声明 COP15を終えて
2009年12月22日
公害・地球環境問題懇談会



 12月7日から19日まで予定を1日延長してコペンハーゲンで開催されたCOP15(気候変動枠組条約第15回締約国会議)は、議定書の改正も、先進国の排出削減目標・途上国のとりくみや具体的な支援のしくみを含む政治宣言も出さずに終了しました。

 地球温暖化の被害が進行しています。とりわけ、途上国や貧しい人々が被害に直面しています。後発途上国や島嶼国から、大排出国への必死の訴えもありました。日本で深刻な公害被害を経験し、被害者の救済と公害根絶の運動を展開してきた私たちは、実効性ある削減目標がまとまらず、かつ適応(被害軽減対応)も行われずに被害の進行拡大が放置されることを決して見過ごすことはできません。地球温暖化の被害は近い将来、先進国の私たちにも必ずや降りかかってきます。

 COP15は「国益優先の交渉だった」という解説もありますが、エネルギー多消費産業がごく短期間悪影響があるとして、自国を含む将来世代の生存基盤自体が失われる危険を放置することが果たして「国益を守る」ことでしょうか。

 世界の国々はいち早く交渉を再開し、科学の求める排出削減(2015年に増加を止めて削減へ)、先進国全体の排出削減(2020年に温室効果ガスを1990年比で25〜40%削減)、先進各国の法的拘束力ある削減目標、途上国のとりくみ、途上国支援のしくみなどを含む、実効性ある議定書改正に合意すべきです。日本政府も「25%削減」に条件等をつけずに全部を国内削減で実現し、途上国の支援を行うべきです。

 日本政府は「25%削減」を余裕をもって実現し、同時に長期の大幅削減を実現するための政策を導入する必要があります。これは、大量生産、大量消費の経済社会から低炭素社会への転換を、将来の社会ビジョンも明確にしながら早期に実現すべきです。排出の7割を占める大口排出源の対策を自主計画まかせにし、排出を激増させた反省から、大口排出源の削減義務化政策(直接排出、総量目標のキャップ&トレード型排出量取引制度など)政策、炭素税・石炭税、再生可能エネルギー電力の固定価格買取制度の導入などが不可欠です。また、エネルギーは石炭火発や原発依存を改めることが必要です。

 22名の代表団は現地デンマークで、COP15の前進のために、とりわけ日本政府が先進国としての役割を果たすことを求め、海外のNGOと共同の行動を進めました。また、デンマークの人々との交流や研修を通して、産業優先から国民生活優先の福祉国家をつくり、環境政策も国民の意思決定参加で積み重ねて来た経験を学びました。

 私たちは、これらの活動と経験を活かして、今後、国内政策の提言をまとめ、実効性ある政策を要求する運動を展開していきます。