国土交通省は26日、道路整備の中期計画の基になる道路需要の見通しを下方修正した将来推計を同省の審議会に正式に提示した。人口減少などを反映して、前回推計でピークとした2020年で比べて約13%と大幅に引き下げた。車の通行台数は増え続けるとしていた同省は「10年で59兆円」という中期計画を揚げてきた。これを転換する内容で、年内に作る新計画で圧縮を迫られる可能性が高まった。
新しい将来予測では、車の台数に一台当たりの走行距離をかけた数値(走行台キロ)は05年実績の7690億台キロから微減が続き、20年には7560億台キロになるとした。02年にまとめた前回の将来予測では「20年に8680億台キロでピークを迎える」と今後十数年の増加を見込んでいたが、既に足元の道路需要は減少に転じている可能性があるとの見方に改めた。
背景には少子化や若者の車離れにより自動車保有台数が減っていること、短い距離を使うことが多い軽自動車の割合が増えていることなど自動車を取り巻く環境の大きな変化がある。こうした予測を踏まえ、同省は個々の道路整備をするか判断するための基準を厳しくする方針も掲げた。
将来の道路の需要が減り、造る基準も厳しくなれば今の中期計画から外れる道路整備が出てくる可能性がある。また同省は新たな中期計画を作るための基本的な考え方も審議会に示した。これまで十年だった中期計画を5年に短くした上で整備コストの圧縮などを進める。ただ総事業費は盛り込まない。同省はこの方針を基に、年内に新たな中期計画をまとめ公表する。
