・廃棄物処分場、ダム建設等の反対運動を実施しています。
・国有林の荒廃を進める林野庁の大リストラ計画に反対しています。
・水田の復活を求めています。
・大企業による地下水汚染を監視すべく、運動を進めています。

質問3 今後健全な水循環を維持・回復するうえで行うべき対策のアイデアはありませんか。

<JNEP意見> 各地で無理な公共事業を行ったり、自治体が水源地に廃棄物処分場を建設したり、あるいは水源地域で重要な保水機能を有していた国有林管理を放棄したりしていることが原因です。国や自治体がなすべきことをせず、あるいは余計な事業を行い、何とか保たれていた水環境・水循環を自ら破壊しているのです。こうした水環境保全、水循環保全に逆行する開発政策を抜本的に改めることが不可欠です。このことは環境政策内部で解決できる問題でなく、開発政策を環境政策の下に置き、その抜本転換と今後のコントロールが不可欠です。以下に各分野の対策のアイデアを述べます。
・廃棄物処分場は水源地に建設することを禁止すべきです。
・ダム建設は原則として行わないこととすべきです。
・計画アセスメントを法制化し、水環境を含む環境破壊の恐れのある事業は行わないこととすべきです。
・産業廃棄物処分場、ゴルフ場、工場による河川、湖沼、地下水汚染に対しては、アメリカ連邦政府が有害廃棄物汚染に対してとっている「スーパーファンド法」のような、汚染者負担原則を拡大した原状回復の担保が有効です。直接の事業者は倒産したり、負担能力のなくなる場合もありますので、連結決算や投資をしている関連企業、融資している金融機関なども対象に加えることが必要です。
・健全な水循環を守るためには、人工林を含めた森林保全、田の保水機能の維持強化を図っていく必要があります。そのためには、林野庁の大リストラ計画を白紙に戻し、環境保全を兼ねた国有林野の再生を図るべきです。また、米の輸入自由化政策を転換し、減反を最小限に留めて水田の拡大を図るべきです。

質問4 水質、地盤沈下両部会でとりまとめた「環境保全上健全な水循環に関する基本認識及び施策の展開について」の中間まとめに対するご意見をお聞かせください。

<JNEP意見>
・これまでの「施策」に、建設省などの開発官庁の対症療法的施策が幾つか入っていますが、逆に無謀な公共事業の弊害、廃棄物処分場建設や許可の弊害、などが触れられていません。

・以上に述べた意見をぜひ最終答申に盛り込まれますようお願いします。


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