| 環境大臣 小沢鋭仁 殿 |
| 経済産業大臣 直島正行 殿 |
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2010年5月24日 |
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公害・地球環境問題懇談会 |
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代表幹事 清水 誠 |
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| 地球温暖化防止のためには、原発に依存せず、再生可能エネルギー(自然エネルギー)に全力を傾注することを、強く要望します |
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私たちは昨日、温暖化対策と原発問題を考える緊急シンポジウムを開き、環境エネルギー研究所飯田哲也所長の講演、原発問題住民運動全国センター、日本科学者会議の代表などの報告をうけて、大いに議論をいたしました。その報告・意見にそって、下記の通り申し入れます。
私たちは、地球や人類の命運がかかっており、今後の生活・生産様式を決める「基本法案」の審議にあたっては、運用を官僚まかせにせず、国会が実効ある政策内容を確定することで、国民に対する責任を果たし、十分説得力を持つ形での審議をすることを心から期待していた。
にもかかわらず、現実の国会審議は、はなはだ不十分なものであり、国民を納得させるものではなかった。
とりわけ、以下の要求に掲げる諸点において、大きな問題点を残した。ことここに至っては、参議院での十分な審議を通じて、衆議院での審議と「基本法案」の持つ弱点を克服することを強く要望する。 |
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| 〖「地球温暖化対策基本法」に対する私たちの共同の要求〗 |
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1.気温上昇を産業革命以前から2度以内に抑えることを明記し、現在の持続不可能な社会経済構造の転換を促進する規定を盛り込むこと。このことが、基本法が掲げる諸政策の必要性に根拠を与える背骨部分となるものである。 |
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2.中期目標について、すべての主要国の合意を前提にする規定は削除する。それを通じて、中期目標の達成は、人類的な課題に対する日本自体の内的要求であることを明確にすること。 |
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3.基本政策の筆頭に、国と産業界のとの間での「温室効果ガスの公的削減協定の締結」を入れること。それを通じて、大量生産・大量消費・大量廃棄の政策を抜本的に転換する方向を明示すること。 |
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4.原子力発電の増設や設備利用率向上がは、「地球温暖化対策」となるとして政府は1998年の地球温暖化対策推進大綱の「原発20基増設」に代表されるように、原発増設や設備利用率向上を対策の柱にし、一方で省エネ・燃料転換・再生可能エネ普及対策とそれを保証する大口排出源削減義務化政策を先送りし、大口排出源の対策を業界自主計画まかせにし、石炭火発増設も容認して来た。これが90年以降の日本の排出増の主因である。その総括と反省もなく、また原発増設などを対策の柱とし、基本法にも推進規定を置いている。これでは過去10年の失敗の繰り返しを招く。原子力発電の推進規定を削除すること。 |
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5.地球温暖化対策は、原発のように他の環境負荷や社会問題を引き起こす手段ではなく、脱大量生産・持続可能な低炭素社会へと経済を抜本転換し、人間にふさわしい雇用をつくりだすものでなければならない。現在の大量生産・大量エネルギー消費の延長に、電力消費増加や鉄鋼生産維持を前提にした経済社会を描き、それを前提とした技術突破のような危険な対策や政策を考えるのではなく、脱大量生産・持続可能な低炭素社会への大転換を前提に、低炭素産業を伸ばし、若者と地域社会に雇用を保証する、そのことを実現する論議を早急に開始すること。 |
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| 〖地球温暖化対策としての原子力発電の推進に反対し、その撤回を求める〗 |
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原発については、以下の5つの理由で、現時点での推進に反対し、原子力の推進規定の削除を求める。 |
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1)日本の原発の安全管理体制は重大な欠陥を内包している。この欠陥の是正こそ、最優先で取り組むべきである。 とりわけ、原発の安全規制機関と原発の推進機関が、同じ経済産業省のもとにあり、IAEA(国際原子力機関)の定める基準(「規制機関は推進機関と兼ねてはならない」)を逸脱している状況を克服すること。 原発推進機関から独立した「安全規制機関」を確立した後に、「安全規制規定」を整備し、「情報公開」をすること。その際、日本のように、地震源の真上に原発が立地している事例は、世界的にほとんどないので、日本の場合、その特殊性を踏まえたきびしい対策が必要である。 また、日本の原発は、人口過密の地域に隣接して立地しており、ひとたび事故が起きて、チェルノブイリのように、周辺一帯が立ち入り禁止地区になった場合に受ける悪影響は、世界の他の地域とは、まったく異なるものであることも知らなければならない。 |
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2)世界的な事例を見ても、原発に熱心で、同時に、自然エネルギーの開発に熱心だという国はない。その意味では、どちらを優先するのかの選択こそが重要なのである。議論の余地なく、21世紀の中心テーマである自然エネルギー重視の基本姿勢を確立することを求める。 |
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3)「いま生きている現世代が解決でない問題点を、次世代に先送りしてはならない」とは、人間として守るべき最低限の倫理である。この倫理を守ること。 原発を運転して40年以上経過したのに、未だに、放射性廃棄物の安全な処分の見通しがなく、特に、高レベル放射性廃棄物は処分場の候補地さえ決められないでいる。この現状のままで、それを無責任にも、次世代に先送りすることは許されない、ということを深く考えるべきである。 |
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4)先に述べたように、政府は1998年の地球温暖化対策推進大綱制定以来、原発増設や設備利用率向上を対策の柱にして省エネ・燃料転換・再生可能エネルギー普及対策とそれを保証する政策を先送りし、大口排出源の対策を業界自主計画まかせにし、石炭火発増加も容認して来た。このことが90年以降の日本の排出増の主因である。原発の不祥事もあり、原発建設は大幅に延期され、今後も延びるだろう。安全性などの問題を度外視したとしても、急を要する地球温暖化対策には、原発建設はまにあわないし、実際には他の対策を先送りして温暖化対策を妨害する。原発は地球温暖化対策には、時間的にも、コスト的にも、なりえない。基本法案から原発推進規定を外し、環境省ロードマップの原発増設・設備利用率向上の試算を撤回して2005年レベルに引き下げ、省エネ・燃料転換・再生可能エネルギー普及対策とそれを保証する政策を中心に組み立て直し、基本法とその後の大口排出源削減義務化、とりわけ火力発電所の排出総量削減義務化政策具体化を行うべきである。 |
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5)地球温暖化対策は、必然的に人間にふさわしい雇用をつくりだすものでなければならない。そのためには、世界的に軍事費を削減し、地球温暖化対策と貧困の克服に回さなければならない。また、現行の原発が、核兵器開発として軍事的に開発され、核兵器の拡散と結びつき、核テロの標的になるなどの側面もあり、原発の拡散は危険である。 |
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日本は以上の内容を踏まえ、世界の世論をリードする自覚を持ち、責任を果たすこと。 |
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