声      明

        201091

 高尾山天狗裁判原告団   団長 吉山 寛

高尾山天狗裁判弁護団   団長 鈴木堯博

 

 東京地方裁判所民事第3部(八木一洋裁判長)は本日、圏央道高尾山トンネル及び八王子南インターチェンジ工事に関する事業認定・収用裁決取消請求事件において、原告らの請求却下・棄却する判決を言い渡しました。

 私たちは26年以上に及ぶ圏央道反対運動と事業認定取消請求訴訟や工事差止め請求訴訟を通じて、圏央道により国定公園高尾山にトンネルを掘り巨大な橋脚によるジャンクションやインターチェンジを建設することは、豊かな自然環境や景観を破壊するものであることを強く訴えてきました。圏央道が如何に無駄な公共事業であり豊かな自然環境を破壊するものであるかという認識は国民の間に広く広まっています。

 そして裁判所において、圏央道工事により既に発生した八王子城跡の地下水脈の破壊の事実を指摘し、裏高尾地域での騒音被害や大気汚染の被害発生を科学的に立証し、トンネル工事による地下水脈破壊により世界遺産に匹敵する国定公園高尾山の豊かな生態系が破壊される危険性を明らかにしてきました。現に高尾山トンネル工事により私たちが危険性を指摘したとおり、地下水位が大幅に低下し環境破壊が現実のものとなっています。

 また、圏央道は都心の渋滞解消や多摩地域の交通渋滞の解消と経済の発展に必要であり、費用対効果でも2.6と便益性の高い工事であるとの国土交通省の主張が虚偽で、データも国民に開示せず、検証をさせない点で非科学的であるばかりか、その数値において過大な便益を捏造していることを完璧に明らかにしました。

 このような、私たちや国民の批判を受けて、国土交通省は、道路建設の正当性の根拠になっている将来交通需要予測を下方修正せざるを得ない状況におかれています。

 ところが裁判所は、水脈、景観,大気汚染,騒音の被害の実態や危険性を無視し、国の主張する圏央道の公益性公共性をまるごと鵜呑みにして,原告らの請求を却下・棄却しました。判決は,圏央道事業の公益性を最優先し,これにより生ずる被害を無視する国の主張を認めて、行政の誤りを正すべき司法の役割を放棄した不当な判決といわざるを得ません。私達は,この不当判決に対しては控訴して上級審での破棄見直しを求めることとします。

 世界遺産に匹敵しミシュランの三つ星評価を受けた高尾山には現在トンネルが半分程度掘られ、裏高尾地域は八王子ジャンクションから地上60メートルの高さに巨大な高架橋の道路が高尾山に向かって延びて、高尾山南側は八王子南インターチェンジの巨大な橋脚やループが蛇のごとくとぐろを巻いて自然景観を台無しにしています。 

私たちは、今回の不当な判決にもかかわらず、今後も世界遺産に匹敵し都民のオアシスになっている高尾山を護るために今後も一層がんばることを決意します。