07年からの世界穀物価格の急騰は、すでに、途上諸国の食糧危機をいっそう悪化させている。エジプト、フィリッピンやアフリカの諸国では、食を求める暴動にまで発展している。
事態は、人類の歴史の中でも、かってなかった食糧危機に発展しつつある。
そして、この危機は、さらに長期化する、深刻化する様相である。
「筆者による2030年の世界食糧需給予測では、バイオ燃料、人口爆発、穀物供給の伸びの制約から、食糧不足は、(現状と比べて)大幅に悪化する」
その理由は、昨今の世界的な食料危機が、以下7点述べるような構造的要因に根ざしているからである。
第1に、地球温暖化の影響を受けて、各地に、多雨、洪水、大台風、大ハリケーンなどの異常気象が起き、他方では、世界的に高温乾燥天候も常態化している。それも穀倉地帯を見舞っているため、小麦などの収穫減少という結果を生んでいる。
第2には、水不足が顕在化していることである。
気温が1度上がるごとに、収穫量はほぼ10%減少するというのが、従来からの経験則であった。「一般的に作物は、高温乾燥天候下では、水分の蒸発を抑えようとして葉をきつく巻く性質があり、このため光合成が低下して生育が止まってしまうからである」
加えて、国連は、このままでいくと2025年には、世界人口の半分の35億人が水不足で苦しむことになると警告している。
第3に、世界的な収穫面積の減少である。
世界における戦後の収穫面積を見ると、1965年には6億6000万haとなり、81年に7億3000万haのピークまで増えたが、その後、2000年代に入って、6億6000万ha前後で推移している。これだけ食糧危機が叫ばれているのに、収穫面積が増えないことは、地球上で、収穫面積を増やす余力がなくなってきたことを示し始めたかもしれない。
第4に、世界中での単収の伸びが止まったことである。
世界中の単収は、この40年の間に、1.38トンから3トンへと倍増してきた。ところが2005年ごろから、単収の伸びが止まり横ばいになってきた。
その原因も、一時的な要因ではなく、①気候変動のマイナスの影響が現れた、②地力がだんだんと低下して、化学肥料を多投入しても、反応しなくなった、などの構造的な要因が作用しているという意見が出始めている。
第5に、相変わらず増える人口増である。
第6に、とうもろこしなどがエタノールとなり、自動車の燃料などに代えられているという問題が起きていることである。
アメリカの場合、エタノール生産は、2005年の2000万トンから2007年の5000万トンに増加し、ついに輸出を超えるまでになっている。この問題も、構造的な問題である。
第7に、食料投機資金による買占め、売り惜しみが目立つようになってきたことである。食料が不足することが明らかならば、投機資本は儲かるということでどっと入ってきている。
以上あげた7点の理由は、いずれも簡単に解消しない事項であり、食糧危機の深刻さを物語っている。
これは、より詳しい問題提起を別に行う。
肝心なことは、①日本としても、国内の食料自給率を高める政策を確立すること、
