(2001年以前掲載分)
環境あらかると JNEP掲示板●恐怖のガス化熱溶融炉の有害物質/青木昇@茨城県笠間市民
私の町では、産業廃棄物処理施設の、ガス化熱溶融炉からの有害物質を含む大量の燃焼後排出ガスへ恐怖を抱いております。
私も含め市民は必死で反対していますが、行政側の力が強く住民の意志をまったく無視し、建設が強行されつつあります。
管理型と呼ばれる処分場で、容積規模で日本第三位240万立方m、高さ52mもあり、面積を狭くすることで、環境アセスメント法に抵触しないようにし、その分、深く埋設するということで、住民に公開しなくても違法にならないという巧妙な手口が使われています。
産業廃棄物は、1日145トン、ガス溶解炉で24時間処理されます。
10トントラックが毎日、3分に一台の時間間隔でやってくるそうで、想像を絶する恐怖に私たち市民は脅えています。
簡単ないきさつを公開することに踏み切りました。
●放射5号線の緊急事態について訴える/首都圏道路問題連絡会
東京の23区と多摩地域の境を東西に流れる玉川上水は、17世紀の半ばに玉川兄弟によって構築され、当時の江戸の武家屋敷へきれいな水を送り続けました。その素堀の土木技術は現在でも高く評価され、史跡として後世に残すべき技術遺産です。
上水の両岸は昼なお暗い鬱蒼たる緑に覆われ、桜やけやきの老木がいにしえの風情を残しています。老木の下には、百数十種の草花が群生し、四季折々私たちに憩いを与えてくれます。閑静にして、空気清浄、東京でもこんなに環境に優れた場所はまたとありません。東京都は、この地域を「歴史的環境保全地域」に指定しています。
私たちは、東京都環境基本条例が述べているとおり、この優れた環境を後世に引き継ぐ責務を負っています。
ところが、東京都はこの玉川上水の両岸に幅60mの4車線幹線道路を建設しようとしています。1日の交通量は約4万8千台です。既に建設されている東京八王子道路に接続して、将来は首都圏中央連絡道(圏央道)に至ります。そうなれば、交通量は倍増することでしょう。
東京都は、この放射5号線建設事業を「総合環境アセスメント制度」の本格実施に向けての試行対象としました。2000年4月から1年間、環境配慮書が公開され、都民代表3人を含む審査会で、慎重に審査されてきました。この間、都民の意見を聞く会も2回開かれました。20人中2人を除く18人の人たちが反対意見を述べました。
東京都は、試行と言いながら本格実施と位置づけて、本年4月に環境局長の「審査意見書」を都市計画局長と建設局長へ通知し、事実上のGOサインを出しました。
しかし、この道路建設については1973年に中央高速道を建設する際、日本道路公団、東京都と高井戸・北烏山地区公害対策協議会(以下協議会という)の間で交わされた協定書で、三者間で協議した上で着工することになっています。また、協議会が、1994年に提出した「放射5号線道路延長計画に関する陳情」を審議した東京都議会は、「道路を建設する場合は、協定書に基づき誠意をもって話し合いをすること。」との意見を付して陳情を採択しています。
協議会が、7月24日に都市計画局長に「三者協議会実施以前に放射5号線について決定すべきではない。」ことを申し入れたにもか拘わらず、東京都は総合環境アセスメントを実施したことで、去る7月25日に道路建設基本計画を決定し記者発表しました。これは上記の約束を反古にするもので、誠意ある態度とは言えません。
この運動で中心的に活動している協議会代表の井上アイさんは、90才を過ぎて、老躯にむち打って一生懸命活動しています。全国道路公害反対運動連絡会の仲間の皆さん!東京都の暴挙に抗議し、井上さんを励まして下さることを心から訴えます。
なお、放射5号線のHPは
http://www.aoba.sakura.ne.jp/~josui でご覧下さい。
抗議先 〒163ー8001
新宿区西新宿2ー8ー1東京都第2本庁舎
東京都都市計画局長 木内 征司
E-mail s0000161@section.metro.tokyo.jp
東京都建設局長 山下 保博
E-mail s0000397@section.metro.tokyo.jp
激励先 〒168ー0074
杉並区上高井戸2ー18ー16
高井戸・北烏山地区公害対策協議会 代表 井上アイ
TEL.&FAX. 03-3332-3793
E-mail Tamajosui@aol.com 箕輪弥生
●小山の環境を考える市民の会の活動です
私たちは2000年4月に結成した、栃木県小山市の運動団体です。
1年余りのささやかな運動の経験ですが、準備会から参加した個人としての立場で紹介させていただきます。(松島町子)
1.会結成のきっかけ
フィリピンに医療廃棄物を不正に輸出したとして、国際問題にもなった廃棄物中間処理業者「ニッソー」の事件は、小山市民に大きな衝撃を与えました。ほとんどの人が「ニッソー」の名前も場所も知らなかったからです。私たちは「この問題を小山市民が知らないと無関心ですませていいのか?」との思いから、会の結成へ動き始めました。
2.現地を見て、ゴミ問題を学習しよう
産廃やゴミ問題を考えたり、運動に取り組むのは初めてという人がほとんどの状態でした。
私が手にしていたブックレット「ダイオキシンはなくせる」を頼りに、公害・地球懇に電話をしたのがきっかけで、結成総会当日には、本谷勲先生の講演会「何故、栃木に産廃なのか」が実現しました。
まずは現地を見ようとニッソーはじめ、かねてから市内で問題になっていた、野積みされた巨大な産廃の山などを見てまわりました。しかし、その後は何をしたらいいのか手探り状態。そこで、会員でもある浅野正富弁護士を講師に連続学習会を行いました。廃掃法・リサイクル法・循環型社会形成推進基本法などの問題を学びました。
3.ゴミ処理の広域化・大型化問題への取り組み
ところで、小山市に隣接する国分寺町・南河内町では「環境問題を考える会」を結成して、すでに多くの活動経験を積んでいました。小山市にもようやく会ができたことで、二つの「考える会」は交流を深めていきました。
8月26日には「大型溶融炉とは何か」「ゴミ処理の広域化について」の講演会を開きました。当日は、行政・議会関係者をも含め、会場は県内各地からの参加で満席になりました。大型溶融炉の建設予定地となって反対運動を続けている日光からも切実な訴えがあり、予想を超す広がりとなりました。
4.広域行政に対しては、住民側も広域住民で
これをはずみにして、「ゴミ処理の広域化・大型化を考える連絡会」が結成され、10月29日には講演会がひらかれました。「大きいことはいいことか?ゴミ処理の広域化・大型化を考える」と題して、講師は熊本一規先生でした。この講演会にも県内各地から多くの参加があり、講演会後の懇談会も話が尽きないほどの熱気が溢れました。
この後も、二つの会は連携しながら、小山広域保健衛生組合議会の傍聴や、広域保健衛生組合事務組合との話し合いを実現させるなど、広域行政に対しては共同で取り組みを始めています。
5.「小山の会」独自の活動は
小山市に隣接する野木町は、生ゴミの堆肥化に早くから取り組んでいることで知られています。まずは見ることからと、野木町資源化センターの見学を実施しました。ここではRDF化も行っています。ほとんどの人が実物を見たのは初めて。問題点も実感できました。
また、自分の周りをよく見ようと、ゴミマップの作成が会結成当初からの方針です。が、これはまだ進展はありません。月1回の定例会は、高校生から定年退職した男性や若いお母さんなど、人数はあまり多くないのですが楽しくやっています。
会をもっともっと多くの人に知らせ、大きな影響力をもつようにというのが、これからの課題です。
6.一周年記念の講演会が、ケーブルテレビで放映
活動を始めて1年が経過した4月21日に講演会を開催しました。
誰もが気になっている環境問題を、初歩から学ぶ講演会と位置づけて「廃棄物・リサイクルをめぐる法律問題」「地球を汚染する有機塩素化合物」の2本立て講演会でした。この講演会は「テレビ小山」放送の90分枠で、1週間にわたり放映されました。
7.宇都宮国道工事事務所が「焼却灰スラグ」利用し試験工事
この件で建設省宇都宮国道工事事務所宛に、「小山の環境を考える会市民の会」国分寺・南河内町の「環境を考える会」「ごみ問題を考える栃木県連絡会」の3者が、質問状を出しました。
これは、平成11年に全国初の試験工事として、道路用路盤材に南河内町(新4号国道の側道)で、12年には擁壁コンクリートの骨材として小山市内で、焼却灰スラグが使われたことに対するものです。
文書での回答を求めたのですが、工事事務所側は「文書でなく口頭で」との返事があり(当初は人数制限をして口頭なら可とのこと)、重ねて文書回答を求めて断られた後、工事事務所側から住民に対して説明会を開催することで合意しました。
4月28日に行われた説明会には、工事事務所から4名、住民側は約30名が出席し報道機関も参加しました。
工事内容の説明や6つの質問項目についての説明の後、参加者からの質問も活発に出されました。安全性に関する質問や意見はもちろん、実験基準や方法への疑問・コスト高の問題・情報公開の要望などが相次ぎました。
国道工事事務所側の回答の中で、最も印象に残った言葉は「国道事務所としては施工性・耐久性の確認が主であり、安全性の確認されたものを試験するという立場である。安全性そのものの議論は当方の直接的な領分ではない」というものでした。
●大都市の大気汚染状況を国会陳述
去る5月31日に、参議院の環境委員会で、参考人の意見陳述と質疑が行われました。以下の文章は、当日藤田が述べた意見です。時間がわずか15分に限られていましたので、不十分な陳述になりました。多くの皆さんのご意見を伺いたいと思います。
なお、当日は藤田の他に環境総合研究所の青山貞一さん、神奈川大学名誉教授で環境省の中央環境審議会委員の猿田勝美さん、東京大気汚染公害裁判の弁護士西村隆雄さんが意見陳述しました。その中で、特筆すべきことは、青山さんから自動車NOXの改正法が審議されている最中に環境省が国土交通省、警察庁、経済産業省、総務省、農林水産省など関係省庁と覚書を結んで、例えば、「環境省は、国土交通省が行う道路管理に支障を及ぼすことがないよう、本改正法の運用にあたるものとすること。」などを約束していることが採り上げられました。
これは参考人に参議院環境委員会調査室から事前に配布された自動車NOX法改正案参考資料に掲載されたものです。この問題は当日午後の環境委員会で採り上げられ、野党の追及に対して、川口環境大臣は「条文及び国会審議に反する覚書は破棄する」と言明しました。
<東京をはじめ大都市での大気汚染の現状>
これは「第26回道路公害反対運動全国交流集会(大阪)」(2000年11月18〜19日開催)で報告されたものを福山バイパスと区画整理を考える会の了解を得て掲載したものです。住民無視の道路づくりの実態がリアルに表現されています。特に、事業者が徹底して情報を秘匿する、あるいは公開が建前の情報すら見せないといったことが公然と行われていることがわかります。
これから道路計画と向き合わなければならない人には必見の資料でしょう。粘り強いたたかいで、少しずつ情報公開を迫っている住民団体の活動には頭がさがります。
対象となっている問題の『福山道路』は地域高規格道路「倉敷福山道路」の一部として笠岡バイパ ス、赤坂バイパス等と一体となり、山陽地域の東西幹線道路のネットワ−クを形成する自動車専用道路として計画されているものです。
◇ 一般的事項しかし、不足している項目も多くあります。
・予測評価は項目ごとに取りまとめること
・環境保全の措置は、検討の状況を含めて記載すること
・総合的な評価を記載することなど9項目を指摘しています。
◇ 個別的事項の大気質では
・浮遊粒子状物質は基準を達成していない
・SPM、NO2、騒音の3項目は平面分布及び断面分布の予測評価をすることまた、複合影響を加味した予測評価をすること
・これらの環境保全については複数の措置を比較検討のうえ、重点的な保全措置を講じることなど14項目をあげ
・オオタカなどの動植物では19項目を付け加えております。
◇ そして合計61項目におよぶ意見を述べています。
・二酸化窒素は環境基準との整合が図られているとかいてあるが、会の調査では0.044〜0.071ppmと基準をオ−バ−している。
・学校・病院・密集地・特殊構造部分(高架、IC)などは複合汚染をうけるのに、それへの言及がない。
・最新の技術・工法を取り入れるというがその保証はない。
・現在、基準をオ−バ−しているのでまず達成してから考えるべきである。
・No2を上限値で評価しているが、これは環境基準の解釈を間違えており、環境基準は「0.04〜0.06ppmまでのゾ−ン内またはそれ以下」となっている。
・大気保全局長の通達には(昭和54年)二酸化窒素の地域指定がなされ、福山は0.04ppm以下の地域である。それを予測ではいずれも上回っている。
・水環境の悪化(芦田川など)は防ぎようがない。
・オオタカの営巣も確認されており、営巣中心域(12〜36ha)と推定されるので、道路建設などは避ける必要がある(猛きん類保護のすすめ方) 以下略
●国立感染症研究所細菌部主任研究官 新井秀雄氏の処分撤回を求める抗議行動
すでに新聞等でご存知の方もおられるかもしれませんが、映画『科学者として』の主人公・新井秀雄さんに対しまして、言論弾圧事件がおきました。新井さんはすでに裁判を提訴しておりますが、下記のような抗議行動を呼びかけております。是非、ご参加くだされば幸いです。
■ 言論弾圧事件
2001年1月4日、国立感染症研究所長 竹田美文名で、国立感染症研究所細菌部主任研究官 新井秀雄氏に対して、「厳重注意書」が手渡されました。この「厳重注意書」で問題にされたのは、「週刊文春」(2000年11月2日号、10月25日発売)での新井氏のインタビュー記事、及び新井氏の著作「科学者として」(幻冬舎刊、11月10日発行)でした。
■ 新井秀雄氏
新井秀雄氏は、日本最大の病原体実験施設・国立感染症研究所(当時、国立予防衛生研究所)が、1992年に東京都新宿区戸山という住居専用地域に建設されたことから、周辺に細菌やウィルスが漏れ出し、感染事故がおきる危険性を懸念され、一貫して所内から警告を発してこられました。また、同研究所の実験指し止めを求める予研=感染研裁判(詳しくはhttp://village.infoweb.ne.jp/~yoken/ をご覧下さい。)においても、原告側(住民側)証人としても、証言をされています。
今回問題とされた「週刊文春」の記事や、著作「科学者として」は、2000年7月25日に裁判が結審(2001年3月頃判決予定)したことを受け、ご自身が見聞きしてきたことを述べられたものです。国立感染症研究所(感染研)の安全対策においては、立地条件についても真剣に考慮すべきで、国家公務員として国民に迷惑はかけたくない、という信念に基づき行動してこられました。
■ 「厳重注意書」の内容
今回の「厳重注意書」には、新井氏の言動は、「当研究所(注;感染研)の研究内容や運営実態を歪曲し、幹部職員を事実に反して誹謗中傷する内容を発表したことは、当研究所の信用を著しく傷つけ、公務の円滑な遂行に支障を来たすものであり、誠に遺憾である。」と述べられています。
何が「歪曲」「誹謗中傷」にあたるのか、極めて抽象的であり、一方的に決め付けを行っています。
■ 不誠実な歴代幹部達
同時に、1997年に裁判の一環として行われた国際査察において、倉田毅氏(当時感染病理部長、現副所長)が、アメリカ人2名の査察者の署名を偽造し、国民をあざむいたことに代表されるような歴代幹部達の数々の不誠実な態度に対する反省のかけらも見えないことは重大です。
■ 処分の実害
新井氏に対する「厳重注意書」の発令と、昨年11月24日に出されている、厚生省大臣官房人事課長通達によって、新井氏の2001年6月の勤勉手当がカットされるという実害もおきています。
■ 問題は新井氏個人に留まらない
このようなことがまかりとおれば、新井氏個人のことに留まらず、次のようなことが懸念されます。
1)国のやり方に批判的な人間が発言できなくなってしまう。
2)研究者の自由な言論活動を奪ってしまう。
3)取材者の取材の自由を奪ってしまう。
4)公務員に対する「能力査定」によって、厳罰主義がはびこることになる。
などです。
◆抗議行動の要請
私達は今回の処分を認めることはできず、次のような要請を国立感染症研究所長 竹田美文氏、厚生労働大臣 坂口力氏に対して行います。上記の事柄を踏まえ、以下のような内容を含んだ文面を各位作成くださり、E―mail、FAX等で竹田美文氏、坂口力氏に対してお送りいただければ幸いです。また、お送りいただいたものを、下記、本田までお送りくだされば幸いです。
☆要請文☆
国立感染症研究所細菌部主任研究官
新井秀雄氏に対する「厳重注意書」を直ちに撤回してください。
◆アピールの送付先:
宛先: 国立感染症研究所長 竹田美文
Fax: 03−5285−1193
E-mail:yoshit@nih.go.jp
郵送:〒162―8640東京都新宿区戸山1−23−1
要請文の書き出し: 国立感染症研究所長 竹田美文 様
宛先: 厚生労働大臣 坂口力
Fax: 03−3595−2020
E-mail :www-admin@mhlw.go.jp
郵送:〒100−8916東京都千代田区霞ヶ関1−2−2
要請文の書き出し:厚生労働大臣 坂口力 様
連絡先;〒164−003東京都中野区東中野5−11−8メゾン小滝台B1
TEL&FAX 03−5338−9490
E−mail toyama@amail.plala.or.jp
新井秀雄さんを支える会 事務局 本田孝義
URL http://member.nifty.ne.jp/atsukoba/arai/
●開発と自然保護テーマに円海山でシンポ
横浜に残る緑地「円海山」とそこに息づく生き物を守り引き継ぐかを考えるシンポが、1月20〜21日開かれ、自然保護団体や地元市民、公共事業チェック議員の会など、のべ250名が参加した。
円海山では1999年2月にオオタカの生息が確認されたが、建設省・道路公団は工事地域と営巣地は離れているなどと、進入路工事を開始するなど、早期に着工したいとの姿勢をむき出しにしている。一方で自然保護運動に関わっている専門家を含む「横浜南部猛禽類調査検討会」も設置され、「道路か、自然保護か」をめぐるせめぎあいが続いている。
シンポに先立って行われた現地見学では、ヘイケボタルの湿地、コナラ・ミズキの道の樹木ウォッチングなどを楽しんだ。
この森は、横浜市の中心部から僅か10キロで高さ153メートルの円海山を中心に、横浜市栄区、金沢区、磯子区、港南区、鎌倉市にまたがる約500ヘクタール
の広さがある。
その中央部を横浜横須賀道路が貫き、更に、圏央道の一部である横浜環状南線が着工されようとしている。釜利谷ジャンクション近くの建設予定地の脇にあるひょうたん池には、保護が指定されている「ヒメウキガヤ」が群生し、「ホトケドショウ」が生息している。
「守れハマのオオタカ/自然の宝庫=円海山」をテーマにしたシンポでは、第二東名建設が予定されている秦野で記録された「オオタカの巣作り、産卵、ふ化、子育て、巣立ち」のビデオが上映された。パネル報告では、北山宏之(神奈川オオタカ連絡会)小池清(八王子・城山のオオタカを守る会)岩橋宣隆(弁護士.かながわ水環境問題を考える会)の各氏が、オオタカ生態や身近かな自然にふれることの大事さを述べた。
二日目も橋本良仁(高尾山天狗裁判原告団事務局長)、柴田哲夫(円海山市民の会)両氏からの報告のあと、地元県立高校教師の久保浩一先生が「円海山の自然調査」について報告した。20年余、1000回以上の調査を続け、その記録は「円海山域の昆虫」という本にまとめられているが、「円海山という身近な自然に多彩な昆虫(3679種.県初記録・日本初記録の稀種も含まれている)が生息していることを知ってほしいと強調した。
パネルディスカッションでは菅野弁護士が、北はナキウサギ、南はジュゴン裁判に取り組み、今回の高尾山天狗裁判では、高尾山・オオタカ・ブナ・八王子城跡を原告に、圏央道トンネルの差し止めを求める裁判を起こした。これらの自然権利訴訟は、「原告適格」の壁にはばまれているが、市民が裁判を起こす条件を法律上つくる必要性を提起した。
新保さんは、第二東名も営巣域・営巣木に計画がぶつかっており、新しい道路で里山が狙われる。オオタカの生息地は原則非公開にすべきで開発問題が起きた場合のみ、地元市民に公開し保護していくとの考え方を表明した。
地元で奮闘している渡部さんは、机の上にダンボール一箱分の資料を積んで、「これが都市計画決定の際の資料だが、委員は読んでいない。僅か1〜2時間の審議であり、なんのチェックもなしに決定されている」と問題点を指摘するとともに、道路建設における「費用対効果=経済アセス」の必要性を強調した。
シンポは、都市近郊の貴重な自然を開発から守るため、円海山域の生態系全般の調査、保護策の検討と横浜横須賀道路等の開発により破壊された自然の回復めざす円海山域の自然を守るための条例制定、横浜環状南線事業の見直しを求めるなどの「円海山アピール」を採択し、終了した。(清水瀞)
●田中正造について/門田俊宏
日本の公害・環境問題の通史のなかで、燦然と輝く巨星がいる。田中正造(1841−1913)である。天保12年、11月3日、下野国安蘇郡小中村(現栃木県佐野市小中町)に長男として生まれる。父は富蔵、母はサキ、幼名は兼三郎、家柄は名主の農家であった。後の自伝『田中正造昔話』の冒頭に「予は下野(しもつけ)の百姓なり」と記している。
また政治家として後輩に当たる木下尚江は、田中正造をしのんで、[宗三宛書簡・1997年9月1日]に次述のごとく記している。
【人間ノ「死」ニ二種アリ、一ハ滅亡ナリ一ハ新生ナリ。我ガ翁ノ死ノ如キハ実ニ「新生ノ死」ナリ。是ヲ発揚スルガ我等ノ義務ナリト信ズ。只ダ集マリテ茶ヲ飲ミ飯ヲ食ヒ逸話ナド語リテ終ハルトスルガ如キハ即チ翁ヲ滅亡サスルモノニ過ギズ。】と。
さて、正造が「義人」と呼ばれる所以には、「栃木県・足尾鉱毒事件(足尾銅山)」における献身的な関わりにある。すなわち、1901(明治34)年10月23日の衆議院議員辞職につづく、同年12月10日の明治天皇への直訴である。
翌年、1902年の投獄の際に『新約聖書』との出会いがある。正造、齢62歳であった。それ以前のもっと若いころに、すでにキリスト教と聖書にであっているという説もあり、62歳の出会いは「改めて」のものであったのかもしれない。私は、この説を支持し、思想が深まっていったものと解釈したい。
ここで、私は足尾鉱毒事件を「第1の罪」とするなら、戦後の水俣病をはじめとする4大公害を「第2の罪」とみるとき、「第3の罪」を、主にアジア途上国各地に公害を「輸出」して省みることをしない日本の大企業=多国籍企業に見いだすのである。
これは、人間の心の中に巣くう【悪魔】を退治できない人間の問題として捉え直したい。以下に、東洋大学教員・杉浦公昭氏に尋ねた<心のなかの悪魔に対する1998年9月10日付けの書面を引用したい。
“一九一三年(大正二)八月二日 田中正造翁日記の絶筆より〜悪魔を退くる力なきものの、行為の半は其身も亦悪魔なれバなり。已ニ業ニ其身悪魔の行為ありて悪魔を退けんハ難シ。茲ニ於てさんげ洗礼を要す。さんげ洗礼ハ已往の悪事ヲ洗浄するものなればなり。何とて我れを〜この文章を読んだ木下尚江は、熟慮の末「悪魔を退くる事能はさるハ我亦悪魔なれば也」と変えて表現しています”、とあるが私も全く同感の至りである。公害・地球環境問題をひとつのアングルから、的確に言い当てていると思う。
『田中正造昔話』は、明治人の気骨ある文体で書かれており、私には読みにくく、すこぶる難解であった。しかしながら、時折、ユーモアの精神が散見され注意して読むと(笑い)が立ち起こる。さすが、大器量の人物のなせる技であろう。
『昔話』は、「陸中国在職中の殺人疑獄」へと展開し(1)〜(14)まで綴られている。正造、21歳、立派な成人男子である。その(11)に短歌が次述のごとく詠まれている。
【うしろ手を負わせられつつ七時雨しぐれの涙掩うそでもなし】と。
心中の懊悩がうかがわれる。冤罪であるが、入獄以来36個月と20日に及んで晴れ、出獄する。ひきつづき、「三島県令に対する反抗運動」(1)〜(26)によって、『昔話』は、一応の完結をみる。
その(3)に、現代人にも諫めとなる短歌を詠んでいる。
【死んでから仏になるはいらぬこと生きてるうちよき人となれ】と。この歌に触れただけでも甲斐があるというものである。
<参考文献>小松裕『田中正造〜二一世紀への思想人』(筑摩書房、1995)
布川了『田中正造〜たたかいの臨終』(ずいしょうしゃ新書、1996)
布川清司『人と思想〜田中正造』(清水書院、1997)
田中正造『田中正造昔話』(日本図書センター、1997)
(一級環境管理士)
●2000年札幌市総合環境講座の聴視受講を終えて/門田俊宏
2000年7月28日(金)から12回シリーズで、札幌市では【総合環境講座】を開講した。昼間部と夜間部があったが、私は都合上、夜間部に申し込んだ。夜間部は、市民会館(会議室)が利用された。受講・無料(定員・50名)、びっしり埋まったようすである。たとえ、今は亀の歩みでも【環境問題】に関心を持つ人々が、札幌市民のなかでも増えてきたことを私は、喜ばしく思っている。以下に、簡略に演題等の内容を記す。
7/28「地球環境問題と私たちの関わり」(北大大学院工学研究科教授太田幸雄)
8/3「騒音問題と私たちの関わり」(北大大学院工学研究科助教授長谷部正基)
8/24「水の一生・水質汚濁と私たちの関わり」(株・北海道技術コンサルト代表取締役橋本真一)
9/7「大気汚染と私たちの関わり」(北大・同上太田幸雄)
9/21「グリーンコンシュマー」(循環ネットワーク北海道岡谷旬恵)
10/7「施設見学(バス・市役所本庁前にて集合・解散)〜リサイクルプラザ&北方自然教育園」
10/18「生活環境における緑の保全と計画」(北大農学部教授浅川昭一郎)
11/2「環境に優しい商品選択」(社・札幌消費者協会副会長渋谷絢子)
11/16「札幌市の河川の現況」(札幌市職員高井豊)
12/2「下水道のしくみと役割、水がきれいになるまで」(札幌市下水道科学館にて館長森谷徹)
12/7「環境保全に係わる水道事業の取り組み」
12/14「総合環境講座を受講して」(丸山環境教育事務所代表丸山博子)
最終回は(00/12/14・木曜日)、なかなかおもしろくて有意義な企画であった。第11回めまで学んだことを活かして、即興・町内会をつくり【環境井戸端会議】を開くという形式であった。4〜6名の班がテーブルを寄せて8町内会を設けた。私は、第3班(市の職員も加わり私も含め5名)である。クライマックスは、短冊(丸山環境教育事務所のプログラムであることを明記しておく)を優先順位を決めて並べることであった。@ゴミステーションが汚れていたら掃除するA庭やベランダで花や木を育てみどりを増やすB御近所らしい人に会ったらあいさつをするC町内会の資源回収や美化清掃活動に参加するD自然や環境、環境問題についてもっと知識を深めるEテレビやピアノ、水の音などがひびかないよう気をつけるF家族や知人と環境や環境問題について話をする、以上、7枚に【優先順位】をつけ自分の案がまとまったら、所属する即席町内会で一人ひとり提案理由を述べたあと、合議する。合議は30分の枠内であったが、統一見解に一苦労・・・どの班も純然たる【止揚】にはいたらず。丸山女史より、「では、キーワードとして《ものさし》を何にするか?!」という提言。種明かしは、直線性の【答え】はありそうでないということで、トップとボトムの中間はどうしても【複数選択】になる傾向が強くてあたりまえ、いわく【ダイヤモンド・ランキング】になるそうである。あるいは、トップだけ決まってあとはごった煮という引例も・・・。
最終回にふさわしい有意義な臨場感・・・最後に、OHPを使って《ベオグラード憲章とは?》であった。以下。
関心→目や心が向く・止まる
知識→頭でわかる
※態度→心でわかる
※技術→具体的な方法がわかる・できる
※評価能力→他の立場・総合的に再確認できる
参加→実際に社会において行動する
環境教育では、※が特にたいせつな3ポイントだそうである。
また、《環境教育が培う3能力》も以下。
(一)価値形成能力
(二)問題解決能力
(三)意思決定能力
この三つが【協働の輪】となって、開花するのであろう!
ともかく、この12回シリーズは、有益でした。友・知己も増えて、また私の世界も広がりました。二度にわたる【屋外講座】も誠に楽しく勉学させていただきました。「(ちえりあ)リサイクルプラザ」の¥2000の数十台の自転車の申し込み当選倍率が、なんと100倍弱!驚きました。所狭しと、家具その他、新品同然でした。【モノ】をもっとたいせつにして、工夫して使うのが【知恵】ではないでしょうか・・・使い捨て日本は万歳どころか漫才にもなりません。
「北方自然教育園」でも、自然に関する【設問板】がぐるっとひとまわり、さりげなく置かれていて、【通】であったはずの私がクリアしたのが7割程度・・・まだまだ【生涯学習】していかなければならないなぁ、と考えさせられた「園」でした。「下水道科学館」は、老・排泄物がどのようなルートを経て、処理されていくのか、身をもって【驚異のシャワー】を浴びました。これから、ますます、【静脈産業】に力点→力線→力面と移してゆかなければならないでしょう。こうした企画が札幌市だけではなく、各自治体でしっかり取り組まれること、願いつつ!!(一級環境管理士)
●日本最大の新聞印刷工場の建設めぐりホットな論争/伊瀬洋昭
東京都では、車を交通量を減らすため流入する車に課税するロードプライシングを、2003年以降に導入する計画を進めていますが、その”関所”をつくる予定の「隅田川」の内側に、貨物トラックによる新聞輸送を前提にした巨大新聞印刷工場が計画され、現在、環境アセスメントが行われています。
建設予定地周辺は、行き止まりの2車線道路が1本しかないため、深夜早朝に一方通行を含む4本の細い居住地域内道路を新聞輸送トラックが走行する計画で、周辺住民や両区の区長から強い反対の声が出されています。
大型10tトラックが新聞用ロール紙を積んで57往復、また深夜早朝には数百台の2tトラックが、車線もないような居住地内道路(最小幅員は実に2.9mのものもある)を走るというもの。
この地域は、路面電車が庶民の足となり、自転車産業の街、隅田川の舟運利用の街でもあります。すでに両区の不燃ゴミのほぼ全量(北区:年間21,682t、荒川区:13,926t)が、トラックではなく隅田川を利用した舟運によって輸送されています。モーダルシフトの先進地域であるにもかかわらず、東京都がめざすTDM(交通需要マネジメント)、ロードプライシングの動きに逆行する建設計画に、住民からは絶対反対の声が、北・荒川両区長をはじめ各方面から、「舟運利用」を前提にした代替案が提示されています。
ただ、この問題は、新聞やTV各社が取材していますが、全然「新聞記事」にならないのが、とても不思議です。
そこで、わたしの所属する酸性雨調査研究会では、現状でも環境基準を越える実態にある大気汚染や悪化させ、静穏な居住環境を悪化させる恐れのあるこの計画について、地域住民や専門家とともに調査し、東京における自動車交通を考えようと、緊急現地調査を12月15日(金)〜16日(土)に
共同実施しました。
その結果、周辺地域は交通量も少なく、現況の騒音レベルは、都内としては静穏で良好な状態にあり、深夜の現況騒音レベルと、2tトラックを実走行させたときの騒音レベルの比較実験を行った結果、評価書案や見解書に示された「工場出入り交通による騒音レベルの増加分は夜間1dB以下である」という予測と同程度であった地点は1カ所のみで、他の6カ所は最高15.4dBを筆頭に、軒並み、予測増加分(1dB)の3倍から15倍を示すものになりました。キリンビール工場が以前地元と約束していた20km/hの走行条件でも、いずれも環境基準を上回る結果です。住民たちのの生活実感に即した深夜騒音への懸念が、科学的に裏付けられた結果となりました。
いままで、交通量の多い幹線道路で騒音を計測た経験はありましたが、正直言って大変に驚きました。新環境基準のLeq(等価騒音レベル)での評価は、従来のL50(中央値)評価と比べて、生活実感に近づくといわれていますが、深夜の静穏な地域に新聞輸送トラックが通る際の騒音に関して、現在の環境アセスメントの予測評価方法では大きな乖離が生じているようです。
余談になりますが、住民たちの共同調査を行っていた深夜午後11:30過ぎに、騒音計の前で大声を出して妨害する人が出現しました。最初は単なる酔っぱらいかと思っていましたが、事業者から環境アセスメントと現地の住民対応を請け負っていた環境アセスメントコンサルタントの主席研究員らでした。
まじめな環境技術者でしたら、とてもできないような行為で、許し難いものがありました。なおかつ、写真で撮影しながら行為に及び、女性調査スタッフ(酸性雨調査研究会の事務局長)に抱きつこうとするなど、偶発的なものとは言い難いものでした。こんなことをしても新聞には報道されまいという尊大な態度でしたので、謝罪があるまで、”庶民の武器”であるHPに掲載させていただくことにしました。
こんななかで、東京都環境影響評価審議会では、本日、12月18日に専門部会、22日に審議会全体会を開催し、建設計画を認める方向の答申がだされようとしています。
「ちょっと!待たれイ〜!!」という大きな声をあげたいのですが、デスクではねられるためか取材をなっさっても、マスコミにはいまのところ取り上げていただいておりません。
どこの新聞社が最初に取り上げて下さるか楽しみです。心ある記者の方には、デスクを説得しやすい調査データを提供できたと思いますので、お取り上げいただけるとうれしいです。
この地域は、堀船という地名からもおわかりのように昔から隅田川の舟運が発達した地域です。地域の住民の足は、都電荒川線(路面電車)です。そして荒川は自転車産業の街です。(自転車産業振興ではなく自転車税を取ろうとして世論の袋叩きにあった区長でもありますが)
東京のモーダルシフト先進地域にする取り組みの中で、この印刷工場計画の立地そのものの見直しか、舟運による輸送計画へと幅な計画変更をさせたいと考えています。
皆さまのご意見やご提案をお待ちしています。反論も大歓迎です。それとともに、一人でも多くの方にこの問題をご紹介いただけたら幸いです。(酸性雨調査研究会)
●今後の自動車排出ガス総合対策(最終報告案)に対する意見/藤田敏夫
環境庁は、22年前の一九七八年にNO2の環境基準を二〜三倍に緩和した時に、「7年後の1985年度までにその上限値(0・06ppm)を全国至る所で達成する。」と公約したのです。その後1988年、1993年そして今回で四回にわたってギブアップ宣言をしたことになります。
自動車NOX法で定められた特定地域内の幹線道路沿道に設置された自動車排出ガス測定局での最近10年間のNO2環境基準の達成率は、28から46%に過ぎません。
また、最近は特定地域以外でも、愛知県、京都府及び福岡県では10年間の達成率が50から90%程度で推移しています。さらに、98年度は、石川県、岡山県、広島県、長崎県及び沖縄県で基準オーバー測定局が出てきました。このように年を追うごとにNO2による大気汚染が悪化し広域化しています。
大気中に浮遊している微粒子のうち、ディーゼル自動車から排出される粒径が2.5ミクロンメートル以下の超微粒子(DEPは発ガン性が強い物質と位置づけられています(国際癌研究評価機関による)。また、喘息性気管支炎や花粉症の原因と言われています。
90年代の欧米の疫学調査では、老人や子供の呼吸器系疾患の急性発病にも影響があることが分かってきました。最近の大気汚染学会で日本でも同様の傾向が認められることが報告されています。本年1月31日に、尼崎大気汚染公害裁判の一審判決は、基準の1.5倍以上のSPMの排出差し止めを国と阪神道路公団に命じました。
さらに11月27日には、名古屋南部大気汚染公害裁判の一審判決も国道23号線において、同様な差し止め判決が言い渡されました。このように人の健康にとって恐ろしい物質であるSPM
汚染は特定地域の基準達成率は、一般住宅地にある測定局で34%、道路沿道局では12%程度で、NO2より可成り低い状態にあります。
さらに、最近は道路沿道でベンゼンが高濃度で測定され、環境基準の3倍を超えるところさえ出ています。ベンゼンはDEPと同様に発ガン性物質です。ガソリン車の燃費を向上させるために添加されているものですから、これを減らせば汚染濃度を下げることが出来るのです。ディーゼル車からDEPガソリン車からベンゼンが排出されていますから、私たちが毎日吸い続けている空気には発ガン性物質が沢山含まれているのです。
最近、がん死亡率の中で、腺がんといってタバコが原因でない肺ガンが胃ガンを抜いてトップに躍りでました。本当に恐ろしいことです。
環境庁への要望事項
(1)NO2の環境基準達成期限を10年後とすることに強く反対します。はじめに述べたとおり、これでは達成期限を25年も遅らせることになり、究極的目標になってしまうからです。健康被害は現実に毎日起きているのです。これまで15年間も先延ばししてきたのですから、あらゆる可能なな政策を駆使して、せめて2005年くらいに設定して下さい。
(2)使用過程車に対する猶予期間
報告は特定地域内の使用過程車に対して法適用を猶予する期間として現行と同じ8年から12年を提起しています。この猶予期間は、排ガス対策の面から見て、現行法の轍を踏むことになりかねません。だからと言って、猶予期間を無くすことは無理ですが、ディーゼル車燃料の軽油の優遇税制を止めて、軽油引き取り税を揮発油税以上に引き上げて、特定財源から外して、新基準適用車への買い換えの補助金を準備するなどの手当で、せめて現行の二分の一程度の期間に押さえることが必要があります。
(3)低公害車の普及の促進のために
現行法が施行されてから八年間に低公害車は殆ど普及していません。事業者などに聞いても、東京都や環境庁とのお付き合い程度にしか意識していません。彼らが言うには第一に購入価格が高すぎること。第二に使い勝手が悪いこと。第三に、燃料供給施設がさっぱり整備されないことなどを挙げています。第一点については、
日本の自動車メーカーが低公害車の生産を真剣に考えていないことに原因があります。電気自動車を販売数の10%を義務づけたカリフォルニヤ規制で日本のメーカーも性能の良い電気自動車を生産せざるを得なくなってきました。10年後にはいよいよ燃料電池式の水素自動車が普及すると言われており、各社は今、しのぎを削って開発を急いているようです。したがって、改正NOX法が施行される頃には、価格の問題もある程度解決されるでしょう。勿論、その時には使い勝手の悪さも克服さていることでしょう。燃料供給施設については、交通政策を切り変える観点から政府が責任を持って解決する必要があります。
(4)第三者機関による計画の進行管理を
現行の削減計画に対して、96年に中間点検が行われていますが、その後の対策の実行に的確な反映がなかったことが報告されています。何年ごとに点検するか、どの程度定量的に評価するか、また改善効果の推計のための手法の向上などの細かな点は別として、最も肝心なことは、これまでは計画立案者である都道府県知事が国と連絡しながら進行管理を行ってきたことへの反省がないことです。報告ではまたまた同じことが繰り返し提案されています。進行管理は、計画立案者と独立した学識経験者を始め、各都府県からの公募委員に事務局として行政が加わった組織で、何年かごとに進行管理を実施して、結果を行政に反映させる必要があります。
(5)大都市における大気汚染を低減する交通政策の確立を
ドイツのフライブルグ市では30年前の1970年に市内の一定地域から自動車交通を排除する交通政策を立てて、道路建設費を60年代の額に固定しています。道路に合わせて車を減らしたのです。その代わりに安い料金の低床型路面電車や公共バスを走らせました。また、自転車専用道路を確保して、健康で便利な自転車による交通を普及しています。
ところがわが国では肝心の交通政策の理念がなく、細かい技術手法のみ議論されています。大都市の深刻な大気汚染を解決するには、国民のコンセンサスをえて、自動車交通を削減する交通政策を確立することが早道だと考えます。(NO2・酸性雨・SPM全国測定運動実行委員会代表)
●大阪の公害・環境問題運動資料あります
大阪で公害・環境問題の運動・政策に携わっています。今、豊能郡美化センター(能勢町)ダイオキシン問題、三井化学大阪工場の14年間にわたる違法廃液垂れ流し問題、地下汚染、大阪市此花区の正蓮寺川のPCB問題、同じく同区の関西電力のPCB処理工場建設問題、恩智川・第二寝屋川水系の日本一のダイオキシン汚染、廃棄物・ごみ問題、淀川の環境を守る問題、安威川ダムなどの問題、関空2期工事問題、大阪の公共事業、大阪府はじめ各自治体財政分析、産業連関表を使った分析、食品安全、輸入米の安全性、NO2測定と健康アンケート(住民疫学調査)、道路公害反対運動などに取り組んでいます。三井化学のホルマリンによる労働者の安全も関わりつつあります。
こうしたテーマでの、論考、行政への申し入れ、資料などご希望の方はご連絡ください。/長野晃(ecoeco@m6.people.or.jp)
●圏央道牛沼トラスト地の土地調書に異議あり
私は圏央道牛沼地区のトラスト地の賃借権者になっています。昨日(10月30日)、土地調書に異議を書き込みに、秋川まで行ってきました。私は昨年トラストに参加したのですが、現地に行くのは初めてでした。
武蔵五日市線の秋川で下車。滝山街道を南に下り、地図を見ながらまずトラスト地を確認しました。滝山街道は大型車の交通量が多く、排ガスもかなりでしたが、ちょっと脇に入ったトラスト地の納屋や古民家の辺りは空気がきれいでした。
と、よそ者を見張っていた(?)賛成派のおじいさんが声を掛けて来て、早く道路ができるといい、家は滝山街道のそばで煩くて眠れない、これができれば滝山の方は車が減るだろう、ここは息子の家で(トラスト地の隣に建つ新しい家屋)道路にかからなくて残念だ、健康に害がある?なあに日本人は寿命が長いから少し減らした方がいい、などとブツブツ。道路はできない方がいいですよと言ってお別れしました。
途中で署名を終えた標さんとお会いして、一緒に牛沼会館へ。ここで、牛沼学習林の会の坂本さんに手順を教えていただき、委任者二人分の書類を預かって署名場所へ向かいました。
正面は南に緑の秋川丘陵(ここをくり貫いて次は高尾山をくり貫く)、滝山街道の西には巨大な橋脚が何本も突き出て迫り異様な風景。
その先も異様でした。建設事務所脇には何人もガードマンと職員が待機。テントが張られ、簡易部屋がいくつもつくられていました。
私が入った時は外に署名に来ている人はおらず、係りは超暇そうで、すぐ二人の職員が両脇を挟むように飛んできて署名要請書の提示をとくる。次に要請書の封筒の色別で分かれた机で受け付けを済ませる(要請書をまたチェック)と係員が署名部屋に誘導。出入り口と通路の角々にはガードマンが配置されていて一々敬礼です。
部屋に入ると三人がけの机が三列に並んでおり、驚いたことに全て指定席 ! 氏名が印刷された紙が机に貼ってあるのです。えっ134人だから45の机とそのために3ないし4室(机は1室15位だったか)をセットしたのかと無駄に呆れました。
委任状と要請書をまたチェック、それも別室に持っていって又持ち帰る。それから渡された土地調書を確認して最後の頁に異議を書き込む作業をしました。委任分も含めて3冊です。
異議内容は、実測面積が小さいということと、利用できない残地が残されるのは困るということは共通に書きこみ、外はそれぞれ別です。私は準備していったもの(国は説明不足。計画に疑問がある。環境アセスをやりなおせ。)を頁一杯に埋めました。終わるとまたそれぞれと要請書を合わせてチェック。
で、ハンコを押すのは別の部屋とかでまた係りが誘導して移動。ガードマンの敬礼がまたあって、押印室は長方形で二人ずつ係りが座った机が3つ。また要請書のチェックから始まり、次は調書に割り印。一部につに欠陥がある私には不快な作業でした。
署名後に押印しましたが、代理分は私が間違えて署名を文章の後ろに書かなかったためやり直し。ようやく終わったかと思うともう一人の係員が点検して、割り印の陰影がいまいちの箇所をここ、ここと指摘。紙の厚さが違うとうまくいかず、3回も押したところまでありうんざり。これでだめなら代わりに押して、というとそれはダメ。私が押したのも見ていてそんなにきれいなのが欲しかったら係りがやっても同じでしょうがね。
終わると職員は立ってお見送り。出口にはもうガードマンは張り付いていませんでしたね。
大勢のガードマンと職員を動員して、ガラガラになるほどのプレハブを用意して、まったく、お役所の形式主義と非効率、無駄に呆れたことでした。自治体だったら監査請求ものです。
実のある話し合いは避け、ただただ既定方針を進めるしかない行政には、しぶとく対抗したいと思っています。( 柳田由紀子)
●トラック業界除く超過課税は問題
神奈川県は、自動車の超過課税を、12月県議会にかけ、平成13年度から実施ようとしています。自動車の環境負荷負担と大気汚染対策の名目で行おうとしているが、大気汚染を助長している車優先の道路交通政策はそのまま、ディーゼル車最大使用者である貨物運輸業者を除外するなど、環境対策ではなく、増税だけのものとなっています。
かながわ大気汚染・道路公害連絡会(代表西村隆雄)は10月26日付けで岡崎洋神奈川県知事に対し意見書を提出しました。 (鈴木久夫)
自動車超過課税に対する意見書(要旨)
私たちは、神奈川県が行なおうとしている自動車税の超過課税について、道路公害に苦しむ被害者として、又道路建設計画で生活環境破壊に直面している住民として、意見を述べる。
現在の大気汚染・道路公害は、行き過ぎた車依存社会とそれを助長する自動車優先の道路建設行政にあり、それらの反省・見直しなしには大気汚染・道路公害は解決できないし、神奈川県の大プロジェクト・高速自動車道建設優先の「かながわ新総合計画21」の抜本的見直しなしには、健全化できるものではない。今回の自動車超過課税は、この基本的観点が欠けている。
健康で暮らしやすい生活環境を守るためには、環境税は避けて通れない課題だが、環境負荷の原因者・製造者の責任負担の明確化が前提とすべき。課税はディーゼル車最大の使用者である貨物自動車運送業者を除外している。最大の環境負荷原因者が免除され、そのコストを一般県民・自営業者等に転嫁するもので、 超過課税分を自動車による環境負荷低減化対策などにあてようとしているが、既に川崎市で「川崎南部道路沿道環境整備事業」として取り組まれており、神奈川県も自動車道路優先の道路建設費を見直すことで、財源は充分ある。
●臨海部高層マンションも大気汚染
第46回NO2全都測定結果の報告会が9月30日に、101名が参加して開かれました。デュエット・エスペランサの日下部由美さんとゴンザレスさんが奏でるギターとラテンハープによる軽快で楽しい音楽で幕が開きました。
続いて沼田事務局次長から経過とこれからの運動の報告がありました。その中で、46回測定運動では、約2万カ所で測定が行われ、この運動の広がりが改めて確認されました。最近、環境庁は自動車排出NOX法を改正して、3.5トン以下のディーゼル自動車の排ガス規制をガソリン車並にして、事実上生産禁止に追い込む方針を打ち出しました。一方、東京都は昨年来ディーゼル車ノー作戦を展開するなど、ようやくわれわれの要求が実現し始めたこと。また、この運動の中で、小中学生から各大学での取り組みが急速に広がってきたことなどが報告されました。
本葉カツ子幹事さんの全都測定結果報告では、今回は測定開始から二、三時間後に23区で一時的に激しい雨と風が起こって汚染物質が減ったために、全都平均のNO2濃度が昨年同期より0.007ppm低くなりました。しかし、23区内の幹線道路沿道では足立区を除く22区で平均が0.05ppm以上、江東、渋谷、目黒の各区では環境基準の0.06ppmをオーバーしました。また、都内の最高濃度は、江東区で測定された0.216ppmという高い価でした。多摩地域でも、昭島市拝島町の0.136ppmでした。このように、東京のNO2汚染は、ひどい状態が続いています。(詳しいことは報告書をご覧ください。申込先:03-5275-0257)
臨海副都心の台場にある33階建ての公団4号棟は、1日6万数千台が渡るレインボー・ブリッジと16万台が通過する湾岸道路が近いため、大気汚染がひどいと言われていました。測定結果は、1階から33階まで0.033ppmから0.043ppmの範囲でほぼ一様でした。地上の汚れた空気が最上階まで達していることが分かりました。ちなみに、東京タワーの25mと125mの測定結果も0.031ppmと0.029ppmで一様でした。(藤田敏夫)
●中央環状王子線は非常識な道路建設の典型
東京の北部で首都高速道路公団が進めている中央環状王子線の建設。この高速道路は、足立区の江北から荒川と隅田川を渡り、北区の堀船地区を石神井川沿いにJR京浜東北線の王子駅近くから、桜の名所である飛鳥山を急勾配なトンネルで抜けて、その先4車線の明治通りの上を高架4車線の高速道路が西に向かって登っていきます。そして板橋区役所近くで首都高速5号線とドッキングします。
環境アセスが行われたのは、1984年?でした。その際大気汚染の予測の前提として、1985年までに二酸化窒素(NO2)の環境基準が達成されるとしました。その結果、「環境へ与える影響は少ない」という結論をだして事業を進めてきたのです。
しかし、その後15年間、バブル経済の煽りを受けて、東京のNO2汚染はうなぎ登りに悪化し、ディーゼル排気微粒子(DEP)とともに人の健康に大きな影響を与えています。東京都が認定した18才未満の大気汚染による公害患者は88年から12年間に3倍に増加しています。アセス実施当時とこんなに環境が変わっても、再度アセスをやり直しもせず工事を進めているのです。
今でも交通量の多い明治通りの上に蓋を被せた型で高速道路を通す。東京ではこれが最後の高架高速道路とも言われています。
明治通りの沿道は、NO2やSPMの大気汚染が激化し、マンションなど高い住宅では騒音被害に悩まされるのです。本年1月の尼崎大気汚染公害裁判で、SPMの排出差し止め判決がでた状況を東京で再現しようと言うのでしょうか。今や非常識な道路建設の典型でしょう。(藤田敏夫)
抗議先:建設省関東地方建設局道の相談室
フリーダイヤル・0120ー106ー497
FAX:03-3214-7497
ホームページ:http://www.kt.moc.go.jp/michi
激励先:〒114ー0003 北区豊島3ー4ー15 王子生協病院内 松本節義
E-mail: kumakoba@ga2.so-net.ne.jp
●読売新聞など巨大印刷工場建設と公害問題
東京都北区堀船4丁目2番地にあるキリンビール東京工場跡地(4.5ha.)に読売新聞社と日刊スポーツ印刷社が東洋一といわれる巨大な新聞印刷工場を建設し、新聞印刷用紙を供給する保管倉庫を日本製紙が建設しようとしています。
日刊スポーツ印刷社は、5台の輪転機のうち4台は朝日新聞の専用機で、事実上朝日新聞の印刷工場です。読売と朝日が共同でこの敷地に日本で初めて建設しようとしている新聞印刷工場です。
この場所は北は隅田川に面し、幹線道路、明治通りに近いところです。付近は昔からの住宅密集地域です。道路は1車線で狭く、くねくねと曲がっています。最近は旧キリンビール工場の跡地の一部に高層マンションが建っています。
この印刷工場で刷り上がった新聞、読売が155万部、日刊スポーツ100万部を6本の細街路を使って、約250台の車で夜中に搬出します。搬出道路を6本も造らなければならないほどこの地域は道幅が狭く、入り組んでいるのです。しかも人が寝静まった午前0時から2時頃に町の中をトラックが走り回るのです。王子線を利用するのに便利かもしれませんが、こんな非常識がまかり通ってよいのでしょうか。
アセス案によれば、この地域は現在でもNO2,SPMとも環境基準を超えている大気汚染地帯です。さらに搬入・搬出車両合わせて、約600台のディーゼル車が狭い町中を走行するため、アセスの予測で、NO2は基準を20%オーバーするし、SPMも10%オーバーするという結果を出しているのです。また、騒音も環境基準オーバーです。
このような予測結果のため、アセス案に対して、2067人の住民が反対の意見書を提出して、白紙撤回を要求しています。北区長、荒川区長も住民の要求を反映した長文の意見書を提出しています。
これにたいし事業者側は、見解書で次のように弁解しています。
「現在走行しているようなディーゼル車を採用せず、低公害車を積極的に導入します。」、「新聞印刷用紙搬入の10t、11t車についてはディーゼル微粒子除去装置(DPF)
などを装着し、より低公害な車の100%導入を目指します。」、「操業時までに、更新期を迎えるディーゼル車を中心に低公害な車に切り替え、操業後も順次、低公害車を導入します。」
これらの言い訳の中にもいくつかの矛盾が表れています。低公害な車を導入するのなら、なぜこれらの車を使った場合の大気汚染を予測しなかったのかという問題です。それは不可能だったからです。なぜなら現在は低公害ディーゼル車の排ガス規制基準がないからです。これらの対策はあくまで計画なのです。これまですべての道路建設アセスで、王子線のように東京都の窒素酸化物削減計画を用いて予測して、何とか環境基準を下回る予測を出しましたが、実際には削減計画が破綻したために予測が大幅に狂ってしまった例が出ているのです。
例えば、臨海副都心へ渡るレインボーブリッジ道路のアセスでは、一般道路の通過交通量を一日16,000台と予測して大気汚染や騒音の予測を行いました。実際に開通しててから2年目に調査したら、27500台でした。さらに4年後には55,000台を超えてしまいました。その結果、NO2も騒音も予測値を大きく上回ってしまったのです。しかし東京都も首都高速道路公団も対症療法的な騒音対策しかとらず、付近の住民は、大気汚染と騒音に日夜悩まされています。
事業者がどんな言い訳をしても、この地域の大気汚染や騒音を現在より低減することはありません。近い将来王子線が開通したら、明治通りの車も増えるでしょう。王子線からの排ガス汚染によって、この町の汚染濃度も上昇するでしょう。住民の皆さんが言うとおり、この事業は白紙撤回して貰うほかありません。
事業者の非常識に対して全国の皆さんからこのホームページにご意見をお寄せ下さい。そして下記当てに抗議を集中するとともに住民団体にメールで激励を送って下さるようお願いします。(藤田敏夫)
<抗議先>
〒100ー0004 千代田区大手町1ー7ー1
読売新聞社 代表取締役社長 渡辺恒雄
TEL. 03-3242-1111(代)
担当部:読売新聞社工場準備室長 生田勝一
TEL.03-3216-7130; FAX.03-3216-4917
E-mail: tate7083@yominet.ne.jp
〒104ー0045 中央区築地7ー8ー5
日刊スポーツ印刷社 代表取締役社長 田村恭次
TEL.03-5550-8200(代)
〒100ー0006 千代田区有楽町1ー12ー1
日本製紙株式会社 代表取締役社長 小林正夫
TEL.03-3218-8000(代)
〒104ー8011 中央区築地 5ー3ー2
朝日新聞社 代表取締役社長 箱島信一
TEL.03-3545-0131(代)
<激励先>
〒114ー0004 北区堀船 3ー43ー6
キリンビール跡地を考える住民の会 代表 湯川弘
TEL.03-3911-4540 ; FAX.03-3911-4540
E-mail: kumakoba@ga2.so-net.ne.jp
●圏央道工事でホトケドジョウの生息地は丸裸
「平井ホトケドジョウを守る会」の高安です。圏央道の建設予定地に流れる鯉川の支流で生息するホトケドジョウを守ろうと、ホームページを作りました。
近年、平井川流域はホトケドジョウをはじめ、ギバチ、ジュズカケハゼ、ヤツメウナギなど壊滅的に生物が減っています。鯉川も例外ではなく、圏央道の建設工事でホトケドジョウの生息地はすっかり丸裸になってしまいました。
何とか人に知ってもらいたいと、ここ2ヶ月間あちらこちらにアプローチしたのですが、ようやく9月27日(水曜日)午後7時30分より「ケンタあきるの」にて、建設省(相武国道事務所)「調査二課」の人たちに話し合いの場を設けてもらうことになりました。
建設省の人が言うには、鯉川のホトケドジョウについて現在調査中で、守っていく方針だそうです。それを聞いて少しほっとした次第です。
ただ、工事の日程や、そういった計画を地元の住民に何ら知らせることなく、不安を与えたことは事実。あれだけの大規模な工事にもかかわらず、工事排水をどう処理するつもりなのかなど、今でもいろいろな疑問や不安を感じています。
ちょっとしたバランスを崩すと、自然は人間の予期せぬ方向に進み、思わぬ結果をもたらしてしまうような気もします。 しかし、良い機会だと思うので、いろいろな人たちの意見や要望などを、話してきたいと思い、あるいは参加してしていただければと思いメールいたしました。
「ケンタあきるの」所在地:あきる野市牛沼78
пF042−532−0551
高安稔行(E-MAIL:tkys@muf.biglobe.ne.jp)
平井ホトケドジョウを守る会
●八王子城跡のオオタカと保護問題/小池清
1996年に圏央道八王子城跡トンネル坑口付近で発見されたオオタカの営巣から、圏央道工事が始まる1998年まで、3年連続して3羽以上のヒナが孵化した。トンネル工事が進み周辺環境が様変わりした99年と今年は2羽しか孵化しなかった。
北浅川に飛来するサギやカモ類が捕食できるなど北浅川周辺はオオタカの重要な行動圏だが、工事がその行動圏を奪ったために育てるヒナ数が調整されたと考える。
オオタカが1度でも営巣と繁殖に成功したところは環境に変化がない限り、毎年営巣される。営巣地が10数カ所ある八王子市内でも同一営巣地で毎年繁殖しているところは少ない。繁殖場所を変えたところも、狭い樹林地、人の出入りが多い、周辺での開発行為があるなど、オオカタにとってよくない場所だ。
八王子城跡の営巣地では5年連続して繁殖しており、安心して子育てができる安定したした営巣地であることを示しているが、工事がこの環境を奪ってしまった。建設省は明らかに「種の保存法」と「猛禽類保護の進め方」(1996年)に違反しているばかりか、これを目の敵にしている。
オオタカは全国どこにでもいるとか、増えているから保護の必要性はないなどとさかんに巻き返しに出て、この「猛禽類保護の進め方」見直しに関して環境庁への圧力ともなっている。
オオタカは、毎年2羽、3羽とヒナを巣立ちさせるため増え続けていると思われがちだが、幼鳥が安定した生息地を見つけられるのはまれで、八王子市内でも巣立ちした幼鳥が餓死した例、他の猛禽類の餌食になった例などが確認され、順調に成長したものは10%程度といわれている。
八王子市内では今年、幼鳥1羽の死、成鳥1羽の衝突事故が起き、7年間で成鳥の死が3例、幼鳥の死が7例も確認され、3年前には成鳥の死体から高濃度の農薬と殺虫剤も検出されている。(国史跡八王子城とオオタカを守る会)
(注)本文は「高尾山の自然をまもる市民の会」の機関紙第145号(2000年8月1日付)に掲載されたものを小池清氏の了解を得て要約したものです。
●圏央道牛沼の土地収用は許さない/鈴木進
事業認定から約5カ月、総選挙が終わるのを待っていたかのように、6月28日に建設省相武国道工事事務所は牛沼の土地を収用するために立ち入り調査を行うと通知してきた。
私たち牛沼地区圏央道反対同盟は7月6日、相武国道工事事務所に行き柳橋所長にたいし、@今回の事業認定は認められず8名の弁護士を代理人に113人で異議申し立てをしていること A異議申し立てで、公害や手続き論、申請理由批判などを展開していること B異議申し立て5カ月後も建設省側からなんらの表明もないことをあげて、今回の立ち入り調査は認められないと中止を求めた。
柳橋所長は「異議申し立てには関心も興味もない」、「我々は認定された事業を淡々と進めるだけ」といい、立ち入り調査は地権者が反対しようが勝手にやらせてもらうという高飛車なものだった。
7月12日、牛沼の現地には朝から70人が集まり、立ち入り調査への抗議を行っているところへ、数10名の建設省職員やガードマンらが、集会を行っている隣地の地権者坂本孝さん宅に押しかけ、用地2課の職員Nが玄関前に立って勝手に告知文を読み上げた。
坂本孝さん夫婦が駆けつけ「私たちがいるのに、なぜ私たちに承諾を求めないのか」と抗議した。Nは否を認めつつも告知させてほしいを繰り返す。Nは身分証明書を持っているがそれには顔写真がない、不備をつかれて押し問答が続く。告知といっても地権者に直接行うのではなく、人がいようがいよまいが形式的に戸口で読み上げるだけなのだ。
7月14日、地権者中村文太宅でのやりとり。中村さんは「法に基づいて調査しているというなら、家屋調査士または土地測量士の免許を持っているか」と10人あまりの建設省職員に聞く。これに対し用地2課長のSは「持っています」と応えたが、その名前を教えろという中村さんに「それは言えない」「持っているが、そうしたことを言う必要はない」を繰り返す。
こんなでたらめなやりかたで3日間の立ち入り調査が行われたのだ。建設省は土地収用法と「アセスの承認」と都市計画決定の3本建てで圏央道を完成できると思っている。しかし、相次ぐ公害裁判の勝利、公共事業批判の広がり、限界にきた財政破綻など、いつでも強引な手法が通るとは限らない。我々は土地収用を許さない。(牛沼地区圏央道反対同盟)
(注)本文は「高尾山の自然をまもる市民の会」の機関紙第145号(2000年8月1日付)に掲載されたものを鈴木進氏の了解を得て要約したものです。
●東京都環境白書と政策矛盾
「東京都環境白書2000」で自動車と都市環境の危機が論じられている。政策転換のきっかけとなることを期待したい。白書が「飽和状態にある東京区部の自動車交通」、「過度の自動車依存の進行」、「幹線道路の建設がかえって自動車交通を増加させる、つまり誘発交通あるいは潜在交通の顕在化をもたらす」という事実を東京都自体の認識として公然化したことに意義がある。
その根拠として、イギリスはじめ欧米諸国の交通政策を引用せざるをえなかったのは部内に大きな抵抗があったためであろう。
これらの認識は20年来、全国の道路問題住民運動団体がかねてより指摘し、行政当局にたいし、認識を改めるとともに政策転換を求めてきたところである。
誘発交通の事例は、ロンドンのM25のケース(予測56,500台→114,000台/日)をもちだすまでもなく、足元の東京に多々存在している。中央環状葛飾江戸川線(予測55,000台→現状100,000台/日)、臨港道路(予測16,000台→現状55,000台/日)などがそれである。
3環状(計画約30万台)や、多摩の南北5幹線(計画20万台)の事業化、すべての都市計画道路の事業化は、現在の都市および環境破壊をさらに悪化させるだけでなく、今後の社会経済の変化…特に高齢化社会の急速な進展に対応したものではなく、渋滞=幹線道路建設という「錆びついた道路神話」、「大規模公共事業予算消化」を進めようとしているもので、白書との理念および政策の矛盾をどう克服するのか、石原知事は明確な所信を表明すべきである。
「自動車と都市環境の危機」(東京都環境白書第2部)を脱するには、都内総交通量の削減が第一議的課題であり、3環状道路、多摩の南北幹線道路計画は凍結すべきである。(標 博重/道路公害反対運動全国連事務局長)
●在来線を守り公共交通確立するシンポ
中曽根内閣によって、国鉄の分割民営化が強行されたのが1987年3月。同内閣は、同じ年の87年9月、「国土開発幹線自動車道建設法」を「改正」し、当時の全国高速道路網計画7,600キロを、なんと1.5倍の11.520キロに引き上げてしまいました。すなわち、右手で鉄道を潰し、左手で高速道路を推進するという手法をとり、その結果、高速道路づくりがすすめられる一方、JR在来線の廃線が各地ですすめられてきました。
いま、公共事業の在り方に対する国民的な批判が広がるなかで、一部ダム建設など、見直しの動きが見られますが、高速幹線道路建設については、いっこう改められないばかりか、むしろ拡大する方向がつよまっています。
政府は1998年3月、東京湾横断道路をもう一つつくるなどといった、6つの海峡横断プロジェクトを目玉とした第五次全国総合開発計画(五全総)を決定。続いて同年5月には、1998年から2002年を計画期間として、5年間で78兆円を投入する「道路整備5ヵ年計画」を閣議決定しました。一方経団連も同年4月、報告書「新東京圏の創造についての提案」を発表。この「提案」は、JR山手線(東京)の外周部に「スーパー環状道路」をつくることや、環状2号線整備(東京都心部)などを要望しています。
21世紀を迎えようという今、次世代に環境破壊のツケを回さないためにも、むやみやたらと高速道路をつくり、公害を撒き散らす政策を改めさせ、公共交通としての鉄道の役割の重視と、国民共有の財産してのJRの復権が必要です。
こうした立場から、このシンポジウムに賛同し、ご紹介します。(小池信太郎/公害・地球懇 幹事長)
シンポジウム 守ろう在来線 育てよう公共交通
−−人間と地球環境に優しい鉄道ネットの復権を−−
日 時: 7月15日(土) 13:30〜17:00
会 場: 文京区民センター(電話03−3814−6731) JR水道橋駅徒歩12分/都営地下鉄三田線「春日駅」0分
主 催: 在来線を守る全国連絡協議会
パネラー : 安藤陽氏(埼玉大教授)/上岡直見氏(システィムエンジニア) 吉村駿一氏(信越線廃線取消訴訟弁護団長)/山根主吉氏(国労・東京)
会場からの発言など
●ドキュメンタリー『科学者として』近日公開(00/06/05)
世間には、2種類の「科学者」がいます。第1は、権力や公害企業や私利私欲のために真理をまげる「科学者」です。
第2は、人権擁護、公害の被害者、公共の福祉のために堂々と発言し、真理をまげず、理性を貫き、社会的責任を果たす科学者です。
前者の典型としては、731部隊生物戦争部隊の犯罪に協力した「科学者」をはじめ、チッソ、原発企業、製薬企業等に奉仕し、有害無益なワクチン・危険な血液製剤などを合理化した「科学者」たちがいます。彼らが科学者の多数を占めているのは残念なことです。
他方、後者の典型になるような科学者の例を挙げるのは容易ではありませんが、それでも少数はいるのです。これこそ、科学者の名に値する真の科学者であり、そのひとりこそ、予研=感染研の細菌学者である新井秀雄主任研究官です。
本田孝義監督が制作したドキュメンタリー・ビデオ「科学者として」は、感染研の内部にあって、ただひとり、住宅地での感染研の立地と実験を批判し、周辺の住民らと連帯し、実験差し止め訴訟の原告側証人になってくださった新井先生の内面をも記録した希有の作品です。
新井先生の存在そのものが、感染研の内部にも良心的な科学者が存在することを示し、私たちに希望を与えてくれます。新井先生の存在そのものが、日本の科学史上・公害反対裁判史上・人権擁護運動史上・画期的だといっても過言ではありません。
そのような新井先生を描いたこのビデオ作品自体も、ドキュメンタリー・ビデオ史上、画期的といえます。
私は、できるだけ多くの皆さんが友人を誘い、このビデオが公開される映画館が満席になるように、ご支援くださることを願ってやまないものです。(芝田 進午)
<出演>新井秀雄(国立感染症研究所主任研究官)/芝田進午(予研(感染研)裁判の会会長)/本庄重男(国立感染症研究所名誉所員)
<上映日時>6月24日(土)〜7月14日(金) モーニングショー(連日午前11:10より1回上映)
初日 監督・本田孝義、出演・新井秀雄の舞台挨拶あり
<上映会場>BOX東中野 JR東中野駅西口北側・ホーム正面ポレポレ座ビル地下 TEL:03(5989)6780
<鑑賞券>特別鑑賞券(前売り) 1,200円…劇場窓口・チケットぴあ他プレイガイドにて好評発売中
当日料金 一般・学生 1,500円…小・中・高・シニア(60歳以上)・障害をお持ちの方 1,000円
難聴者用シート有り。詳しくは劇場へ
<チケットの申し込み方法>郵便局で、振替用紙に、必要枚数と入金金額を明記してお振込みください。入金が確認され次第、チケットを郵送させていただきます。(1枚1200円。)なお、同口座でカンパも受け付けております。カンパの場合は、その旨ご記入ください。上映には多額の資金が必要です。
口座番号;00170−9−190654/口座名称;「科学者として」上映委員会
<問い合わせ>戸山創作所(本田) TEL & FAX 03-3269-3729
E-Mail:toyama@amail.Plala.or.jp
●予研(感染研)裁判、7月25日に最終弁論(00/06/05)
予研(感染研)裁判も、7月25日(火)午前10時半からの東京地裁615号法廷で最終弁論が行われ、結審に近づくことになりました。
12年間も続いた法廷審理で、原告は、終始一貫、被告主張を完全に圧倒してきました。この最後の傍聴の機会を逸せず、皆様が傍聴席を満席にしてくださいますよう、お願いいたします。
また、このたび、新しく60名の方が原告になってくださり、提訴してくださいました。予研(感染研)裁判が、地域の問題にとどまらず、全国的な意味をもっており、バイオ時代の人権にかかわることを認識してくださったうえでの新しい提訴です。この場所を借りて、お礼申し上げるとともに、まだ、どなたでも原告になっていただくことができますので、電話(03-3209-9666)またはFax(03-3232-1356)にてご連絡いただけますと、幸いです(芝田
進午) 。
●ヤングが高尾山自然ウオッチング(00/5/24)
新緑が映える高尾山で5月14日、「高尾山青年自然観察会&懇談会」がおこなわれました。この企画は、公害・地球懇が仲立ちして、「明るい革新日本をめざす中央青年学生連絡会議」の呼びかけによって実現したものです。
京王線高尾山口駅前に集合した若者たちは、地元の人たちが毎日曜日と祝日に取り組んでいる「高尾山にトンネルは掘らせない」100万人国会請願署名活動に参加。
その後、植物学者の吉山寛氏の案内で、公害・地球懇のメンバーや「高尾山の自然をまもる市民の会」の会員とともに高尾山自然ウオッチング。
山上から眺めるイヌブナの原生林群やブナの巨木に目を見はる若者たちに、吉山氏は「イヌブナとブナの見分け方」「樹木もストレスに弱く、圏央道トンネルに影響される」と説明。また、樹木の世代交代する模様について、人間社会になぞらえての話しなど、若者たちは興味深く聞き入っていました。
下山した参加者たちは、山麓のHさんと隣り合わせに住むOさん宅庭で、山菜のてんぷらとそばを味わいながら、ウオッチングの感想や今後の取り組みなどについて語り合いました。
東京の西郊に位置する都民のオアシス高尾山は、標高約600メートル、公園域770ヘクタールという小さな山でありながら国定公園で、樹齢数百年にも及ぶブナの原生林をはじめ、実に1,320種あまりの植物、5,000種の昆虫、150種の野鳥など、すばらしい自然を残しています。日本に生息あるいは渡来する野鳥のうち30パーセントを高尾山でみることができます。約1,200年前に信仰の山として開山され、「山を荒らすと罰があたる」との言い伝えのもと、今日まで乱開発からまぬがれてきたためです。大都市に近接していながらこれだけの自然を持つ山は、他に類を見ないもの。まさに貴重な、世界遺産にも匹敵する希有な生態系をともなった山です。(公害・地球懇
幹事長 小池信太郎)
●高尾山問題は話し合いで(00/5/18)
「高尾山にトンネルを掘らないで!」に署名させて頂いた、若井慎一と申します。 高尾山は僕にとって、子供の頃感じた自然への感動が常に残っている山です。子供の頃の“自然”というものに対する感じ方は、どの世代になっても持っていたいものだし、それが心から自然を好きになれる一つの要素だと思っています。だから、無駄な開発は絶対に止めてもらいたいし、真剣にその工事について、検討していく必要があると思います。
開発する側の意見も、絶対に悪い、ということは言えないし、これからも話し合いを重ねていく必要があると思います。(若井慎一)
●所沢ダイオキシン問題の現状(00/4/24)
所沢住民の「ダイオキシンなくせ」の運動は1998年12月末の公害調停申請以来、新たな発展を示しています。
47産廃業者とこれを許可した埼玉県に対する4024人の「焼却施設の使用停止や原状回復等」を求めた運動により、18の焼却炉が廃止・休止となりましたが、持ち込まれるゴミの総量や蓄積汚染にほとんど変化は見られません。
こぶし町と周辺住民の環境を考える会は、悪質2業者と埼玉県を相手に行政訴訟を提起しました。
一般ゴミを焼却し、12000ナノグラムのダイオキシンを発生させ電気集塵機爆発事故を繰り返している荏原製作所の欠陥炉については、所沢市を相手に「西部清掃事業所の差し止め仮処分申請」も行い、いずれも審理中です。
所沢市はダイオキシン条例の制定や産廃業者などパトロールなどを進めているものの、県・国待ちの基本姿勢は変わっていません。テレビ報道された「野菜汚染」による農民の「風評被害損害賠償訴訟」にも斉藤市長は心情理解をしめす程度です。
土屋県知事もダイオキシンの大気と土壌汚染について基準クリアをいういっぽう、野菜汚染を報道問題にすりかえ三富新田保護対策に関しても「産廃施設との共存」を唱えるばかりで、住民の不安に耳を傾ける姿勢に欠けます。
運動側には一定の前進があるものの、横断的な交流が十分でなく、関心はあるものの運動に参加しきれない人々との落差もあり、かつての盛り上がりを欠いている現状に心を痛めています。(こぶし町と周辺住民の環境を考える会 世話人 上野和義)
●「オオヒシクイ裁判」で保護の必要性認める(00/3/30)
圏央道建設ルートにあるオオヒシクイの越冬地を鳥獣保護地区に指定し保護すべきである、と主張してきた「オオヒシクイ裁判」の判決が3月28日午後、水戸地裁で言い渡されました。
「自然の権利訴訟」の初の判決として注目されていましたが、結論は原告側の主張を棄却したものとなり、オオヒシクイの代弁者である飯島博さんは、「オオヒシクイの飛来はこの三年間に77羽から55羽に減少し、絶滅の危機にさらされている。緊急の保護が必要であるにもかかわらず、保護区拡大についての判断をしなかった裁判所の判決は不満である。環境の21世紀にむけて司法はこれでよいのか」と、沈痛な表情で怒りのコメントを発表しました。
判決後の記者会見と報告集会のなかで弁護団の坂元雅行弁護士は、原告側の主張した三つのポイントに裁判所がどのような判断を示したかにふれながら、判決の評価を行ないました。
その第一は、裁判所がオオヒシクイ保護の必要性について「オオヒシクイ固体群が国の天然記念物に属し、生物多様性保護の要請や種として希少価値を有していることなどに照らし、保護すべき必要性は認められる」と、保護の必要性が高いと判断したこと。とくに種のレベルだけでなく固体群(地域)レベルでの保護を認めた意義は大きいと指摘しました。
第二は、裁判所側が圏央道のアセス手続きについて「不適切な点は多々あるが違法までは言えない」と結論づけたなかで、(1)県はオオヒシクイの存在を知りながらアセス準備書に記載しなかったこと (2)県・建設省の追加調査の時期・内容とも適切でなかったこと (3)アセス専門部会への専門家の出席を拒絶したこと、などは不適切であり非難は免れないと厳しく指摘していることを指摘しました。つまり当時の貧困な法制度のもとでは違法と言えないとしても、環境アセス法が成立した現段階では明らかに「違法」と言えるものです。
第三は、引舟地区の鳥獣保護区指定について、「引舟・羽賀地区等の利用の実状などから同地区が越冬地として定着していることを確定できない。鳥獣保護区に設定しなかったとしても、これが著しく合理性を欠き、違法とまではいえない」と、訴えを棄却しています。一方で、「ひき続き保護策の拡大が望まれる」との判断を示すなど、いくつか評価できる判決ですが、核心部分で行政側に配慮し、圏央道建設が適当かどうかの判断を避けた判決と言えます。
飯島さんは、圏央道ルートに飛来しているオオヒシクイの姿を撮したビデオテープが証拠として採用されなかったことを含め、絶滅の危機の「おそれ」の段階の対応が決定的であり、絶滅が「確定的」な段階では手遅れを意味することを強調して保護の重要性を訴えるとともに、大規模公共事業による環境破壊が全国各地で不法・不当なやり方で強引にすすめられているが許されないと語るとともに、今後の課題に取り組む決意を表明しました。
報告集会には、91年10月から毎年、土日・冬休みなどに農家の浅野さんの提供してくれたビニールハウスに寝泊まりしながら越冬地でのオオヒシクイの生態観察をしてきた子どもたち数人が成長した姿を見せ、「飯島さんの後継者になる」と名乗りを上げたり、「これからもオオヒシクイを保護する活動に参加する」と発言するなど、大人たちは大いに励まされました。残念な判決ではあったが、これからの運動の足がかりとなる成果をかちとったことを確認、新しい一歩を踏み出す決意を固め合いました。(清水瀞)
●高尾山にトンネルを掘らせない都民集会に450人(2000/3/26)
高尾山にトンネルを掘らせない都民集会が、3月23日、東京・新宿の朝日生命ホールに450人が参加して開催された。
主催団体を代表して、市川秀雄100万人署名実行委員長は、現在の署名到達点が18万人を突破したと報告し、100万人署名早期達成のためのアピールを著名人400人の賛同者ともに発表した。
集会では、高尾山の自然を紹介した美しい自主制作ビデオも上映され、あらためて高尾山のすばらしさに拍手がわいた。
呼びかけ人のうち、直木賞作家の篠田節子さん、元朝日新聞論説委員の辰濃和男さん、東京農工大学の本間慎名誉教授が高尾山を自然をこどもたちに残そうと訴えた。
「高尾山はトータルな文化圏で、その豊かな自然とマイルドな気候で私たちが守られている」(篠田さん)。「いやしの地として人々が来るのは、都心にない広さの自然林があるからで、延々と守られてきた聖なる地を平成の人間が壊すのは許せない」(辰濃さん)など高尾山への思いを話した。
三番瀬を守る署名ネットワーク代表の大浜清さんは「三番瀬は地図にもない漁師の言葉」と紹介しながら、海の埋め立ては、人の心から海の記憶を消しさるもの、下水処理のあり方を含め埋め立てが本当に必要かどうかを考えようと訴えた。
吉野川からかけつけた第十堰住民投票の会代表の姫野雅義さんは「投票条例請求運動のときはコンビニから署名用紙が消えるほど、みんなが自主的にがんばったし、五人の議員をふやしたら住民投票が実現できると訴え、その通りになった。実際の投票では選管のように棄権防止を訴え、日本一のかけがえのない川のことを考えてもらおうと活動した。建設省は今、どうしてよいかわからなくなっている。住民から治水の代案を提案してゆきたい」と語った。
東京大気汚染公害裁判の原告団長の西順司さんは「三多摩の大気汚染も尼崎の水準を超えているなかで原告団を500人に広げ6月には第4次提訴をしたい」と述べた。
高尾山の自然をまもる市民の会の山田和也代表は、集会の前に行った東京都の青山副知事への高尾山トンネルを止めるよう求めた申し入れについて、都側は推進の話ばかりでわれわれとまったくかみあわなかったと報告した。
圏央道の地権者であるあきる野市牛沼の鈴木進さんは「建設大臣は地権者と対話するといいつつ、強制収用にハンコをついた。世論を広げて建設をとめるしかない」と訴えた。
100万人署名の紹介議員となった国会議員(5会派20人)も参加し、「立派なリーダーがいて明るく運動を展開するするのが成功の秘密」(佐藤謙一郎・民主)、「21世紀は民主主義の新しい時代で、NGOの時代」(緒方靖夫・共産)、「3会派が手をたづさえてトンネルを阻止しよう」(保坂展人・社民)などと励まし、中村敦夫議員もメッセージを届けた。
集会は最後に合唱組曲『高尾山私のふるさと』が歌われ、こどもたちもそのなかで高尾山を守ってと訴え、共感と激励の拍手が広がった。(舘浩道)
●八戸で公害地球懇講演会と核燃料サイクル施設視察(2000/3/25)
「21世紀を展望して環境問題を考える」と題して、青森県八戸市で公害地球懇(JNEP)創立10周年を記念する講演会(2000/3/19)と核燃料サイクル施設視察が実施された。
公害地球懇(JNEP)の八戸支部の水越直一郎さんが企画し、実現したもので講演会には地元八戸市を中心に111人が参加し好評で、ローカル紙「デーリー東北」にも写真入り4段記事という扱いで報道された。
講演会は藤田敏夫(NO2酸性雨・SPM全国一斉測定運動実行委員会)さんがNO2全国一斉測定運動の結果報告を行い、中央大学教授の舘野淳(日本科学者会議原子力問題研究委員会委員長)さんが、東海村のJCO臨界事故の原因と背景について「東海村臨界事故の意味するもの」と題して記念講演を行った。
昨年9月30日に発生した、日本初の臨界事故はマスコミ報道でよく知られているものの、専門家の目からみた事故の問題点とその教訓は、日本の原子力政策を考える上で貴重なものだった。
舘野さんはまず、JCOが扱ったのは中濃縮ウラン原料であるにもかかわらず、低濃縮ウラン用の施設を一時利用してして行ったことに象徴されているように、原子力が危険だという基本認識に欠け、バケツで核燃料を扱うという裏マニュアル以前の基本問題が存在していると指摘、さらに設計と計画の変更も事故発生の原因で、リストラや経済優先の企業運営が背後にあると分析した。
青森には六カ所村の核燃料関連施設(環境科学技術研究所)で3月10日に爆発事故があったばかりで、舘野さんの指摘に参加者は核燃料をめぐる問題点への認識を新たにしていた。
日本科学者会議青森支部は、県内の環境問題をウオッチングしているがそれによれば1998年から今日まで開発問題、有害廃棄物をふくむゴミ問題、軍事基地問題、生態系破壊問題などすべてあわせると47もの問題をかかえていることとなる。
講演会の第2部では、これらの青森の環境問題のうち県内で現在進行中の問題にたいする取り組みが報告された。
三戸町に計画中の産廃処分場施設、横浜町に進出予定のPCB処理施設、それに、むつ市田名部に進出予定の一般廃棄物最終処分場の廃棄物処理に関連してそれぞれ報告された。また、最近、高レベル核廃棄物の受け入れをめぐり全国的にも知られている六カ所村の核燃料サイクル施設と地域の経済問題についても報告された。
これらの報告で、青森県はまさにゴミにしろ核にしろ全国の厄介物の捨て場としてねらわれ、青森県の行政もそれを受け入れ、県内各地で住民との間におおきな矛盾をつくりだしていることが浮き彫りになった。現地の人たちの努力で開催されこの講演会が、問題を全国に広げるきっかけになることを期待したいものである。(舘浩道)
●G8環境大臣会合へのNGOアピールに賛同を/あおぞら財団
(財)公害地域再生センター(あおぞら財団)からのお願いです。
この度、本年4月に滋賀県で開催されますG8環境大臣会合に向け、沖縄環境ネットワーク、気候ネットワーク、滋賀環境生活協同組合、全国公害被害者総行動実行委員会とともに、NGOアピール「21世紀を環境再生の時代に」を作成しました。お一人でも多くの環境NGO活動家の方々にご賛同いただき、その勢いをG8環境大臣会合に届けたいと思っております。
G8環境大臣会合に向けたNGOアピール
21世紀を環境再生の時代に
〜先進国は責任ある行動を、NGOとともに〜
20世紀は、戦争や乱開発、環境汚染などによる未曾有の環境破壊が進行しました。それは、数え切れないほどの人間のいのちと健康を奪い、あらゆる生き物の脅威となってきました。また地球温暖化問題も深刻化し、いまや人類の生存基盤である地球環境そのものを脅かしています。このような事態を招いた先進諸国の責任は重大です。
21世紀は、今世紀の環境破壊に対する真摯な反省の上に立って、人びとの英知で環境は再生できるということを実践のなかで明らかにし、人類の確信にしていくことがとても大切だと、私たちは考えています。
西暦2000年という節目に、わが国とって環境再生事業の象徴的存在である琵琶湖のほとりで開催されるG8環境大臣会合では、新しい時代の幕の開け方を議論する会合にふさわしい議論がなされることを期待します。
そして、開催地・日本で活動するアジアの環境NGOの一員として強く要請します。G8環境大臣会合の名において、「21世紀を環境再生の時代に」を先進国の共通テーマとして確認し、以下の内容を含む声明をまとめ、7月に開催される沖縄サミットの議論に反映してください。
以上
<呼びかけ団体(アイウエオ順)>
沖縄環境ネットワーク
気候ネットワーク
(財)公害地域再生センター(あおぞら財団)
滋賀環境生活協同組合
全国公害被害者総行動実行委員会
あおぞら財団ホームページをご覧いただき、ご賛同の意思をお伝えいただきますよう、よろしくお願い申し上げます。
日本語版 http://www.aozora.or.jp/2000
英語版 http://www.yin.or.jp/user/rdavis/aozora.html
●今世紀の反省(99/12/9)/坪内晟
今世紀の反省無しには明るい次世紀は語れない。人類にとって今世紀のテクノロジーの発達は早急すぎたのではないだろうか。杞憂であれば良いのだが、テクノロジーだけを考慮に入れ今世紀を省みると、今世紀の中の一時期がが人類にとって最も良い幸せな時期であったと確認させられる日が次世紀には来るような気がする。テクノロジーが地球を破壊し、人類を滅亡へと導ているのではないだろうか。そういう不安が私の頭をよぎるのである。
人間によって作り出されたテクノロジーは両刃の剣である。特に原子力はそう言えるだろう。はたして本当に人類や地球の為に原子力が必要不可欠な物なのか?今、改めて真摯にそれを考え直す時期ではないだろうか。他にも人類は自然界で存在しない物質を、自然の摂理に合致するか否かを見極めることなく際限なく無責任に作り出してきた。それらは本当に人類に貢献するためになされて来たのだろうか?ただ単に国家や企業の利益のためになされてきたのではないか?それらの結論が出るのも次世紀であろう。
形ある物はいつか壊れ又、栄える物はいつか滅びる。当然ながら人類も有限なのである。人間は少しでもその英知で豊かな有限を持続、発展させようと努力する。それは当然ではある。しかし現実はその目的に逆行しているのではないだろうか?進歩しすぎたテクノロジーが、検証なしに進んでいく。又、それについていけない人々を置
き去りにして行くだろう。三歩進んで二歩もどる。そういう姿勢が今、求められているのではないだろうか。明るい未来はそうした思考の上に可能となると私は思う。
(坪内 晟 )
●日本の原発行政はここがおかしい!(99/11/29)/坪内 晟
−−東海村のJCO事故の真の責任はだれに?−−
結論から言って、東海村、原発関連事故の責任は99パーセント日本の行政府にある。
当該施設は科学技術庁の下部機関である、原子力安全委員会で認められた(認可された)施設である。認可の条件は法律に基づき、二種類に分けられる。一方はそこの施設が臨界が起こりうる施設(原子力発電所等)であるかどうか。もう一方はいかなる条件下でも、臨界が起こり得ない施設とに分けられる。原子力安全委員会はJCOを臨界が起こり得ない施設として認可したのである。その間違った認識が真の原因である。
報道機関や政府関係者はモラルの低下や、教育の不十分さ等を盛んにアピールしているが全くの見当違いである。モラルや、教育により、現在の原子力行政が成り立っているのなら、危険きわまりない。国民を危機にさらす原子力利用なら直ちに止めるべきである。
臨界の可能性がないと行政府によって認められた施設においても、営利団体(株式会社)が利益を追求し運営する以上、コスト削減に走ることは当然である。又、安全委員会はマニュアル通り作業をしなければ臨界事故の可能性が有ることを当然予想できたはずである。
今、日本政府は報道機関などの迎合的な意見に支えられ見当違いな法律(モラル教育等の実施を企業に義務づける)を制定して事態の対処に当たろうとしている。日本政府は真の原因から目を背け、行政能力に欠ける、なさけない政府である。この様な場当たり的な対処の仕方では、又同様な事故が近未来に必ず起こるだろう。
原子力安全委員会なるものは本来原子力利用に懐疑的な専門家たちで構成されるべきであるのが国際的な常識である。日本の場合は原子力行政の下部機関とし原子力安全委員会あり、しかも好意的な(行政府寄り)委員で構成されている。今回の事故は起こるべくして起こったのである。真の原因を追求しない報道機関を私は腹立たしく思っている。
瀕死の重傷者である大内さんは明らかに国の行政の犠牲者である。また被害者の家族は少なくとも「行政の被害者である」と言うことを社会にアピールして欲しいと思います。実体験に基づいた発言は人々に真剣に考える機会を与えられると思うからです。また、発言をしないと言う事は、「行政の言い分を認める」と一般の人々には映るのではないでしょうか?「かわいそうではあるけれど、自業自得ではないか」と考える人が中にはいるのではないかとの懸念さえ覚えます。とにかく、この事故は事故と呼ぶ性質のものではなく、事件と呼ぶべき本質をそなえていると思います。
(坪内 晟)
●名古屋あおぞら裁判が「名古屋本社要請行動」/松 光子
11月24日、名古屋あおぞら裁判の「名古屋本社要請行動」が午前9時40分にスタートしました。この日はA、Bコースの2班に分かれ、Aは愛知製鋼、東邦瓦斯、Bはニチハ、中部鋼鈑、と要請行動をしたあと、両グループは大同特殊鋼へ集まり要請行動を行いました。
前日から名古屋入りした全国公害患者の会連合会の常任幹事(太田、松、梶浦、池田)は、Aグループに参加しました。当日参加の足立、大場はBグループでした。
大同特殊鋼は40名弱でしたが、それ以外の企業は参加者全員が要請行動に参加することが出来ました。
全ての企業で、亡くなられた遺影を前に全員で黙祷を捧げました。3社とも総務の課長クラスが対応し、署名を提出してから要請を開始しました。
どの社も「現時点では裁判所の公正な判断を仰ぎたい」と述べ、判決を見たいと言われました。しかし「今後、情勢の変化によっては対応が変わることもある」とも述べています。結審時に被告企業の弁護団が記者会見をしたことは、他の裁判では見られなかったことで、これは被告企業側の足並みが揃っていない証拠であろうと詰めました。
この会見で尼崎の企業解決直後、裁判所の方から被告企業側に和解の打診があったが、企業側弁護団は「事情がかなり違う」などとして断ったことに対し、松(尼崎会長)は愛知製鋼所に「どこが違うのか」と質し、愛知製鋼所の答えの間違いを指摘し、尼崎も名古屋も事情は全く同じことを明言しました。
11月1日の結審行動後、名古屋の原告は自分の被害を被告企業に向かって熱心に訴えるようになりました。次から次へ患者さんの訴えが続き、悲惨な被害は聞く者の心に響きました。企業側の人たちも真剣に聞いていました。次回の名古屋被告企業交渉は12月20日に行います。
(全国公害患者の会連合会の常任幹事/尼崎あおぞら裁判原告団長)
●ECO ASIA’99 SAPPORO/門田 俊宏
去る99年9月4〜5日、「アジア・太平洋環境会議」が、札幌市(京王プラザホテル・エミネンスホール)で開催されました。私は、5日に参加して取材してまいりました。以下、レポート・報告いたします。
13:00、予定どおり開会。主催者挨拶は、桂信雄(札幌市長)で、「環境文化都市」を目標に・・・とのことでした。続いて、13:05分からは、加藤三郎(環境文明研究所・所長)が基調講演「循環社会へのアプローチ」という演題で14:00まで話しました。
総括すると、経済人である「トヨタ」の豊田章一郎氏でさえ、あと1年数ヶ月でやってくる21世紀は、「環境の世紀」であると明言していること。世界人口も20世紀の始まりには、16億人だったのが今世紀の末には61億人とほぼ4倍増になっており、まさに「人口爆発」であること。特に、「アジアの人口増加」は見逃せない危機であること、このピンチは『かなりきびしいピンチ』であるが、だからこそ、逆にチャンスでもあること。具体的には、エコ・ビジネス等、知恵を出し合って社会変革へのきっかけにしていかなければならず、新しい社会への脱皮を図り、「循環型社会」を築く必要性があること。そして、アジアにおける日本の役割を考える際、1960年~70年代における日本が経験した産業公害を教訓とすべきであること。また、生産ー流通ー消費ー廃棄の流れの中で、「廃棄」物だけを責めるやり方には限界があること(例えばダイオキシンの発生)。すなわち、フローの川上である「生産」ー「流通」と、ここを看ていかなければならないこと。それもかけ声だけではダメ!制度上の問題をクリアーし、「ソーラー、風力」等の自然エネルギーへの転換が迫られているのは必至であること。さらに、日本をふりかえるとき、行政は100年かけて農村破壊の政策を続けてきたこと、農村の支え手はいま60代であり、あと10年たったらどうなるか?真剣に考えなければならないこと。最後に加藤氏は、「循環社会創り」のために、憲法に「環境条項」を盛り込んではどうかと提言して論を閉じました。
つづいて14:05分から、『紙と森林』と題して、「パネルディスカッション」に移りました。コーディネーター1名、パネリスト5名、会場は、250席ほぼ満員。パネリストとして国外からも、ラウ・ヒンディン(マレーシア科学・技術・環境大臣)、ニルマル・アンドリュース(国連環境計画・アジア太平洋地域事務所所長)が出席されました。会場の各席も英語との同時通訳装置が用意され、熱気に包まれた2時間弱、16:00までの時間があっと言う間に過ぎました。グローバルにもローカルにも、積極的な「植林」政策が早急になされているもようで、保全・保存両面からも「森林」の重要な役割が伝わってきました。
(1級環境管理士・門田俊宏 GZL04335@nifty.ne.jp)
●ナキウサギ裁判傍聴記総集編(99/6/6)門田俊宏
1996年7月、有志が士幌高原道路の住民監査請求の却下を受けて、同96年8月、士幌高原道路は生物多様性条約、環境基本法などに違反するとナキウサギ裁判を札幌地方裁判所に提訴してから、一応の決着がつくまで足掛け3年かかりました。
水俣病など数々の公害裁判からも分かるように、公害・環境問題に関して、日本の司法機能は、円滑・明解とはなかなか捗らず時間がかかり過ぎるように思われます。この手の裁判の判例を良好に積み重ね、法体制を整備しなければならないでしょう。
「ナキウサギ裁判レポート」を書くために、第4回「公判」から傍聴してきましたが、法律に素人の私にも、このように感ぜられました。
さて、道道士幌然別湖線は、国立公園行政に関わってその可否が定まります。遡ること1973年の『林談話』に立脚点が求められます。その要旨は以下の通りです。
“環境庁自然環境保全審議会の林修三・自然公園部会長は大雪縦貫道路(道道忠別清水線)計画が断念された後に出した談話で「国立公園の道路新設はその道路がぜひ必要で、代替手段が見いだせないことが前提」との基本方針を示し、以後の国立公園行政の柱となった”という内容です。
また、「ナキウサギ裁判」では、地方自治法による「公金の不正支出」をしてはならない、という条項にも根拠を置いた裁判でした。道庁では、カラ出張や官官接待が問題になった経緯もあったほどです。
ところで、十数回を数えた「公判」の記憶の糸をたどっていくとハイライトは何と言っても、第4回「公判」のトンネル案法面付近のナキウサギをスティタスとする生態系の、法廷&傍聴席での原告側が作成したビデオの上映です。
これは画期的な試みで一宮裁判長も丹念に見ていました。また、第7回「公判」の自然科学的アプローチからの、佐藤謙氏の原告側の証人尋問です。裁判長にも恵まれたと私は思います。一宮裁判長は現地検証のため山にも登ってくれましたし、平成10年4月から引き継いだ持本裁判長も明朗・明快で好感がもてました。
それに、全国各地からの20万筆を超える署名、道外の各地で活躍されてる弁護士さん達のおおいなる助力、80歳を越える高齢にもかかわらず終始熱意あふれる奮闘をされた八木原告団長、縁の下の力持ちでがんばって世論を盛り上げてくれた「ナキウサギふぁんくらぶ」の方々、最後のさいごまで逆転劇(「自然保護優先」と堀知事に言わしめた)を演じて見せてくださった各自然保護団体の努力、そんな底力がこの裁判を実質・勝訴に導いてくださいました。感謝。(了)
「大雪山のナキウサギ裁判を支援する会」会員
●ナキウサギ裁判傍聴記(99/4/15)門田俊宏
1999年4月15日(木)をもって事実上、最後の公判となりました。以下にその模様を述べます。
「時のアセス」による堀知事の「士幌高原道路は中止・自然保護を優先」との去る3月17日の発表を受けて、被告・道側の出方が問われた裁判でした。予定開始時間、午前10時10分までに原告・被告ともに入廷待機。その間に原告の野呂、市川弁護士と被告の山根弁護士とのあいだで、ちょっとした打ち合わせ会話があったのですが傍聴席には届きませんでした。10時20分を回った所で、裁判所職員から「前の事件が長引いているのでもうしばらくお待ちください」との発言があり9割方埋まった傍聴席が一瞬どよめきました。10時30分ちょっと前に持本裁判長を中心に裁判官入廷。全員、起立・礼・着席、身の引き締まる思いでした。
さて、裁判ですが、被告側準備書面の「道路計画は中止したので、訴えの利益はなくなった」を受けて、原告は「中止」したの主語の確認を山根弁護士に促しました。山根氏は「もちろん、主語は(道・堀知事)」とつぶやきました。さらに原告は、今法廷で道側に「道路建設のための公費支出をしないということ」をも山根氏に確認し、以上2点が「調書」に記載された事を原告・被告・裁判官が認識したことを確かめた上で、本日をもって原告は、訴えを取り下げ、被告もそれを了解しました。
そして原告団長の八木健三氏より、「日本では歴史的とも言える正式の判決がくだされなかったのは、誠に残念ではある」との謂も含めて、裁判官への「礼言」があり、持本裁判長による本裁判終了宣言がなされると、傍聴席から万雷の拍手がありました。
その後、高教組会館で、最後の「報告集会」がありました。『実質・勝利、ナキウサギ裁判』の横断幕のもと、市川守弘弁護士の「判決が得られなかったことが唯一残念、八木先生と同感」とのあいさつがありましたが、実質勝訴との判断をくだされました。
その他、原告団・弁護団の方々からもスピーチが続きました。「この裁判をきっかけとして、日本全国そして世界へも発信していこう」。「今後も『北海道自然保護指針』が守られていくかの監視を」。「一度、破壊された自然を回復させるのは非常に困難であり、公園だけでなく身近な里山の保全・保護も大切」。「世界では常識になりつつある『生物多様性条約』等の更なる市民運動を」。「日本の法律は、環境・公害運動には冷たい法体制であるから立法の面からの改革を」などの声がありました。
最後に私も、この「ナキウザギ裁判」から多くの事を学んだように思います。
「大雪山のナキウサギ裁判を支援する会」会員
●ナキウサギ裁判傍聴記(99/2/4)門田俊宏
1999年に入ってからの初めての公判は、2月4日(木)に札幌地裁・8階5号法廷で午後1時10分から1時30分を予定しておりました。ところが、場所は8階2号法廷に急遽、変更になりました。時刻も1時を回ったところで、原告団入廷・着席、1時10分過ぎ、被告側が入廷・着席。ややしばらく静寂の後、1時15分に持本裁判長を中心に3人の裁判官が入廷、全員が起立・礼・着席。
さて、「第12回公判」ですが、被告側準備書面(1月29日付)と原告側準備書面(2月4日付)と出揃いました。また、「時のアセス」で(士幌高原道路)もその対象になったことが分かり、3月中には、堀知事から回答があるとの事でした。さらに、「トンネル案」ですが、士幌町への経済的影響は乏しいとの原告の主張です。アンケート結果を分析してのものと思われました。その他、被告側がだんまりなので、準備書面から市川守弘・原告弁護士が一部引用して弁論されましたが、手許に準備書面のない傍聴人からは、「?号証」が、とのやりとりは不明でした。
その後、八木原告団長より意見陳述がありました。内容は、「自然環境における悪影響を59%の道民が意志表示している。西村副知事には意見提出した書面を認知してもらえた。そもそも、時のアセスは1960年代から1990年代へと30余年を経たものであり、60年代の発想ではなく現在の情勢を考慮に入れた方向で、道には考えてもらいたい。」との要旨でした。あっという間の公判でした。
所を変えての「高教組会館」での報告集会では、昨日(2月3日)の取組みについても言及されました。某新聞紙上で掲載された記事・・・「北海道の士幌高原道路建設・道に8万こす反対署名提出・自然保護3団体累計で20万4千余に」と報道されました。また、昨晩(3日夜)、私も足を運んだ「北農健保会館」にての「士幌高原道路・時のアセスの公聴会」も話題を呼びました。「十勝自然保護協会・及川裕代表」ら、「北海道自然保護協会・俵浩三会長」ら、および「北海道自然保護連合・稲田孝治代表」ら、からの道への意見提出でした。1時間30分という短い時間でしたが、「士幌高原道路」は「大雪山国立公園」の内であって、経済効果云々よりも、その自然の保護義務があるとの一貫した主旨で、さまざまなアングルからの見解でした。
私も思うに「運動」と「裁判」は車の両輪のようなものです。報告集会では、初めて裁判を傍聴した若い女性からも、「草の根でもこういう環境問題を伝えていかなければならない」という発言がありました。次回の公判は、4月15日です。東京・菅野弁護士からは、早くも祝勝会の話がありましたが、予断不許です。
「大雪山のナキウサギ裁判を支援する会」会員
●産廃処理場の悪臭と煙なんとかして(98/12/7)千葉・白井町一住民
千葉県印旛郡白井町折立の産業廃棄物最終処理工場の煙害はひどいものです。大気汚染防止法適合と言うが、毎日毎日、ひどい煙と悪臭です。特に夜間20:00頃からの焼却がひどい。マスコミとか、そちら方面に、実態を伝えてもらう方法は無いものでしょうか。町の方は、いくら訴えても知らんぷり。全く何もやってくれません。周囲に民家が少ないことと、事業所の人が怖そうな人たちのために、住民運動には至っていません。
1.なぜ現在これほど騒がれている産業廃棄物最終処理工場を、我が町に作ることを町が許可したのか?
2.現在の煤煙の状況を、町は調査していないと思われる。調査していたならば命の危険を感じるほど、ひどい煤煙が田圃の上を毎日毎日覆っているような現状は、当然解決されているはずです。つまり調査しづらい何らかの理由があるのかもしれません。
●ナキウサギ裁判傍聴記(98/11/26)門田俊宏
1998年、年内最後の公判は11月26日(木)に札幌地裁で行われました。第5号法廷の傍聴席は、3分の2くらいの人々が入りました。開廷予定時間は午後1時10分・・・原告・被告が揃い静寂が漂う中、待つこと10分、1時20分開廷。持本裁判長も開口一番、「どうも、お待たせしました」・・・憎めない御方だと感じました。
さて、第11回公判、持本裁判長に交代(4月)してから、被告道側は一切準備書面も提出せず、だんまりを決めているのに対し、八木原告団長から再三にわたる提言で、「書面審理によるやりとりでわかりにくい、傍聴人にもわかるように口頭で説明するように」と求めたが、被告がどう反証し誠実に対応するかが今回注目されました。
まず、原告側の菅野原告代理人(東京の弁護士)が、(1)従前から要請している未提出の当該道路建設にかかわる各種調査資料の文書提出命令、(2)立証計画(証人申請)書の提出を要求。菅野氏はまた地方自治法に関連して、事業自体の必要性、自然環境に与える危険性、環境アセスメントについて、国民経済に与える影響について統括的意見陳述を行いました。
これに対し、被告側の弁論はなく、原告側の市川弁護士が、被告側準備書面の表現を一部引用して、「トンネル法面は採食地となっているが棲息地と考えて良いのか?」とただしました。それに対して被告側の山根氏は「何も自然破壊をしてよいなどと言っていない。自然は大切にしなければと思っている。が、それ以上は即答できない」と逃げ腰でした。
その後、八木原告団長が「対副知事交渉」の要旨を読み上げ、その成功を特に持本裁判長に、ぜひ記憶に留めていただきたいとアピールしました。道側は「即答できない」と及び腰のまま、終了しました。
終了後の報告集会では、「ナキウサギの棲めないような世は人間もすめない」との発言のなか、「道側にもっとしゃべらせたかった」との意見や、来年3月に「時のアセス」が決まるもようで、道路建設が中止になっても、この裁判で決着をつけたいと原告団長が語りました。
「大雪山のナキウサギ裁判を支援する会」会員
●ナキウサギ裁判傍聴記(98/9/17)門田俊宏
98年9月17日(木)、札幌地裁で「ナキウサギ裁判」の第9回公判が行われました。
さて、今回は原告側の市川弁護士による陳述がありました。98年11月17日付け被告側準備書面では、道側が「北海道開発コンサルタント」に依頼して、水平ボーリングを行ったところ、風穴現象なしとの結果主張をし、また、微風速も発生していないとの主張で、この地域の「永久凍土説」や「対流説」をも否定し、したがってトンネル案で生態系への影響なしとの回答をしていたことを改めて確認していました。これは、原告側の調査と全く反対のものであります。
市川弁護士はこのことに係わって、88年から96年まで道の「調査報告」は、いずれも水平ボーリングで、15センチメートル毎秒の微風速を、「誤差」として扱っているのが気がかりです。もっと、中立・科学的な環境影響評価を要請したいと述べました。
原告団長の八木氏は、道の「情報公開」は、過去のものばかりでなく、計画等、未来へも射程に入れて、道民の要望に答えるものでなければならないとしたうえで、「これまでして、道路を貫徹するようにするという主張はなぜなのか?」と被告側の口頭弁論を要望しました。
加えて、名古屋の、籠橋弁護士も発言し、この裁判は全国的に見て重要な裁判で、他地域にも影響すると述べました。生態系の保護を法律の保障のもとにおき、「ムツゴロウ事件」を引用し自然の代弁者としての良心・良識を求めました。
終了後の報告集会では市川弁護士が、裁判の流れとして互いに「主張」し、「争点」を絞り「証明」するのが裁判の運びで、原告側の主張を出つくしたのが本日の裁判だったと報告しました。
この裁判は、全国から63名の弁護団が応援しています。それにもまして、傍聴席の要望としては、「被告側の弁論を期待している」、「どうしてトンネルを通すのか…道側の理由を述べさせる」等などです。個人の要望としては、ぜひ持本裁判長にも、現地再調査のためにも登ってもらいたいと思います。最後に持本氏は学生時代、落語研究会に所属していたそうです。そのユニークさに期待しています。
「大雪山のナキウサギ裁判を支援する会」会員
●ナキウサギ裁判傍聴記(98/7/16)門田俊宏
98年5月14日(木)の「第8回公判」と、7月16日(木)に開かれたわずか10分間という短時間の「(打ち合わせ)公判」の二つを記します。
まず、5月14日のです。今回は傍聴整理券が配られました。午前11時開廷。一宮裁判長が転勤のため新任の持本裁判長に引き継がれての第1回目の裁判であったため、8割方埋まった傍聴席からも衆目の一致するところでした。私個人としての見解としては持本裁判長も明朗で好感が持てます。
さて、原告側としては、3名が陳述主張をしました。1番目に、小山氏。氏は登山家としても知られ、好奇心・向上心の表現としての登山が1956年以来の昨今の登山ブームに一定の評価を与えられておられました。欧米ではアルピニストが高く評価されているのに、日本ではまだまだ視点が低いとの見解でした。私は「登山」を暗喩的に「哲学」に見立てているのですが、日本人は、まだまだ「哲学」の貧困なのかもしれないなぁ、と小山氏の陳述を聞いていて思いました。2番目は神原昭子女史でした。彼女は、「支援する会」の事務局長でもあります。要旨は、第1に、北海道を日本の食料基地として位置づけ十勝平野の自然環境を守りたい、最近の科学的所見では山の環境は川や海にもテレコネクション(遠隔接続)で影響を及ぼすのだから、というものです。第2に、風穴地形を保存したいという主旨です。第3に、「有機農業」と「人」と「大規模リゾート」はかみあわないというものです。3番目は及川氏です。要約すると「時のアセス」に士幌高原道路も対象になっているが、日本全国から「士幌高原道路差止め・署名」が18万5千筆を超える勢いなのに、未だ、堀知事も自ら視察していないという事態だということです。最後に群馬県から参加された島田弁護士も尾瀬・ナルカメ山の開発による「野生のかっこ草」への打撃の例を引用し、一度、破壊されてしまった自然環境を復元するのはすこぶる難しい、したがって、これ以上の自然破壊は許されないという提言をされ、公判は予定より早く、11時40分には終了しました。
その後、晴天に恵まれた「大通り公園」で報告集会が行なわれ、「文化度の高い生活圏を」とのスローガンのもと、15分程で解散しました。
そして、7月16日です。「打ち合わせ」の諸手続き終了後、原告団長の八木健三氏が、「情報の公開」、「被告側の弁論要求」、「傍聴人への配慮」等を求めました。対して、持本裁判長は「裁判所の伝統」を説明しました。
門田俊宏/「大雪山のナキウサギ裁判を支援する会」会員