道路   
2010.06.03 
 
道路全国連から 
 国土交通大臣への要請書 
 
国土交通大臣 殿   
     2010年6月3日
      道路全国連(道路住民運動全国連絡会) 
       事務局長       橋本 良仁
       
       
   要 請 書
   
 はじめに 
   
  新政権が子ども手当ての支給、高校生の授業料の支給、母子加算の支給、被爆者救援やミナマタの和解など新たな変化が生まれていることに敬意を表します。
  また、新政権は「コンクリートから人へ」の方針を示し、無駄な公共事業の削減を掲げていたことに私たちは期待をしていました。
  しかし、2010年度の予算を見るかぎり、道路などの公共事業では従来の自公政権と変化が見られません。「コンクリートから人へ」の転換に大きく舵を切ることが重要です。
  昨年の要請では、広島県福山市の福山道路について関係住民から、住民への説明責任や合意形成について多くの要望が出されました。また、東京外郭環状道路や首都圏中央連絡自動車道の費用対効果分析のあり方に対し、とりわけ時間短縮便益計算でのネットワーク図やリンク、その他周辺道路の設定について、バックデータの開示が強く要請されました。
  2010年3月19日の参議院決算委員会における小池晃議員の質問に対し、馬淵国交副大臣は、今後は積極的に情報開示を行う旨の答弁をしました。本要請の各項目に対し、誠実な回答を期待します。
  また昨年は、出席される貴省担当者が、全員係長クラスであったことは、たいへん遺憾です。担当者は、少なくとも課長クラスといった責任をもって回答できる職位者の出席をお願いしたいと考えます。今回は、この点での改善を強く求めます。 
    要請事項
   
 1 2001年3月、国土交通省福山河川国道事務所・広島県・福山市は「朝夕のラッシュ時ばかりでなく、慢性的な交通渋滞が発生している状況」として福山道路・福山西環状線・福山沼隈道路等の都市計画決定をしました。 しかし、この道路建設は福山市の中心市街地を横断し、多くの家屋の立ち退きや大気汚染など環境破壊が危惧されること、人口減による交通量の減少、費用対効果の数値の低下など多くの問題を含んでおり、計画発表から10年以上経っても未着工で、住民の反対運動も続いています
   
 @ 福山市中心市街住宅密集地の約550戸以上の立ち退きを求める道路計画はやめて下さい。
   
 A 福山道路等は「朝夕のラッシュ時ばかりでなく慢性的な交通渋滞の解消」を事業目的の一つにしていますが、「朝夕のラッシュ時ばかりでなく慢性的な交通渋滞」は発生していません。事業目的が崩れている福山道路等の建設は中止して下さい。
   
 B 福山市瀬戸町山北地区では現在も設計協議中で住民との間で協議を重ねているところですが、事業者は都市計画決定範囲内に居住している住民に用地補償をしています。設計協議中で事業範囲が確定していない福山道路の用地補償は住民の不信を増幅しています。設計協議中の用地補償は直ちに止めて下さい。
   
  因みに、広島県は設計協議中の用地事務はできないと文書回答しています。
   
 C 事業者によると平成22年の福山道路(16.5km)の予測交通量(長和IC〜瀬戸JCT)は42,900台。平成42年予測交通量は49,100台に増加しました。 
  ところが平成21年3月の点検結果、福山道路(3.3km)では予測交通量は22,800〜30,100台と減少しています。費用便益比2.5→1.8→1.5(平成21年3月点検結果)をみても過大な予測交通量だったことは、明らかです。 
  ホームページでなく文書でわかりやすく説明して下さい。
   
 D 福山道路・連絡道・福山西環状線の予定地に山北町内連合会の山北上1班と2班の24軒が生活していますが、福山道路等の出入り口(ランプ)ができることで殆どの家が立ち退きになり、まちが消えます。既に道路計画の賛否により、長年培ってきた人間関係をこわすトラブルが起きています。
   
  このような道路づくりは止めて下さい。 
   
 E 瀬戸町山北地区では境界立会に協力できない地権者はその旨を文書で事業者に提出しています。私たちは住民の合意形成がされていない境界立会・現地作業は認められないと11回の抗議と申し入れをおこなってきました。 
   
  住民合意のない道路づくりは中止して下さい。
   
 F 福山道路と連絡する福山西環状線・福山沼隈道路は広島県の事業は、国が補助している事業です。広島県は2009年8月18日、福山西環状線にかかわる駅家町近田沖町内会で住民合意を図ることなく、町内会の役員のみと設計協議確認書の調印締結を強行しました。 
   
  同じく広島県は福山沼隈道路でも設計協議を町内会長会だけにはかって設計協議を終了しました。なお、芦田川右岸の中ノ丁町内会では、町内会の取りまとめはしないとの約束を反古にしています。
   
  福山沼隈道路の瀬戸熊野線でも熊野町鳴地区町内会長が了解していないのに、熊野町自治会連合町内会長が確認書の締結をしています。
   
  このように町内会・自治会を通じての強引な確認書を締結するような道路づくりは中止するよう広島県を指導して下さい。
   
 2 事業評価(費用便益分析)、費用便益分析マニュアルについて(資料1/10〜10/10) 
   
 @ 首都圏中央連絡自動車道のH18年事業再評価(愛川〜八王子)における交通状況変化の資料において、推計時点H42年の「整備なし(A)」、「整備あり(B)」の費用便益計算の前提となる道路ネットワーク図を示してください。 
   
 A 首都圏中央連絡自動車道H18年度事業再評価(愛川〜八王子)、同H15年度事業再評価(海老名〜厚木)、同H15年度事業再評価(茅ヶ崎〜海老名)、同H15年度事業再評価(金沢〜戸塚)の各事業再評価における交通状況の変化  Bその他道路合計は、それぞれ11833.1km、1115.4km、1096,7km、1660.0kmとなっており10倍もの差異があります。その他周辺道路合計に、どうしてこのような差が出るのか、その他道路合計の設定条件とその差の出る理由を示してください。Bその他道路合計が、403070.6kmと大きな値となっているが、その理由を示してください。
また、この費用便益計算の前提となる道路ネットワーク図を示してください。
   
 B 東関東自動車道水戸線(三郷〜高谷JCT)のH20年度事業再評価において、交通状況の変化Bその他道路合計が、403070.6kmと大きな値となっているが、その理由を示してください。
また、この費用便益計算の前提となる道路ネットワーク図を示してください。