生ごみを堆肥するときCO2はでます。堆肥は土の中で分解します。このときもCO2はでます。しかしながら、これらのCO2は作物が光合成によって大気中から除去したCO2ですから、大気中のCO2の増減はありません。したがって、これらのCO2は温暖化に寄与しません。生ごみを燃やすとき、大量の助燃材を燃やしますから温暖化を引き起こします。なお、生ごみ以外の有機廃棄物についても同様です。
日本で1年間に発生する生ごみの全量を燃やすと、助燃材から出るCO2は炭素量で200万t程度です。日本におけるバイオエタノールやバイオディーゼルなどのバイオ燃料によるCO2削減は最大でも40万t(炭素量)を超えないでしょう。これから考えると生ごみを燃やすことにより発生するCO2量はきわめて大きいといえます。
さて、生ごみを炭化して土に入れたらどうなるでしょう。
堆肥は土の中で結局はCO2になりますが、炭化させれば土の中でもCO2になりません。日本の生ごみ全量を炭化して農地に入れれば、CO2を出さないのですから温暖化防止に寄与します。その量は1年間に数十万t(炭素量)程度でしょう。
日本は1年間のCO2排出を現在より5,000万t(炭素量)早急に削減しなければならないことはすでに述べました。これに対して生ごみの炭化によるCO2削減は数十万tですから、それほど大きな削減量ではないように思われるかもしれません。
しかしながら、炭化して得られる炭粉は農地に入れると土をやわらかくし、通気性、水はけ、栄養塩類の保持、さらには病虫害の軽減などの土壌改良材として認められています。すなわちCO2削減と土壌改良の一石二鳥の効果が期待できます。
日本では生ごみ以外にもさまざまな有機廃棄物が大量に発生します。これらを利用する多くの提案はあります。しかしながら、炭化することによって温暖化防止へつなげる提案はあまり共有されていません。
今後はその可能性と限界も調査・研究する必要があるでしょう。なぜなら、たとえば山林で生産され分解される落枝・落葉を炭化すれば、CO2削減は1,000万t程度と巨大であり、かつ地力を向上させることを通じて国土を豊かに保全するからです。
