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▼No.共通2-4
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世界最古の自然保護法を持つ日本

「日本は世界最古の自然保護法を持つ国である」という指摘もある。いずれにせよ、日本は、自給の条件を守りぬくために、永年、営々と努力を積み重ねてきた国である。
自給するということは以下のような努力をするということである。
それを忘れて、日本の国土、表土、水田、森林、生産農民、生産技術が大切にされないで放置されようとしている。それでは、地球温暖化が問題になる時代に生きられるのか、生きられないであろう。

「自然保護といえば私たちは、ヨーロッパが大先輩だと思っている。専門家ほどそう信じている。事実そのように教えられている。だが実は日本こそ、世界最古の自然保護法を持つ国だったのである。(下線:引用者)
それもはるか昔、この国土に国家が成立して間もなくのこと、国政レベルで「山の木をきりすぎるな」「保護して森林を繁茂させよ」という法制度が敷かれている。
すでに律令時代から「山川藪沢の利は公私これを共にす」という大原則が敷かれ、森林は公のもの、みんなのもので、一領主などが私してはならぬと戒められていた。政府は大山守部、山守部を置いて林野行政に当たらせている。こうした背景には、昔から人々が共同して山を守り、共同して燃料や肥料など山の恵みを分かち合い、共同して水を利用してきた歴史があったからである。
さらに溜池の築造に当たっては、堰堤にも木竹が植えられたし、くりかえし起こされる堤防工事にも、ニレやヤナギを植えるよう、工事の人数、工期などとともに、具体的指示が出されるというふうであった。そして平城天皇の大同元年(806年)、山城国大井山(嵐山)からの土砂流失が激しいため、伐採禁止令がだされている。さらに弘仁12年(821年)太政官府は、「浸潤のもと、水木相生ず。然らば即ち水辺の山林は必ず須らく繁茂せしむべし」として水源の山々の禁伐を定めている。
これが世界最古の保安林立法といわれている。世界最古の砂防法といってもよいし、世界最古の自然保護法といってもよい。何のためにかといえば、水田が洪水に流されぬよう、また、水田に引く川の水を確保したいためであった。
「つまりは「米の文化」の所産である。」

(富山和子著『環境問題とは何か』(PHP新書、58~59㌻)

「なぜそれができたのであろう。例えば、対岸の中国や朝鮮は、私たちの先祖様の国であり、文化の大先輩の国である。けれど歴史の早い段階から、森林を荒廃させてきたくにであった。なぜ日本だけが。それが三十年来の私の謎解きであった。
回答は「米」であった。日本の「木を植える文化」とは、「米の文化」によって実現されている。その間を取り持ってきたのが「みずであった。

(富山和子『前掲書』40㌻)