環    JNEP掲示板

 

2006/02/05 更新

 JNEP会員とJNEPのホームページをご覧いただいた読者のご要望により、このページが作られました。
環境問題に関するあれこれの話題や、ご意見などの掲載を希望されるかたは「ご意見コーナー」から投稿ください。自由書き込み形式ではありません。掲載基準は一般的ルールに準じますが、内容によっては掲載をお断りするものもあります。

 

 

 

 

 

 

 

 

よみがえれ! 有明海
有明海訴訟を支援する長崎の会ホームページから

 

ゆるせないイトーヨーカ堂の営業政策(06/02/05)/渡辺 章
イオン東久留米ショッピングセンター建築事業への意見書(06/02/02)/藤田敏夫
(仮称)西友府中店建築事業への意見書(06/02/01)/藤田敏夫
イトーヨーカドーSC建築事業への意見口述(06/02/01)/藤田敏夫
市民環境アセス講座プレ企画(05/09/19)/市民環境アセス講座実行委員会
大気汚染測定東京報告会(05/09/19)/大気汚染測定運動東京連絡会
市民活動のための環境アセスメント講座(05/09/19)/環境アセス都民連
都知事申入れ ディーゼル規制評価を再検討せよ(05/07/30)/大気汚染測定運動東京連絡会
グリーンウオーク多摩事業アセスへの意見(05/05/25)/藤田敏夫
ドキュメンタリー映画『水俣』など土本作品一挙上映(05/04/02)/シネ・ヌーヴォ
臨海都民オンブズマンが臨海三セク破綻処理の提言(05/03/20)/藤田敏夫
目黒区の大気汚染測定のデータ集計ができました(05/01/17)/冨田悦哉
イトーヨーカ堂新亀有店の出店をやめよ/アセス意見(04/03/19)/藤田敏夫
環状2号線(晴海〜築地間)の地上化に反対する/アセス意見(04/03/08)/藤田敏夫
よみがえれ!有明海 農水省を囲む「人間の輪」に加わろう(04/3/30)/弁護士 後藤富和 福岡第一法律事務所
中央環状品川線は環境負荷を増大させる/アセス意見(04/01/14)/藤田敏夫
裏高尾土地収用公開審理は空転(03/12/23)/高尾山の自然をまもる市民の会
都収用委、裏高尾の収用審理で暴挙(03/11/28)/高尾山の自然をまもる市民の会
ごみ固形化燃料施設事故で都に対策要求(03/10/29)/アセス都民連
東京駅八重洲口開発事業の環境影響評価書案及び見解書に対する意見(03/10/10)/藤田敏夫
目黒区実行委の6月大気汚染測定結果(03/09/10)/冨田悦哉
放射5号線環境アセスに対する意見(03/09/02)/藤田敏夫
2003年度大気汚染全国測定運動に参加しませんか(03/4/30)/大気測定全国実行委員会
川口リサーチパーク計画が正式中止、種の保存法初適用(03/03/28)秋山/八王子の天合峰を守る会
全都一斉NO2測定集計まとまる(03/03/19)/冨田悦哉
東京湾の再生を言うなら、有明北の16万坪の埋め立てを中止せよ(03/01/18)/藤田敏夫
有害土壌汚染宅地と向き合った苦闘の4年間(02/11/22)/松井四十二
まちづくりウォッチングで危険個所チェック(02/11/18)/今沢健而
外環反対連絡会、交通量削減で市川市に申し入れ(02/11/02)/尾崎敏夫
ヨハネスブルグ・開発環境サミット見聞抄録(02/10/22)/長野晃
東京の大気汚染が悪化…ディーゼルNO作戦効果見えず(02/08/25)/藤田敏夫
青森・岩手県境への全国最大規模の産廃不法投棄事件と住民の取組み(02/08/20)/水越直一郎
環境保全に提案(タバコ問題と水質汚濁について)(02/08/15)/国友勝昭
臨海開発の違法性突く≪臨海裁判≫を支援して下さい(02/06/24)/藤田敏夫
有事法制3法案阻止めざす公害・環境運動関係者共同アピール(02/06/16)/小池信太郎
東京都アセス条例改正の背景と問題点(02/06/13)/藤田敏夫
裏高尾など逆転層アセスは出鱈目だったことが判明(02/02/28)/藤田敏夫
圏央道・牛沼の土地強制収用の「現地見学会」と「学習交流集会」(02/02/05)/清水 瀞


恐怖のガス化熱溶融炉の有害物質(01/09/28)/青木昇@茨城県笠間市民
放射5号線の緊急事態について訴える(01/08/03)/首都圏道路問題連絡会
小山の環境を考える市民の会の活動です/松島町子
大都市の大気汚染状況を国会陳述/藤田敏夫
問題だらけの外環道計画は見直しを(01/04/22)/喜多見ポンポコ会議
住宅密集地の公害道路は白紙撤回を(01/04/12)/福山バイパスと区画整理を考える会
国立感染症研究所細菌部主任研究官 新井秀雄氏の処分撤回を求める抗議行動(01/02/12)/本田孝義
開発と自然保護テーマに円海山でシンポ(01/01/31)/清水瀞
田中正造について(01/01/11)/門田俊宏


2000年札幌市総合環境講座の聴視受講を終えて(00/12/20)/門田俊宏
日本最大の新聞印刷工場の建設めぐりホットな論争(00/12/20)/伊瀬洋昭
今後の自動車排出ガス総合対策で環境庁に要望(00/12/15)/藤田敏夫
大阪の公害・環境問題運動資料あります(00/11/21)/長野晃
圏央道牛沼トラスト地の土地調書に異議あり(00/11/05)/柳田由紀子
トラック業界除く超過課税は問題(00/10/26)/鈴木久夫
臨海部高層マンションも大気汚染(00/10/17)/藤田敏夫
中央環状王子線は非常識な道路建設の典型(00/09/27)/藤田敏夫
読売新聞など巨大印刷工場建設と公害問題(00/09/27)/藤田敏夫
圏央道工事でホトケドジョウの生息地は丸裸(00/09/26)/高安稔行
八王子城跡のオオタカと保護問題(00/08/17)/小池清
圏央道牛沼の土地収用は許さない(00/08/17)/鈴木進
東京都環境白書と政策矛盾(00/07/08)/標博重
在来線を守り公共交通確立するシンポ(00/07/05)/小池信太郎
ドキュメンタリー『科学者として』近日公開(00/06/05)/芝田進午
予研(感染研)裁判、7月25日に最終弁論(00/06/05)/芝田進午
ヤングが高尾山自然ウオッチング(00/5/24)/小池信太郎
高尾山問題は話し合いで(00/5/18)/若井慎一
所沢ダイオキシン問題の現状(00/4/24)/上野和義
「オオヒシクイ裁判」で保護の必要性認める(00/3/30)/清水瀞
高尾山にトンネルを掘らせない都民集会に450人(00/3/26)/舘浩道
八戸で公害地球懇講演会と核燃料サイクル施設視察(00/3/25)/舘浩道
G8環境大臣会合へのNGOアピールに賛同を(00/2/11)/あおぞら財団


今世紀の反省(99/12/9)/坪内晟
日本の原発行政はここがおかしい!(99/11/29)/坪内晟
名古屋あおぞら裁判が「名古屋本社要請行動」(99/11/24)/松光子
ECO ASIA’99 SAPPORO(99/9/5)/門田俊宏
ナキウサギ裁判傍聴記総集編(99/6/6)/門田俊宏
ナキウサギ裁判傍聴記(99/4/15)/門田俊宏
ナキウサギ裁判傍聴記(99/2/4)/門田俊宏
産廃処理場の悪臭と煙なんとかして(98/12/7)/千葉・白井町一住民
ナキウサギ裁判傍聴記(98/11/26)/門田俊宏
ナキウサギ裁判傍聴記(98/9/17)/門田俊宏
ナキウサギ裁判傍聴記(98/7/16)/門田俊宏

 

 


ゆるせないイトーヨーカ堂の営業政策

環境アセスメント都民連絡会
渡辺 章



1.イトーヨーカ堂の営業政策が倫理的・教育的にゆるされてよいか

 イトーヨーカ堂は、昨年、西武デパート、そごうを傘下におさめることで、日本の販売シェアの60%以上を支配す日本一の流通企業になりました。それだけにイトーヨーカドーの営業政策は、日本社会に大きな影響力をもっております。とくに、次代を担う子供たちに及ぼす影響を考えて高い倫理感をもって営業政策のあり方を振り返る社会的責任をもっていると考えます。
イトーヨーカドー西新井SC出店計画で実施されている環境アセスメントにたいして周辺住民からつぎのような意見が提出されました。「このショッピングセンター建設予定地周辺は、幼稚園・小中学校がそれぞれあります。中学校の前は、SCの正面出入口やオープンカフェテラスに予定されています。こうした環境が、教育や住民の日常生活に相応しいものとは思えません」
こうした住民の意見にたいして事業者は、見解書で「学童が保護者と同伴せず来店されるなど不適切な状況を生じないよう、店舗には死角をつくらない。定期的に警備員が巡回して声かけを行う等の対策を行います」と答えていますが、住民の問題意識とこれくらいかけ離れた見解にはおどろかされました。なぜなら、SCは華やかに消費者の消費意欲を刺激する場であり、それは子供たちの消費意欲をも刺激し、その結果として万引きなどの非行に走ったりしないだろうかとの心配を住民はしているのです。そのことは警備員が巡回したからといって解決することではありません。
 そもそも、今回のSCのように、シネマコンプレックスや飲食街をはじめ、ありとあらゆる消費ニーズに対応した施設をつくり、地域の消費ニーズを独占的に吸収するような営業のあり方は、感受性のやわらかい子供たちにゆがんだ影響を及ばす危険を含んでいると考えるからです。つまり、力のあるものはますます利益を独占し大きくなっていける。力こそ正義であり、しかも力あるものには、足立区や東京都などが「周辺整備」という便宜までも提供してもらえ、ますます力を伸ばしていけるのだと。
 私は、こうした現象にであうと中国の昔話をおもいだします。いまから2150年ほどの昔、つまり紀元前150年まえの中国は漢の時代、武帝が国を治めていた時のことです。武帝は全国の賢人を集めて「国を治めるに当たって大事なことは何か」と問いかけました。この問いに董仲舒という人が次のように答えました。「大利あるものは小利を争うべからず」この時代ですから大利あるものとは、将軍や朝廷の高官たちのことです。そのような社会的に高い地位にあるものが、百姓や小商人と利を争えば大利をもつものが勝つに決まっているから国が乱れるもとになると提言したのです。
 今の時代は、社会の姿が違いますが、日本社会の消費シェアの60%以上を握るイトーヨーカ堂は、まさに大利を有するものだと私は考えます。そうした企業に足立区や東京都はさまざまに便宜をはかっている姿を見ると、倫理的に異常な姿に映るのは私だけのことでしょうか。こうした姿を見て成長する子供たちはどんな倫理感をもつ人間に成長するのでしょうか。そうした大規模なショッピングセンターの営業は、古くからの商店街を疲弊させ、買い物困窮者とよばれる生活困難者まで生み出しています。そのうえ営業成績が思うように伸びないとさっさと引き上げてしまうなど、いまや社会問題にすらなっています。こうした営業政策は、根本的に見直す時代になっていることをイトーヨーカ堂関係者のみなさんに強く訴えるものです。

2、大量生産・大量消費・大量廃棄の時代は終わった

 イトーヨーカ堂が出した「企業の社会的責任報告書2005」を読むと、最高経営責任者の鈴木敏文氏は、企業の社会的責任について次のように述べています。
 「企業の社会的責任とは、企業は利益ばかりでなく、人権、労働といった社会的問題、また環境問題について深く考え、企業をとりまくさまざまなステークホルダーにたいする説明責任を果たしながら、共生を図る、そのような経営をしていくことだと考えております。そうした意味で、企業がCRS(企業の社会的責任)について深く考えることが、お客様、投資家などステークホルダーの皆様から信頼されることにつながり、企業の信頼やブランド力の向上につながると考えています」
 今度の環境アセスにたいして都民から次の意見が寄せられています。「日清紡とイトーヨーカ堂が計画しているショッピングセンターには1550台の駐車場がつくられる。駐車場が1日4〜5回転すると約14000台〜15000台の自動車がこの地域に集中発生することになる。これは東京都の環境基本計画が目指す「自動車交通に依存しない都市づくり」にも「自動車使用東京ルール」にも反するのではないか」との指摘に対して、「大規模小売店舗の設置者が配慮すべき事項に関する指針」に基づいて行っていると延べ、東京都の「環境基本計画」に対する見解を明らかにしませんでした。そもそも「指針」は全国を対象にしたものであり、東京都の特別な事情には考慮していません。こうした見地は、鈴木敏文氏が述べる企業の社会的責任と合致するのでしょうか。そもそもイトーヨーカ堂のような量販店は、大量生産・大量消費・大量廃棄を流通面から支えたきた企業だと私は考えています。
 1992年ブラジルのリオで開かれた国際環境会議は、「アジェンダ21」という行動計画を採択して世界の国々が環境対策に取り組むことを求めました。このアジェンダ21が提起した問題が「大量生産・大量消費・大量廃棄」というサイクルからの脱却です。地球の温暖化など環境問題の背景には、「大量生産・大量消費・大量廃棄」という消費サイクルと貧困問題の克服が重要であるとアジェンダ21は呼びかけています。
 アジェンダ21が採択されたから、すでに12年がすぎましたが、この問題は少しも前進しているように見えません。昨年、環境アセスの手続きが行われた武蔵村山市の弁当工場の生産目標は一日35万食です。日本は世界一の食糧輸入国ですが、輸入した食糧の20%が捨てられています。飢えで苦しむ何億の人々がいるのに日本では大量の食糧を捨てているのです。
 また家庭電器製品を量販店があつかうようになってから、修理して使用する生活が後退し、壊れたら買い換えるが主流となりました。どちらが先かわかりませんが、電気メーカーのサービスセンターの数が大幅に減少しました。こうした現状にどのように応えていくのか、流通業界が直面する最重要課題がこの問題であると私は考えています。口先だけの「環境にやさしい」ではなく、本当の意味で持続可能な社会を築くために流通業界最大手のイトーヨーカ堂が、この課題に率先して取り組み先駆けとなることを期待するものです。

3、バイオ技術の使用について

土壌汚染を浄化するためにバイオ技術をつかう場合は、安全性の評価が、事業者にとって未だ経験が浅いので、統一された評価手法が存在していないのが現状だとして、昨年2月、経済産業省のバイオレメディメーション小委員会が「利用指針」を出しました。この技術による汚染浄化について内容の公開を求めたところ、この「指針が対象としているのはバイオオーグメイションだけで、バイオスティミュレーションは対象外」との見解です。しかし、この土壌汚染処理は、すでに実施されたものであり、実施前と実施後の変化を半年後・1年後・2年後と時間を追って効果の様子を公開すればよいことなのになぜ、そうしたことが公開出来ないのでしょうか。そうした裏づけを明らかにしないでおいて「揮発性有機化合物のバイオによる浄化にともなう土壌環境への影響はない」と言われても納得できないではありませんか。昨年は、北区の豊島5丁目団地でダイオキシンによる土壌汚染が見つかり大問題となったことは、皆さんご承知の通りです。こうした事態を引き起こさないためにも、土壌浄化に用いた微生物の種類、その微生物を活性化するために使われた栄養素の内容、処理後の効果を時間的経過を追って数値的に明らかにする必要があると考えます。
 イトーヨーカ堂の「ステークホルダー・エンゲージメント(約束)」は、環境について「環境マネージメントの改善」「地球温暖化防止対策の推進」「省エネルギー・省資源の推進」「廃棄物排出量の削減と適正化」の4つをあげていますが、こうした積極的姿勢と今回のバイオ技術を使った土壌処理に対する非公開の態度はどこで一致するのでしょうか。今回の事業計画者は、もう一度イトーヨーカ堂のCSR(企業の社会的責任)を読み直して環境影響評価にのぞむように希望するものです。
 


イオン東久留米ショッピングセンター建築事業への意見書

環境影響評価調査計画書
イオン東久留米ショッピングセンター(仮称)建築事業に対する意見書

東京都大田区南雪谷4−7−15  藤田敏夫
(環境省登録環境カウンセラー・市民部門)


1.大都市郊外部の大型店規制の動きに逆らう駆け込み出店計画

 最近各地に大型SCが進出し、地元の既成商店街が衰退して、空洞化していることから自治体によっては、独自に大型店舗の出店を規制する条例を作るところが現れています。 内閣府が行った世論調査では、「大型店の規制が必要だ」と答えている人は60%に達しています。小泉首相も、現在開かれている国会の施政方針の中で、「中心市街地の空洞化に歯止めをかけ、高齢者でも暮らしやすい賑わいのある街を再構築して参ります。」と述べています。
 国土交通大臣の諮問機関である「社会資本整備審議会」の都市計画部会は、中心市街地の空洞化を防ぐため、大型店の郊外部への出店を抑制する答申を提出しました。
 このような国民・市民の要求をよそに、イオンが東久留米市内に自動車集客の大型SCを駆け込み出店することは、国民世論に逆らい、政府の方針を無視する暴挙と言わねばなりません。私は地元の商店街を破壊した上で環境破壊する計画をイオンは撤回して貰いたいと思います。

2.イオン東久留米大型SCの建設事業は東京都環境基本計画の趣旨に反し、自動車使用に関する東京ルールに違反する事業計画

 事業者も参考にした資料に、東京都環境基本計画があります。この計画の中で、東京都は、現在の東京の環境の二つの危機として、自動車交通の増大による大気汚染と地球温暖化に伴うヒートアイランド現象の深刻化を挙げています。
 事業者は建設予定地の人家が密集した地域に現在以上に自動車交通を誘発することによってこの地域の環境の危機を益々増大させることになるのです。この基本計画では、「東京を過度に自動車交通に依存しなくてもよい都市にしていくことが必要」と強調しています。しかし事業者は環境基本計画について説明しながら、環境の危機については一切触れていません。事業者は、環境基本計画に180°逆行する自動車による集客SCの建設は取り止めて貰いたいと思います。
東京都は都民、事業者とともに、自動車公害の防止及び環境負荷の低減を図るため、1999年12月に、「自動車使用に関する東京ルール」を決定しました。
このルールは、
         ルール1:「自動車の使用を減らす」
         ルール2:「低公害な自動車を利用する」
         ルール3:「環境に優しい運転などを行う」

ことを掲げています。これらのルールは東京都が勝手に決めたものではなく、環境問題に取り組んでいる都民代表、都内で事業を行っている業界団体代表、学識経験者、国及び区市町村などの委員で構成される「環境パートナーシップ東京会議」の総意としてまとめられたものです。
 イオンはルール1などの都民を大気汚染公害から守るために自ら決めた「自動車使用に関する東京ルール」に反する事業計画を取り止めて下さい。

3.駐車場の必要台数の確保は経済産業省の指針の40%

 事業者が12頁の駐車場計画で引用している「大規模小売店舗を設置するものが配慮すべき事項に関する指針」(以後マニュアルという)では、「 駐車場の必要台数の確保」を示しています。出店計画地は近隣商業地域です。マニュアルに示された計算方式によって計算すると、イオン東久留米SCの場合は、必要駐車台数は2,020台ではなく、5,014台になります。ただ、計画書ではピーク率の具体的な数字を示していません。他の項目はマニュアル通りとすると、2,020台とするにはピーク率は5.8%となってしまいます。こんな非常識なピーク率は考えられません。
 また、マニュアルは「特別な事情の場合を除いて上式で計算する。」と述べていますが、「特別な場合とは以下に掲げるような内容を指す。」と述べています。
1.市街地再開発事業等当該店舗の周辺における交通対策を含めた総合的な計  画に基づいて店舗計画が立てられ、周辺の地域における駐車需要の充足に  ついて十分な対応がなされる場合。
2.シャトルバスの運行、パークアンドライド事業への参加等により自動車に  よる来客が減少することが見込まれる場合。
3.車両の乗り入れが禁止されるなどにより当該大規模小売店舗への自動車で  の来客が事実上見込めないあるいは極めて少ないと認められる場合。
4.(大型家具店に関する事項のため、省略)
5.当該大規模小売店舗の周辺の地域における自動車の利用状態に照らして、  来客の自動車分担率が以下の表に示す値では過少または過大である場合。
  イオン東久留米SC出店計画には以上に示した特別な場合は見当たりませ  ん。
さらにマニュアルは駐車待ちスペースの確保として、次の式を示していますが、事業者は駐車待ちスペースについては何も触れていません。
「各入り口に必要な駐車待ちスペース」=(当該入り口の1分当たりの来台数×1.6−当該入り口の1分当たりの入庫処理可能台数)×6(m:平均車頭間隔)

4.大気汚染と気象の現地調査について

 既存資料として、気象庁のアメダス練馬観測所と府中観測所のデータが引用されていますが、この測定点は計画書に示されているすべての地図からはみ出した場所にあります。また、府中観測所の風配図を見ると、風速が0.4m/sec以下の静穏日が15.7%もあります。主に秋口から春先に多い静穏日は、大気が安定して、大気汚染が悪化する典型日なのです。これが16%近くある地域に自動車交通を集中させると、排ガスが拡散されずに高濃度汚染が予想されます。従って、この地域に自動車集客大型SCを建設することは避けるべきです。
また、地域の概況調査の中で、大気汚染に関して、平成16年度の二酸化窒素と浮遊粒子状物質の調査結果が示されていますが、平成16年度は4,5,6,8,9,10,12月は風速が強く、統計的には異常年と判定されているので、平成15年度以前を参照した方がよいと思います。(図1参照)
 環境NGO大気汚染測定運動東京連絡会に参加している東久留米市の婦人団体が毎年6月と12月に2kmメッシュ測定で、市内5カ所で二酸化窒素の簡易測定を行っています。データが揃っている2001年以後の6月と12月の平均濃度を図2に示します。明らかに上昇傾向にあります。

             図1



             図2



 また、大気汚染の現地調査は手抜きです。大気汚染は気象の季節変化などで、夏に低く、冬は高くなります。従って一季7日間では全貌はつかめません。東京都環境影響評価技術指針は大気汚染の調査手法の調査期間として、「調査期間は、気象等の状況を考慮して、年間を通した大気質の状況を適切に把握しうる期間とする。」と述べています。従って、少なくとも年間四季各1週間を調査期間とすべきです。
 騒音の調査結果は、計画地に近い測定点NO.1,NO.2及びNO.7では昼、夜とも現状で環境基準をオーバーしている状況です。そこへ24時間自動車交通を呼び込めば、近くの家では騒音で悩まなければなりません。

5.低周波音についての調査計画がない

 大型SCの場合は必ず屋上などに冷却塔が数基設置されるはずです。これらの冷却塔からは低周波音が発生します。低周波音はエネルギーが強くて、遠くまで到達し、家屋の窓ガラスや雨戸などをがたがた振動させたりして居住者に不快感を与えます。また、エネルギーが強いので、健康にも影響を与え、頭痛、めまいを引き起こしたり、胸に圧迫感を与えて、躁鬱病を引き起こすことが証明されています。ところが、事業者は低周波音について何も説明せず、調査・予測項目にも挙げていないことは納得できません。

6.地球温暖化防止のため24時間営業計画は取り止めること

 現在、全国各地で、24時間営業のスーパーや大型店で、強盗・殺人事件が頻発しています。また、青少年に悪い環境を与え、暴走族や深夜族のたまり場になりかねません。
 それ以上に、わが国は2012年までに地球温暖化防止京都議定書で温室効果ガスを90年対比で6%減らす計画ですが、計画書71頁の表6.2−17に示されているとおり、東京では、2002年度は90年度対比で、15.9%増加しています。従って、これから5年間は温室効果ガスの排出量を大幅に減らさなければなりません。これは地球環境を保全するための大戦争なのです。こんな時期に、24時間営業の大型SCを建設することはエネルギーの浪費を助長して、16%削減に水を浴びせる利敵行為と言わねばなりません。この点からもイオン東久留米SC建設は取り止めて貰いたいと思います。(以上)
 


●(仮称)西友府中店建築事業への意見書

環境影響評価調査計画書
(仮称)西友府中店建築事業に対する意見書

東京都大田区南雪谷4−7−15  藤田敏夫
(環境省登録環境カウンセラー・市民部門)


1.大型店規制の動きに逆らう駆け込み出店計画
 最近各地に大型SCが進出し、地元の既成商店街が衰退して、空洞化していることから自治体によっては、独自に大型店舗の出店を規制する条例を作るところが現れています。 内閣府が行った世論調査では、「大型店の規制が必要だ」と答えている人は60%に達しています。小泉首相も、現在開かれている国会の施政方針の中で、「中心市街地の空洞化に歯止めをかけ、高齢者でも暮らしやすい賑わいのある街を再構築して参ります。」と述べています。
 また、二階経済産業大臣も、「中心市街地の空洞化は目を覆うばかり、まちづくりという観点から大きな政治課題だ。」と答弁しました。そして、現在開会中の通常国会に都市計画法の改正案を提出して、大型店の郊外部での出店を抑制する方向を打ち出しています。
 このような国民・市民の要求をよそに、西友が府中市内に自動車集客の大型SCを駆け込み出店することは、国民世論に逆らい、政府の方針を無視する暴挙と言わねばなりません。私は地元の商店街を破壊した上で環境破壊する計画を西友は厳に慎むべきだと思います。

2.西友府中大型SCの建設事業は東京都環境基本計画の趣旨に反し、自動車使用に関する東京ルールに違反する
事業者は見ていないようですが、東京都環境基本計画があります。この計画の中で、東京都は、現在の東京の環境の二つの危機として、自動車交通の増大による大気汚染と地球温暖化に伴うヒートアイランド現象の深刻化を挙げています。
事業者は建設予定地の人家が密集した地域に現在以上に自動車交通を誘発することによってこの地域の環境の危機を益々増大させることになるのです。この基本計画では、「東京を過度に自動車交通に依存しなくてもよい都市にしていくことが必要」と強調しています。事業者は、この環境基本計画を雛形にして、この計画に180°逆行する自動車による集客SCの建設は取り止めて貰いたいと思います。
東京都は都民、事業者とともに、自動車公害の防止及び環境負荷の低減を図るため、1999年12月に、「自動車使用に関する東京ルール」を決定しました。
このルールは、

     ルール1:「自動車の使用を減らす」
     ルール2:「低公害な自動車を利用する」
     ルール3:「環境に優しい運転などを行う」

ことを掲げています。これらのルールは東京都が勝手に決めたものではなく、環境問題に取り組んでいる都民代表、都内で事業を行っている業界団体代表、学識経験者、国及び区市町村などの委員で構成される「環境パートナーシップ東京会議」の総意としてまとめられたものです。

 西友はルール1などの都民を大気汚染公害から守るための「自動車使用に関する東京ルール」に反する事業計画を取り止めて下さい。

3.発生・集中交通量ではなく、駐車場の必要台数の確保
 事業者が13頁の表4.2−3で引用している「大規模小売店舗を設置するものが配慮すべき事項に関する指針」(以後マニュアルという)では、「発生・集中交通量」ではなく、「 駐車場の必要台数の確保」を示しています。出店計画地は工業地域です。大規模小売店舗を設置するものが配慮すべき事項に関する指針に示された計算方式によって計算すると、西友府中店の場合は、必要駐車台数は1,150台ではなく、3,954台になります。ただ、計画書ではピーク率を既存店舗事例としているだけで、具体的な数字を示していません。他の項目はマニュアル通りとすると、1,150台とするにはピーク率は4.6%となってしまいます。こんな非常識なピーク率は考えられません。
 また、マニュアルは「特別な事情の場合を除いて上式で計算する。」と述べていますが、「特別な場合とは以下に掲げるような内容を指す。」と述べています。

1.市街地再開発事業等当該店舗の周辺における交通対策を含めた総合的な計画に基づいて店舗計画が立てられ、周辺の地域における駐車需要の充足について十分な対応がなされる場合。
2.シャトルバスの運行、パークアンドライド事業への参加等により自動車による来客が減少することが見込まれる場合。
3.車両の乗り入れが禁止されるなどにより当該大規模小売店舗への自動車での来客が事実上見込めないあるいは極めて少ないと認められる場合。
4.(大型家具店に関する事項のため、省略)
5.当該大規模小売店舗の周辺の地域における自動車の利用状態に照らして、来客の自動車分担率が以下の表に示す値では過少または過大である場合。

西友府中店出店計画には以上に示した特別な場合は見当たりません。
さらにマニュアルは駐車待ちスペースの確保として、次の式を示していますが、事業者は駐車待ちスペースについては何も触れていません。

「各入り口に必要な駐車待ちスペース」=(当該入り口の1分当たりの来台数×1.6ー 当該入り口の1分当たりの入庫処理可能台数)×6(m:平均車頭間隔)

4.大気汚染と気象の現地調査について
 既存資料として、気象庁のアメダス府中観測所のデータが引用されていますが、この測定点は計画書に示されているすべての地図からはみ出した場所にあります。そして風配図を見ると、風速が0.4m/sec以下の静穏日が15.7%もあります。主に秋口から春先に多い静穏日は、大気が安定して、大気汚染が悪化する典型日なのです。これが16%近くある地域に自動車交通を集中させると、排ガスが拡散されずに高濃度汚染が予想されます。従って、府中市四谷地域に自動車集客大型SCを建設することは避けるべきです。
 また、地域の概況調査の中で、大気汚染に関して、平成16年度の二酸化窒素と浮遊粒子状物質の調査結果が示されていますが、平成16年度は年間を通して風速が強く、気象的には異常年と判定されているので、平成15年度以前を参照した方がよいと思います。
 環境NGO大気汚染測定運動東京連絡会に参加している大気汚染測定運動府中連絡会が毎年6月と12月に2kmメッシュ測定で、出店計画地に近い府中市四谷5−39で二酸化窒素の簡易測定を行っています。データが揃っている2001年以後の6月と12月の平均濃度を図に示します。明らかに上昇傾向にあります。






 大気汚染の現地調査は手抜きです。大気汚染は気象の季節変化などで、夏に低く、冬は高くなります。従って一季7日間では全貌はつかめません。東京都環境影響評価技術指針は大気汚染の調査手法の調査期間として、「調査期間は、気象等の状況を考慮して、年間を通した大気質の状況を適切に把握しうる期間とする。」と述べています。従って、少なくとも年間四季各1週間を調査期間とすべきです。
 騒音の調査結果は、計画地に近い四谷通では、昼、夜とも現状で環境基準をオーバーしている状況です。そこへ24時間自動車交通を呼び込めば、近くの家では騒音で悩まなければなりません。 

5.低周波音についての調査計画がない
 大型SCの場合は必ず屋上などに冷却塔が数基設置されるはずです。これらの冷却塔からは低周波音が発生します。低周波音はエネルギーが強くて、遠くまで到達し、家屋の窓ガラスや雨戸などをがたがた振動させたりして居住者に不快感を与えます。また、エネルギーが強いので、健康にも影響を与え、頭痛、めまいを引き起こしたり、胸に圧迫感を与えて、躁鬱病を引き起こすことが証明されています。ところが、事業者は低周波音について何も説明せず、調査・予測項目にも挙げていないことは納得できません。

6.地球温暖化防止のため24時間営業計画は取り止めること
 現在、全国各地で、深夜営業のスーパーや大型店で、強盗・殺人事件が頻発しています。また、青少年に悪い環境を与え、暴走族や深夜族のたまり場になりかねません。
 それ以上に、わが国は2012年までに地球温暖化防止京都議定書で温室効果ガスを90年対比で6%減らす計画ですが、東京では、2004年度は逆に7.4%も増加しています。従って、これから5年間は温室効果ガスの排出量を大幅に減らさなければなりません。こんな時期に、24時間営業の大型SCを建設することはエネルギーの浪費を助長して、13%削減に水を浴びせる悪質な行為と言わねばなりません。この点からも西友府中店建設は取り止めて貰いたいと思います。(以上)



●イトーヨーカドーSC建築事業への意見口述

日清紡績東京工場跡地イトーヨーカドーSC建築事業に係わる都民の意見を聴く会での口述

大田区南雪谷4−7−15 藤田敏夫
(環境アセス問題都民連絡会 代表幹事)


1.自動車による集客の大型SC建設は足立区の大気汚染公害を悪化させる

 日清紡とイトーヨーカドーは1,550台の駐車場を持つ大型ショッピングセンターを足立区西新井栄町に建設するため、環境影響評価手続きを進めている。
 来店車両数は、休日は8,600台、平日に5,100台を想定している。駐車場は休日が4回転、平日は3回転とすれば、駐車場収容台数は、2,150台なければならないので、休日は約600台の自動車は周辺の道路上に長い列を作って、アイドリングを続ける結果、周囲の大気汚染を悪化させる恐れがある。
事業者が参考とした資料の中に、東京都環境基本計画がある。この計画の中で、東京都は、現在の東京の環境の二つの危機として、自動車交通の増大による大気汚染と地球温暖化に伴うヒートアイランド現象の深刻化を挙げている。事業者は建設予定地の人家が密集した地域に現在以上に自動車交通を誘発することによってこの地域の環境の危機を益々増大させることになるのである。この基本計画では、「東京を過度に自動車交通に依存しなくてもよい都市にしていくことが必要」と強調している。事業者は、この環境基本計画に180度逆行する自動車による集客SCの建設は取り止めて貰いたい。

2.自動車使用に関する東京ルールに反する建設事業

 東京都は都民、事業者とともに、自動車公害の防止及び環境負荷の低減を図るため、1999年12月に、「自動車使用に関する東京ルール」を決定している。
 このルールは、

     ルール1:「自動車の使用を減らす」
     ルール2:「低公害な自動車を利用する」
     ルール3:「環境に優しい運転などを行う」

ことを掲げている。これらのルールは東京都が勝手に決めたものではなく、環境問題に取り組んでいる都民代表、都内で事業を行っている業界団体代表、学識経験者、国及び区市町村などの委員で構成される「環境パートナーシップ東京会議」の総意としてまとめられたものである。
 事業者はルール1などの都民を大気汚染公害から守るための「自動車使用に関する東京ルール」に反する事業計画を取り止めて貰いたい。

3.大型ショッピングセンター予定地は大気汚染地域

大型ショッピングセンター予定地に近い東京都西新井測定局では平成11年以来NO2は年平均値が0.029〜0.03ppmである。これらの濃度は東京都が「環境基準達成の目安値」としている値である。言い換えれば、これ以上増えたら環境基準歯達成できないぎりぎりの値と言える。特に国道4号線近くの梅島測定局ではこの値を大きく超えている。
また、健康に重大な影響がある浮遊粒子状物質(SPM)は平成11年度の0.058mg/m3から平成14年度の0.035 mg/m3と4年間にわたって「環境基準達成の目安値」である0.035 mg/m3を大きく超えている。
   光化学スモッグも最近悪化傾向にある。オキシダントの主成分であるオゾンは非常に酸化力が強く、目がチカチカするだけでなく、吸い込むと気管支に障害を起こす恐れがある。
光化学スモッグは広域汚染なので、計画地から1.1km離れた西新井局でもこの地域の汚染状況を代表できる。最近5年間に測定されたオキシダント濃度の年平均値は、第1図のように年年直線的に上昇している。

               第1図





 足立、葛飾、荒川、墨田、台東の区北部では、注意報発令基準である0.12ppm以上の時間数が、1995−99年の期間には年間10時間以下であったが、2000年―04年には10〜30時間と増えているのである。昨年も、8月14,15日、9月1日、2日、に西新井測定局で光化学スモッグが高濃度を測定して、この地区に注意報が発令されている。
 足立区では平成16年7月7日には足立区谷中の保育園で、14年7月4日には、足立入谷小学校で児童78名、大谷田小学校で、39人が喉の痛み、咳などを訴えている。この時、西新井測定局のオキシダント濃度は注意報発令基準を超え、0.165ppmであった。 光化学スモッグの原因はやはり自動車排ガスの窒素酸化物と炭化水素であるから大型ショッピングセンターへの自動車交通の増大はこれらの大気汚染の被害を拡大することが予想されるので控えねばならない。
 大気汚染の現地調査に関しては、既存資料の調査地点がいずれも1km以上離れている。
一方、現地調査は一季7日間しか行っていないが、例えば、気象の調査結果を見ると、風速が0.4m/秒以下の静穏の発生回数が西新井局では5%あるのに、現地調査では約十分の一の
0.6%しかない。また、風向が西新井局は北西〜北北西が22%あるのに、現地調査では15%しかない。大気汚染濃度は季節による変化が大きいので、普通行われているとおり、少なくとも四季7日間、特に暖侯季には光化学スモッグも含めて現地調査を実施する必要がある。

4.大気汚染の予測手法の欠陥

 工事完了後における大気汚染の予測を三種類に分けて実施している。すなわち、
(ア)熱源施設の稼働に伴う二酸化窒素の大気中における濃度
(イ)駐車場利用車両の走行に伴う二酸化窒素及び浮遊粒子状物質の大気中における濃度
(ウ)関連車両の走行に伴う二酸化窒素及び浮遊粒子状物質の大気中における濃度
 これらは独立に予測を実施して、何れも予測値は環境基準の範囲内という結論を出している。しかし汚染空気を吸い込む住民は、(ア)、(イ)、(ウ)の発生源から放出された二酸化窒素や浮遊粒子状物質を別々に吸うわけではなく、三種類の発生源から放出されて合体した汚染空気を吸うのである。
見解書ではこれらの三種類の大気汚染の予測は最終的に統合されていると述べている。しかしどのようにして合算したのか方法が示されていない。バックグラウンド濃度を除いた三種類の汚染源からの寄与濃度を加え、それにバックグラウンド濃度を加えてみても表8.1−52の環境濃度にはならない。
 それにしても、表8.1−52の年平均値での環境濃度の予測値は、二酸化窒素も、浮遊粒子状物質も東京都の環境基準達成の目安値を超えている。
 なお、予測手法であるが、それぞれの予測結果を見ると、小数点以下4〜5桁の値である。こんな少量の二酸化窒素や浮遊粒子状物質は現在の測定技術では検出限界以下である。したがって、予測値が真実であるか否かは判定不可能である。これがいわゆるプリューム・パフモデルによる予測が如何に信頼できないかを証明している。
 また、浮遊粒子状物質は自動車の排気管から放出される量だけを対象にしているが、発生源はこれ以外にも熱源施設や関連道路、周囲の業務ビル、一般家庭および硝酸ミスト等の二次生成物なども考えられる。既に1999年に環境庁(当時)からこれらの発生源を考慮した調査・予測手法が一冊の本にまとめられて出版されている。東京都の技術指針に規定されていないのはむしろ驚くべき怠慢なのである。

5.大気汚染予測におけるバックグラウンド濃度の予測

 大気汚染予測の90%以上を占めるバックグラウンド濃度の予測を慎重に実施することが必要である。西新井測定局の最近3年間の平均濃度では不十分で、SC建築予定地を含めて周辺地域で、100メートル間隔のメッシュによるNO2の簡易測定を年2回実施する必要がある。

6.足立区で18歳未満の公害認定患者が激増

 東京都条例「大気汚染障害者医療助成」による18歳未満の認定患者数は、足立区では、1991年12月末で1,572人であったが2000年には2,622人と1.7倍になっている。計画地から200m〜100mの範囲内に、幼稚園、小・中学校がそれぞれ1校ある。子供の健康をこんなに蝕んでいる自動車排ガスによる健康影響をこれ以上悪化させてはならない。
 社会的にも問題になっている自動車を利用して集客する大型店をこれ以上出店させることは子ども達の健康を守る上からも慎まねばならない。

7.学校保健統計から見た足立区の中学生の気管支ぜんそく罹患率

 平成14年度に東京都教育委員会が発行した東京都学校保健統計書によると、足立区の中学1年男子生徒の気管支ぜん息罹患率は、平成14年度で8.3%と高率になっている。自然有症率の約2.8倍に当たる。これは1例だが、他の学年もさほど変わらない。これは明らかに大気汚染が原因の一つと考えられる。従って現在以上に足立区の自動車排ガス汚染を悪化させてはならない。

8.関連車両の走行に伴う道路交通騒音レベルの予測結果と屋上冷却塔からの低周波音

 評価書案164頁の表8.2.1−24によれば、予測4地点の内、3地点で昼夜とも環境基準をオーバーし、区画道路1号のみが昼間の北側を除いて、辛うじて基準以下と予測されている。現在でもこのような状態だから仕方がないというのではなく、現状を改善するためには、自動車交通を減らさなければならない。
 屋上に3台設置される冷却塔からの騒音は予測しているが、この種の施設から出る低周波音については全く調査も予測もなされていない。低周波音はエネルギーが大きく、遠くまで到達して、めまいや頭痛、躁鬱などの原因と言われている。同種の機器が設置されている店舗について、環境省の測定マニュアルにしたがって測定していただきたい。

9.温室効果ガスの見積もり

 評価書案では、「施設の供用に伴う二酸化炭素の削減率は約10%、二酸化炭素排出量の削減量は約1,228t−CO2/年と予測される。」としているが、それをどういう方法で削減するのかを明らかにする必要がある。さらに、このSCを建設する際と将来解体する際にも温室効果ガス  を排出することは明らかである。まず、建設に際してその材料となる鋼鉄、セメント、ガラス、アルミその他の金属や塗料などすべての材料が生産された時点で、既に大量のCO2が排出されている。また、解体時には廃棄物を運搬する車両や解体用大型機械からもCO2が排出される。環境影響評価書案の段階で、これらを精密に見積もる必要がある。

10.まとめ

 以上に述べてきたとおり、足立区の子供たちの健康は危機に瀕している。何故ならば、立地予定地周辺の大気汚染が環境基準達成の目安を超えているからである。このような場所に1日に8,828〜5,310台の自動車を呼び込む大型ショッピングセンターを建設することは、業者団体も含めて取り決めた「自動車使用に関する東京ルール」にも、また東京都環境基本計画の精神にも反する行為である。この地域の大気汚染を一層悪化させ、住民の健康を蝕む結果になるので、イトーヨーカドーは、大型SC出店を見合わせるべきである。(以上)

 




市民環境アセス講座プレ企画


大気汚染測定東京報告会


環境保全再生機構・地球環境基金/平成17年度地球環境市民大学校

市民活動のための環境アセスメント講座」 のご案内

1.目的

 環境影響評価制度は、科学的な調査予測や事業者と市民の円滑なコミュニケーションにより、適切な環境保全対策を促すものです。そのため、市民からの積極的な関わりが求められています。また、持続可能な社会の実現に向けて、自治体での戦略的環境アセスメントや環境配慮指針の拡充などにより、環境の保全と再生を促す仕組みを活用する市民の積極的な行動が課題となっています。

 本講座は、環境アセスメントの意義を広く市民に普及するとともに、最新の答申や調査結果などを教材に、環境の保全・再生に向けた市民の積極的な役割について具体的に考える機会とします。

2.概要

 日 時:20062月4日(土)18日(土)(全2回)

     第1回〜2月4日(土) 13:30〜17:00(終了後交流会を予定)

     第2回〜 18日( 10001700

 場 所:主婦会館プラザエフ(JR四ツ谷駅前)

 定 員:30名(対象者:環境NGO関係者、行政、企業関係者、一般市民、学生)

 受講料:2,000円(全2回、一括)

3.講座内容

日程

テーマ

講師(暫定候補)

第1回

第1講義

13:3015:30

 

第2講義

15:4517:45

18:00〜交流会

環境アセスメントって何ですか(講義)

 *制度の概要と市民の役割

  *基本的事項の見直し内容について

 *SEAへの取り組み

環境省環境影響評価課より

これからのアセスと市民の役割(講義)

 *アセスをめぐるみんなの誤解

*海外の事例と日本での動向

 *これからのアセスのあり方

 *環境NPO(あおぞら財団)の役割

柳憲一郎氏:明治大学法科大学院教授(環境アセスメント学会理事・事務局長)予定

第2回

第3講義

10:30〜12:30

 

ワークショップ

13:30〜17:00

コンサルタントの役割と努力

*業務の性格と実際

*よりよいアセスをめざす努力

*市民意見に求めるもの

久保英行氏(パシフィックコンサルタンツ滑ツ境事業本部環境部長)予定

環境省「わかりやすい方法書(良好事例)」は本当にわかりやすいか?

@話題:「参加型アセス」で行こう(傘木)

A作業:「良好事例」への付箋張り

B作業:グループ意見の形成と発表、交流

運営:あおぞら財団職員

ファシリテーター:傘木宏夫氏(NPO地域づくり工房、環境アセスメント学会理事)

 

4.事務局

東京:公害・地球環境問題懇談会/環境アセスメント問題都民連絡会

 東京都新宿区新宿2−1−3 サニーシティ新宿御苑10階 03-3352-9475 Fax03-3352-9476

大阪:公害地域再生センター(あおぞら財団) 担当:上田敏幸

大阪市西淀川区千舟1-1-1あおぞらビル4階 Tel.06-6475-8885Fax.06-6478-5885 


都知事申入れ ディーゼル規制評価を再検討せよ

2005年7月26日

東京都知事   石原慎太郎様
東京都環境局長  大橋久夫様
大気保全課長  島田光正様

大気汚染測定運動東京連絡会 
会長 藤田敏夫
〒160−0022
新宿区新宿2−13−3
軽部ビル201
T&F3358−8489


ディーゼル規制の効果に関する報道の再検討と東京の大気汚染の改善に関する申し入れ



 別紙参考資料に基づいて検討した結果、ディーゼル規制の効果に関する報道の再検討と東京の大気汚染とヒートアイランドの改善について検討することを求めます。

(1)去る6月24日の大気汚染大幅改善の発表内容に対して、平成11年度の時と同じように、大気汚染測定結果検討会を設置して、気象条件などを考慮して再検討を行うこと。
(2)これまでのディーゼル規制の効果に関する発表に対して、大型ディーゼル車の交通量、トラックの台数構成、東京の工業生産の構造変化などを考慮して再検討を行うこと。
(3)「自画自賛」の規制効果の強調に陥らない政策評価を実施すること。
(4)我々の調査結果から、東京の環境の二つの危機《大気汚染とヒートアイランド》を克服する上で、都内の自動車交通量を削減することが緊急に求められている。
そのためにロードプライシングなど交通需要抑制政策を速やかに実施すること。

《参考資料》
1.平成16年度のSPMとNO2濃度が大幅に改善された理由
 大気汚染濃度は、気象条件によって大きく影響される。特に風速による影響が顕著である。常識的に考えても、風速が大きければ、汚染物質の拡散が進み、濃度は低下する。
 第1図はわれわれの測定時の両者の関係を示す図である。まさに逆相関の関係にあることが分かる。(東京都環境局大気汚染常時監視資料から作製)

 第1図
 
・平成16年度は東京の風速は異常に強かった。
 東京管区気象台で測定された年度平均風速は第1表の通りである。

第1表

 最近10年間の東京の月別平均風速(m/秒) *印は10年間の最大値

最近10年間の東京の平均風速は、3.3m/秒であるが、平成16年度(2004年度)は3.7m/秒で突出して強かった。月別に見ても、*印で示すように、12ヶ月のうち、9ヶ月が最近10年間で最大値であった。第2図を見れば一目瞭然である。

第2図


2.ディーゼル車排ガス規制の効果についての報道
 東京都をはじめ隣接3県8市は2003年10月1日からディーゼル車から排出されるSPMを大幅に削減することを義務づける規制を実施した。
東京都は以下のように規制の効果を発表している。
★2003年11月13日に、東京都環境局は、10月に限ってみると、SPM濃度は2002年10月の一般局47局の平均で、平均濃度が0.036mg/立方メートルから0.025mg/立方メートルへ減少し、自排局35局平均濃度は、0.046mg/立方メートルから0.032mg/立方メートルへ減少したと発表した。ただし「大気環境濃度の変化については、一定期間をおいてみる必要がある。」としている。
★東京都は2003年12月に環状8号線井荻トンネルにおける調査結果を発表して、2003年11月の調査では、2001年3月の調査に比べて、SPMの主成分であるエルメンタリー・カーボンの排出係数(g/台・km)が0.092から0.047へ約49%低減したと発表した。その後東京都環境科学研究所年報 2004で、この低減率は44%に修正された。
★東京都生活文化局は、2004年6月4日、「ディーゼル車対策と大気汚染の改善」について,eモニター500人に対して行ったアンケート調査の結果を発表した。
 その中で、「都内における大気汚染の状況は、昨年5月頃に比べて改善されたと思いますか?」という問に「改善されたと思う」が58.6%に達した。
★環境局は、同年8月12日に、「平成15年度大気汚染状況の測定結果について」を発表し、その中で、「SPM濃度が低下、特に自排局は大幅に低下しました。」また、二酸化窒素についても「環境基準に適合した測定局の割合は昨年を上回りました。」と述べた。
★環境局は、2004年10月1日に「ディーゼル車規制開始後1年間の大気汚染状況(SPMについて(速報))」を発表した。比較はより正確を期して、平成14年10月〜15年9月の期間と平成15年10月〜16年9月の期間について比較している。
 SPMについては47一般局平均で0.033mg/立方メートルから0.030mg/立方メートへ低下し、34自排局平均では、0.042mg/立方メートルから0.036mg/立方メートルへ低下したと発表した。さらに、「4年間の濃度変化を見ると、年ごとの気象条件による影響はあるが、相対的に減少傾向にあり、特に自排局では、大気汚染が悪化しやすい晩秋から初冬にかけて、著しい改善が見られました。」と述べている。
★神奈川県環境保全部の小山氏は、国設厚木測定局で測定されたディーゼル排気微粒子(DEP)濃度と微小粒子PM2.5について規制が実施される前約1年間に測定された平均濃度と規制後6か月間に測定された平均濃度を比較して、PM2.5が4.5%、ECは31.3%低減したと報告している。
★2005年6月20日、東京都環境局は、平成16年度の自動車排ガス測定局のSPM環境基準達成状況を発表した。その中で、「平成15年度は達成局が34局中4局であったが、16年度は松原橋測定局を除く33局で基準を達成した。二酸化窒素についても、一般局は100%達成、自排局も約47%で基準を達成した。また、SPMの基準値を達成できなかった大田区松原橋自排局は、SPMの年平均値が平成15年度の0.069mg/
m3から0.048mg/m3へ大幅に低下した。」と述べた。
3.ディーゼル車規制でSPMは減ったのか
 東京都は2003年10月1日から都内を走行するディーゼルトラック約65万台と地方から流入する約24万台についてPM減少装置(DPF)の装着を義務づけ、装着しないディーゼルトラックの走行を禁止するいわゆるディーゼル規制を実施した。
 私たちは規制が始まった10月1日から15日と規制が始まる前の9月16日から30日の両期間で、雨が1日10mm以上降った日を除いて、東京都が都内81カ所の大気汚染測定局で測定したSPMの平均濃度を比較してみた。

第3図


 ただし、SPM濃度は当日の風速によって大きく影響されるので、今回は、1日の平均風速が調査期間の平均風速より強かった日と弱かった日に分類して調査してみた。その結果を第3図に示す。この図から風速が弱かった日はSPMが規制前に比べて規制開始後は約25%減少していることが分かる。一方、風が強かった日は前後で変化が見られない。
 15日平均の25%の変動が規制前にもあった普通の変動の範囲内かどうか分からないが、ともかく減少したことは確かである
4.SPMの年平均値と大型トラックの交通量の経年変化
 SPM濃度はディーゼル規制が始まる前から減少傾向にあった。この傾向は勿論自動車交通量に関係がある。そこで、警視庁の交通統計から都内の10地点の幹線道路の交差点における自動車交通量とその直近にある東京都の自動車排ガス測定局で測定されたSPMとNO2の年平均値の経年変化を比較してみた。第4図に結果を示す。

第4図


交通量比のスケールは94年を1としてある。最近は0.92位に減少している。一方、SPMとNO2のスケールは濃度を10倍してある。これらのグラフを見ると、交通量とSPMは最近10年間減少傾向にあり、特にSPMの減少傾向が目立つ。一方、NO2は横ばい状態にあることが分かる。
 次にSPMを大量に排出する大型トラックの交通量とSPM濃度の変化を第5図から第8図に示す。スケールは第4図と同じである。これらの図を見ると、SPMの減少は大型車の交通量の減少と平行していることが分かる。

第5図                   第6図


第7図                   第8図


したがって、ディーゼル規制後に東京都が発表している規制効果25%〜44%の中には大型車の交通量の減少による分がかなり含まれていると思われる。例えば、第5図の松原橋では、東京都は2002年から3年にかけてSPMが25%減少したと発表しているが、大型車の12時間交通量も21%減少している。したがって、ディーゼル規制の効果は4%だけである。

5.大型トラックの交通量の減少の理由
 大型トラックの走行量が減少すれば、当然SPMの排出量は減少し環境濃度も改善される。しからば、大型トラックの交通量は何故減っているのだろうか?
 第9図と10図がこの疑問に1つの回答を与えてくれるのではないだろうか。

第9図                 第10図


東京都の製造工業出荷指数は2000年を100とすると、2003年には85%に落ち込んでいる。一方、都内の車種別貨物輸送量指数は営業用普通トラックが8%、自家用普通貨物車は15%も減少している。ところが、軽貨物自動車による輸送量は20%も伸びている。これらの結果を見ると、東京都内の製造工業の構造が最近5年間で大きく変化していて、貨物の輸送も軽貨物にシフトしていることが分かる。

6.東京の環境の二つの危機
 2004年の東京は猛暑に襲われた。最高気温が足立区で42.7℃に達し、真夏日(最高気温が30℃以上)が連続40日に及んだ。地球温暖化の影響もあるが、最近の東京は、都市再生事業で、鉄とコンクリートの超高層ビルが東京湾岸沿いや都心部に建ち並び、太陽からの放射熱を蓄積してしまう。同時に東京湾から吹き込む涼しい海風の通り道がふさがれてしまった。これらの現象は、東京のヒートアイランド化が益々悪化傾向にあることを示している。
 また、これらの業務ビルを目指して沢山の自動車交通が集中・発生するために自動車排ガスによる大気汚染と排熱による温暖化が一向に改善されないままである。東京都は2002年に「環境基本計画」を発表し、自動車交通の増大による大気汚染とヒートアイランドの増進を「東京の環境の二つの危機」と位置づけた。
石原都知事は、就任以来目に見える大気汚染である浮遊粒子状物質(SPM)を入れたペットボトルを振りかざして、99年に初めて、「ディーゼル車NO作戦」を開始、2003年10月から、周辺3県8市を巻き込んで、ディーゼルトラックが排出するSPMの規制に乗りだした。その中で、石原氏は、「国の規制が遅く、手ぬるいから東京から始めた」と環境省を批判した。しかし、窒素酸化物と浮遊粒子状物質を合わせて規制しなかったのは残念である。

7.まとめ
 平成16年度に都内のSPMやNO2が大幅に減少したのは単にディーゼル規制の成果ではなく、この年度の東京の風速が異常に強かった結果である。東京都環境局はかって、平成11年度の大気汚染濃度が低下した(第4図参照)原因を調査するため、大気汚染測定結果検討会を設置して、7月の平均風速が強かったこと、8月の降水量が多かったこと。さらに、1月〜2月の大気成層がやや不安定だったため、上下混合が促進されて大気汚染が低減したと発表したことがあった。その時に比べると、今回の発表で風速の影響に言及しなかったのは疑問である。
 
 SPMの減少が単にディーゼル規制だけではなく、東京都内の製造工業の構造的変化に由来する分が大きいことが分かった。
 しかしディーゼル排ガス規制は極めて重要な環境対策であることは間違いない。ただ功を焦って、その効果を誇大宣伝することは慎まねばならない。とくに、SPMは減少傾向にあるが、NO2は一向に改善されていない。東京都のDPF装置はフィルターに溜まったSPMを600℃以上の高温で燃焼して処理するので、この段階で、大量の窒素酸化物が排出される可能性がある。その点では、エス・アンド・エス エンジニアリング社(櫻井真一郎社長)が開発したデュエット・バーン・システムは、NO2とSPMが同時に除去できる装置で、既に国土交通省から認可されているし、比較的安価である。
 一方、三井物産がDPFの性能検査で、資料をねつ造したり、一部の業者はDPFにバイパスを造っていたことなどの不祥事が明らかになっている。しかもこれらのDPFはSPMしか除去できないので、今年10月から施行されるNOX・PM法による規制では新たにNOXを除去する装置が必要になる。これらのことを考えると、石原都知事は今後どう対策を取るのか都民に明らかにすべきである。
 
 今回の調査結果から、都内の大気汚染やヒートアイランドを改善するには、都内の自動車交通量を減らすことが極めて重要であることが分かった。しかし石原都政はロードプライシングなど交通需要管理(TDM)を一時期口にしたが、一向に実施への動きがない。
早急に検討の上、実施する必要がある。

 大気汚染測定運動東京連絡会
1978年創立以来27年間、6月と12月初旬に、都内約15,000カ所で簡易カプセルを用いて自動車排ガスに含まれる人体に有害な二酸化窒素(NO2)の測定を継続してきた。この間に測定した数は延べ63万カ所に及ぶ。本年1月に東京弁護士会から永年にわたる環境ウオッチングに対して、「人権賞」を授与された。昨年は「ノーモアミナマタ環境賞」も受賞している。参加団体は約300、この他に個人参加もある。
 役員は会長1名、副会長2名、事務局長1名、事務局次長1名、会計1名の他、事務局員3名で構成されている。
 <事務所>
 〒160−0022  新宿区新宿2−13−3 軽部ビル201
 Tel&Fax 03−3358−8489
 Mail  taikisokutei@nifty.com



 


グリーンウオーク多摩事業アセスへの意見

グリーンウオーク多摩建設事業に係わる
環境影響評価書案に対する意見書

藤田 敏夫



1.大量の自動車による集客ショッピングセンター(以下SCという)は東京都の大気汚染を悪化させる

 業界団体代表も参加して設置された「環境パートナーシップ東京会議」の総意としてまとめられた「自動車使用に関する東京ルール」では、第1ルールで「自動車の使用を減らす」ことを挙げています。私たちはこのルールに従って、自動車の使用を極力抑制しています。
 事業者が「参考とした資料」の第1に挙げている「東京都環境基本計画」(平成14年1月)で、東京都は、現在の東京都における環境の危機として自動車交通の増大による大気汚染を挙げています。
 事業者が建設を予定している大型SCによって、これまで車庫に眠っていた自動車の目を覚まさせて、自動車交通を顕在化させることになります。その結果、八王子市南部と町田市、多摩市における自動車排ガスに起因する大気汚染を一層悪化させることになります。

2.八王子・多摩・町田市の二酸化窒素(NO2)汚染は徐々に悪化している

大気汚染測定運動東京連絡会(03−3358−8489)は、NO2の簡易測定を全都内各地で実施していますが、その中で2km毎のメッシュ測定を307カ所で実施しています。これらの測定の中でグリーンウオークSCに近い町田市下小山田と多摩市上小山田及び乞田で最近6年間の6月と12月の初めに行った結果によると、当該地域のNO2の平均濃度は徐々に悪化していることが分かります(図1)。事業者以外にも、最近多摩地域で3つの巨大SC建設が予定されていることを考えると、多摩地域のNO2汚染は悪化こそすれ改善は望めません。

      図1

3.駐車場台数の見積もりが過少

 評価書案が17頁で引用している「大規模小売店舗を設置するものが配慮すべき事項に関する指針」(平成11年6月30日 通商産業省告示375号)に示された駐車場必要台数の計算式にしたがって、本事業の場合について計算すると、5,018台になります。ところが、評価書案では半分以下の2,300台しか計画されておりません。
 一方で、交通計画では同じ条件に基づいて算出した片道最大発生交通量が約8,500台/日になっていますがどういう計算に基づくものか理解できません。

4.大気汚染の現地調査結果について

 事業者は平成16年11月14日〜20日の1週間だけ、事業予定地内でNO、NO2、NOX、SPM及び気象の現地調査を行いました。そのうちで、簡易法によるNO2の期間平均値はすべて公定法の値を超えています。一季一週間の調査では大きなバイアスがかかった測定である恐れがあります。したがって、少なくとも四季各一週間の測定が必要です。なお、気象の現地調査では風の静穏率が3.6%に過ぎないのに多摩市愛宕測定局の平成15年1年間の観測結果では、19.5%と5.4倍も多くなっています。
 このことは事業予定地では秋口から翌年の春先まで、晴天で弱風時には接地逆転層が多発することが予想されます。したがってこのような気象条件下では、大気汚染が一段と悪化することは常識になっています。このような気象特性を持つ事業予定地へ沢山の自動車を集中発生させることは当該地域の大気汚染に極めて大きな負荷を及ぼすことになるので、大量の自動車集客は止めてもらいたいと思います。

5.工事完了後の大気汚染の予測

 事業者は、事業活動が通常の状態になる時期に、空調施設、駐車場、関連車両の走行というように発生源別に大気汚染の予測を実施して、いずれも環境基準以下と結論しています。しかし、当該地域の大気汚染はこれらの3つの発生源を総合して予測しなければ意味がありません。したがって、3つの汚染源毎に予測された大気汚染を総合する必要があります。この計算を行った上で、評価書案を再提出すべきです。

6.バックグラウンド濃度の予測

 NO2もSPMも多摩市愛宕測定局の平成15年度の年平均値をバックグラウンド濃度として使用しています。しかし、NO2は最近の5年間の平均濃度を用いる方がベターです。
 特にSPMについては評価書案の47頁に示された図8.4を見ると、平成15年の値は最近5年間での最低値です。より普遍性のある最近5年間の平均濃度である0.033mg/m3を用いるのが妥当です。そうすると、資料編87頁に示されている関連車両の走行に伴う大気汚染への影響のSPMはNO.2とNO.3北側とNO.5はいずれも東京都が「環境基準達成の目安」としている0.035mg/m3に並ぶ予測値になります。NO2についてはNO.2、NO.4の東西とも環境基準達成の目安である0.03ppmを超えてしまいます。

7.SPMの予測手法について

 SPMの予測は「道路環境影響評価の技術手法」(財団法人 道路環境研究所)によって行われています。この技術手法の27頁に示されているSPMの予測手法はあくまで自動車の排気管から排出されるSPMのみを発生源としていて、不完全なものです。
 環境庁大気保全局大気規制課(当時)が監修し、浮遊粒子状物質対策検討会が平成10年12月に東洋館出版社から刊行した「浮遊粒子状物質汚染予測マニュアル」にしたがって予測をやり直す必要があります。

8.まとめ

 以上のとおり、この環境影響評価書案は大気汚染に関しては現地調査、予測手法などいずれも最近の知見を用いていない欠陥アセスであると言わざるを得ません。一度撤回して、修正の上、再提出することが必要です。

以上



ドキュメンタリー映画『水俣』など土本作品一挙上映
 大阪の映画館でシネ・ヌーヴォと申します。
当館では4月30日から2週間、日本を代表するドキュメンタリー映画作家・土本典昭監督の全貌を特集する「土本典昭フィルモグラフィ展2005」を開催します。
 土本監督といえば、「水俣」シリーズで知られるとともに、日本のドキュメンタリーを世界的なものにした偉大な映画監督です。シリーズ第一作『水俣―患者さんとその世界―』は、水俣病の患者さんへの愛と尊敬と信頼に満ちた、深い魂の叫びともいえる感動作として高く評価されています。
 今回、土本監督のその出発点から「水俣」「アフガン」、そして最新作『みなまた日記―甦える魂を訪ねて―』まで、日本の、いや世界のドキュメンタリー映画史上に燦然と輝く土本典昭46作品・26プログラムを一挙上映します。
 他者を顧みない現在、さまざまな事件も数多く発生しているなかで、他者への深い愛に満ちた映画を撮り続けてきた土本監督の作品を見ることは、今を生きていくことの最も大切なものを見い出すことになると、深く確信しております。
 私どもの主旨をご理解いただくとともに、ぜひお力をお貸しいただきますようお願い申し上げます。
 特に、若い方々には土本監督を知らない方も多くいらっしゃることと思います。「こんなすごい人がいた」「こんなすごい映画があった」「こんな人たちがいた」……そんなことを発見していただき、多くを考えるきっかけになれば幸いです。
 土本監督は現在77歳、いまなお作品を作り続けておられます。そして、5月3〜5日には来阪され、シネ・ヌーヴォでトークショーなどを行なっていただく予定です。
 ぜひお力をお貸しいただけますよう、心よりお願い申し上げます。チラシをご用意しておりますので、宜しければご用命下さい。(シネ・ヌーヴォ)


臨海都民オンブズマンが臨海三セク破綻処理の提言
 臨海部開発問題を考える都民連絡会の藤田です。このたび、私たちは東京合同法律事務所の前川弁護士とともに「臨海関連第三セクター都民オンブズマン」を結成し、2月21日に〃臨海関連第三セクター破綻処理の提言〃を都知事に提出し、記者会見で公表しました。翌22日の朝刊で毎日、東京、赤旗の各新聞で取り上げてくれました。25日の都知事の定例記者会見で、石原都知事は「将来、いろんな決断をしなくてはいけないと思う。」といい、続けて「お台場の問題は国にのせられてくだらんことをやった。バブルという虚構が崩れたのち、とんでもない誤差が生じたわけで、この問題の克服は非常に難しい。傷を少なく、都民の負担を少なくするため、とにかく衆知を集めて一生懸命やりたい。」と発言し、三セク運営の見直しを示唆しました。
 知事がこのようなことを話したのは初めてです。私たちの提言が一定の影響を与えていることと推察されます。既に巷の噂では、「東京都労働経済局が所管する”タイム24”と”東京ファッションタウン”という三セクについては来年度にも清算処理が行われると言われています。いよいよ臨海副都心計画が音を立てて瓦解する兆しが見えてきました。
 臨海部開発問題を考える都民連絡会(臨海都民連)のホームページ を開き、”臨海関連第三セクター破綻処理の提言”をご覧下さい。(藤田敏夫)

 なお、この提言への賛同者の内、次の方の名前が間違っていました。次の通り訂正しお詫びします。
     五十嵐 敬善→敬喜
     小池 慎太郎→信太郎


目黒区の大気汚染測定のデータ集計ができました
大気汚染測定運動 目黒実行委員会事務局の冨田悦哉です。
目黒区実行委員会では、NO2(二酸化窒素)を測定することで自動車排気ガス公害を監視しています。
このほど2004年12月測定の目黒実行委員会のデータ整理が完成し、目黒区の各地点の測定値と汚染状況地図などを次のホームページで公開していますのでご案内します。

大気汚染測定運動目黒実行委員会のホームページ
   http://www25.big.or.jp/~tomi/air/meguro/



イトーヨーカ堂新亀有店の出店をやめよ/アセス意見

イトーヨーカ堂新亀有店ショッピングセンター建設事業に係わる
環境影響評価書案に対する意見


2004年3月18日


藤田敏夫(東京都環境アセス条例改正都民連 代表幹事)



1.自動車の発生・集中交通量
 大気汚染予測の基礎である自動車交通量は、イトーヨーカ堂が自主的に調査した資料が示されているが、何時、どうゆう方法で調査したのか分からない。いずれにしても当該ショッピングセンター前の環状7号線は24時間交通量が51,000台から55,000台で、都内でも自動車交通量が極めて多いところである。また、近くの水戸街道と環七の交差点で警視庁が調査した結果では、平成12年は、約83,000台/日の自動車交通量が記録されている。
 このような交通環境のところに、2,000台の駐車場を持つ広域集客をねらった大型ショッピングセンターが出来れば、周辺の自動車交通量がいっそう増加することは間違いない。資料編によると、このショッピングセンターへ出入りする自動車交通量を、おかしなことに、床面積が大きい物販店舗部分(4.41ha.)には大規模小売店舗立地法を適用し、非物販部分(0.99ha)に国土交通省の「大規模地区開発関連交通計画マニュアル」を適用している。しかもこれらのマニュアルを平日と休日に分けて適用していない。改めて、平日と休日の発生・集中交通量を推計すべきである。
 しかも、駐車場に出入りする車は、幅が8.5mの区画道路を利用することになっているから休日などは環七から補助136号道路に渋滞の長い列が出来ることは間違いない。従って、これらの渋滞車両から排出される窒素酸化物(NOX)や浮遊粒子状物質(SPM・DEP)によって周囲の居住者の健康に影響が出ることが予想される。

2.大型ショッピングセンター予定地は都内で1,2を争う大気汚染地域
 大型ショッピングセンター予定地の真ん前にある東京都の自動車排ガス測定局“環七亀有”局の平成14年度の測定結果は、健康に悪影響がある二酸化窒素(NO2)や浮遊粒子状物質(SPM・DEP)が都内ワースト10の第2位及び第3位である。このような状態はこの年だけでなく、前年の平成13年度も第3位であった。このように環境上のハンディキャップを持つ場所を選んで、大型ショッピングセンターを立地することは極めて非常識である。

3.大気汚染予測におけるバックグラウンド濃度の予測
 大気汚染予測の80%以上を占めるバックグラウンド濃度の予測が不正確である。足立区の東和局の1997年度から2001年度のNO2とSPM濃度の年平均濃度の中で、最も低い2001年の値を用いている。しかし1年だけの値は安定性に欠けるため、97年から01年のうち、全国的に濃度が異常に低かった99年を除く4年の平均値を使った方がよい。そうすると、NO2は、0.029ppm、SPMは0.046mg/m3となって、それぞれ0.002ppmと0.006mg/m3も高くなる。

4.なぜ99年度を除くのか? 99年度は気象面で異常な年だった
 99年が異常年であることは資料編の37頁の表2.1−11(2)の平成11年の風速出現頻度を見れば、この年は強風が多く、弱風が少ないことが分かる。東京都環境局でも検討委員会を設置して検討した結果、この年は8月に強風が多く、冬季は大気安定度の不安定側の日が多かったとして異常年であったと結論づけている。

5.自動車排ガスの排出係数
 これは拡散計算で重要な位置を占める要因である。評価書案の77頁の表8.1−25の註を見ると、東京都の委託報告書の平成17年度と22年度の値を内挿してこれらの係数を求めたとしているが、17年度は12年度の間違いである。チェックしてみると、小型車類はこれで間違いないが、肝心の大型車類、特に一番走行量が多い普通貨物車が2.451g/台・km、のところを2.222g/台・kmとなっているため、約10%も低く見積もられている。

6.開店後の方が現状より大気汚染が改善されるのは不自然
 工事中の機械の稼働による大気汚染の現状への付加率はNO2が13.2%、SPMは7%とやや大きいが、工事完了後の関連車両の影響はおしなべて0.3〜0.5%である。予測濃度は、小数点以下4桁という微小な値である。このような微小な値は、計測限界以下であるから、この予測モデル、プリューム・パフモデルが正しいか否か検証しようがない。したがってショッピングセンターが開店した後の方が現状より大気汚染が良くなっていると言う矛盾が現れるのである。このような不備なモデルは止めて、東京都環境局も推奨している三次元流体モデルで予測し直す必要がある。

7.不完全な予測ですら将来の大気汚染濃度は東京都の環境基準値達成の目安を超える
 評価書案の97頁の関連車両だけによる大気汚染の予測結果を見ると、NO2は環七沿道で、SPMはすべての予測地点で東京都の環境基準値達成の目安を超えている。

8.葛飾区で18歳未満の公害認定患者が激増
 東京都条例「大気汚染障害者医療助成」による18歳未満の認定患者数は、1991年に606人であったが2000年には1,816人と3倍になっている。子供の健康をこんなに蝕んでいる自動車排ガスによる健康影響をこれ以上悪化させてはならない。
 社会的にも問題になっている自動車を利用して集客する大型店をこれ以上出店させることは都民の健康を守る上からも慎まねばならない。
 ちなみに、東京都環境局の試算によると、葛飾区における単位面積当たりの窒素酸化物排出量は34.2(トン/km2・年)に及んでいる。

9.学校保健統計から見た葛飾区の気管支ぜんそく患者
 平成12年度の東京都学校保健統計によると、葛飾区では小学校1年生から6年生の男子10,490人の気管支ぜんそく罹患率は、3.2%で自然発症率に近いが、中学生の男子4,456人の罹患率は、小学生の2倍に当たる6.4%に跳ね上がっている。これは明らかに大気汚染が原因の一つと考えられる。従って現在以上に葛飾区の自動車排ガス汚染を悪化させてはならない。

10.まとめ
 以上に述べてきたとおり、葛飾区の子供たちの健康は危機に瀕している。何故ならば、立地予定地周辺は都内で1,2を争う大気汚染激甚地域だからである。このような場所に1日5,500台の自動車を呼び込む大型ショッピングセンターを建設することは、この地域の大気汚染を一層悪化させ、住民の健康を蝕む結果になるので、イトーヨーカ堂は、出店を見合わせるべきである。(以上)


 


環状2号線(晴海〜築地間)の地上化に反対する/アセス意見

東京都都市計画道路環状2号線建設事業に係わる環境影響評価調査計画書に対する意見



藤田敏夫(大気汚染測定運動東京連絡会会長)



1.計画変更に関する調査について
 中央区晴海4丁目〜築地5丁目間の環状2号線建設事業の目的として、次の3点が挙げられている。
@晴海・勝どき、築地区間更に臨海副都心と都心部との連絡の強化。
A勝ちどき地区における避難ルートの拡充などによる防災性の向上。
B築地市場跡地をはじめとする計画道路周辺における沿道の土地利用の増進を図る。
 しかし、以上の3点はいずれも既に都市計画決定されている地下構造を変更する理由にはならない。特に、Bは“築地市場跡地”と表現して、あたかも移転が確定したかのように書かれているが、築地市場の移転については平成14年9月に公表された「豊洲・晴海開発整備計画―再改訂(豊洲案)」のとおり、現段階では中央区長と中央区議会議長が連名で石原都知事に提出した申し入れにあるとおり、あくまで移転先の案に過ぎないのである。
 案の段階で環境アセス手続きを進めることは、環境影響評価制度を冒涜するものであり、到底認めることは出来ない。この計画書を直ちに撤回することを要求する。

2.虎ノ門〜新橋間の環状2号線建設計画との整合性について
 環状2号線は虎ノ門〜新橋間が既に都市計画決定されている。この区間の道路構造は、地下、一部掘り割り構造で、道路交通から発生する自動車排ガスは、掘り割り部に設置される土壌脱硝装置で除去されることになっている。新橋から汐留を経て築地から晴海に至る路線も地下構造で都市計画決定されている。築地市場内と月島に45mの高さの換気塔を造る予定だ。これらの換気塔には脱硝装置は取り付けられない。したがって、虎ノ門〜新橋間の路線との整合性を保って地下構造にすることが望ましい。以下に理由を述べる。

3.首都高速都心環状線などの都心部の高架高速道路の地下化の要望に反する
 最近、米国のボストンでの高架高速道路の地下化や韓国ソウル市での高架高速道路の撤去など、世界的に大都市の都心部の環境保全を確保するため、交通施設の地下化や撤去の動きが進んでいる。東京でも外郭環状線は大深度地下案に変更された。
 中央区内でも、都・区議会議員などを中心に都心環状線の地下化を進める動きが出ている。このような動きは住宅の都心回帰に伴って、大気汚染の改善や健康問題と深く関わっている。
 世界及び都心部のこのような動向に逆らって、折角地下構造で都市計画決定したものを地上構造に戻すことは、まさに時代の流れ、住民の要求に逆行する暴挙と言わねばならない。

4.浜離宮公園から築地市場に至る地域の環境改善のためにも地下化が最適
 浜離宮公園、隅田川河口部などは、環境面から見て、この地域の貴重な財産である。中央区の「緑の基本計画」や港区の「緑と水の総合計画」の中で、〃まちづくりの中で緑とオープンスペースの拡充を図る〃、〃緑と水の街づくりを実現〃等を唱っている。
 将来、築地市場が移転した場合のことを考えれば、浜離宮公園から築地5丁目にかけて緑のオアシスを拡張し隅田川の水質浄化によって、都民の憩いの公園として活用することが出来るのである。そのためにも環状2号線は今、地下構造にすることが必要である。
 更に、これらのオープンスペースを利用して、景観に配慮した大規模な土壌脱硝施設(1時間に10万m3の汚染空気を浄化する施設の建設費が約3億円)を建設して、地下道路内で排出されるNO2やSPMを90%以上除去して、公園内に排出することが望ましい。
 既に大田区の松原橋交差点のロータリー内に設置されている土壌脱硝装置によって、周辺のNO2濃度は道路際に設置された汚染空気の取り入れ口に比べて、約40%以上浄化されていることが分っている。土壌脱硝装置は、地下道路の汚染空気の浄化に最適である。

5.大気汚染の調査・予測について
 区内の大気汚染状況を中央区晴海測定局、中央区役所測定局、港区芝浦測定局の既存資料と晴海で1カ所で、各季節に7日間だけ調査する計画だが、これでは極めて不十分である。
 中央区内には「大気汚染測定運動中央区連絡会」(中央区日本橋馬喰町1−4−3共栄ビル5F、TEL.3669−7418;FAX.3669−7417)が毎年6月と12月に中央区内で250m間隔のメッシュ点で科学的方法によってNO2の測定を行っている。計画路線周辺の詳細な大気汚染測定結果は評価書案の段階で提供するが、今回は2002年6月と12月の測定結果を提供する。これらの環境NGOの調査データも活用することを希望する。
 測定結果に寄れば、環状2号線から150mしか離れていない浜離宮公園内では、毎回0.032〜0.038ppmで、比較的汚染されていないが、勝どき3丁目や5丁目付近では、2002年6月に0.05ppm、12月にも0.048ppmと比較的高い値が測定されている。
 また、晴海では6月に、晴海5−2の中央地区清掃工場付近で0.081ppm、12月には0.073ppmという高濃度汚染が検出されている。これらの汚染は、晴海客船ターミナルや清掃工場、周辺の倉庫群へ出入りする各種自動車からの排ガスの影響と考えられる。
 このような汚染激甚地域に平面6車線の幹線道路を通すことはこの地域の大気汚染を増悪させるもので、東京都地域公害防止計画の実現を阻害する悪徳行政と言わねばならない。
 NOXの予測手法は、相変わらずプリューム・パフモデルを用いることになっているが、このモデルは古典的モデルであって、東京都の環境影響評価制度の手引き(1983年)の技術指針編では、次のようにプリューム・パフモデルの限界を指摘している。
 「@気象条件及び物質の排出条件の時間的変化(自動車交通量の時間的変化)、臨海部における海陸風の循環、複雑地形(山谷地形やストリートキャニオンなど)の影響を考慮しなければならない場合は、差分モデル(例えば最近実用化されている三次元流体モデル)の利用を検討する。
Aダウンドラフト、ダウンウオッシュ等建築物など(換気所建物)による影響を考慮しなければならない場合は、模型実験または野外拡散実験の実施を検討する。」
 また、環境コンサルタント会社、東京道路エンジニア株式会社の「大気汚染の予測手法の適用性に関する調査業務報告書(平成9年)」では、プリュームモデルの仮定条件を次のように述べている。「プリュームモデルは(中略)単純化された条件を前提として導出されたものである。」とした上で、仮定は以下の予測条件を満足しなければならないとしている。@風向については一様な風としているため、風向が時間とともに変わる場合は、適用は無理。A風速についても同じ仮定。B排出口からの汚染物質の排出強度が時間とともに一定。
 環状2号線計画における大気汚染の予測は、三次元流体モデルにし従って正確に予測しなければならない。

6.ヒートアイランド現象を助長する平面道路計画
 環境影響評価項目の中に温室効果ガスが取り入れられていない。これは東京都の技術指針の自動車排ガスによる効果は取り上げないという極めて非科学的な方針が災いしているのである。大気汚染の項でも、SPMについて、自動車の排気管から排出される一次汚染物質のみを対象にするとした技術指針も現状に合わない時代遅れも甚だしいものである。
 東京都内、特に都心部におけるヒートアイランド現象は年々悪化している。夏の早朝に生起する最低気温が25℃以上である熱帯夜の発生日数は、1901年〜1910年には平均して僅か0.7日であったのが1991年〜2000年の10年間では、平均して、29.6日と42倍と驚くべき増加を示している。
 年平均気温で見ても、過去100年間に地球全体の平均で0.6℃、ニューヨークでは1.6℃の上昇に対して、東京ではニューヨークの2倍近い3℃も上昇しているのである。
東京都は、2012年までに90年当時のCO2の排出量を6%減らすことが義務づけられている。一方で、90年から今日まで排出量は10%近く増加している。したがって、あと8年間に16%も減らさなければならない危機的状況におかれているのである。
そのため、東京都は、ヒートアイランド対策を重点施策の一つとして取り上げて、2003年3月に「ヒートアイランド対策取組方針」を策定している。その中で、具体的取組として、東京都における率先行動を挙げている。そして「木陰さわやかな道」「涼しい舗装」、「街を冷やす緑」などを挙げて緑の効果を強調している。
 その一方で、ヒートアイランド化が激しい都心部に地上6車線の幹線道路を建設することによって、そこから莫大な量の温暖化ガスが排出させる。
 このように相互に矛盾した東京都の政策が平気で行われることは、都民として許すことは出来ない。しかも折角実施する環境アセスメントでこの重大問題を取り上げないことに至っては全く理解に苦しむところである。調査計画段階から必ずヒートアイランド対策を取り上げることを強く要求する。
 築地市場移転の場合には、ここに巨大な森林を造成して、二酸化炭素の吸収源とするとともに、地下道路に排出される汚染物質を地上に導いて、土壌脱硝装置で浄化することが出来るのである。ここの他、月島の旧中央水産研究所跡地にも同様な施設を建設するとともに、晴海地域でも、地下道路の上は緑化して、土壌脱硝施設を建設することを提案する。

7.景観について
 地上構造にすることによって、環状2号線は隅田川に橋を架けて通過することになる。
少し川上にはかちどき橋がある。この橋は昔は日に何回か中央の道路を跳ね上げて、大型船を通すことが出来る歴史的建造物である。そこからわずか数百m下流に橋掛けすれば、歴史的建造物であるかちどき橋の景観が台無しになってしまう。景観保存の観点からも環状2号線は原計画通り、地下構造にすべきである。

8.まとめ
 以上何点かについて環状2号線の地上化には何のメリットもなく大気汚染やヒートアイランドの助長の点からかえってデメリットが多すぎることを指摘した。調査計画書では肝心の道路構造について地上化と地下化の優劣について何らの調査・検討を行っていないのは大きな欠点である。このような意味のない計画書は到底受け入れられない。



●よみがえれ!有明海 農水省を囲む「人間の輪」に加わろう


・とき 3月30日(火)12時20分〜50分
・ところ 農林水産省正玄関前        


有明海訴訟とは
 1990年に着工された諫早湾干拓事業は、1997年4月14日のギロチンと称された潮受堤防締め切りに至り、「有明海異変」と呼ばれる環境異変を発生させ、かつての「宝の海」は「死の海」と化してしまいました。日本一の漁獲高を誇っていた有明海の漁業は壊滅状態に追いやられ、最後に残ったノリ養殖もここ4年間大不作に見舞われ、もはや漁民の窮状は極限に達しています。
 そもそも、諫早湾干拓事業は、農地造成を目的としていますが、減反の時代に約2500億円もの税金を投入してまで農地を造成する必要がないことは明らかです。
 諫早湾干拓事業に対しては、漁民や市民、内外のNGOから批判の声が続出し、2002年のラムサール条約締約国会議(スペイン)プレイベントにおいても、世界的に緊急の保護の必要がある湿地として諫早湾が挙げられ、日本の環境行政が大きく批判されました。
 これら批判を受け、農水省が設置した「ノリ不作等対策関係調査検討委員会」(ノリ第3者委員会)は、有明異変の原因を究明するための、「短期・中期・長期の開門調査」の実施を提言しました。しかしながら、農水省は、この答申を無視し、中・長期開門調査をサボタージュし、工事の再開を強行しました。
 そこで、漁民と市民が、諫早湾干拓工事の差し止めを求める民事訴訟と仮処分申請を、2002年11月26日に佐賀地裁に提起し、現在、原告数は850人に上っています。法廷においては、毎回漁民が涙を流しながら窮状を訴え、1年余りという異例の早さで2003年12月に結審し、3月末に、仮処分の決定が出る予定です。弁護団としては、この仮処分において、画期的な勝利決定が出るものと確信しています。

「人間の輪」に加わって
 こうした動きに呼応するように、佐賀、福岡、熊本県議会は、全会一致で「中長期開門調査」の実施を求める決議をあげ、3県の有明海沿岸自治体も同様の意見書を採択し、さらに、超党派の国会議員で構成される公共事業をチェックする議員の会が現地を視察し漁民と懇談するなど地元自治体や国会議員からも有明異変の原因究明を求める声が起こっています。
 3月末の勝利仮処分により一時的に工事を止めますが、真の原因究明のため、有明海の再生のためには「中長期開門調査」の実施が必要不可欠です。

 そこで、3月30日、勝利の仮処分決定を持って、地元漁民と全国の市民が結集して「人間の輪」で農水省を包囲し、開門調査の実施を農水大臣に迫ります。
 環境は次世代からの借り物であり、そのままの状態で子や孫に引き継いでいくものです。環境を未来に残したいと願う市民の皆さんに、ぜひこの運動に賛同いただき、3月30日の人間の輪に加わっていただきたいと思います。(弁護士 後藤富和/福岡第一法律事務所)

●有明海訴訟に関する詳しい情報

 


中央環状品川線は環境負荷を増大させる/アセス意見

環境影響評価準備書―都市高速道路中央環状品川線(品川区八潮〜目黒区青葉台間)建設事業―に対する意見



藤田敏夫(東京都環境アセス条例改正都民連 代表幹事)



T.計画路線周辺の自動車交通量と激甚な大気汚染状況
 本環境影響評価準備書(以下準備書という)5−62頁によると、計画路線周辺では、玉川通りで7万7千台/日、山手通りで3万7千台〜5万9千台/日、高速湾岸線は13万台/日、国道357号線は約4万台/日、中原街道、5万7千台/日、目黒通りは5万5千台/日など自動車交通量が極めて多い状況である。
これらの膨大な自動車から排出されるNOXやSPMによって、準備書の表9.1.1−5および表9.1.1−6に示されている大気汚染物質の濃度は、NO2は45例中39例、SPMは45例中40例が、東京都がNO2環境基準相当値(年平均値で0.03ppm)、SPM(年平均値0.035mg/m3)を超えるという激甚な汚染状況が最近5年間継続していることを念頭に置かねばならない。

U.都市計画対象道路事業に係わる計画交通量
 道路環境アセスメントにおける環境要素の予測・評価の基本となるのは、計画交通量である。
 準備書では、道路ネットワークのためのゾーニング、自動車OD表(起点終点調査表)、現況交通量の推計、将来の道路ネットワーク及び将来の自動車OD表等に基づく計画交通量の推計を、平成11年度(1999年度)道路交通センサスに基づいて行っている。
 1999年度のデータから15年及び26年先の2014年と2025年の自動車交通量を予測しているのである。既に都市計画されている主要幹線道路で、品川、目黒、大田及び世田谷区の一部で、現在事業中または近く着工が予定されている道路が12路線ある。
 予測期間に於いて、当該計画路線地域では、上記の都市計画道路をはじめ、JR大崎駅周辺地域での大規模再開発事業などが予定されている。このような現状のみでなく、将来も社会・経済上の大きな変化が予測される中で、15年及び26年後の交通量を予測してみても如何なる意味があるだろうか?
 これまでに供用されて、環境アセスメントの事後調査が行われた外環道練馬区大泉地区と首都高速11号線・東京港連絡橋(港区芝浦から台場)の交通量予測は、外環大泉では、1990年の予測交通量が35,000台/日であったが、94年の調査では、55%増しの54,293台/日、また、首都高速11号線等は、予測交通量が、有明で、36,000台/日、芝浦で、47,000台/日に対して、1995年の事後調査では、有明で52%増しの53,758台/日、芝浦で22%増しの57287台/日といずれも約13,000〜12,000台/日オーバーしている。このように高速道路の交通量予測は、不正確なのである。この時点では、高速道路における計画交通量は、一車線、一日12,000台として、4車線で48,000台、それに幅を付けて、36,000〜60,000台/日と幅を持った計画交通量を設定すべきである。このことは、道路公団等民営化推進委員会も提案している。

V.新たに高速道路を造れば、自動車交通量が増えて、再び交通渋滞を引き起こし、環境負荷を増大させる
 準備書は、現在の都内の自動車交通は、渋滞時には時速18.5kmであって、品川線などを建設すれば、走行速度が増加して、排ガス量が減るから環境対策だと述べている。
 しかし、よく考えてみると、これはまやかしであることが分かる。現在、都内の道路延長(23,658km)と自動車保有台数(417万台)から、1台当たりの道路長は、僅か5.7mである。渋滞なく、すいすい走れるには時速40kmで、車間距離は40mであろう。そのためには新たに道路延長を8倍にしなくてはならない。このようなことは23区内では物理的に不可能である。
 現に、警視庁の「交通年鑑」や首都高速道路年報によれば、首都高速道路は、1965年度末では開通延長は32.8kmであった。しかし、1992年度末には、220kmとなって、6.7倍に増加した。しかし、渋滞時間は、1970年の19時間から90年には209時間となり、実に11倍に増大したのである。新しく高速道路を造れば、建設速度の約2倍の速度で、渋滞時間が増加したことを示している。

W.将来の自動車交通は減る一方
 2002年に行われた日本道路公団等の民営化推進委員会で、従来はブラックボックスに入れられていた交通需要予測が過大評価であったことが明らかになった。国土交通省道路局は、2002年11月に発表した文書で、2020〜2030年時点での予測交通量を約10%下方修正した。その後は人口の減少とともに、自動車交通量も減少の一途をたどることを予測している。したがって、5220億円という巨費を投じた上で、環境を悪化させてまで、品川線を建設する必要はないと思われる。

X.東京都環境基本計画は何と言っているか
 東京都は2002年1月に東京都環境基本計画を定めた。その中で、「都は、環境に影響を及ぼすと認められる施策を策定し、及び実施するに当たっては、環境基本計画との整合を図るものとする。」と述べている。そこでは、自動車への依存を減らす都市づくりを挙げている。
 いくつかの施策の中で、交通需要マネイジメント(TDM)として、ロードプライシングを促進し、自動車利用の抑制を促進することにしている。TDMは世界の大都市での趨勢である。これらの施策がないままに、品川線を建設することは、環境基本計画の趣旨に反することになることは明らかである。現在の財政危機の時代に、王子線と新宿線を合わせて、2兆735億円という巨費を投じて品川線を建設することは、環境上からも、財政上からも必要ないと思われる。

Y.地下高速トンネル内での火災事故時の危険
 首都高速道路公団は、トンネル内の火災時には、非常電話、監視テレビ、水噴霧装置、排煙設備、非常口避難通路、消火器、非常通報装置、火災検知器などの設備が設置されるから安全と言っているが、いずれもハード対策であり、大事故、大火災に際しては、どれだけ機能するかは、これまでの事故時の経験から甚だ疑問である。最も確かな対策は、エアーカーテンシステムを備えた避難通路出入り口を多数設けることである。

Z.換気所について
 準備書は、地下トンネルから排出される汚染ガスや浮遊微粒子を除塵装置で除塵してから、上空高く吹上げ、拡散させると説明している。換気所の高さは地上30〜50mとされている。しかし、中目黒駅前では、再開発によって、120mの超高層ビルが建設されている。また、165mの住宅建設計画が都市計画決定されている。後で述べるように、冬季大気が極安定成層をなす場合に、これらの超高層住宅へ換気所からの汚染物質の影響の短時間影響予測を行った上で、評価する必要がある。その際、換気所上部から排出される汚染物質、NOXやSPMの濃度が示されていない。中央環状新宿線の場合は、NOXは3ppmとなっていた。また、東京港沈埋トンネル(長さ約1.2km)内では、NOXは3〜7ppmと実測されていた。

[.大気汚染の予測について(カッコ内は筆者による加筆)」
 @大気汚染予測の90%を占めるNO2とSPMのバックグラウンド濃度の予測について
準備書の9−1−35頁に記載されている道路環境アセスメントにおけるNOXの予測年次のバックグラウンド濃度(B.G.)を求める計算式が検証されたのは、前述の外環道練馬と首都高速11号線等の2例である。いずれもNOXの予測B.G.が過小評価されたため、
NO2の予測値が過小に評価されたことが検証されている。
1993年に環境庁監修のもとに発行された「窒素酸化物総量規制マニュアル」(改訂版)によれば、「このような方法で算出された予測年におけるNOXのB.G.濃度は、その間に削減対策を講じた場合に、地域の総排出量が減少すると、B.G.も減少することになるが、実際のB.G.が(準備書のような)方法で推定したほど減少するかどうかという点に疑問が残り、安全側の設定とは言い難い。」と述べている。
また、「このように、B.G.が総排出量に比例するという考えでは、総排出量が変化した場合のB.G.の変化が敏感すぎて実際的ではない。本マニュアルにおいては、基準年のB.G.が予測年においても保存されると考えることが望ましい。」と提案している。
Aトンネル出入り口からトンネル内の汚染空気が漏れ出す量が予測されていない。それを抑制する事業計画であると言うが、具体的抑制法が示されていない。
Bプリューム・パフモデルの適用限界
 大気汚染の予測手法に、プリューム・パフモデルを用いているが、五反田出入り口街路のような両側に高層ビルが建ち並ぶ道路、いわゆるストリートキャニオンでは、このモデルの限界性があちこちで指摘されている。
 すなわち、東京都の環境影響評価制度の手引き(1983年)の技術指針編では、
「(1)気象条件及び物質の排出条件の時間的変化(自動車交通量の時間的変化)、臨海部における海陸風の循環(大井ジャンクションのような海岸近く)、複雑地形(五反田出入り口のようなストリートキャニオン)の影響を考慮しなければならない場合は、差分モデル(例えば最近実用化されている三次元流体モデル)の利用を検討する。
 (2)ダウンドラフト、ダウンウオッシュ等建築物など(換気所建物)による影響を考慮しなければならない場合は、模型実験または野外拡散実験の実施を検討する。」
また、環境コンサルタント会社、東京道路エンジニア株式会社の「大気汚染の予測手法の適用性に関する調査業務報告書(平成9年)」では、プリュームモデルの仮定条件を次のように述べている。「プリュームモデルは(中略)単純化された条件を前提として導出されたものである。」とした上で、仮定は以下の予測条件を満足しなければならないとしている。
@風向については一様な風としているため、風向が時間とともに変わる場合は、適用は無理。
A風速についても同じ仮定。
B排出口からの汚染物質の排出強度が時間とともに一定。
 以上のような非現実的な強い仮定の下に導かれたプリューム・パフモデルによる予測は信頼出来ない。

\.五反田出入り口および大井ジャンクション周辺でNO2もSPMも東京都の環境基準達成の目安を超える
 以上に指摘したような欠陥の多い予測測手法で予測されたNO2とSPMの予測結果ですら
(準備書9−1−38,9−1−39頁)、五反田出入り口および大井ジャンクション周辺では東京都が環境基準達成の目安と定めた値、NO2は、年平均値で0.03ppm、SPMは年平均値で、0.035mg/m3を超えている。したがって、このように環境を悪化させる出入り口は建設してはならないという結論に達する。

].換気所からの大気汚染の短時間予測について
 中目黒や五反田の換気所の近くには高層マンションがあり、冬季のような大気が強い安定成層の時は、ここに住む住民への影響を短時間予測で評価する必要がある。簡単な計算からも以下のような危険性が指摘出来るからである。
 冬季の早朝などは大気の拡散幅が極めて小さく、換気所排出口のNOX濃度を2ppmとすると、汚染物質の流れの主軸の高さが換気所の高さより約10m低くなる。したがって、地上35〜40mの高さのマンション階では、汚染ガスの流れの主軸に当たり、0.6ppm前後の高濃度汚染にさらされる危険性がある。

]T.ダウンウオッシュ現象の発生による地上での高濃度汚染の可能性
 中央環状品川線の沿線には3カ所に高さが50m〜20mの換気所が建設される予定である。これらの建物の風下側で、煙流が下方へ曲げられたり、排ガスが渦領域に捕捉されて、平面上での煙の拡散場と異なる現象が発生する可能性がある。これらの現象は、ダウンウオッシュおよびダウンドラフトと呼ばれていて、高い建物の風下での大気汚染の予測には考慮しなければならない汚染効果である。これらの現象は、煙突の高さの平均風速が排煙速度の0.67以上に強くなると(例えば排煙速度が毎秒10mならば、平均風速が毎秒6.7m)、発生すると言われている。この点も予測に入れなければならない。

]U.浮遊粒子状物質(SPM)の予測について
 準備書では、「予測可能な自動車の排気管から直接排出される一次生成物質のみを予測の対象とし、反応二次生成物質およびタイヤの摩耗による粉じん、砂ほこり等の巻き上げ粉じんについては予測の対象にしませんでした。」と述べている。しかし、このような言い分は、極めて不当である。何故なら、環境省や環境科学情報センターが示しているSPMの予測マニュアルではこのようなことは書かれていない。むしろ自動車の排気管以外の排出源からのSPMを含めて予測する方法が示されているのである。また、国土交通省の環境アセスメント技術指針でも、排気管からの汚染源のみで予測するなどと言う寝ぼけたことは書いていないではないか。(官報号外118号:平成10年6月12日付、182頁参照)

]V.換気所の代わりに土壌脱硝装置を設置すること
 準備書では、換気所に除塵装置を取り付けることで、SPMを含む煤塵を極力除去すると書かれている。最近、首都高速道路公団は、中央環状新宿線の換気所に、SPMとNO2をともに除去する装置を設置することを公表している。また、板橋区大和町と大田区松原橋交差点には、汚染空気の脱硝、脱粒子に最も効果的な土壌脱硝実験施設が稼働している。
 このような時流に際して、品川線では除塵装置のみを設置することは、沿道の環境汚染を軽視する極めて時代遅れの対策である。環状6号線の環境施設帯や中央分離帯を利用して、トンネル内の汚染空気の浄化に効果的な土壌脱硝施設を設置することを是非実現して欲しい。こうすれば巨大な換気塔などを設置しないで済む。

以上


 


裏高尾土地収用公開審理は空転
 12月18日、午後2時から開催された圏央道裏高尾地区土地収用のための公開審理は、補償問題だけに陳述を制限しようとする川井会長の進行に対し、一昨年の土地収用法改正時に国会で、委員会審議の参考人8名のうち住民代表として陳述した標博重さんが開会冒頭、土地収用法改正の本来の趣旨と国会審議の内容を詳細に陳述しました。川井会長も堂々とした標さんの陳述には黙って聴かざるを得ない状況でした。
 標さんは、日の出ゴミ最終処分場問題、圏央道あきる野の土地収用時の公開審理とは明らかに異なる委員会の陳述制限をする変質ぶりを糾弾し、収用委員会の任務をきちんと果たせ、と強く求めました。
 国民や住民との合意形成を重視するとした扇国土交通大臣の国会答弁に比して圏央道高尾がいかに住民無視で事業が行なわれ行政が暴走してきたのか。こうした1時間に及ぶ陳述は、会場を埋め尽くした報道陣や傍聴者に深い感銘を与えました。続いて同氏は、国交省と石原都知事の意向に沿って収用委員会を事実上ロボット化し指示をしている山内収用委員会事務局長の罷免を川井会長に要求しました。
 7月の都政新報に掲載された新局長談話には、収用委員会はこれまでの第三者機関としての性格ではなく、もっと行政機関として起業者と連携して圏央道の収用裁決を早める、ということが書かれていたのです。会長は、あわてて標さんの陳述の中止を命じました。
 前回陳述を遮られた米田さんは、川井会長宛の抗議文に対する回答を要求しましたが、全く聞く耳を持たぬ、という会長の態度。
 審理はますます空転し、休憩を3度もとる状況で中断。委員会は予定していた補償問題には入れずに審理を一方的に打ち切りました。次回は来年の1月22日に開催される予定です。(橋本良仁/高尾山の自然をまもる市民の会)



都収用委、裏高尾の収用審理で暴挙
 改正土地収用法をたてに、事業に反対する地権者の発言を封ずる昨日(11月27日)の収用委員会の暴挙は、絶対に許すことが出来ません。
 この案件では、これまで8月と10月に2回公開審理が開催されていますが、起業者(日本道路公団)や事業に賛成の地権者2名には、事業の概要や協議の経過を丁寧に陳述させてきました。
 事業に反対する私たちには、進行と事業認定に関しては、地権者全体でわずか1時間15分の意見陳述しか認めないとする不公正・不公平な公開審理の進行を強要してきました。
 私たちは、こうした姿勢に抗議するとともに、高尾山天狗裁判弁護団長の鈴木弁護士は、藤田最高裁判事(元東北大学法学部教授で改正収用法に深く関わった方)の論文を引用して改正収用法の主旨を述べ、収用委員会の公開審理で事業認定や事業に対する意見、協議の経過などを述べることは重要であり、制限してはならないことを明らかにしました。
 その後2名の関係人(橋本・米田)が、事業認定にいたるまでの行政の暴走を事実をもって批判する陳述を行いました。
 しかし、川井会長は米田さんの陳述を一方的に停止させて休憩をとった後、突如審理の終了を宣言したのです。
 こうした収用委員会の審理進行は、石原都知事下での東京都行政の顕れだと思います。10月3日の圏央道あきる野の行政代執行停止の決定が出て、来春には東京地裁で事業認定を取消す判決が出そうな状況の下、何が何でも急いで裁決し、事業に立ちはだかるトラスト地を取り上げようとの思惑がありありと見えました。
 会場を埋め尽くした150人を超える関係地権者や弁護団、支援の方々の抗議の声に、会長の公開審理終了宣言の声は聞き取れない状況でした。終了宣言を読み上げるやいなや、収用委員7名と委員会事務局幹部は、職員にガードされて後方のドアから逃げるように退席しました。
 審理の一部始終は、TBSのカメラが捕らえていました。正確に報道してくれることを期待しています。公開審理の闘いは始まったばかりです。私たちも全力を注ぐ決意ですが、引き続き皆さんのご支援をお願いします。

 なお、当日は以下の団体からの参加でした。ありがとうございました。トラスト地の地権者と立木所有者、首都圏道路問題連絡会、圏央道あきる野、横浜環状道路北線・南線の連協と庄戸、全国公害総行動参加の諸団体、東京大気汚染公害裁判原告団と支援の会、公害地球懇、新横田騒音公害裁判原告団、大気汚染測定運動東京連絡会、高尾山天狗裁判原告団・弁護団、高尾山の自然をまもる市民の会と先日の高尾天狗フェスティバルの仲間達(橋本良仁/高尾山の自然をまもる市民の会)


東京駅八重洲口開発事業の環境影響評価書案及び見解書に対する意見

藤田敏夫/東京都環境アセス条例改正都民連絡会
E-mail mu7t-fjt@asahi-net.or.jp)

1.はじめに
 東京駅八重洲口は、東京の表玄関である。ここに天空を貫き、天候によっては上層部が雲に隠れるような超高層の業務・商業ビルを建築すれば、そこへ集中し、そこから発生する大量の自動車交通を誘発することになる。その結果、周辺地域は勿論、23区内の大気汚染の更なる悪化をもたらす恐れがある。
 東京都環境基本計画、建設省(現国土交通省)の「大規模開発地区関連交通検討マニュアル」および東京都環境影響評価技術指針などに基づいて、意見を述べる。

2.国際都市東京の核としての業務・商業集積の「拠点性」
 現在の東京の都市計画の中心課題は、一局集中を排除して、都心へ集中しすぎた業務・商業機能を23区内周辺の副都心や多摩地域の業務核都市へ分散させることである。そのため、東京都は平成2年に、「東京集中問題調査報告書」を、翌3年に、「均衡のとれた東京の成長をめざして」を発刊している。
 また、日本学術会議も4年に「首都機能の一極集中問題」をテーマにシンポジウムを開催している。
 これらの都心部への業務・商業機能の集中を排除する都市計画の理念を忘れてしまったごとく、再び一極集中を加速させる秋葉原、汐留、六本木及び品川駅東口での業務・商業施設の大量建設は、都心部の環境問題を悪化させる恐れが大きいと考えられる。

3.東京都環境基本計画では何と言っているか
 東京都環境影響評価技術指針は、「事業計画は環境基本計画を踏まえて行う。」と述べている。一方、東京都環境基本計画は次のように規定している。
「事業者は、事業活動を行うに当たっては、環境への負荷の低減に努めるとともに、その事業活動に伴って生ずる公害を防止し、または自然環境を適正に保全するため、その責任に於いて必要な措置を講ずる責務を有する。」
 このような事業者の責務とは反対に、「評価書案は、この地域では現在でも大気汚染が環境基準を上回っていることを認めながら、更に自動車交通を増加させる再開発事業を行おうとしている。」との都民の意見に対して、自ら汚染源を増悪させておきながら、「大気汚染の環境基準の達成は広域的な課題であり、国と東京都が環境基準オーバーの状況を改善するための施策を講じているので、協力していきたい。」などと白々しい見解を述べている。更に重大なことは、NO2はバックグラウンド濃度で既に環境基準を上回っているとして、事業による付加率が小さいからよいと評価していることである。この発言は、環境基準が何のために設定されているかを理解出来ていないことを示すものである。従来もこのような考えのもとで、開発が続けられた結果、現状のような大気汚染状況を出現させたのである。この状況を今後も続ければ、先に事業者が述べている「国や東京都の環境基準を達成する努力に協力していきたい。」という言葉の空虚さに腹立たしさを覚える。"ふざけるな"と叫びたい気持ちである。

4.集中・発生交通量の原単位について
 当該計画は、事務所延べ床面積35ha.に対し、商業施設の面積が10.1ha.で29%弱を占めている。商業施設面積が15%以上の場合は、建設省(現国土交通省)の「大規模開発地区関連交通検討マニュアル」に規定されているとおり、用途別に発生・集中交通量の原単位を設定する必要がある。
見解書で事業者が述べている「本事業の商業施設に関する休日交通量は平日交通量に比較して多くなります。」と言うのであれば、マニュアル通り用途別に発生・集中交通量原単位を求めなければならない。

5.将来交通量の予測について
 事業者は、見解書のなかで、「将来の道路整備の進展にともなって、都心に流入する通過交通が分散化されるため、周辺開発による発生集中交通量の増加を考慮しても、計画地周辺の外堀通り、八重洲通り及び永代通りの交通量は減少すると考えております。」と述べているが、これは全くの希望的作文に過ぎない。都心部での通過交通量を減らすため、国と東京都は、三環状道路(中央環状新宿・品川線、外郭環状道路及び圏央道)の建設を急いでいるが、これらの道路が全部完成しても、都心部の通過交通量は、約10万台減少するに過ぎない。これに反し、現在、国策として進められている都市再生事業による都心部での超高層業務ビル、商業施設やホテルの建設によって、新たに約24万台の集中・発生交通量が増加すると言われている。従って、将来都心部での自動車交通量は、差し引き1日、14万台も増えることになる。このように将来都心部での自動車交通量は、増加することはあっても、減少するとは考えられない。

6.大気汚染の予測について
 東京都環境影響評価技術指針は、「対象事業に於いて、複数の発生源が想定される場合には、必要に応じて重合計算を行う。」を規定している。それにも拘わらず、見解書では、「東京都環境影響評価技術指針に基づき、固定発生源と移動発生源のそれぞれ煙原別に大気汚染の予測を行った」と書いている。環境影響評価書案では、駐車場と熱源施設から排出される大気汚染の予測では、重合計算を行いながら、関連車両の走行による大気汚染の平成23年度の予測値は、0.038〜0.041ppm前者とほぼ同じオーダーであるにも拘わらず、重合していない。これは明らかに技術指針に違反している。従って、重合した予測をやり直す必要がある。
 次に、建設機械の稼働に伴う大気汚染の予測結果であるが、計画地のすぐ傍にある城東小学校での建設機械の稼働に伴うNO2予測年平均値が、0.0403ppmである。この予測値は、東京都が言う環境基準相当値を0.0103ppmも超えていることは問題である。弱小児童への健康影響を考えれば、建設機械等からのNOXの排出量を更に減らすことを考えるべきである。

以上




目黒区実行委が大気汚染測定
 大気汚染測定運動目黒実行委員会は、目黒区内の2003年6月の大気汚染状況の測定を行い、その結果をまとめた区内の各地点測定値、汚染状況地図などを公開しています。(冨田 悦哉 tomi@big.jp)

   大気汚染測定運動目黒実行委員会のホームページ


放射5号線環境アセスに対する意見

放射5号線環境アセスに係わる都民の意見を聞く会での意見陳述


藤田敏夫(アセス都民連代表幹事)
2003年8月29日


1.事業の目的について
 見解書54頁で、事業者は「・・・本事業区間のみが未整備のため、交通のボトルネックになっており、周辺の国道20号や東八道路などの渋滞を招いています。」と述べているが、国道20号の現況の混雑度は、1.11で、渋滞状態にはないことが第18回外環PI協議会の資料で示されている。
 逆に、同じ資料では将来外環の中央道インターチェンジ(IC)が東八道路に近接する三鷹市内に出来ると、IC利用交通量が、1日約16,000台増加することが示されている。従って、むしろ放5の方が渋滞して環境に大きな影響を与えることが考えられるが、大気汚染などの予測・評価にこのような要因が考慮されていない。

2.交通需要予測の欠陥が明らかになった
 昨年の道路4公団民営化推進化委員会で、これまで国土交通省が非公開で行ってきた交通需要予測の欠陥が明るみに出た。
 この全国交通需要予測は、環境アセスメントにおける交通量予測の根幹をなすものであり、本アセスにも重大な影響がある。
 昨年7月、土木学会誌は、「交通需要予測」の特集を刊行した。その中では、交通問題の専門家が、予測の限界論、交通需要予測の過去と今後のあり方等について議論している。それらの議論の中心は、交通量需要予測は、往々にして政策的要素が色濃く入っており、それを取り除くことが必要。その上で、上位、中位、下位のように幅を付けて予測することが必要としている。国土交通省は2002年11月に、ようやく「交通需要推計予測」を修正して、「交通需要推計検討資料」を公表するに至った。
 その内容を見ると、全車両交通量の推計が下方修正されて、2020〜30年には約9〜10%減少することが示されている。
 こうなってくると、国史跡に指定された玉川上水の貴重な自然を壊す危険を冒してまで、放射5号線を建設する必要はない。

3.同時に建設されている他の幹線道路や高速道路の影響
放5に直接結びつく調布―保谷線(3・3・6号線)、府中―所沢線(3・3・8号線)は2015年、圏央道が2010年、八王子都市計画道路(3・3・2号線)は2005年、中央環状新宿線は1995年(遅れている)、外環道(未定)の様に完成が予定されている。ところが、本アセスではこれらの道路ネットワークの影響が考えられていない。この点からもこの環境アセスメントは極めて不備と言わねばならない。

4.大気汚染(NO2)に関する予測の不備
 この問題については、評価書案に対する意見書で詳しく述べたが、見解書では、まともに答えていない。
 第1に、SPMの予測だが、一体、環境影響評価審議会では、環境省や環境科学情報センターが示した予測マニュアルやアセスメント技術をいつまで無視し続けるのか?鼎の軽重が問われる問題である。評価書案に示されたような不完全な予測を許しておくことは、犯罪行為とも言える。直ちに改めて貰いたい。
 第2に、バックグラウンド(B.G)濃度(背景濃度)の位置づけだが、B.G濃度は、当該予測地点から東西南北方向に少なくとも2Km
以上離れた地点から流入するNO2濃度によって形成されるとされている。従って、当該地域の汚染ではない。評価書案に対する意見書に求め方などを詳しく述べたので参照されたい。
 第3に、バックグラウンド濃度の予測だが、見解書でも相変わらず行政の削減計画を使うことが当然のように述べているが、これまでにこの手法を使った予測は、ことごとく失敗している。
 たとえば、臨海副都心へ渡る東京港臨港道路(レインボーブリッジ)の環境アセスの事後調査報告書がこの事実を明確に認めている。
 私が既存のデータを用いて、この算出方法を逆に用いて求めたNOX総排出量の経年変化図では、少なくとも1985年を基準年として1995年まで削減計画とは逆に増加又は横並びで推移していることが分かる。
 第4に、B.G.濃度の推定における発生源寄与率について、評価書案意見書で詳しくのべたので、簡単にするが、見解書は相変わらず、出典も示さずに引用した資料でよいと主張している。これは「東京都窒素酸化物削減検討基礎資料(平成9年3月、環境保全局)やSPMについては東京都環境白書2000に示されている値とかけ離れて低い値である。



2003年度大気汚染全国測定運動に参加しませんか

NO2・酸性雨・SPM全国測定運動実行委員会
  (略称 大気測定全国実行委員会)
〒101-0051 千代田区神田神保町2−10 徳住ビル 3F
 TEL&FAX 03−5275−0257


 今年も大気汚染全国測定運動を準備する時期になりました。この運動は、1992年以来12回目を迎え、参加団体、人数とも徐々に増えてきました。北は北海道の稚内から南は沖縄県の与那国島まで、文字通り全国測定を実現しています。皆さんも測定に参加しませんか

1.全国各地で自動車排ガス汚染に関心をお持ちの皆さん

 大気汚染全国測定運動実行委員会は、参加団体・個人の自主的取り組みを尊重し、どなたでもこの運動へ参加していただくことを歓迎します。

2.NO2とともに尼崎や名古屋の大気汚染公害裁判の判決が指摘した浮遊粒子状物質(SPM )の測定も!

測定内容は、今年もNO2・酸性雨・SPMとします。特にSPMは、尼崎や名古屋の大気汚染公害裁判の判決で健康への影響が強いと指摘されています。交通量の多い幹線道路の交差点などで是非測定してください。NO2とSPMは比例関係にあることが分かっていますので、NO2を測ることによって、SPMもある程度推定できます。NO2も測定もどしどし進めてください。

3.手軽で安価、誰にでも出来る大気汚染測定調査運動

 測定方法は別紙のマニュアルを見ていただくとして、費用は次の通り安価ですので、思い切って多くの人たちに拡げてください。


            測定日
     NO2  6月5日(木)18時〜6日(金)18時
       (16時から20時の間なら可)
        いずれも24時間の測定時間は厳守。
  酸性雨  原則として6月5日から19日の間の一番
       はじめに降った雨を採取。
    SPM      原則として6月5日から19日の間に採取
            費 用
   NO2カプセル     1コ    100円
  酸性雨測定器具セット     1組         600円
   SPM 測定キット         1式     3,500円
    このキットは一度購入すれば何回でも使えます。
  SPM測定用ろ紙   18枚          800円
    2002年度 報告書 (80頁)1冊  500円
    送料は いずれも別料金です。
           申し込み
  申込みは 別紙申込書でFAXを下記へ送って下さい。
  03−5275−0257  大気汚染全国測定実行委員会
  第1次締め切り:4月30日(水)
  第2次締め切り:5月16日(金)



川口リサーチパーク計画が正式中止、種の保存法初適用
 このほど、私たちが取り組んでまいりました八王子・川口リサーチパーク計画(約170ヘクタール、事業費700億円)が正式に中止になりました。
 1993年6月、リサーチパーク計画予定地内の天合峰でオオタカの営巣が住民によって発見され、同年4月に施行されたばかりの「種の保存法」の初の適用になりました。同年8月東京都はリサーチパークのアセス手続きを中断、地元推薦3名を含む専門家による「オオタカ生態調査検討会」が結成され、1年間の調査が行われました。
 翌年の94年11月、同検討会による最終報告結果にもとづき、事業者の住宅・都市整備公団(当時)は「オオタカの生息に配慮した計画修正案をつくる」としたが、その後は動きがなく、凍結状態が続いてきました。ようやく、昨年2003年11月、東京都、八王子市、都市基盤整備公団が「事業見通しが立たない」として、リサーチパーク計画の断念を発表しました。事実上、計画の正式な中止です。
 10年間の住民の運動がみのったのです。天合峰でのオオタカの発見は、緑を守ろうという住民の圧倒的な声に後押しされた結果でした。住民が声を上げなかったら、オオタカもろとも(見つからなかったかも)丘陵は崩されていたでしょう。あきらめずに、住民が声を上げるたいせつさを私たちは学びました。
 行政、公団は、性懲りもなく新たな開発計画を模索していますが、私たちは緑地保全へ転換するよう求めていきたいと考えております。天合峰には、里山景観が残るいい自然があります。東京都の里山保全地域にして、荒れた雑木林を市民によって手入れができるようにしたいと考えています。これからも、里山の保全のために力を合わせましょう。よろしく、お願いします。(秋山/八王子の天合峰を守る会)

 


全都一斉NO2測定集計まとまる
 NO2(二酸化窒素)を測定することで自動車排気ガス公害を監視しています。
2002年12月全都一斉NO2測定のデータ集計ができました。東京都各市区町村の測定値、2kmメッシュによる汚染状況図、 目黒区での各地点測定値、汚染状況地図などを公開しています。(大気汚染測定運動目黒実行委員会 冨田悦哉)

大気汚染測定運動目黒実行委員会のホームページ(変更されました)

 


東京湾の再生を言うなら、有明北の16万坪の埋め立てを中止せよ
 2002年2月に、環境省、国土交通省をはじめ、東京湾に関係する東京、神奈川、埼玉、千葉の各都県によって、「東京湾再生会議」がスタートし、6月には「東京湾再生のための行動計画(中間まとめ)」が公表されました。
 その中で、湾奥に僅かに残された干潟や浅瀬などを再生保全する行動が計画されています。
 しかし実際には、三番瀬なども住民・市民の大きな出費と努力によって、保全されることになりましたが、外郭環状道路の松戸、市川間の道路建設は、都市再生事業として予算化されています。そして三番瀬を通過して、これと直結する第2湾岸道路建設計画も依然生きています。
 一方、東京臨海部では、2000年8月に東京都は、運輸省(当時)の認可を受けて、有明北に広々と拡がる通称16万坪(53ヘクタール)の東京港内に残された唯一の浅場の埋め立てを始めました。この水域は、水深が3〜4mで太陽光が底まで届くため、スズキ、ボラ、マハゼ、メゴチ、アナゴ、カレイ、カニなどの魚介類をはじめ、貝類やゴカイ類の生息が豊かです。北側に防波堤があって、この水域は波が静かであるうえ、防波堤に降った雨が地下から湧き出しているため、塩水と真水が適当に混ざり合った汽水域となっているためです。
 特にハゼのつり場として、秋口には毎日沢山の遊魚船で賑わうところです。そして幻の魚として環境省のレッドデータブックに登録されているエドハゼが生息していることが最近発見されました。
 2002年3月、東京都港湾局は、一部が埋め立てられた16万坪で底生生物の調査を行いました。その結果は、下表に示すとおり埋め立て前に比べて生物が激減していることが分かりました。



 前述の再生計画の中間まとめでは、浅場の埋め立てについては「現存する貴重な干潟や浅場等については、他の公益との調和をはかりつつ可能な限り保全するとともに…」と述べています。16万坪の場合、埋め立て後に、住宅9000戸と商業施設等を建設する計画ですが、東京都住宅局は、都営または都民住宅の建設を中止することを決めているし、都市整備住宅公団も住宅建設から撤退しました。残る用途は、この埋立地を民間業者に売ったり、貸したりするだけです。
 こうなれば公益性などの条件は崩れてしまいます。今からでも遅くはない。現在以上の埋め立てを中止し、16万坪の自然環境を残して、都民の憩いの水域として活用することこそ東京湾再生計画に沿った道ではないでしょうか。(藤田敏夫)

 


有害土壌汚染宅地と向き合った苦闘の4年間/松井 四十二

 土地開発公杜が造成した分譲地に家を建て、思わぬ土壌汚染とその猛烈な被害に直面してたたかった4年間。まさか自分が買った土地が…と、孤立無縁の苦しみのなかで、幸いにも公害・地球懇(JNEP)と連絡がとれ、関係者に支えられて、ともかく経済的補償を勝ち取ることができたのです。
 土壌汚染対策システムが未確立のため原因物質が明確でなく、原因者も追及されず、ましてや原状復帰など望むべくもないという今日の状況のなか、各地で同様の問題が発生しているなかで、売り手であった土地開発公社が譲歩したレアケースです。
 公害・地球懇(JNEP)が解決に一役買ったきっかけは、当ホームページでした。


 国立公園に隣接し有珠山噴火で全国の目が注がれた、虻田町に退職後の生活の場として、同町土地開発公杜が造成した約200坪の土地を買い、新居を建てた。
 入居(98年11月)後、妻の体に異常が現れ、シックハウスの疑いから診断を受けたが病名がはっきりせず、専門医の診断の結果、化学物質過敏症であると宣告された。
 建材の化学物質が要因と考え、様々の住宅改善を試み対策を講じたが、一向に良くならずクロスの変色、観葉植物の異常成長といった現象が次々と発生した。その間、妻の症状も刻々と悪化し、ついに住宅退去(99年9月)ということになり仮住まいを余儀なくされた。

 原因は室内臭気であった。臭気ガスが充満し、しかも日毎に濃度が濃くなり、様々に変化していった。換気の徹底で排除できるものとベンチレーターや空気清浄器などを設置したが何ら効果は上がらず、酵素や珪藻土、ホルマリンストッパーの塗布等改善策を試みたが、ますます酷くなるばかりであった。

 知名度のある検査機関が、ホルムアルデヒド0.06ppmを検出したが、考えられる他のVOCは未検出で、一応ひとつの要因であると判断した。
 だがしかし、床下土壌を採取をすると、驚くことにガスが発生したのであった。また、敷地や家の周辺でも薬品・消毒臭のような臭いが漂い、吸い込むことによって様々な症状が現れた。
 臭気は湿度、気温、朝夕、季節によって変化し、VOCとは異なり人体で感じとれるものの、各種の検査では何ら特定物質なるものは検出不可能であった。

 また、青色粘性土や亜麻の残存物、臭気を放つ土壌、瓦礫等の産業廃棄物が次々と土中から見つかり、有珠山の溶岩石を砕いた礫や化学物質混入疑いのある土が出土し、契約時の説明と雲泥の違いがあり余りの酷さに唖然とした。
 専門的見地から道立地質研究所が町の依頼で土中調査を行った。
 以前、民間の検査機関がガス発生の事実を確認していたため、追認するような調査結果の報告が加筆された。しかし、様々な検査や土中調査でも原因物質は未検出ではあったが異常性は毎年起きた。
 白濁した水、帯化・奇形植物の発見、床下換気孔から吹き出し外壁の一部を涙目のように溶かした付着物質の痕跡、人体被害、通常の造成地とは程遠い現象が続いた。
 また、住民からはトン・コレラで死んだ豚を埋めたと聞かされ、昭和41年の新聞で事実確認ができ、薬品処理の残存物痕跡の疑いを強く持った。しかしながら、検出すべき物資が何であるかが明確にできず、数度にわたる検査でも何ら検出できない現状から追及を諦めざるを得なかった。
 土地公杜は事態解決に向け何ら対応もとらず、3年が過ぎ、今年(2002年)8月、奇形植物を取り上げたマスコミの報道が全国に流され、実態の深刻さが明らかになり、解決に向けて動きが示された。
 その間、弁護士とも相談し、法廷で争うことも追求したが特定物質未検出と人体への影響との関わりが証明できないといったことで断念せざるを得なかった。

 まともな造成地だと100%信じて買った土地が、土壌汚染されていたとは思いもよらなかった。土地開発公社は誰が、何時、何を埋めたか、搬入先はどこかと調査したが、何ら明らかにするような結果報告は得られなかった。4年近くになって調査した結果分からずの回答には腹ただしい思いである。

 公害地球懇、日本科学者会議、民間業者杜長、医師、マスコミ関係、多くの方々の支援が寄せられ、また事態解決に向け公杜側は前進的な回答を示し過日合意に達した。
 だが、築こうとした財産の全てを失い、新たな土地と住み家を求めなければならなくなった。過去の不法投棄に関する法規制がない以上、悲劇は繰り返される。投棄者不詳時代の不法投棄行為に関する法整備を早急に確立する必要があるとつくづく思う次第である。(北海道虻田郡虻田町在住)


<注> VOCとは揮発性有機化合物=VOC(Volatile Organic Compounds)の略。
「新築の匂い」などといわれ、建材等から揮発性の有機化合物が放散し、頭痛・めまいなどがして日常に支障を来す「化学物質過敏症」の原因。
常温で液体や固体の形でも存在しうる極めて揮発性の高い物資の総称で、種類も多く室内環境で問題になるVOCは100種類以上の物質の集合体と言われている。


 


まちづくりウォッチングで危険個所チェック/今沢健而
 子どもやお年寄りの目で地域を見つめてみようと、「福山バイパスと区画整理を考える会」は4月から7月にかけて、3回にわたり、私たちの住むまちを歩いてみました。千代田町や多治米町など市内の5つの町を実際に踏査したのです。
 その結果、歩行者、自転車、車イス等には極めて危険な箇所があちこちにあることが分かり、特に危険と思われる16カ所を取り上げて、「まちづくりウォッチング」として冊子にまとめました。
 私たちはこの活動をふまえ、11月6日、福山市に対し、この間の調査で明らかになった問題点を「危険箇所への対策を求める要講書」としてまとめ提出しました。
 対応した福山市の岸本土木部長に対し、「先日もお年寄りが側溝に落ちて亡くなる事故があったばかり。少なくとも命を落とすことのないよう、緊急かつ抜本的な対策を取って欲しい。人が亡くなってからでは間に合わない。行政が後追いになることなく、きちんと点検し、総合的な対策を講じる」よう強く求めました。
 岸本部長は、「再度点検してみて、危険性の高いところから順次整傭していきたい」として、11月20日までに『要請書』に対し、文書での回答を約束しました。

<要望事項>
1.道路(主要幹線)には歩道や自転車道を完備すること
2.歩道を広くし、電柱、信号機柱、標識など支障物を取り除くこと
3.歩道の亀裂や凹凸、切り下げ、傾斜、バス停の切り込みなど直ちに改善すること
4.転落死や事故もあるので、側溝にはふたやガードレールをつけること
5.街路灯を早急に設置すること
6.用排水路の緊急対策と抜本対策を明らかにすること

(福山バイパスと区画整理を考える会代表世語人)


 


外環反対連絡会、交通量削減で市川市に申し入れ
 外環反対連絡会は11月1日、東京大気汚染裁判判決で、幹線道路沿いの学童の喘息発症率が異常に高いことなどが指摘されたのを受けて、今回の判決は東京都内の問題だけにとどまらないと、外環が通る市川市の市長にたいし交通量の抑制に取り組むよう求める見解を発表しました。
ホームページ 外環のない町にその内容が掲載されています。(外環反対連絡会 尾崎敏夫 zba21776@fox.zero.ad.jp)

 


ヨハネスブルグ・開発環境サミット見聞抄録/長野晃
 半月があっという間にすぎた、でもわたしにとって大変中身の濃い時間でした。21世紀をむかえ、世界、人類がどういう方向にむかうのかを、世界中の政府、NGOがあつまって討論し、交流する場面に参加できたことは、今後、環境問題のコンサルタント活動やシンクタンク作りの一端を担おうと考えている私にとって、貴重な経験でした。
 京都議定書の文言が、アメリカの圧力のもと、宣言文から消えてしまう恐れがあるということで、緊急に日本のNGOがあつまり、大木環境相に申し入れをし、功を奏したことは、参加したNGOの1メンバーとして、よかったと率直に思いました。
 貧困問題、南北問題などがかなりの比重を占めたのは、一面で世界の現実を示していると思いました。日本の憲法に「国民は健康で文化的な生活を享受する権利がある」とありますが、そうした人類の「権利」について討論、交流するオリンピックであるとも思いました。
 わたしは、「日本の公害は終わっていない」というテーマで「ダイオキシン」「大気汚染と健康」「三井化学の大阪湾汚染」「中津リバーサイドコーポの高速道路建設反対運動」の4つの問題をパネルとビラにして持ってゆき、CASAブースでの展示と国際会議場、政府パビリオンでのビラ置きをしました。2週間同室だった、大阪府環境情報センターの岸田さんと化学汚染問題の情報を集めようとしましたが、残念ながら今回、成果はもう一つでした。
 驚いたのは、南アの人たちの人懐こさです。会場でも、中学生ぐらいの姉妹が寄ってきて「おじさんはどこから来たの」と気軽に声をかけてきます。ゴスペルの迫力も堪能しました。ソウエト蜂起メモリアル館、マンデラの旧居、ソウエト地区の市場・住宅街(難民地域を含め)、アパルトヘイト博物館、アフリカ博物館、ビール博物館など結構、見学できました。
 食費が3〜4分の1、ワインとビールの国というのも大変結構でした。象、キリン、サイ、シマウマなどにお会いできたのも楽しい思い出です。アパルトヘイト政策が廃止され、黒人への政治的な差別は基本的に解決されましたが、いまも白人の経済支配が続き、白人と黒人で賃金が10倍も違うと聞き、考えさせられました。
 また、世界は広い(日本という国があることを知っている世界の人は何%いるだろうか)ということを思い知らされました。JapaneseよりもChinese、Koreaといわれた人のほうが多かったという仲間たちの話はムーディーズ最低ランクに格付けされた、日本の客観的な国際的地位の一面を見た思いです。
 日本の都市公害の経験を途上国に伝達するのもさることながら、環境を保全しつつ開発するという難題にこたえられる、工業先進国の社会的経済的システム転換への踏み出しが必要との思いを強くしました。都市公害、化学汚染の解決のためには、住民運動の質量の水準をあげることにみずから奮闘することが必要であると痛感(だれもしてくれない。自分たちのことは自分たちで解決の道を見出せ)。
 帰りの飛行機で、スェーデン人で日本で環境コンサルタントをしているPeoさんと意気投合し、今後の情報交換を約束できたことは、大きな収穫だったと思っています。
 全体として人類はみな、平和で安全、安定したくらしを求め、互いに幸せになりたいと思っていることを実感したサミットです。アパルトヘイトとのたたかいとその勝利は、人間の解放、権利の確立には粘り強い、根気強い長いたたかい、ジグザグの道をいとわない勇気が必要なことを訓えてくれました。(2002年10月10日記/NGOいのちと環境ネットワーク 長野晃 会員)

 


東京の大気汚染が悪化…ディーゼルNO作戦効果見えず

 8月1日、東京都環境局は、2001年度の都内の大気汚染状況を発表しました。全体的にみて、前年度に比べて、横這いか、むしろ悪化しました。
 環境基準の達成率でみると、住宅地にある一般測定局では、二酸化窒素(NO2)は、44局中40局で達成していますが、ぜん息の原因であり、発ガン性物質が含まれている浮遊粒子状物質(SPM)は、基準を達成したのは、都内全域47局中わずか12局で、基準オーバー局が前年度より一挙に34局も増えてしまいました。
 一方で、幹線道路沿道の測定局では、NO2は25局中3局、SPMは1局も達成していません。
 さらによく考えてみると、かって(1978年7月)当時の中央公害対策審議会の専門部会が示したNO2汚染によって人の健康に影響が出始める判定濃度(年間平均0.03ppm)からみると、23区内では52局中9局、17%しかこの基準を達成していません。
 驚いたことに、一般局のワースト1が臨海副都心の台場でした。私たちの仲間が6月に副都心全域33カ所で測定した結果も殆ど全域で基準をオーバーしていました。臨海副都心は、東京全体のNO2汚染の発源地の1つになっていることが分かります。
 このような環境汚染からみても、1日1億円の赤字を積み重ねている臨海開発は、早期に中止して、緑を増やすなどして、汚染源を食い止めることが必要です。
 このような状況は、東京都がすすめているディーゼルNO作戦が効果を挙げていないことを示すものです。(大気汚染測定運動東京連絡会 事務局長 藤田敏夫)

 


青森・岩手県境への全国最大規模の産廃不法投棄事件と住民の取組み

 青森県田子町と岩手県二戸市にまたがる県境地域に首都圏などからの産業廃棄物が1990年代初めから長期にわたって不法投棄され、その総量は82万立方メートルにも及ぶ膨大な量となっています。
 この不法投棄はかつて大問題となった香川県・豊島の46万立方メートルを遙かに上回る全国最大規模です。
 これらの廃棄物は、埼玉県の廃棄物処理業者、県南衛生が首都圏を中心とする1500社にものぼる事業者から排出された廃棄物を引き受け、青森県八戸市の三栄化学工業が管理する敷地に持ち込んだものです。
 不法投棄された廃棄物の内容は、青森・岩手両県の調査によれば焼却灰、廃油、汚泥、廃棄食品など多種多様なものが含まれ、現地の住民はこれらの廃棄物が午後10時から午前4時といった時間帯に持ち込まれたど証言しています。
 産廃が不法投棄された藪地内で両県が行ったモニタリング調査によると、高濃度のダイオキシンをはじめ、鉛、ジクロロメタン、ベンゼンなどが検出されています。不法投棄された廃棄物がこのまま放置されるならぱ、侵出水に溶け込んだ汚染物質が岩手県北、青森県南地域の20数万人の住民の上水道の水源である馬淵川の汚染を招くことから、馬淵川流域の自治体や農・漁協など35団体が7月8日、木村守男青森県知事に汚染拡散防止対策の早期実施を要望しました。
 一方、不法投棄事件の現地住民で組織する「田子の声100人委員会」(中村忠充会長)は、既に農作物にも風評被害が生じていることなどから早期全量撤去による原状回復を強く求めています。
 また、日本科学者会議青森支部(代表幹事・松原邦明弘前大学名誉教援)は、不法投棄された廃棄物の全量撤去と無害化を求めるとともに、青森県が廃棄物の処理許可をしながら、なぜこのような重大な事態を招いたのか県民に事実関係を明らかにし、廃棄物の適切な処理施策を県知事に申し入れています(注)。
 産業廃棄物不法投棄事件を引き起こした二つの業者ともすでに倒産し、途方もない大量の廃棄物が置き去りにされたままといった状況にたいし、青森・岩手両県は、不法投棄された産廃をどう処理するかで合同検討委員会を設置して解決方法を協議していますが、岩手県があくまでも原因者責任を追及し、全量撤去をめざしているのに対し、青森県側は廃棄物を遮水壁で封じ込め汚染物質の拡散を防止する方策を主張し、両県の間で対応策をめぐって食い違いが生じています。
 青森県が主張する産廃を封じ込めるやり方については、地元住民や田子町長から「安易な方法で解決すべきでない。全量撤去すべきだ」との厳しい批判が出されています。
 青森県がコンサルタント業者に試算させた全量撤去処理費用試算額は438億円にものぼる巨額なものであり、青森・岩手両県とも、数百億円もの処理費用を県費で負担できないことから8月1日、不法投棄の現地視察に訪れた大木浩環境相に財政面での支援を要請しました。
 これから膨大な廃棄物をどう撤去し、それをどこでどう処理して無害化するのかなど、問題は山積しています。
 このたびの全国最大規模の産廃不法投棄事件は、首都圏から700Kmも離れた北東北の山紫水明の地域に環境破壊と途轍もない財政負担という大変な負の遺産をもたらしました。首都圏を中心に1500もの排出事業者が、ありとあらゆる廃棄物を廃棄物処理法違反で摘発された産廃処分業者に委託していたことを、ここにきて環境省も認めています。
 長期に大量の不法投棄を見過ごしてきた青森県と環境省の責任は重大なものがあります。同時に、これらの廃棄物のほとんどが首都圏から搬入されていることから、首都圏の関係自治体と排出事業者の責任も問われています。このような事件を再び発生させないためにも、わが国の経済システムと廃棄物行政の根本的な転換が求められています。(2002年8月14日/水越 直一郎:公害・地球環境問題懇談会八戸支部)

 (注)日本科学者会議青森支部の青森県知事への申し入れ内容

(1)不法投棄された廃棄物の全量を撤去し、無害化すること
(2)処分場周辺地域、馬淵川と地下水への厳密な環境影響調査を行い、調査結果を公表すること
(3)青森県は、住民との協議機関を設け、住民要求に基づいた対策を講じること
(4)このような巨大かつおぞましい事態が、なぜ発生したのか。廃棄物処理を許可しながら、青森県は、なぜ長期にわたって事業実態を把握しなかったのか…県民の疑問に対し、その背景、経過等について事実関係の詳細を明らかにすること
(5)このような事件を二度と発生させることのないよう、青森県は、本件の反省に立って廃棄物の適切な処理施策を樹立すること



環境保全に提案(タバコ問題と水質汚濁について)
 禁煙運動の高まる中、喫煙者はいっこうに減りません (多少は減少かも?)タバコ(喫煙)の問題解決は、当面は分煙しかないと思います。喫煙者のマナーが問い質される昨今喫煙者の排除より分煙の徹底が第一と思います。
 喫煙を違法化するという考えはアメリカでの禁酒法の失敗を見るまでもなく、無理なことです。ポイントは他人へ迷惑をかけないこと、これに尽きるのではないでしょうか。
 未成年者への法的規制は、従来通り行うべきです。禁煙、禁煙と書かれた禁煙指定場所より、すべてが禁煙場所で公衆便所のように喫煙場所(喫煙室)をたくさん作ることです。(全面禁煙は”隠れ喫煙”など防災上の問題が生じる可能性があります)完全に分煙社会になった時、スモーク、ハラスメントも無くなるでしょう。

 △分煙(タバコを吸う場所と吸えない場所に分けることです禁煙とは違います)
 △嫌煙運動=分煙(タバコを吸う人は、他の人の迷惑にならないように吸って下さい)
 △禁煙運動=全面禁煙(タバコは明らかに有害である。本来禁止すべきである。)
 
 タバコ(喫煙)と水質汚濁について!!!!
 たばこ汚染は煙だけでは有りません
 
 喫煙場所に置かれているスモーキングスタンド(灰皿)から、もくもく煙の出ている光景をよく目にします。既に捨てられた吸殻に燃え移ったと思われます、燃え移らなくする為に灰皿の中に水を入れ其処に、たばこを投げ捨てているのが大半かと思います。たばこの火を消すには最適かと思います。しかし、灰皿の中の吸殻、ニコチン、タール等を含んだ汚水はどのように処理されているのでしょうか?
 まさか垂れ流し!もし垂れ流しであれば、生命体の源たる水体系に何らかのリスクを生じる可能性が考えられます。

 ***工場排水、家庭排水も魚の住めるきれいな環境作りを!!!

 <日常、台所から何気なく流される水。実はこの水の汚れは大変なものなのです。もし、みそ汁1杯(200cc)をそのまま流したら、魚が住める程度の水質にするためには、風呂おけ1杯(300リットル)の水道水で希釈する必要があります。そして、使用済みの天ぷら油カップ1杯の場合では、なんと風呂おけ330杯分もの水道水を使わなければいけません。また、家庭用合成洗剤は、天然油脂から作られた石鹸よりも分解されにくく、汚濁要因となっています。少量であれば自然の浄化作用でもきれいになりますが、現在の人口や生活環境を考えると、とても自然の浄化作用だけでは解決できません。>

 ***灰皿のもくもくの煙は副流煙(副流煙は主流煙よりも有害)!!!

  <主流煙と副流煙たばこの煙は、喫煙時にたばこ自体やフィルターを通過して口腔内に達する「主流煙」と、これが吐き出された「呼出煙」、及び点火部から立ち昇る「副流煙」に分けられます。いずれもエアロゾル(液滴)の形状をなす「粒子相」と気体からなる「気相」に分けられます。各種有害物質の発生は主流煙より副流煙の方が多く、主流煙は酸性ですが、副流煙はアルカリ性で、目や鼻の粘膜を刺激します。>
 
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 人の多く集まる喫煙場所に水を使わずして一発消火のスモーキングスタンド(灰皿)たかが吸殻の処理とお考えでしょうが膨大な労力と経費を費やしていませんか?

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有限会社ダイワプランニング
〒558−0055大阪市住吉区万代6丁目1番6号
TEL06−6672−8811 FAX06−6675−5556
E-mail t8811@poppy.ocn.ne.jp
開発部:国友勝昭
E-mail kunitomo@lemon.plala.or.jp



臨海開発の財政破綻を覆い隠す「三会計統合」の違法性を鋭く突く≪臨海裁判≫を支援して下さい

 石原都知事は、すでに8,815億円の借金を抱え、毎日1億円の赤字が累積して、破綻状態に陥っている「臨海副都心開発事業会計」を救うため、昨年4月から大幅な黒字会計で、都民の財産である「埋立事業会計」と「羽田沖埋立事業会計」を統合してしまいました。
 臨海副都心開発事業会計」は、すでに黒字の二会計から巨額の借金をしていました。今度の統合で、これらの借金は棒引きにされてしまいました。このほかに埋め立てられた都有地183ヘクタールが提供されていますから、これを合わせると、都民の財産が合計1兆5,630億円も赤字の臨海会計へ注ぎ込まれたことになります。

 都民のお金を1円も使わないはずが、この有り様です。私たち都民13名は、巨額の大赤字を隠す「三会計統合」に反対して、今年3月に東京都監査委員会に対して、「今回の会計統合が、三会計それぞれの独立採算の原則を定めている地方公営企業法の規定に違反する疑いがある。」として、住民監査請求を行いました。

 ところが、驚いたことに、監査委員は、「三会計を定めた条例の改廃は、都議会の権限である」として、監査を行いませんでした。
 このため、13名は、5月2日に東京地裁に住民訴訟を提起して、受理されました。

 臨海裁判の第1回口頭弁論は、7月31日(水)午前11時から東京地裁606号法定で開催されます。
 つきましては原告13名の取り組みを多くの団体・個人の皆様からのご支援で、大きく発展させていただくよう、≪臨海裁判を支援する会≫を作ることにしました。

 この会を発足させるため、下記の通り支援集会を開催します。是非ご参集下さるようお願いします。なお、当日はご都合で出席できない場合でも、是非とも支援する会へ加入して頂くよう重ねて要望いたします。

臨海裁判支援集会
【日時】6月25日(火)午後6時30分〜
【会場】江東区産業会館(地下鉄東西線東陽町下車 4番出口 右側銀行の2階 TEL3699-6011)

臨海裁判原告団
相原千津子(江東区)、安彦克己(港区)、池田孝治(葛飾区)、神山昭仁(港区)、作本幸秋(新宿区)、菅野きよ子(中央区)、鈴木源太郎(江東区)、鈴木康吉(江東区)、高木庸子(港区)、高橋禮之(港区)、中野幸則(江東区)、榛田敦行(江東区)、藤田敏夫(大田区)/《弁護士》前川雄司、黒沢計男、坂 勇一郎、町田伸一…東京合同法律事務所

臨海裁判を支援する会 入会申し込み
氏名:
住所:
TEL/FAX:
E-mail:
返信して下さい。(年会費 3000円)
返信先 → MU7T-FJT@j.asahi-net.or.jp 藤田敏夫


●有事法制3法案阻止めざす公害・環境運動関係者共同アピール

 政府は「有事法制3法案」の成立にやっきとなっています。
 公害・環境運動に取り組む一員として、この法案に反対の声を上げなくてはと、別紙アピールにご賛同いただける方々を募っています。
 6月16日現在)、全国各地から別紙のとおり、278名の方々が賛同の意思を寄せられました。
 国会情勢は、会期延長問題を含めさらに重要段階を迎えることとなりますが、私たちは「有事法制3法案」の廃案めざし、引き続き全国各地での奮闘を呼びかけます。

2002年6月16日

           太田 映知(全国公害患者の会連合会事務局長)
           篠原 義仁(自由法曹団幹事長
                 /全国公害弁護団連絡会議前幹事長)
           本 谷  勲(東京農工大名誉教授)
           小池信太郎(公害被害者総行動実行委員会運営委員長/公害・地球環境問題幹事長)  
             問合せ電話03−3352−4938(小池)


ア ピ ー ル
戦争は最大の環境破壊、許すな!有事法制3法案
小泉内閣は、「武力攻撃事態法案」「自衛隊法改正案」「安全保障会議設置法改正案」の有事立法3法案を国会に提出し、成立を急いでいる。
 有事法制は、他国への軍事干渉を強めているアメリカの戦略に日本をまきこむためのものである。緊急事態の際は、政府に権限を集中し、憲法9条ばかりか、国民の基本的人権、地方自治など、憲法で保障された民主的諸権利をふみにじろうとするものである。
 私たちは、「なくせ公害、守ろう地球環境」を共通の目標とし運動をすすめている。そして、「戦争こそ最大の環境破壊である」との立場から、これまで一貫して、平和を求め活動をすすめてきた。
 ベトナム戦争での“枯葉作戦”によるダイオキシンの被害が、どれほど深刻な結果をもたらしたか、改めて問うまでもない。
 さらには、事態が核戦争へとエスカレートした場合には、人類史上取り返しのつかないジェノサイド(皆殺し)・エコサイド(環境破壊)となることは必至である。広島・長崎の悲惨な経験を繰り返してはならない。また最近、米軍基地からの有害化学物質の流出による地下水汚染などが、全国的に問題となっている。米国内基地周辺の住民にガン発生率が高いことを米国防省自身が確認している。このように軍事基地そのものが環境破壊につながっている。
 「21世紀は平和と環境の世紀」と言われる現在、住み良い住み続けられる良好な環境を次世代に手渡すことが、私たちの重大な責務と考える。
 私たちは、有事3法案の廃案と憲法の改悪反対、基地のない平和な日本めざし、広範な人々と手を携え、国民的な運動と世論づくりのため奮闘するものである。


 本文書および、アピール文・賛同者名を内閣総理大臣、衆参両院議長、各政党本部に送付してきました。


東京都アセス条例改正の背景と問題点/藤田敏夫

東京都心部に超高層ビルが乱立
 昨年来新橋駅前の旧汐留貨物駅跡地や六本木、品川駅東口などに、高さが150mや200mもある超高層ビルが次から次へと建ち上がっています。中央区や江東区では、超高層マンションが林立し、小学校や保育園、幼稚園が不足して大問題になっています。
 江東区では、区長が条例を作って、4月に遡って、30戸以上のマンションを造る業者に1戸当たり250万円を拠出させることにしました。今業者との間で紛争が起こっています。
 3月に国会で成立した「都市再生特別措置法」によって都心部の容積率を大幅に緩和した上、これを売買することが出来るようにしました。例えば、これから再開発が予定されている東京駅周辺では、JR東日本は、東京駅の4階以上の容積率を八重洲口に建設を予定している超高層ビルに飛ばしたり、他の業者に売ることが出来ます。
 すでに建設されている業務ビルだけでも、2003年には供給過剰に陥ると言われていますから、賃料は下げざるを得ません。
 IT化された新しいビルに安く入れれば、古くなった周辺の旧副都心(渋谷、新宿、池袋など)から都心部への移転が加速されることでしょう。
 そうなれば、都心部の超高層ビル群に向かって集中・発生交通量が増大することは必至です。そのことを予想して、いま、虎ノ門から汐留を通って、月島から臨海副都心へ抜ける環状2号線建設が急がれています。都市再生特措法との関連で、小泉首相や石原都知事が、都心部の交通混雑を緩和するためと称して、三環状道路の建設を声高に叫んでいることの真意が伺えます。
 都心部での超高層ビル建設を見込んで、昨年の9月都議会で、自民党の議員は、「今の環境アセスメントは時間と費用がかかりすぎる。もっと簡素化できないか」と質問しています。今年に入ってからは、第1回定例都議会で、自民党や民主党の議員から、「高層建築物はアセスの対象から外したらどうか」とか「手続きを簡素化せよ」などという質問が出ています。石原都知事はこの声に答えて、「今のアセス手続きには約20カ月かかっている。出来るだけ簡素化して、9カ月くらいに短縮したい。」などと答弁しています。
 今回のアセス条例改正の背景にはこのような目論見がうごめいています。こんな乱暴な改正を許せば、都内の環境は台無しにされてしまい、再び大気汚染が激化することは目に見えています。皆さんからも声を上げて下さい。都議会各会派にアセス条例の改正を阻止するよう申し入れて下さい。
 私はアセス条例改正の問題点について次の内容が特に問題と考え、都に申し入れました

アセス条例改正の問題点
@改正条例案第11条の「採用可能な複数案」と言う用語は内容が不明。事業者の経済的その他の恣意により採用不可能としないため、「技術的に不可能な場合を除く複数案」とすることが望ましい。(以下改正条例案を省略)
A計画段階でのアセスにおけるスコーピングを重視するため、第11条2項を「事業者は、前項の規定により環境配慮書を作成するに当たり、当該対象事業に係わる調査等の手法について、環境配慮書に記載し、提出する。」と改める。
B第11条1項7号は、計画段階での予測評価は、事業計画の熟度が浅いため、「予測・評価」は簡易なものにとどめ、以後の詳細な環境影響評価が必要か否かの判断に資するものとすること。
C第12条2項の末尾の「…審議会の意見を聴かなければならない。」を「…審議会の意見を聴くとともに、公表しなければならない。」と補充する。
D12条2項の次に、第3項として、「関係住民は、第12条1項の書面が公表された場合は、20日以内に事業者に意見を述べることができる。」を挿入し、以下項目数を繰り下げる。
E12条4項中、「…意見書を作成したときは」の次に、「都民からの意見書とともに」を挿入する。
F17条1項中の「計画段階関係地域」を「関係」とする。
G.20条5項を「都民の意見を聴く会は公開とする。」に改め、改正案5項を6項とする。
H.21条2項の末尾の「…通知しなければならない。」を「通知するとともに、公表しなければならない。」と改める。
I21条4項を「事業者の意見を聴く会は公開とする。」と改め、改正案4項は5項とする。
J.計画段階における環境配慮書と事業段階における調査計画書は目的が異なるので、25条は削除すること。
K28条は、18条から20条を事実上無意味なものにする恐れがあるので、削除する。
L第4節は、計画段階環境影響評価と事業段階環境評価を同一視しているので、全面削除する。
M40条4項の適用除外項は、規則を条例の上におく措置であるので、削除する。
N44条の調査計画書についての公示及び縦覧の期間は、現行とおり30日とする。
O45条の都民の意見書の提出は、現行とおり公示の日から30日とする。
P.18条の調査計画書に係わる見解書の作成は、現行とおりとする。
Q28条の公聴会の開催は、現行とおりとする。
R.61条の「公示の日まで」を「縦覧期間満了の日まで」とする。
S64条の末尾に、「明らかにかけ込みで、極めて形式的な着工の場合を含む。」を挿入する。附則4項は削除する。
◎規則を見ていないのでよく分かりませんが、対象事業の規模について、
        ◯高層建築物は、50m 以上とした方がよい。
        ◯宅地開発や住宅団地建設は、15ha.以上とする。
        ◯広域的・複合的開発事業は、開発予定全面積を対象とする。

(アセス都民連藤田敏夫/E-mail mu7t-fjt@asahi-net.or,jp)



裏高尾など逆転層アセスは出鱈目だったことが判明/藤田敏夫
 これまでに旧建設省が裏高尾や横浜環状南線などで実施した環境アセスの大気汚染の予測が出鱈目であった証拠が見付かりましたのでお知らせします。
 裏高尾や横環南線の公田地区のように、狭い谷間地形や深い谷戸地形では、晩秋から春先にかけて、逆転層が1日のうち、18時間に及ぶことがしばしば起こります。
 最近、横環南線反対運動の大沢輝夫さんが、国土交通省の国土技術政策総合研究所の環境研究部道路環境研究室のH.P.を検索していて、次の年報を見つけました。

 環境アセスメント技術に関する調査 平10〜平13
 担当者 大西博文、山田俊哉、大城 温

「谷や盆地のような局所的に閉じた地形においては、逆転層発生時は大気汚染物質が滞留し、大気汚染の影響が顕著であるが、現在のところ環境アセスメントでは逆転層の影響を予測できないため、その予測手法の確立が必要である。
 そこで10年度は逆転層の影響を考慮した大気汚染予測評価手法を確立することを目的として、逆転層の出現頻度が高い気象パターンの抽出を行い、そのパターンの気象条件において局地気象モデルによる逆転層出現時の気象場の再現計算を行うことにより、逆転層の年間出現状況の推定方法を検討した。」 


http://www.pwri.go.jp/japanese/organization/annualh10/environ/1d.htm
 
この年報の通り、強い接地逆転層の時には、大気汚染を予測することは不可能なのです。このことは私たちが、裏高尾や横浜環状南線のアセスで指摘したことです。それにも拘わらず、 当時の建設省は、頬かぶりしたまま、不可能を可能にして、評価書を作成し、都市計画決定の上、事業に取りかかっています。
 そして、あきる野市や裏高尾では、今や用地収用法に基づいて、土地を強制的に取り上げようとしているのです。
このような誤ったアセスを認めてしまった当時の環境庁の責任も重大です。みんなで断固反対しましょう。不明な点は下記までお問い合わせ下さい。

藤田敏夫 mu7t-fjt@asahi-net.or.jp


圏央道・牛沼の土地強制収用の「現地見学会」と「学習交流集会」
 2月3日、あいにくの氷雨の中を牛沼土地収用反対裁判を支える会主催の「現地見学会」と「学習交流会」が地元あきる野市でおこなわれ、50名余りの市民が参加しました。現地見学会では、秋川を中心に広がるのどかな田園風景を一変させ、圏央道本線・あきる野インターチェンジの橋脚が林立、工事が強行されている状況に驚いた参加者から「この環境の世紀に時代錯誤も甚だしい」「誤った道路政策の末期的症状だ」などの声があがりました。工事が進んでいるとはいえ、地権者が頑張っているところで橋脚は途切れ、工事はぴたりと止まっていました。青梅から高尾山までの区間をなにが何でもつなごうと地権者の土地を強制収用で取り上げ、そこに橋脚を立てようと「焦る」国土交通省の姿を象徴していました。
 その後、あきる野市・ルピアに会場をうつしての学習交流会では、寺西俊一氏(一橋大学院教授)が「21世紀と道路問題」のテーマで講演をおこないました。講演では、十数年前、環境経済学の立場からゼミの学生たちと一緒に高尾山の貴重な自然を破壊する圏央道問題にかかわってきた契機にふれながら、30年前の四日市公害判決から昨年8月に全面解決した名古屋南部判決までの大気汚染訴訟判決の流れにそって、1995年の西淀川判決から98年の川崎判決で国・公団の責任を認め、2000年の尼崎と名古屋南部の二つの判決では差し止めが認められ、国の道路政策が問われたこと、道路政策の転換を求める動きが始まり、環境破壊と財政破綻の元凶として無駄な公共事業見直しを求める国民的要求が強まるなかで小泉「改革」では道路公団にメスを入れると言わざるを得なくなり、自民党の新旧勢力がぶつかっていること、その本質は膨大な赤字財政をかかえたなかで年間15兆円の道路財源を削って他に回す、道路政策の軌道修正をおこないつつも「都市再生」事業に投入するというもので、一歩前進が「従来通り」になりかねないこと、こうした綱引きの状況にあってどちらに転ぶか分からない、この2〜3年が転換をつくり出す突破口といえる時代的局面だが、その中で出されるのが東京大気裁判の判決であると、その意義を強調しました。
 さらに、本来の道路の社会的役割に反した道路建設がおこなわれたことで、健康・生活上の被害を受け、公害裁判がたたかわれてきたが、東京大気判決は東京という都市のあり方を問うものとなる、たまたま道路沿道に住み、ぜん息に苦しんでいる患者さんだけでなく、よりよいまちに住みたいと願っている都民全体と結びつく運動に視野を広げる必要があると指摘されました。
 すでに、欧米では、人と環境にやさしい交通政策の理念と道路哲学に転換していることが紹介され、確かに戦後の一時期、日本の道路水準は欧米に比して遅れ、道路整備計画が必要だったが、いまは(可住面積)アメリカ・ドイツの水準を超え、狭い日本は自動車と道路だらけという状況にあること、渋滞解消を理由とする道路建設は、「需要開発型」で自動車増加という悪循環をもたらし、深刻な矛盾にぶつかっていること、が明らかにされました。
 寺西先生は、講演の冒頭に12年前に書いた論文「圏央道では緩和できない交通混雑−貴重な都市近郊の自然を破壊する道路計画の意義を問う」(「自然保護」1989年10月号に掲載)で、「首都圏の交通緩和に役立つ」と建設省が推進している圏央道計画について「混雑緩和効果はまったく一時的」「自動車交通需要抑制策こそ不可欠」「将来は百害あって一利なし」と強く批判したが、いまでも一字一句修正する必要がないと思っていると述べています。
 この論文の結論部分では、「この環状道路は総延長270キロという大規模なものだ。それが全部完成するのはどんな強行スケジュールで進めても21世紀のことになる。それに注ぎ込まれる事業費だけでも膨大なものとなろう。その負担は国民一人ひとりにはね返ってくる。それを結局のところ逆効果となるような投資に費やすのは社会的浪費にほかならない。それよりも別の選択(交通量の削減・分散を基本とする)に立つ、より有効な交通混雑の解決策があるはずだ。それを展望するほうが地域的にも、国民経済的にもはるかに有益である。しかも270キロものこの道路計画は、今後も次々と首都圏外周部に残された貴重な都市近郊自然を破壊していく。こんな計画は将来的にみれば百害あって一利なしというべきである」と結んでいます。
 集会は横浜、城山、高尾山、牛沼など各地の報告のあと、最後に、牛沼裁判支えるか会の坂本孝事務局長から、裁判の口頭弁論と収用委員会の公開審理の進行と今後の予定が報告され、傍聴参加が要請されました(清水 瀞)。

■裁判・公開審理の日程■

◇第6回弁論−2月19日(16時30分−)
◇第7回審理−2月21日(14時−第二庁舎10F)
◇第8回審理−3月25日(14時−第二庁舎ホール)
◇第9回審理−4月11日(14時−あきる野・ルピア)




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