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▼No.環境3-2
TITLE
食料危機の打開策
食料危機とそれを克服する道

1-1-8「日本の食料危機の実態」の最後で、「1戸当りの農地面積国際比較」(1-3-11-①)の資料を見ながら、日本の農業のおかれている地理的条件の不利的状況をみて、「もし日本で、農業の自給率をあげることができたら、日本にとっての朗報だけでなく、持続可能な世界をめざすすべての人にとっての朗報であると述べて、日本にとっての最大の地球温暖化防止対策は、日本における食料自給率を向上させることだと断言した。
まさに、食料自給率を引き上げることは、そうした意味を持つのである。

1.食料自給率を高める政策をどうつくるか

―食料自給率向上は、消費者・市民自身の問題であることを明確にする食料主権(=自らの食の安全保障をつくりだすために、食料自給力向上とそれを可能にする食文化をつくる権利)は人間の尊厳を守る根底的な権利である。
同時に、そのことが出来るか出来ないかで、それぞれの国において、【人間にふさわしい仕事づくり】ができるのか出来ないのかがきまってくる。その意味で、両者は同時に追及されるべき課題である。そのことなくして地域経済の自立もないし、地域に民主的な地方自治体を作り出すことはできない。
そのことは同時に、フードマイレージ(資料1-3-11-②)、ヴァーチャル・ウォター(資料1-3-11-③④)問題を「地球温暖化防止対策」にそって解決していくので、実際には、最大の持続可能な社会づくりともなっていくのである。
自分の食べるものの5割は、「地域・国産で自給」をするのは、人間が生きるうえでの義務である。可能ならば、4分の3は自給すべきである。そして、より望ましいのは、自ら自給するか、それが不可能な場合でも、地域共同の自給運動に参加することである。地域共同の自給運動とは、地場の産物の生産に従事する人もおれば、直接の生産に従事はしないけれど、その産物を普及することに参加し、農民の収入を保障し、生産の継続に貢献する人もいる、そして、お互いが顔の見える関係をつくるということである。具体的には、産消提携を発展させることになるであろう。
市民農園活動をやる、援農をする、地域の総合的な発展に協力することなどもあるであろう。
経済混乱におちいったロシア、キューバを救ったものは、なんであったか、の教訓をふまえれば以上のような行動が重要になる。

2.地産地消の社会的システムをつくる
1)地産地消のシステム
①地産地消促進のために、大企業中心のシステムでなく、地域の中小生産者と多様な購買主体が生き残るシステムの開発が必要である。
ルート集荷、ルート配送、ITを使った「需給のマッチング・システム」を、共同の力でつくる。同時に、地場産品を活用したレシピも工夫する。その際、郷土料理店、学校給食、地元生鮮店なども、そのルートを利用できるシステムとする。流域圏での上流・下流の連携、食文化の継承。
②食品価格が一見、高くなる感じがするが、工夫することで、健康によく美味しくて安い食生活様式(食文化)をつくりあげることができる(資料⑥)。
生協、郷土料理店、街の生鮮食品店、学校などで食育、食文化のネットワークをつくる。
a.旬ものを工夫して多用することが結局「お値打ち品、質の重視」につなげることができる。調理できる食文化。和食は安い(ご飯一杯35円)、和食を普及できるのは消費者・市民しかいない。
b.近海魚を多用することによって、漁業者も助かる、消費者も助かる道を探求する
c.安物買いの場合、食品廃棄が多くなる、これをやめる、2割は捨てているというデーターもある(資料⑪)。特定健康食品や健康器具頼りよりバランスの取れた食生活を選択する。
d.輸入食品と国産食品では栄養の含有が違う(前者が高い)
e.食品が高いといっても、農家の手取りは少ない、使った食料費の多くが、レストランなどの加工費、小売のマージン等に消えている、この配分を第一次生産者に多くなるように仕組む。
f.本当の意味での合理性(産消が責任を取り合う経営)の実現。
2)学校給食で地場産を使うシステムをつくる。
3)政府は、以下の政策を行い、公約である食料自給率50%実現に責任を負う
そのために以下の政策を行う。
①遊休地・耕作放棄地で、えさ米制度、米粉加工品制度をつくる。
②WTOで食料主権を訴え、国際的な理解を得る。
③直接所得保障制度を充実させる。
④生産費の保障を行う制度を確立する。
4)地方自治体は、地域の食料自給率向上を目的とした一貫した政策を確立し、実施する(愛媛県今治市の例)
5)地方自治体は、水を守る地域政策を確立する
6)地方自治体は、地場の農業と食料関係の中小企業・社会的企業体の自立を支援する計画をつくる。
 そのためには、地場で活動する農民と中小企業者・社会的企業体が自立できる条件を整備することが決定的に重要となる。